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第62話 理に則り果てへと逝かん ❸
城之内にお弁当を頼み、運ばれると皆で食事をした
堂嶋は「昼からは具体的な案を出して、話を擦り合わせられる様にお願いします!」と言った
康太は「それは烈に言え!オレ等は試練の間だけ見たら会社に顔を出して仕事しねぇとならねぇかんな!
竜馬と貴史が代理で出てくれてるけど、決算時期が重なってるかんな!
社長決算ねぇと動かなくなるんだよ!」と謂う
モヨモヨとお弁当を食べてる烈は弥勒と話をして楽しそうに食べていた
「やっぱ此処のお弁当は美味しいわね!」
「だな、たまに澄香を休ませる為に我が家も、此処のお弁当の日があるぞ!」
「それは良いわ!其れより御守りの売れ行き凄いんだって?」
「そうなんだよ!今は年始の初詣の為にせっせと作ってる!」
「人手がいるなら手伝うわよ!」
「倅が手伝ってくれてるんだよ!」
「親子で作る御守り、キャッチコピーにしようかしら?今度タウン誌の取材あるから、弥勒も出なさいよ!」
「俺は遠慮してぇよ!そう言うのは!」
「そう?すみちゃん出るのに残念ね!」
「え!澄香出るのかよ?」
「だって三姉妹が守る楽巌寺!と謂うキャッチコピーなのよ!
出なきゃ始まらないじゃない!」
「それもそうか!なら俺も出ても良いぞ!」
凄い心境の変化だった
烈は笑って「近い内にタウン誌来るから、その時はお願いね!」と言った
お昼を食べ終わると、康太と榊原は帰って行った
昼からは保養施設3階へ場を移して話し合いを始めた
烈は「改めて、此方の御二人は国会議員の堂嶋正義さんと三木繁雄さんです!」と紹介した
宗教団体はトップは宗教団体の名前と自分の名を名乗った
烈は「じゃ、特異点に立つ人間の選別と行きましょうか!」と謂う
緑道は「特異点に立つのは覚悟しておるからよいが、力負けしたらアウトなのじゃろ?
ならば大丈夫なのか?」と不安要素を口にする
「ある程度の術者を前面に立たせ、後方支援はそこそこの力持ちでも良いからさせる事になるわ
禍を跳ね返す、それは即ち鏡の反射に値する
術者をカバーする事になるわね!
カバーの方法は術者の後方で鏡のパネルを渡すからそれを持ち支援するしかないわ!
まぁ古典的な感じに想うかも知れないけど鏡は古来から禍を跳ね除ける力があるのよ!
だから鏡を合わせてはならないとされてるのよ!
合わせ鏡は霊道開いてしまうからね
自ら禍を呼ぶ事となる!
まぁ今の100均とかで売ってる小さい折りたたみの鏡とか見たら、合わせ鏡のヤツもあるのよね!
ボクはあんなの開けた瞬間、禍来るじゃない!と怖くなるわよ!
それ程に鏡には力があるのよ!」
烈はそう言い特異点を描いた紙で説明を始めた
「4区画(4都市)8区画(8大都市)をカバーするには、この特異点に立ち、禍を跳ね返す必要があるのよ!
その時、人はなるべく一つに集まり、影響を受けない様にする、って言うのがベストなんたけど、無理だからね!
だから禍を迎え撃つ前に結界を張るしかないと想うのよ!
その結界も特異点に立つ者は物凄い呪力消費するわ、だから予備の存在も必要なのよ!
だから結界を掛ける人、禍をはね返す人、と言った感じで分けるに限るのよ!」
と解りやすく説明した
宗教団体のトップ達は8大都市の中に自分達の宗教団体が入っているのを見て苦笑した
裏と表高野山のトップは「ならば我等は裏と表、2区画を担当いたす!」と謂う
ノロとユタは「ならば我らは沖縄、離島も合わせて担当致します!」と宣言
各地の宗教団体が特異点に名を書き込む
緑道は「ならば我等は東京と神奈川を、烈、主は人集めに策を弄してくれ!!」と謂う
堂嶋は「人を人所に集めるのは何故ですか?」と尋ねた
「禍の障壁を受けて暴動でも起こされたら困るからよ!どんな動きするか?
解るなら苦労はしないわよ!
解らないから警戒して、禍をなるたけ浴びせない策は取りたいのよ!
一気にエネルギーは放出され、人の世もそのエネルギーの衝覇を受けるのよ!
其れが鳳凰が齎す【禍】とされてるのよ
ボクね誕生してないから詳しくは解らないけど、賢人や賢者に聞きに、その禍は人にも何らしかの影響を与えるだろう!と言われたのよ!
だから一気に放出される3時間は、結界の中で護りたい思いがあるのよ!
まぁ3時間拘束すれば大丈夫なのか?と聞かれても、ジワジワと人を歪ませるかもだから、何とも言えないわね
でも直撃と違い、軌道修正は可能なんじゃないかなって想うのよ」
「どの様に人に影響を齎すか?解らないのは怖いですね………」
「そうなのよ、今の鳳凰が誕生したのは天魔戦争終盤戦に差し掛かった時と言われている
それを知る神は…………魔界でも………一握りの神しかいない!天界もガブリエルしか知らない………
忌日にさえ遺ってないからね!
今回 ちゃんと忌日を遺す事にしたのよ!
其れが…………四半世紀先の倭の国の役に立つかも知れないからね!
その頃には神々だって黄泉の旅路に出てしまっているかも知れない
だから、こそ、正義ちゃんが忌日に遺すのよ!
そして国会議事堂の資料室に遺して置くと良いわ!」
「誰も知らない鳳凰の禍………ですか!」
「そう、ボクなんか誕生すらしてなかったからね
…………天魔戦争の覇者………素戔鳴尊は知っていた
けど、闘いに疲弊して………何時禍起きたのかさえ、良く解らなかったと謂うからね………
ボクもお手上げよ!」
「ならばなるべく、人を禍の衝覇に当てない様に工夫する必要がありますね!」
「そう、だけど【R&R】でxmasイベントしたとしても、年齢の層は高校生から社会人多めなのよ!
オリヴァーにチケット購入者の年齢層を調べさせたのよ!
だなら年齢層高め世代をどうするか?
そしてお子様世代、幼児、小児、小学生、中学生世代をどう取り込むか?
