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第63話 理に則り果てへと逝かん ❹

阿賀屋も鷹司も紫園も全く知らなかった あれ??【R&R】メンバー足らない?? ん???嫌、人数ちゃんといるな! と思って来た 言われてみればフレディいなかった 烈は「フレディ・ホワイトは有名な設計士だから、耳は聞こえなくても仕事入って来るのよ! 其れでも彼は【R&R】のメンバーだから、治る努力をしてくれてのよ そして久遠先生ぇーはスーパードクターと呼ばれる程の名医を紹介してくれたのよ 今は激しい音は無理だけど、少しずつ生活に音楽入れて過ごしているわ!」と話す 鷹司は「耳はデリケートな場所だからな 日々の生活は苦労なされたであろうて!」と話す 「彼の世界から静けさと、音楽が消えた…………騒音まみれの耳鳴りに襲われ、音が拾えなくなって来た フレディは【R&R】を抜けるとメンバーに告げたわ きっと迷惑になるから………って身を引く気でいた だけど我等【R&R】は絶対にフレディの脱退は認めなかった フレディが辞めるなら【R&R】解散しましょうか?と謂うと皆 賛成してくれたしね!」 遣り方は強引だが思いは伝わる 阿賀屋は「誰一人抜けても【R&R】じゃねぇからな!」と謂う 「そうなのよ、フレディは今裏方の仕事してくれてるわ! xmasのイベントには特注の骨伝導の音だけ拾う耳栓して参加出来そうだと言ってくれてるし! 頑張らなきゃなのよ!」 「なら国立競技場 約八万人規模のイベントするなら押さえてやるぞ! 屋外だから国立競技場を取り囲み半径を決めて鏡の反射鏡を作って、イベントの中でも上手く持参させて禍を少しでも跳ね返したらどうよ?」 「其れ良いわね!沖縄と繋げて二元ライブやらないとね! 【R&R】のメンバーもミッション終えて飛鳥井へ帰って来てるから全面協力をお願いしてみるわ」 「そう言えば【R&R】のメンバーいなかったな?」 「イギリスでやる事があったのよ! でもそれ終えたからやっと戻って来たのよ昨日! 今朝は時差で寝てたからね!」 阿賀屋は笑い 「ならば我も動くとする! 主要なクランド、競技場等、ライフ配信で押さえてやっても良い! どうせ政府が動くのであろう? ならば材料は多い方が良いからな! 飯食ったら俺は少し動くとする!」と言った 「ボクは来客待ちだから家に帰り………来客を待つわ!」 紫園は何も言わなかった……… お昼を食べ終わると烈は梨紗子にお礼を言い、鷹司の車に乗せて貰い紫園と共に飛鳥井へと帰宅した 烈は自分の部屋に行きスーツを脱いでジャージに着替えて来ると、応接間へと向かった 応接間からテラスへと出て、窓を開けてワン達を出す 今もワン達の散歩は外注だった 【R&R】ハイク便の社員達が日替わりで、ワン達の散歩に出てくれるのだ 朝 8時に病院横のマンションの前にワン達を連れて行けば、出勤して来た社員達がワン達の散歩に出てくれ、其れをノーギャラでしてくれてるのだ 「社長んちのワン達の散歩は楽しいので、其れで給金を貰おうなんて思ってないってば!」と言ってくれてる 【R&R】バイク便急送と社名を変更して、制服とヘルメットを作り、仕事用のバイクは用意した 基本給と歩合手当 福利厚生は手厚く、正社員だから社会保険も使えた メンテも完璧にしようと、メンテの仕事してる子達いない?