と謂う問題もあるのよ
其れ等の年齢層をどうやって禍を浴びせない区画に誘導出来るか?なのよね」
「家の中じゃ駄目なのか?」と緑道は問い掛けた
「まぁ家って普通に暮らすには気密性も高く安全なんだけど、空気みたいな禍を相手に効果あるのか?解らないからね………部屋に入ってれば安全とは言えないのよ!」
堂嶋は「ならば、どうするのですか?
家の中が安全なら、テレビで工夫を凝らして、主婦世代は番組途中に出るワードを集め答えて景品、残念賞でも応募で貰えるなんて番組にすれば見ませんかね?と提案しようかと思っていたんですが………」と頭を抱えた
烈は「まぁ結界である程度は線引は出来るとは思うのよ………でも念の為に………と思ったんだけど、人を一つの場所に集めるのは………不可能だって思えて来たわ!
ならば工夫を凝らさなきゃ………ならないわね……
集まる人は助かって、集まらない人は助からない
なんて不公平な事になるなら、最初からやるへきじゃないからね!」と現実を口にする
表高野のトップが「其れでもやらぬよりはマシじゃろうが!集まるのが不可能で、家の中で過ごす存在には自治体とかに動いて貰い、年末年始の門松の紙だとか言って絶対に貼る事を義務付けるとか?したらどうであろう?」と提案した
烈は瞳を輝かせ
「その発想はなかったわ!
でも配って貼ってくれるかしら?」と問う
「地方とかは町内会から配られる門松の紙とかを貼る家とかもあるから、可能ではないかと想う
まぁ昨今 不景気の波が来て、各家族も増えて町内会に入らぬ者も増えて来ているから………難しいかもだけど、言い様は何とでも後付けは可能であろう!
まずは貼らせる!それに尽力するしかなかろうて!」
「そうね、それは良いアイデアだわ!
ならば早急に禍除けの護符を作らなきゃ!
アレはコピーは駄目なのよね?」
「コピーは………効力は把握しておらぬな!
ならばコピーした後に大量に作った護符に呪文を植え付けるとかはどうであろう?」
「其れが可能ならば各家庭に一枚配布も無理じゃないわね!」
沖縄のノロとユタは「エイセイを里帰りさせ若い子は一処に集めてウロウロせんようにと言うのは不可能な事かな?」と問い掛けた
「ええ、エイセイを里帰りさせて手助けに協力出来たなら一石二鳥だし可能よ!」
「ならば一番大きな体育館へ放り込み、ウロウロする若者はなんとかなるなら、我等は動くとしよう!」と約束してくれた
「承知したわ!二元中継にして沖縄と配信放送として主要な区域の体育館とか協力を申し出て貰い、配信と言うカタチは取れます!
配信は無料にしたいけど、受信の状況の確保、それを見られる状況は自治体でやって貰いたいわ!それまでお金はかけられないからね!」
烈が謂うと堂嶋は「自治体と連携してxmasコンサートと銘打ち、自治体が格安の費用を負担して取り行うのは可能です!」と謂う
緑道は「ならば幼児と高齢者か!」と呟いた
三木は「幼児は人気なキャラの背信を無料で見られる様にするのは可能です!
そうなると、母親と小さい兄弟も一緒に見る事になるので、護符対策して家で見てもらえるのが一番かと?」と提案した
高齢者はどうするか?考える
阿賀屋が乱入して来て烈の横に座ると、鷹司も紫園も横に座った
阿賀屋は「高齢者ならば、日本の歌とかに出て来る演歌歌手とかにコンサートやらせて配信すればええやんか!」と謂う
紫園が「榊夫妻にも一肌脱いで貰えよ!」と提案を出した
「ならシオ君が二人の曲に合わせて能ではなく、舞いを曲に合わせて踊りなさいよ!
勿論 美しい女性のメイクで着物着て踊ったらどうなのよ!」
「烈!!それは嫌かも………」
「あら?なら工夫して協力してよ!」
「了解した!お前の為ならば、我等はどんな無理だとて喜んで引き受けると決めておる!」
「それは嬉しいわ!
それでは皆さん、12月24日まであまり時間はありません!
逐一会議して擦り合わせも今後は難しくなるかも知れません!
なのでzoomで連絡を取り合いましょう!」
ユタの責任者は「そうじゃな、わし等も沖縄に帰ればそう何度も此方へ出向くのは不可能となる!」と謂う
ノロの責任者も「すり合わせの連絡を取りつつ、本番前日、全体会議を開けばよいであろうて!
それまでに我等は準備をしておく!」と宣言した
表高野は「ならば、我等は護符をどうやったら大量に作れるか?協議をして参ります!」と今後の予定を口にする
裏高野は「我等は特異点を拠点に完璧な結界を張る準備に入ります!」と言う
各宗教団体も自分の持ち場を完璧に結界を張り、禍を跳ね返す準備に入ると言い帰って行った
皆 話し合いを終え帰って逝くと、緑道はお茶を飲んで「疲れるわい!」とボヤいた
烈は「シオ君、一希を連れて来てくれない?
ボクが連れ帰るってママに言って連れて来てね!」と謂う
紫園は部屋を出て保養施設を出て行くと、京香の所へ行き「京香、一希何処よ?」と問い掛けた
京香は本堂を指さし「寝ておるわ!」と告げた
紫園は一希を抱っこして荷物を持つと
「烈が連れて帰るから、京香は姉妹と茶でもしてゆっくりしてろよ!」
「有り難うなシオ!ならそうさせて貰うとするわ!」
太極拳の片付けをして事務所へと向かう
管理者の京香は菩提寺の仕事全てを担っているのだ
道場や保養施設の利用、体育館の利用等も管理していた
其れを事務所でPCを開いて管理して逝くのだ
幼稚園でも管理の仕事をしていた
だから菩提寺の仕事も苦ではなかった
むしろ毎日が楽しくて仕方がなかった
京香は帰りは姉妹とお茶しなきゃ!とウキウキで仕事を片付けていた
一希を抱っこして戻った紫園は、一希を烈に渡した
受け取り烈は「重っ!」とボヤいた
緑道は「その子は………?」と尋ねた
「一希よ!ボクの子なのよ!」
烈が謂うと一希は目をパチッと開けて緑道を視た
『最近 悪夢に悩ませれてはおらぬか?』
脳に直接話し掛けられ緑道は驚愕の瞳を一希に向けた
「悪夢………アレは悪夢と申すのか?