と聞くと整備士工場に勤務してる子が数人入社してくれた 好きなバイクを仕事に出来、尚且つ正社員で固定給と+歩合で給料貰えるなんて、夢のような話だと、最初は半信半疑だった だけど髪が金髪だったり、元暴走と謂うと正社員では雇ってくれる会社は滅多となく……… また資格もないからバイトの掛け持ちで生活していた 整備士工場にいた子達もかなりブラックな会社だったみたいで、自分の担当の仕事を上げなきゃ帰れない程の職場だった 今じゃ正社員として仕事して、尚且つ服装や髪型は自由で、社訓はあるが交通ルール、社会のルール、それさえ破らなきゃ別に良い!的な事を社長が謂うから、皆伸び伸びとやっていた 烈はテラスに座ってワン達を見ていると、大空が暖かな紅茶を持って来てくれた 「有り難う、かなにー!」 「僕達も此処でお茶するから大丈夫だよ!」と言い皆の分をテーブルに置くと翔 流生 音弥 太陽も椅子に座った ワン達は楽しげに走り回っていた 流生は「やっと木にショーするの直ったよ!」と話す 「それは良かったわ! お茶してるのにプ〜ンと臭うのは勘弁だものね!」 「そうそう、それね!」 まったりとした時間を過ごし、烈は夕日に庭が染まる頃 蔵持にラインを入れた 「何時でも来てくれて構わないので、飛鳥井記念病院の横のマンションの前まで来て下さい!」 『なら、此れから向かわせて貰うよ!』 烈は携帯を閉じると「ボク少し出て来るわね!お客さん来るからお茶の準備をお願い!」と言い家を出て行った 烈は玄関横の扉を開けると地下へと降りて行き病院横のマンションへと出た マンションのドアを開けて出ると蔵持と和華子が待っていた 烈は二人に「其れでは着いて来て下さい!」と謂うと二人は烈と共にその場を離れた 地下の通路を通り新居へ向かう 新居の玄関の横の扉から出ると、玄関のドアを開け家の中へと入った 烈は応接間へとお通しした ソファーに座り、出されたお茶に口を付けると蔵持は「烈、話って何なんだい?」と問い掛けた 「ぜんちゃんと和華ちゃん………レイたん位の子を育ててくれませんか? 飛鳥井はこれ以上は無理なので……御二人に頼みたいのです! 里親的な感じでお育てして欲しいのよ!」 蔵持は和華子を見た 和華子は結婚していた経歴がある……… が、子供を所望する姑には孫はまだか?と催促されまくり………挙げ句、3年子無しは去れ!とまで言われ離婚した過去を持つ 以来、再婚する気はなかった だけど蔵持に出逢った瞬間惹かれ、結婚した 和華子は「私に子育てが出来ますでしょうかね?」と呟いた 「乳飲み子じゃないから大丈夫よ! まぁ和華ちゃんなら乳飲み子だって育てられるわよ!うちの一希の面倒見てくれるし、離乳食も作ってくれてるじゃない!」 蔵持は「その子の親は………いないのかね?」と問い掛けた 烈は母親が家から追い出されるまでの壮絶な資料と、その後身寄りのない母親は山の神に受け入れられ、先祖の墓に入った事 そして祖父母に育てられ、祖母は癌で他界して、祖父も後を追ったかの様に……息を引き取った 今は菩提寺の職員の者に面倒を見て貰っている そして二人の前に耀の写真を置いた 蔵持は「………私は我が子となるべく子を見捨てた過去を持つ………血は繋がらぬとも、私の子として生まれたのに……私は我が子に想いも何も抱かなかった………」と辛そうに吐き出した 烈は「この子は飛鳥井の礎に入った源右衛門を継ぐ者だから、貴方達にはあげられない だけど、この子を引き取った後、和華ちゃんは妊娠するわよ!この子を引き取らねば妊娠する事はない、なので選んで下さい!」と告げた 和華子は信じられない顔して烈を見た 「私は不妊………と散々言われて来ました……… それが原因で義母からは……かなり虐められましたから……… だから私は二度と結婚はしないと決めた だけど………叔父さんも烈も絶対に幸せにしてくれるから!と言ってくれたから結婚した 幸せよ、子を欲しがられない生活は本当に幸せでした………だけど………紅ちゃんや烈の周りの女性が妊娠してるのを見るのは………辛かった……… 私も子が欲しい………でも善之助は子供は嫌いなんだろ?ならば………無理だな 善之助を犠牲にして………始められない……」 「…………ボクが初めてぜんちゃんに逢った時、ぜんちゃんは生きるのを諦めていた だからせいぞーじぃさんとボクは【明日の約束】を強引に取り付けたのよ 自殺でもしてないか? 命を絶っていないか? 暦也に指示して見張らせていた 兎に角生きて欲しくて、ボクもせいぞーじぃさんも必死だったわよ! そのぜんちゃんが今、妻を持ち幸せそうにしてくれてる………それだけでボクもせいぞーじぃさんも安心してられるのよ!」 「烈…………」 「貴方はさ、我が子を愛せなかったと悔いているけど………貴方の子は早い段階から、貴方とは血が繋がってないのを知っていた そんな自分達が………ぜんちゃんの子でいて良い訳が無い………… あの子達も苦しんだのよ!許してあげてくれない?」 「烈は………あの子達と知り合いですか?」 「そうね、母親が逮捕された頃、あの子達は神威が引き取るまで児童養護施設に入れられたのよ 母親側の祖父母は犯罪者の親として生きて逝く事になり、夜逃げしたからね……… ボクの知り合いの園長の施設でね、彼等には話をしたわ そもそもが歪な家庭だった 蔵持家当主は感情を持ってはいけない なんて教えられ知り合いはボクの母ぁーさんだけ そりゃ親子の情もヘッタクレもない生活を送るしかなくなるわよ ぜんちゃんの事は父親と言うより遠い存在だった そして血の繋がりを否定された時、自分達は此処にいちゃいけない………と祖父母の所へ行ってたみたいよ! まぁその祖父母も夜逃げするしか無かったかんだけどね……」 「そうですか………あの子達は今……どうしてますか?」 「まぁ生きてるわよ! でも其れだけ、この先の貴方の人生には関わらない道を逝く! だから聞いちゃ駄目よ!」 「…………私は………父親になれますか? 私だって普通の親子に憧れました 飛鳥井の家族の様に暖かい家族に憧れました!」 「飛鳥井には色んな人が集まり暮らしているじゃない! 母ぁーさんの仲間に、ボクの仲間やボクの為に生きてくれてる子達! それもひっくるめて、うちは【家族】だから!」 蔵持は烈の言葉を聞き静かに口を開き 「和華子、子供を育てたいかい?」問い掛けた 「ワンやニャン達と可愛い だけど、やはり子供は………育てたいと思ったていた………口には出せないけどね……… 思ってはいた………だけど、私は子を産めない…… 散々 石女と言われて来たからな……」 「ならば育ててみないか? 悲しい想いをした子ならば、私と和華子の温もりで癒してあげないかい?」 「善之助………」 烈は「いきなり里親になれとか?は、言わないわ 耀と一緒にいる時間を作って知ってよ! その子は飛鳥井の礎に入る子だから、蔵持の後継者にはなれないわ! でも総てを受け入れて耀を愛して育ててくれるなら、和華ちゃんは妊娠するわよ 我が子を抱くラストチャンスなのよ! 年齢的にも、此れがラストの妊娠になるわ! 和華ちゃんは耀と生まれて来る子を愛せるかしら?」と問い掛けた 「子を託されるならば、全身全霊掛けて育てる でも善之助が………嫌がるならば断る 私には善之助が一番なのだから………」 善之助は和華子の手を握ると 「私は……子を育てた事がないから……不器用で貴方を怒らせてしまうかも知れません……… 其れでも、家族が増えるのは嬉しいものです! 和華子、共に育てませんか? そして何時か、貴方の腹に我が子が宿ったとしても、私と耀で子育ては手伝います! 私は小さな子は………育てられるか不安ですが頑張ります!」