節子が死す夢を何度も見る………」
『お前、呪い受けておるぞ!』
烈は「それズバッと言っちゃうのぉ!」と驚いて叫んた
『ネガティブな夢で精神を削られておる!』
「あ〜愛する節ちゃんが死んだ夢なんて緑道の精神はそんなに持たないわよ!」
『ならば近う寄れ!さぁその額を此方に向けるがいい!』
緑道は言われるまま一希に額を近付けた
一希は緑道の額に印字を斬った
すると緑道の背後から【ぎゃぁぁぁぁ〜!!!】と謂う悲鳴が響いた
『エロさが足らぬから夢などに弄ばれるのじゃよ!』
カッカッカッ!と笑う
烈は「緑道は真面目が服着てる感じだからね!」とボヤいた
緑道は「エロは先代の専売特許!儂はエロさなど要らぬ!」と言い切った
烈は「この子は緑道の先代の気質を受けてエロいあかごと言われてるのよ!」と話す
緑道は「儂は何時呪われたのじゃ?あの宗教団体の中の誰かに呪われたのか?」と呟いた
一希は『あの団体が鷹司に弓引けば明日はないのは承知しておるから、やらぬよ!
強いて謂わば、最近逢った者を疑うべきじゃろう!』とキッパリと言い放った
緑道は最近逢った者…………を思い出す
一希は緑道を視ていた
そして緑道は一人の男を思い浮かべた
「高等部時代の友に逢ったが……まさか?」
『其奴じゃ!心不全で他界して明日は通夜じゃな!』
「え?それは………」
『呪いを跳ね返した、即ち鷹司緑道に掛けた呪いが倍になり返って来た
生きてなどおるまいて!
儂は飛鳥井へ行き烈の傍で育っておるから、最近は父の真似をして仕返しは倍返しと決めておるのじゃよ!」
「何故友は儂を狙ったのじゃろ?」
『それは知らん!主は呪われていた!
そしてその呪いは跳ね返され、本人に返った
それだけの事じゃよ!』
烈は三木に一希を抱っこさせ
「さぁ帰るわよ!繁雄と正義たんはうちに来るんでしょ?
ほらほら真央たんも、獅童もシオ君も帰るわよ!」と急かした
そして緑道に「また明日ね!緑道!」と言い保養施設を出て行った
緑道は一人になり…………鷹司家実働部隊に友の名前を告げ調べ上げるように指示を出した
謀る様な奴ではなかった…………
何かがあり、そうせざるを得なくて………呪ったと想いたい………
保養施設を出た烈達は緑道を気にしていた
堂嶋は「…………友なれば………キツいな!」と呟いた
三木も「何故、そうしたかは分からないけど………
そうか、常に警戒態勢の中にいる漢だって、友の前には警戒を解くと言う事かな……」と言葉にした
烈は「緑道、やっぱ呪われていたのね………
ボクも……もしや?とは思ったわよ………
でも緑道に限って?と思っちゃったからね!」と本音を話す
一希は『あの揺らぎが解らぬとは未熟者目が!』と叱りつけた
「揺らぎは解ったわよ、でも鷹司家ご当主に『貴方呪われてるわよ!』とは言えなかったのよ!」
それを意図も簡単に言っちゃえる一希、恐ろしい赤子である!
オフィースビル隣の立体駐車場に車を停め、新居へと向かう
堂嶋は「え?何処へ行くんだ?」と問い掛けた
「家に帰るのよ!」
「え?病院の裏じゃないの?」
三木は叫んだ
「新居に移ったと言ったじゃない!」
烈達が帰った直ぐ後に阿賀屋の屋敷の者に送られて、阿賀屋、鷹司、紫園が追い付き帰る
烈はIDを翳してロックを解除すると通用口から家の中へと入った
靴を持ち玄関へと向かう
烈は慎一を呼びに行き
「慎一きゅん 一希 先に帰って来たからね!」と告げた
慎一は「ならば俺が見てるので烈は着替えに行くと良い!」と謂う
烈は自分の部屋に行き着替えに行った
堂嶋と三木はお茶を飲み一息付くと、上へ報告を入れた
だが、イマイチ話が壮大過ぎて………自治体や経団連まで動かさねばならぬならば議院を招集して話し合わねばならないので帰還して下さい!と帰還命令が幹事長から出され戻るしかなく、慎一に駐車場まで送って貰い帰って行った
夕方 会社から帰って家族全員で夕飯取った
食事を終えお茶を飲んてる家族に烈は
「明日から年内一杯、家族全員菩提寺へ通い、武術の基礎トレをして戴きます!
訳あって世の中が乱世に突入したかの様に騒がしく物騒になるので、家族にはこの機会に全員黒帯習得目指して頑張って貰うつもりです!
黒帯の者は紅白帯目指して貰います!
ついでに栗栖と有栖兄弟も鍛錬に励んで貰う予定です!」と報告した
一陽は「あの………家族全員に俺等もカウントされるんてすか?」と問い掛けた
「当たり前じゃない!一陽たん、エイセイ、みかちゃんもヨーコもね!
家族全員、武術の底上げをして迎え撃つ気で、間者を投げ飛ばす武術は身に付けて貰いたい!
あ、間者と言っても病院とかにいるのではなく、刺客の事を指します!
乱世の世を生き抜く今 弱い奴から削られ命を落とす事になる!
此れは冗談や脅してなく、真実を語ってます!
一番先に狙われてお陀仏になりそうなのは、エイセイ、一陽たん、みかちゃんかしら?
その次が慎一きゅん………」
慎一は「え!俺は聡一郎より先にお陀仏コースですか?」とボヤいた
「慎一きゅんは、そーちゃんの危機回避能力を知らないから言えるのよ!
不穏な空気感じたら真っ先に物陰に隠れて気配を消すのよ!ねぇカズそうよね?」
一生は話を振られると笑って
「だな、聡一郎の嗅覚は結構鋭いからな
我先に逃げて隠れるの上手いぜ?」と謂う
慎一は信じられず「嘘!俺、腕っ節は強いと思ってたのに………」と唖然と呟いた
烈は「それを言うなら一陽たんも腕っ節なら負けないつもりだけど、喧嘩と武術は違うのよ!
今のままじゃ………年末乗り越えられるのか?
不安よボクは………大きな禍が来るからね
暴動 乱闘 デモ 今、現在 全国各地で起きてるのよ
それに巻き込まれたら?完全にアウトよ!
まぁそーちゃんも逃げ足をもっと早く出来る様に太極拳頑張って貰おうと思うけどね!」と聡一郎を見て言う
聡一郎は「……僕は………暴動 乱闘 デモ……一番に逃げますから!」と謂う
「でもね逃げられない状況になったら?
どうするのよ?その為にも日頃の鍛錬は必要なのよ!
と謂う事で飛鳥井の家族の武術の底上げを実行します!
強いては会社の社員達にも、いざという時の為に昼休憩には太極拳やらせてるわ!
陣内が皆に太極拳を教えてくれてるからね!
禍は確定事項、揺るがない禍が降り注ぐ
我等は日頃の鍛錬を活かして巻き込まれない努力をせねばならない!」
康太と榊原は何も言わずに座っていた
清隆は「大きな禍?それは確定なのですか?」と問い掛けた
「そうよ、この倭の国に禍は降り注ぐ事になるわ!
もう既に敏感な者達は肌で異変を感じて不安を募らせてるわ!
だからこそ、日々の鍛錬のグレードを上げて、備えないとねらないのよ!
何時 何処で 暴動は起きるか?解らないのだからね!」
瑛太は「それで最近は飛び回っていたのですか?」と尋ねた
「そうね………ボクもね知らない禍だから、どう対処して良いか?解らないのよ!
ボクで解る事ならば答えられるし、対処も出来る
でもね解らないから、どうしたら良いか?
解らないのよ………でも現実は待ってはくれない
対策をせねばならない為に政府や自治体は振り回されているわ!
だからこそ、飛鳥井の家族も何があっても対処できる為に鍛錬しないとならないのよ!
いざと言う時に、逃げられる様に基礎体力の向上が必要となるのよ!」
烈が謂うと康太は口を開いた
「烈が言ってるのは真実だ!
一生や聡一郎なら………肌で感じてるんじゃねぇのか?」と問い掛けた
聡一郎は「そうですね………電車に乗っててイライラしてる人見るようになりましたね!
だから電車とか交通機関乗るのは少し怖く感じますね!敏感な子なら………やはり肌で感じますよね?この禍は全ての人に降りかかる災厄だと!」と答えた
一生も「此れは避けられねぇ運命だからな………
必ずや来る禍だ、避けては通れねぇ禍だ
まぁその禍は何だと聞かれても、人は理解するのは難しいかもな………」と言い淀み謂う
烈は「そうね、話しても見た事もない生き物の誕生によるモノだと言われても………困るわよね」と困った顔をして呟いた
レイは「ちっちぇーきょと きにちゅんな!」と叫んだ
「レイたん!」
「くる ときは くる!それらけ!」
レイが謂うと玲香は「そうであるな!来る時は何があっても来るのならは、我らはその対処をして困難を乗り越えて行くしかない!
そうであろうて!」と言いレイの頭を撫でた
一希は『鳳凰の禍か………儂は生まれてもなかったからな、アドバイスも出来んわ!』とボヤいた
「いっくん、ボクも生まれてすらなかったから解らないのよ!」
『まぁ来るなら立ち向かうだけじゃろ!
この家の婦女子は儂が護ってやろう!』
「…………その時は頼むわ!」
『飛鳥井は誰一人欠けてもならぬ!
儂はこの家が好きじゃからな!』
御影が「当たり前じゃないか!もぉ擽っちゃうよ!」と脇をコショコショすると一希は笑っていた
烈は「緑道呪ったの………ボクに災厄押し付ける為かしら?」と思い出して呟いた
『狙いは飛鳥井烈、緑道は利用されたのじゃよ!
ジワジワ緑道を弱らせ呪い続ける
そしてコントロール出来る様になった時、その手で飛鳥井烈をぶっ刺し殺す!
そんな絵図が見え隠れするのじゃよ!』
「………利用されたわね緑道…………
ならば此れは友人単独の話じゃなくなるわよ
裏に………手ぐすね引いてるのいるじゃない!」
『じゃろうな!」
「まぁ迎え撃つから良いけどね………緑道は繊細な子だから心配ね……」
康太は飲んでたお茶を噴き出した
榊原が慌てて布巾を取り拭いていた
鷹司は「兄者を繊細な子と言えるのは、この世で宗右衛門だけじゃな!」と久しぶりに遊びに来た鷹司がボヤいた
そして「兄者………呪われていたのか………」と呟いた
康太は「それは確定なのか?」と問う
「いっくんが跳ね返したから、明日は通夜だと言ってたわよ!
そしてその通夜の友人とやらが………呪った本人よ
でも裏があるんだとボクといっくんは踏んでるわ!」
「この時期にまた厄介な事を…………あぁこの時期だからこそなのか?」
鷹司は「我が兄を呪う輩は我ら一族が許しはせぬ!」と燃えて………姿を消した
烈はそれを見送り「あ〜、今頃は裏の実働部隊が動いてるのに………」とボヤいた
康太は「オレ等もうかうかしてると呪い掛けられるぜ!友に会うにも慎重にならねぇとな!」と笑って言うと聡一郎が「人間不信になるわ!」と叫んだ
一希が『呪いなど儂が跳ね返しやるわ!』と言いカッカッカッ!と笑い飛ばした
玲香は一希を抱っこして
「主は本当に優しくて家族思いじゃな!」と謂う
一希は幸せそうに笑っていた
翌日から朝6時に菩提寺に集合させた
早瀬頼朝 倭の国へ来たシャステナ、栗栖、有栖も駆り出され太極拳をやる事になった
志津子も義泰も久遠も引きずり出して、本堂前の広間はかなりの大人数で始まる太極拳
深く息を吸い込み、静かに口から吐き出す
指先まで神経を行き届かせ繰り広げる太極拳だった
太極拳が終わると道場で鍛錬をする
兵藤は烈とお手合わせして貰い、柔道をしていた
小さいが中々手強い………
「力むな!力任せにしちゃ駄目よ!」と怒られる
「相手の気を詠むのよ!
そしてその時、相手を投げ飛ばすの!」
烈の後は一生がお相手してくれていた
この男………紅白帯だった
兵藤は「お前………紅白帯なんだな………」とボヤいた
「あぁ、親父殿達が菩提寺に来ていた時に、カズも黒帯、紅白帯取るのよ!と扱かれたんだよ!」
飛鳥井は響や奏まで鍛錬をしていた
凛と烈は薙刀で手合わせしていた
かなり練度の高い戦いを繰り広げていた
竜馬が3分キッカリに「終了!」と謂う
凛は「クソ!宗右衛門には敵わねぇな!」とボヤいた
烈は息を乱し「竜胆との対戦はヒヤヒヤするわ!」と言った
そして「竜ゅー馬 母ぁーさんが鍛錬付けようとしてるから、竜ゅー馬阻止して来てよ!」と指差す
指先には康太が笑顔で兵藤に「お相手致す!」と言っていた
竜馬は慌てて「こーちゃん、駄目だって!貴史は俺と手合わせするんだから!」と謂う
康太は「ちぇっ!」と残念がり玲香と闘っていた
流石赤帯、玲香は嗤って康太と闘っていた
そして3分終えると「良い汗かいたわ!」と汗を拭った
祖父と叔父は息遣いの鍛錬を課題に出していた
太極拳の息遣いは全ての気を巡らせる
朝から疲れる訳にはいかないから、闘いの基本を思い出させてからの鍛錬とした
英生は冷や汗モノだった
何この家族…………強過ぎん?