と言葉にした 「ねぇぜんちゃん、貴方さレイたんや凛 椋 響 奏 一希の面倒見てくれるじゃない レイたん達とは仲良く遊んでるじゃない! だから、そんなに心配はしてないのよ!」 烈が謂うとレイは善之助に抱き着いた 「ぜんちゃん らーいすき!」 善之助はレイを抱き締めると頭を撫でた 「飛鳥井耀 レイたん達と年同じだから!」 烈が謂うと竜胆は「あぁ、耀 善之助と和華子に面倒見て貰うのか! 優しい親に育てられれば、祖父母を亡くした思いなど癒されるであろうて!」と喜んで言った 東矢も「近所に越して来るなら、修行もしやすくなりますね!」と喜んでいた 和華子はレイと凛と椋の頭を撫で 「小学生のお母さんですか! 頑張りますとも!」と言った 「和華ちゃん 会社の食堂の方の仕事はメニューと献立を考えてくれるだけで良いわ! そしたら時間に余裕出来るだろうし!」 「解りました!」 「で、此処からが本題なのよ! ぜんちゃん達お引越ししてね!」 「え!引っ越しですか?嫌です! 今の家は飛鳥井にも近くて真矢さん達とも近い 遠くなるのは嫌です!」 「もっと近くなるとしたら?」 「え?」 「八雲動物病院入ってるビル取り壊すのよ 【R&R】のビルが建ったからね ヨニー©ウッズスタンJAPANもそのビルに入るからね!そしたら引っ越しして取り壊すのよ そして八雲動物病院は、ぜんちゃん達の家に作る予定なのよ!」 蔵持は「あぁ!そう言えば宗右衛門が資産の整理をしている!と、誠しやかに囁かれていますが……… お金に困ってますか? ならば私は友として助けます! なので言って下さい! あの日 烈には助けられました 今度は君を助ける番です!」と涙ながらに訴えた 「え〜獅童と同じ事言ってるじゃない! 何故なの?何処ら辺で聞いたのよ?」 「話の発端は、元私が住んでいた屋敷の跡地に建ったビルの売却が発端でした! あれ程 セキュリティーも立派なビルを売りに出したと思ったら、今度は 三社共同事務所のビルも更地にして売りに出すと聞いた 飛鳥井宗右衛門が資産の整理をしている、と囁かれているんだよ!」 「獅童にも言ったけど、ぜんちゃんがくれた土地に建てたビルは蕪村建設を復興させる為に建てたビルでもあるのよ なのに蔵之介 死んだじゃない! もう渡せないビルならば………整理して建築に特化した専門学校を建てるから、それに投資しようと思ったのよ!」 「佐々木蔵之介君………でも生きてるよね?」 「えー!!ぜんちゃん………何故知ってるのよ?」 「あ〜ガード下の飲み友達なんだよ! 飛鳥井朔人君だろ?話してて辻褄が合うんだよ まぁ薄々気づいてるのはガード下の奴だけだから!大丈夫だよ!」 「生きてはいるけど佐々木蔵之介は死んだのよ 飛鳥井朔人、彼は今 飛鳥井設備会社の社長をしてるわ で、もう入らないのなら、と整理して売りに出したのよ! 神野達のいたビルも更地にして売りに出すのよ!」 「ビルは建てないのかい?」 「会社の新社屋も来年の7月には完成するし、今 ボクには其処までの資産はないのよ! 飛鳥井の、この新居建てて、兵藤の新居建てたからね、ついでに……ぜんちゃんちも建てたからね 逆立ちしても資金は出ないのよ! まぁそれを言うなら資産整理してると言われても仕方ないわね!」 「なら晟雅達の事務所の土地、買ってビル建ててあげるよ!」 「ぜんちゃん 良いのよ! 其れよりも、明日、ぜんちゃんちにご案内するわね!引っ越しの作業は面倒だけどやっておいてね!」 「何時までに引っ越したら良いんだい?」 「そりゃ早いなら嬉しいわ! 取り壊して最新の設備入れて動物病院建てるつもりだからね!」 「ならその動物病院、私も費用を出すとしよう! うちのワンとニャンもお世話になるんだからね!」 善之助が謂うと和華子が笑顔で 「そうですね!是非協力させて下さい!」