御影は「飛鳥井は家族は滅法強いんだよ!
俺なんて小学校にも入ってない烈に投げ飛ばされたからな………」と当時を思い出し謂う
烈は「エイセイ、来るのよ!」と謂うと「掛かってきなさい!」と告げた
英生は烈の腰紐を狙い飛びかかり投げ飛ばそうとした
すると逆に英生が投げ飛ばされていた
「ほらほら、隙だらけよ!
そんなんじゃ暴漢に襲われたら即ボコられ死ぬわよ!」と謂う
京香が「我が基礎を貴史と共に教えるとする!」と謂う
「ママ、有り難う!」
響と奏は一つになると絶対な力を出して
「あ〜もぉ~ちまちま闘うのは面倒じゃわい!」と叫んだ
康太は飛び蹴りをして
「おめぇら力を過信すると、力に負けるぞ!」と正座させ滾々と説教した
響と奏は2つに分かれ泣きながら
「「ごびんにゃしゃい!!」」と謝った
「んとによぉ!日々の鍛錬を面倒臭がるなよ!」
慎一は「康太、子供ですから!」と響と奏を抱き上げて撫でた
そして我が子に渡す
和希と和真は二人を渡されると一人ずつ抱っこして、撫でた
一頻り鍛錬をして飛鳥井の家に戻り朝食を食べる
皆一汗かいた後だから美味しそうにご飯を食べていた
朝食を終えてシャワーを浴びて汗を落とし、スーツを着替えて会社へ出勤して行く
この日 烈は何故か飛鳥井の家を出て、蔵持運送へと向かった
「ぜんちゃん会社へ行って良いかしら?」
と言われ蔵持は『はい!何時でも来て下さい!』と答えた
ケントの車に乗り蔵持運送へと向かう
ケントは駐車場に車を停めると
「俺はどうします?」と問い掛けた
「車の中で待ってて、その後に鷹司に行かないと駄目だから!」
「了解しました!」
烈は車から降りると蔵持運送へと入って行った
受付に「社長は居ると聞いたけど?」と話し掛けると、受付の男性は笑顔で「はい!伺ってます!奥へどうぞ!」と言った
烈は社長室のドアをノックすると、蔵持がドアを開けた
「ぜんちゃん、久しぶりね!」
「どうされました?」
「蔵持運送株式会社の本社ビルが完成したのよ
それで、その事を言いに来たのよ!」
「本当に………そんな大層なビルに入っても良いのかい?」
「良いのよ!ぜんちゃんには沢山世話になったもの!ボクの出来る精一杯よ!
あのビルはオブライエン@JAPANも入るからまだ建設中なんだけどね、【R&R】のビル一つと、蔵持は完成したのよ!
だから何時でも引き渡せるわ!
しかもあの商業ビルはセキュリーが凄いのよ
まぁ出勤して来た者達は車ならID装着しないと入れないし、社員はICチップ入りの社員証持たされ!所持してないと会社にすら入れないけど………
其処までのセキュリティーしないと怖くて会社なんて経営出来ないわよ!」
「ならば、烈が引っ越ししても良いよ!と謂うなら引っ越ししようと思う!」
「一度会社を見に来てよ!」
「解ったよ!」
「日付決めても良いの?
其れとも都合の悪い日とかあるかしら?」
「私は何時でも構わないよ!」
「ならラインで送るわね!」
烈はそう言い立ち上がろうとすると
「あ、烈!!」と呼び止めた
烈は「何かしら?」と問い掛けた
「飛鳥井引っ越したのかい?」
「引っ越しのバタバタで教えてなかったわね
そうなのよ、引っ越ししたのよ!」
「何処へなんだい?」
「そんなに離れてないわよ!
何時でも遊びに来てくれて構わないのよ!」
「え?近くなのかい?」
「そうよ」
烈は立ち上がると蔵持の耳の傍に近寄ると、新しい家を教えた
「あぁ………そんなに離れてないんだね………」
「そうよ、だから何時でも来てくれて構わないのよ!ぜんちゃんとボクは友達じゃない!」
「烈………烈………そうだね、そうだね………」
「また時間合えばお茶しましょうね!
そして忘れる所だったわ!
新しいビルに入ったら、このビルは貰うからね」
「あぁ、そう言う約束だったね!」
「それと…………凄く言い難いんどけど、お願いもあったのよ………」
「何だい?聞くよ何時でも!」
「…………なら近い内に和華ちゃんと一緒に飛鳥井に来てくれないかしら?」
「了解したよ!今夜にでも和華子と共に行かせて貰うよ!」
「なら今夜ね!」
烈はそう言い立ち上がると、蔵持運送を出て行った
ケントの車に乗り烈は鷹司の家へと向かった
鷹司の屋敷の傍に逝くと、鷹司と阿賀屋が待ち構えていた
烈はケントを「もう帰って構わないわ!」と言い返した
ケントは「其れでも何かあれば呼んで下さい!」と言い帰って行った
阿賀屋は「来ると思っておったわ!」と謂う
鷹司も「昼は梨紗子が作っておるわ!安心なされ!」と謂う
「別にお昼の心配なんてしてないわよ」
烈は鷹司に連れられ屋敷の中へと入って行った
緑道の屋敷へ足を踏み込むと、緑道が待ち構えていた
客間に通されると緑道は
「昨日は済まなかった!」と謝罪した
「別に良いわよ!一希が跳ね返しただけで、ボクは何もしてないから!」
「あの赤子……嫌 今は少し大きくなり乳児か………儂の死により青葉が無理矢理孕み産んた赤子だけあり力が強いのじゃな………
まさか、あの様な乳児に呪いを跳ね返して貰えるとは思ってはおらなんだ………」
「まぁ緑道は死する運命だった
だけど、ボクがそんなに簡単に死なせる訳ないじゃない!
閻魔大王様には鷹司緑道が来たら即座に蹴り飛ばして生き返られせて頂戴ね!と頼んであるし!
節ちゃんを未亡人になんかしたら許さないんだからね!」
「…………あの赤子は………処分するつもりじゃった………」
「そんな事貴方に出来る訳ないじゃない!
地蔵菩薩の錫杖持てる貴方が、赤子を殺せる筈などないのは解っていたわ………
でも仕来りに則り………悩んでいた
そんな夫を見かねて節ちゃんはボクに引き渡そうとした!
もうね、飛鳥井に組み込まれた子だから、あげないからね!
飛鳥井、鷹司を始めとした摂家 五家、鳳凰院家
有栖院家 観音寺家 西園寺家 神宮寺家 三大寺家 豪徳家、一条から始まる五条家まで等の是正もされる方と成りました!
是正を司る者 飛鳥井一希、彼は今後飛鳥井の一族の腹の中に生まれ、1000年続く果てへと逝き
監視をなされる方となられました!
身分は真贋 宗右衛門と同列、彼には誰も逆らえないのよ!」
緑道は深々と頭を下げた
「緑道が赤子を手に掛けた瞬間 その錫杖は貴方の手を嫌うわ!
またそんな思いを抱いた瞬間、地蔵菩薩の慈愛に満ちた錫杖は持つ資格はなくなるのよ!
それはね正真正銘、地蔵菩薩が手にしてる錫杖だからね!後輪までセットなんだから解るわよね?」
「あぁ、手にした瞬間、その力を感じた………」
「だから緑道は引け目など感じなくても良いのよ
面倒な事はボクが引き受けてあげるんだし!」
「面倒な事と言えば……節子の叔父の家………引き受けられたとか?
家具とかは穢れは祓い申したが………家は根深いモノがある………」
「あの家の妖怪は隠世へ行ったわ
幽霊は魔界から鬼ちゃん達呼び寄せて閻魔大王様の前に出され輪廻を辿る為に修練の旅に出られたわ………もうあの家には何もない………
離れは険しい雑木林に飲み込まれ永遠に出現する事はないし、もうただの家よ!
あ、返せと言われても返さないからね!」
「誰も返せとは申さぬよ!
宗右衛門殿には………御迷惑をお掛け致した!」
「別に迷惑だなんて思っていないわよ!
一希は儲け物だし、屋敷も家具も儲け物だったわ
本当に緑道夫妻にはお世話になったわね!
で、貴方を呪った奴、もう調査出でるんてしょ?
やはり悪夢で弱らせボクを手に掛けさせる気だったのかしら?
でもそんなのは駒でしかないわよ!
本丸はもっと別の奥深い闇に紛れているんでしょうね!」
「烈………すべてお見通しか………
我が 裏の実働部隊を動かして調べた事が総て当てられるとは………」
緑道は言葉もなかった
が、阿賀屋が「それ言ってたの一希だぞ!
んとに末恐ろしいわ!あの赤ん坊は!」とボヤいた
鷹司は「エロいしな!本当に赤子かよ?と思う事何時もあるしな!」とボヤく
緑道は「一希が申していたと謂うのか………」と唖然と呟いた
「そうね、一希が言っていたわね!
だからこそ、ボクは来たのよ!
不器用な緑道にとって………その友はかけがえのない友だったんでしょ?
きっと身内か身近な者が、緑道の友を操っていた奴がいるのよ!
其奴が………黒幕と繋がっているのよ
元を辿れば宮内庁と嘘付いて縁談持ちかけた奴等と同じ所へ繋がっているかもね
そしてもっと深堀りするならば………一陽たんを陥れた大仏武士を操り資金を吸い上げていた……教団とかにも繋がってるかもね
黒曜石で出来てる輩の息が掛かってるんでしょうね!」
「一陽とは………烈に仕える者だと聞いたが?」
「彼の生まれ持った名前は門倉仁志
数十年前 桜林学園に喧嘩を売り、母ぁーさんがボコボコにして、更生させ飛鳥井建設で働かせていた男よ
彼は従兄弟に良いように使われ、桜林に喧嘩を売り、表面上は従兄弟とは縁を切ったけど………
門倉を利用する為に女を使い、良いように使わ貢がされ、挙げ句ボクを殺す駒にされ、ボクを追いかけ回していた奴なのよ!
地獄に落として、顔や姿を変えて戸籍も変えて弥勒院一陽となり、ボクに仕えてくれている人よ
そして門倉仁志の従兄弟の名前が門倉武士
悪さばかりして名が知れ渡っていたから、女の戸籍に入り大仏武士となった男よ!」
「大仏武士………その名前には聞き覚えがある
節子の叔父の愛する人の子が………数年前に行方不明になり、血眼になり探していた
が、去年、実行犯の女が埋めたとされた土地を示していたから掘り出したら遺体が発見され………
歯型で身元が分かり、DNA鑑定の結果………叔父の恋人の娘と判明した
その主犯格の名前が大仏武士だったと聞いた
叔父の恋人はショックのあまり寝込み………娘が生き甲斐だっから………遺体が発見されて以来
何度も娘の後を追い………自殺未遂を繰り返し………失意の中亡くなったと聞いた
愛する子だけが生きがいの恋人を、叔父は大層大切にしていた
娘が嫁いだら結婚しようと誓っていた………それ程に娘を大切にして恋人を愛していた
その娘を手に掛けたのが大仏武士とその愛人とか聞いた………
まさか……こんな所へ繋がっていようとは…な!」
「門倉はねロクデナシの従兄弟に人生を狂わされていたのよ!
親が金持ちで会社を経営していたから、一族は皆その会社に入っていた
門倉は従兄弟の罪を被らされ、落語者のレッテルを貼られた
それでグレて、でもグレても従兄弟の影が必ずあって………良いように踊らされていた
完全に縁を切って飛鳥井建設に入れたのは、我が母 飛鳥井康太
なのに門倉は道を踏み外し………惚れた女に良いように使われて悪へと染まって行ったのよ
女には借金があると言い、門倉は女の借金を返す為に、大仏からの指令でかなりヤバい仕事をしていた
惚れた女の為に、門倉はどんどん沼にハマり……
堕ちて行ったのよ!
挙げ句 ボクの命を狙ったから人の世では事故死させて地獄へ突き落としてやったのよ
まぁ死者側じゃなく、管理側にね
そして悪縁を絶ち、別人になり人生を始めた
本当に人を弄びやがる奴等だったわ!