と言った 紫園は息を切らして応接間のドアをバーンと開けると入って来て 「その動物病院建設には俺も協力する! その為に俺は1月から3月まで全国公演を入れて来た! 経費だけ差し引いて、残りは全部お前にやる! お前の力になりたいんだよ! 何故俺らの力を借りねぇんだよ!」 紫園の声が………応接間に響く ついでにドアを開けっぱしだから、帰宅して来た家族にも聞こえるってば…… 「なぁ烈、俺はお前の力にはなれねぇのか? お前は滅多な事で土地とかビルとか売らねぇのに………整理しねぇとならねぇ程なら、俺らだって力になりてぇんだよ!」 今夜も飛鳥井で飲もうと来てる神野達も聞いちゃうじゃない! 祖父母も応接間に入って来ちゃうじゃない! 阿賀屋も来ちゃうし、鷹司も来るじゃない! 時差で寝てたメンバーも来ちゃうじゃない……… 阿賀屋は「やはり宗右衛門は金欠病なのじゃな!」と叫んだ 鷹司も「ケチな宗右衛門が持ちビル売るなんて………鳳凰の禍が来たって売らねぇとは思っていたのにな!」と難癖に近い事を言う 紫園は泣きながら 「なぁ烈……俺はお前の力になれねぇのか?」と問い掛けた 神野達も宗右衛門が資産の整理をしている話は聞いていた 其れで康太に話をして飛鳥井へ共に来たのだ 神野は「烈!お金ないのか?ならイベントやろうよ!経費だけ差し引いて全部お前に渡すから! それで何とかならないか?」と訴えた 【R&R】のメンバーは烈と蔵持の話が衝撃的過ぎて………ヘンリーは父親に 「烈がお金ないからビル売りに出してる! きっと兵藤の家建てたのにお金入って来てないからだよ!父さん!烈がお金ないって、どうしたら良いの?」とラインしちゃったりしたから……… 【R&R】のメンバーも大騒ぎで柘植と須賀と相賀も、やはり金欠病なんだ!と思い胸を痛めていた その話は何と………戸浪にまで届く程だった 烈は大騒ぎする皆に困った顔をして 「別にお金には困ってないわよ!」と言った 康太は応接間の入り口で騒いでる奴等に 「客間に行きやがれ!」と怒鳴った 皆 客間に行き翔達は座布団を敷いて皆を座らせた 康太は「全部話せ!皆を悲しませてるんだぜ?分かってるのか?」と言った 「お金がないのは確かよ! 新居と兵藤きゅんちとぜんちゃんち建てちゃったから、少し厳しいのは確かね! 飛鳥井建設の新社屋も来年の7月には完成するしね!ボクの資産は全て新社屋に投入しちゃったからね! でも売れば数千万になる絵は何枚も持ってるし、まだまだ土地もビルも持ってるから、其処までじゃないのよ!」 「なら何故金が無いと噂になってるんだよ? 神野達にまで届く程噂になってるぜ?」 「其れは、元蔵持邸の跡地に建てたビルを売りに出したからよ! 其れと三社共同事務所は取り壊した後に更地にして売りに出すと決めたのよ! 今 八雲動物病院が入ってるビルも、取り壊すつもりなのよ! その後は宮瀬蓮司 八雲詩 飛鳥井宗右衛門が共同で、建築に特化した専門学校を建設すると決めていたから、それがやっと始動するのよ! だから八雲の動物病院は移転する必要があったのよ!其れをぜんちゃんが引っ越したら取り壊し、そこに建てると決めたのよ! で、今、本当に持ってるビルや土地を整理してるから、そんな噂が立ったのかしら?」 康太は驚いた顔をして 「え?三社共同事務所のビル取り壊しするのか? お前なら跡地にビルでも建てそうやんか!」と問い掛けた 「あ〜今 其れが出来るだけの資産ないのよ、ボク!だから手放すわ…… もう既に神威の弁護士事務所は【R&R】のビルへ移転したのよ! だからあのビルも取り壊し始めたのよ! 取り壊した後は売りに出すわ! あ、でもぜんちゃんのビルは取り壊した後にビルを建てるわ!」 