菩提寺の納骨堂の建設中に、富士の樹海から骨を拾ってバラ撒いた莫迦がいてね
その中の一人の魂が大仏武士と謂う人物に殺されたと訴えて来たのがキッカケだったわ
まぁ今も捜査中で全ての遺体が掘り起こされた訳じゃない!
そして使途不明金、政治献金、等などを解明中な話だからね
終わっちゃいない話よ!」
緑道は一陽の話を聞き………やるせない思いに囚われていた
烈は「其れよりも禍が先よ!鳳凰の禍を少しでも跳ね除け市民の安全を優先しないとね!」と釘を刺す
緑道は「あぁ……そうであったな………」と気を取り直した
「其れで、葬儀には逝くの?」
「嫌、行かぬよ、葬儀に出ると謂う友に香典は渡しておいた!
儂は………抜けられぬ仕事があると話をした!」
「賢明ね、葬儀に行ったらカモネギだったものね
ならば、踏み込んだ話し合いを政治家としないとだわね!」
「であるな、時間がない故話し合いを詰めて行かねばならぬ!」
「ならボクは帰るわね
飛鳥井で一族の者が他界したから、その子の預け先を考えねばならないのよ!
次代を継ぐ者だから…………下手な人に預けられないし……ね!」
「次代を継ぐ?それはどのポジションなのじゃ?」
「次代の源右衛門を継がれる方よ!
神日本磐余彦天皇であられた方は今世、生死を分ける状況下で誕生された
ボクは彼を助ける為に熊本まで出向き、死ぬ目に遭った!
余命幾ばくもない親族に任せていたが、次々と黄泉へ渡られたから、預け先を考えねばならないのよ………転生者の名前は飛鳥井耀
今は菩提寺に一旦預けているわ!」
「主が熊本に行った話ならば獅童から聞いておる
その時はまだ主等は………表向きな交流がない為に出られなかった………と悔しがっておったわ!」
「そうなのよ、その時初めて神威のお披露目だったからね!
で、源右衛門を継ぐ者の保護者が死したのよ
まぁ、元々が癌で余命幾ばくないと言われてたから、長生きした方ではあるけどね
妻が死に、後を追う様に夫の方も亡くなった
あぁ、その子の父親は妻と子を捨てて、再婚したのが上間美鈴だったのよ!
上間は花柳悦郎と恋人関係になり、私生活まで監視する様になり拒めばストーカーになったヤバい女だったわ
その上間、悦郎にストカーしてる癖に佐々木蔵之介と内縁の関係になり蕪村の資産総て手中に収め蔵之介をポイしたのよ
その後に飛鳥井の人気の美容室をやってる男に目をつけて、内側からジワジワと家族を洗脳して行ったのよ
睡眠と食事を制限して思考をコントロールして、上間は男の両親に妻子を虐めさせ虐待させ離婚に追い込み追い出した
嫁を追い詰めた………と、男の両親は死ぬつもりだった
それを生かしたのは我が母よ!
そしてその贖罪の為に孫を育てさせていた
その子の保護者がね、いなくなったから両親になるべき存在を探さなきゃなのよ!」
「………何か………まるで網目のように………何処かと絡まり繋がり…………更に搦まっておる………
何だ……この恐ろしい繋がりは…………」
「元を辿れば一つへ行き着くわ!
所謂 駒よ、総ては人の愚かな想いを食い物にして糧としている化け物の仕業よ!」
「一時期、我等も白の聖教団と謂う宗教団体を監視しておった事がおる………
それは国からの要請で見張っておった事じゃが………」
「その教団、傀儡作っていたからね!
骨さえ手に入れれば入れ替わり自由だから!
そして洗脳にも特化してて、まぁ洗脳と謂うより脳を弄っていたのよ!
其れにより………一人の男は死んだ事になり今も日々無くなる記憶に………役者になる夢も捨てなきゃならなかった………」
「それは誰なのじゃ?」
「花柳悦郎、上間美鈴の元婚約者よ!
彼は脳を完全に弄られていた………だから東都日報の社長の様に………簡単じゃなかったのよ」
「その方は今………何をしてるんですか?」
「未だに………社会復帰は無理だから………別荘の管理人として白馬にいるわ!」
「今度………合わせては貰えぬか?」
「良いわよ………でも………逢ったとしても翌日には名前さえ忘れてしまうわ
脳が治ったとしても変形してるから仕方ないんたけどね………
もう自分の名前すら解らない………そして時々悪夢の様に思い出すのよ………」
「それ、儂の術で何とか………なるやも知れぬ………」
「え?緑道ってそんな力持っていたかしら?」
「その昔 鷹司は傀儡を捕獲した後、上書きをして働かせておった過去を持つ……
一族の者が傀儡にされた事があるからな…………明治の頃より編み出した術式なのじゃよ!」
「え?明治の頃に………傀儡いたの?」
「表には出ぬが………我等は道士が遺体に何か施したのか?と思った事がある
中華の国では其れも可能だと、政府から聞いた事があるからな………
その傀儡と想われた奴等は、皆 痛覚を持たず
突っ込んて来て自爆しておった
で、文献を蔵から持ち出して一族の者とで、烈が宮内庁へ提出した【傀儡】と謂うのと照らし合わせた
そしたらどうやら?道士が施した遺体とかではなく、傀儡として人の歹を用いて作られた、生きてる人だった
と明記されている文献を目にして、あれば傀儡だったのだと話し合い一致した
ならば、我等は傀儡を上書きして自我を持たせ、人として生かした実績を持つ
それ故に傀儡と呼ばれた者達も、何とか出来はせぬか?と主に相談しようと思っておった所じゃ!
脳を弄られた痛覚のない者達も、儂らの術により寿命は生きて老衰て死した実績もある!
これ以上の被害を出す前に、助けられる者がいるならば、助けたいと申し出る所であった!」
「ならば一縷の望みに賭けたいわ!
どんな希望もあるのならば…………悦郎を………取り戻してあげたいのよ!
彼には両親もいる………姉妹もいる………
だけど何も覚えておけれない現状に………悦郎はまだ家族の記憶がある内に…………と死亡証明書を発行させ送付させたのよ
花柳悦郎は死した…………として親や姉妹に永遠の別れを告げたのよ…………」
「何とも可哀想な事になっておるのだ?
本当に………我らを弄ぶ輩が………憎いな!」
「憎しみで殺せるならば、ボクは呪い殺していたてしょうね…………」
緑道は烈の思いが痛かった
「近い内に、其奴を連れて参れ!」
「解ったわ!連れて来る時は連絡入れるわね!」
「其れよりも烈、二階堂の家にあった着物
あれ等は総て友禅の一級品でたった
なので節子の知り合いが着物のリメイクを手掛けておる染師をしておるから、渡しておいた
リメイクした着物で節子と梨紗子等も連れて、歌舞伎にでも共に行ってくれ!」
「それはばぁしゃん達喜ぶわね!
で、リメイクってどんな感じで仕上がるのかしら?楽しみだわ!」
「花の部分を錦糸で縁取り別物に生まれ変わらせるらしいと申しておったが、我等にはサッパリだからお手上げじゃわい!」
「楽しみにしておくわね!
其れと緑道、近い内に裏山の滝、あれレイたんに言って創世記の泉の水と交換して貰うつもりだから!やっぱ鷹司も内側から気を付けなきゃだから飲料水やお風呂にも使用して浄化しまくりなさいよ!」
「それは嬉しい!ならばレイ殿には何やらお礼をせねばならぬな!」
「レイたん喜ぶわ!
じゃボクは梨紗子のお昼を食べに行くわね!」
そう言い立ち上がると阿賀屋、鷹司、紫園は烈とともに立ち上がった
チャッカリ着いてく気満々の弟に緑道は苦笑した
鷹司は自分の屋敷へと烈達を連れて行く
そして用意してくれたお昼を皆で食べた
阿賀屋は「耀、誰に託すのよ?」と問い掛けた
「和華ちゃんに頼もうと思ってるわ
菩提寺から遠くなりたくないからね!」
鷹司は「其れより烈………経済的に厳しいのか?」と突飛もない事を聞いて来た
「え?ボク?ボクんち?ヨニー?どっち?」
「お前が、金欠病なのかと………」
「まぁボクは365日金欠病よ!
竜ゅー馬はそれをケチと謂うんだけどね
其れよりどうしてなのよ?」と問い掛けた
「…………元蔵持邸のビル売りに出しておったのじゃろ?あれば建ってまだ1年位であろう?」
「あぁ、元蔵持邸に建てたビル売りに出していたわね!
セキュリティー重視のビルだったから、売りに出したら即座にご購入されて売れたわよ?」
「それ程に金に困っておるのか?」
元蔵持邸のビルはセキュリティー特化した10階建てのビルだった
「あそこはね………蕪村建設を入れようと思って建てたのよ…………
まだ蕪村が倒産する前は、あの建物と土地を担保にして交換しようと想っていたのよ
でも………蔵之介は頭弄られていたし………直ぐには社長業に戻れないからね………困っていたのよ
だから事務所として使おうと思った時もあるけどね
兵藤の家も建てないと駄目だし、立体駐車場もオフィースビルも建てたかったのよ!
そして新しい兵藤さんちのお隣に2階建ての家も建てたかったから、売ったのよ!
其れに動物病院も近くに作りたいからね
資産の整理したのよ!」
阿賀屋は「あ〜東条と東条弟と佐々木は洗脳と脳多少弄られていたんだったよな………
ドキュメンタリーで流れてたの見たな」と思い出し呟いた
「今ね、1000年続く果てへと続く為の飛鳥井建設を建設中なのよ!
もうね、2年経つけど完成予定は来年の7月よ
其れにも結構 費用要ったからね
売れるビルは処分して売ってるのよ!
神野達が入ってるビルは今年中に取り壊しを始めて更地にして売り出すわ!
その時 ヨニー©ウッズスタンが入ってるビルも取り壊して売る予定よ」
紫園が「ならば八雲動物病院の入ってる、そのビル一億で俺の知り合いに売りつけてやるよ!」と言った
「シオ君の友達?そんな金持ちいた?」
「いたぜ!俺の御贔屓の応援者 天羽家当主辺りなら買ってくれないかな?」
「…………シオ君 今日で友達やめましょう!」
「え!烈!!何でだよ!」
紫園が叫ぶと阿賀屋が
「天羽は飛鳥井康太を狙ってる
そんな危険な奴に売ったら漬け込まれるからだろ?」と話す
鷹司が「其奴、烈に熱烈なラブコールしてるぜ!そりゃ、警戒して当たり前だろうが!」と紫園の頭をポコンっと叩いた
「大丈夫よ、ボクの恋人が買ってくれるから!」と笑った
阿賀屋は「恋人??烈の恋人か?誰よ???」と首を捻った
「まぁ本当の恋人とかじゃないけどね!
前世よりの心の恋人 南雲詩、彼女とは生前かはの約束があるのよ!
恋人と謂うよりも盟友なんだけどね!」
「南雲詩……今世もいやがったのか!」
「そりゃいるわよ!約束だもの!
ボクの盟友の倅 宮瀬蓮司 南雲詩が筆頭となり
飛鳥井宗右衛門 イーサン・オルディス、サムエル・ウォーカー
そして【R&R】のメンバーだけど、闘病中で休みだったけど取り敢えず復帰したフレディ・ホワイトが、建築に特化した専門学校を建設するから、宮瀬建設に依頼中なのよ!」
「あぁ…………フレディ………復帰させて良いのか?」
もう長い間 【R&R】のメンバーの中にフレディがいない状態だった
「もう大分良いのよ!
でも術後だったから様子見させる為に白馬の夏生ちゃんに預けて静養させていたのよ!
悦郎も其処で共同生活させて働かせていたのよ
母ぁーさんも父ぉーさん祖父母も心配してくれてね、今年の夏に白馬へ行かなかったのは騒がしくしない為みたいなものだったから!」
鷹司が「病気だったのか?」と問い掛けた
「フレディは耳鳴りが酷かったのよ!
其れはもぉ音も拾えない位にね!
メンバーには内緒でかなりの病院へ行ってたみたいなのよ
でも中々病状は改善されなくてね………
フレディはメンバーを抜ける気でいたんたけど、メンバーはそんな事絶対に許さないわよ!
で久遠先生ぇーに相談したら、良い医者を紹介してくれてね
其れで三叉神経痛の症状も酷く出てて、オペしたのよ!目眩も酷くて時には起きれない程にひどくて………日常生活が送れなくなっていたのよ」
「知らなかった………」
「言ってないからね!
でもフレディは【R&R】のメンバーだから!
ボクと竜ゅー馬、ヘンリー、サムエル、ダニエル、イーサン、デービッド、そしてフレディで【R&R】だから!
でもフレディの休みを気取られる訳にはいかなかったからね
オリヴァーが表舞台に出て数合わせしてくれてたんじゃない!」
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