「何が入るのよ?そのビルには?」 「施工技術を伝える為に、専門学校を作るのよ! そして調理師専門学校とボランティアに特化したNPO法人を作るのよ! NPO法人はね、せいぞーじぃさんが主体となり、孤独死を無くそうと謂う活動をしてるのよ その事務所も入る予定よ!」 清隆は「建設に関する専門学校が多いですけど、何か意図があるのですか?」と問い掛けた 「建設技術は日進月歩で発展して来たわ でも技術を持つ者は増えないのが現実なのよ だから学ぶ事から初めて、建設を職業に選択して貰おうと想っているのよ! 高校とかの入試、普通校の対策は出来ても工業高校とかの受験対策は難しいのよ! 其れ等にも特化した予備校と謂うか専門学校目指してみようかしら?とは思っているけど、まだ未定よ 八雲動物病院の跡地に建つのは確定だけど、後はあくまでも未定よ!」 「それって予算がねぇからか?」 「それもあるけど、専門学校って届けを出せば営業出来る簡単なシステムじゃないのよ 専門学校を開校するには、まず設置者として必要な「経済的基礎」「知識・経験」「社会的信望」を整え、開校許可を申請しないとならないのよ! その後、土地、校舎、施設、設備などが「専修学校設置基準」に適合しているかを確認し、都道府県への事前相談、各種申請書類の準備、認可取得を経て開校となるのよ 一つでも不備足したら開校は無理な世界だからね そんな簡単な話じゃないのよ! 八雲動物病院の跡地に建つ専門学校は、蓮司が父の意思を継ぎ何年も掛けて根回ししてるからこそ、実現する【夢】でもあったのよ」 「あ〜病院を大きくした時も結構制限あるし、許可は難しいんだよな オレも病院と保育園はめちゃくそ苦労したかんな!繁雄フルに動かし調整して、って手間暇かかるんだよな!」 「そうなのよ、お金云々の前に基盤を作らなきゃならないのよ! 専門学校の話はね、前世のボクが蓮司の父親と詩とで、何時か作ろう!と約束した悲願でもあるのよ! だから蓮司は全面協力してくれるのよ! だから八雲動物病院の跡地に建つ専門学校は何としてでも着工まで持ち込むし、完成したならば講師は一流を用意して建築家を増やして行くつもりなのよ!」 阿賀屋は「俺も幾つかの資産を整理すれば、お前に協力してやれるぜ!」と申し出る 「要らないわよ!そんなのは自分の力量てやるから良いんしゃない! 他力本願寺は受け付けてないのよ!」 「主ならば……そう言うとは想った……」 「本当にね、別にボク、貧乏になってないから!心配しないでよ! まぁ今回ボク、めちゃくそ頑張ったから出費の時期が重なっちゃったのよ! だから元弥勒んにも建売にして売りに出すのよ! あの土地、ボクのだから飛鳥井から費用貰わなきゃなのよ!」 烈が謂うと榊原が 「建て売りが売れたら土地代は支払います! そう言う約束でしたからね! なので売りなさい! 1件も売れ残りがない様に売りなさい! そしたら土地代はお支払い致します! でも君の口座に支払うんじゃなく、宗右衛門の事業団の方へのお支払いなのですよね?」と問う 「そうよ、その事業団へ支払って貰えば、資金となり土地転がししてる奴が土地を買ってくれるのよ!今回の売買も宗右衛門の事業団の方で売買したのよ! そのお金で更に土地を持ちビルを建てる! 飛鳥井建設とは何時の世もWin-Winの関係じゃない!」 「でも烈……」 「何 父ぉーさん?」 「今現在建築中の物件で、やっと決済通したので、そんなに早くは土地代は支払えませんよ?」 「そーなのよね!近い内に八雲動物病院の仕事も依頼するわよ! 専門学校の建築は宮瀬と飛鳥井と南雲でやる事は決まってるから、取り壊しして更地にしたら書類上げるわ!」 「それは楽しみに待ってます! 其れよりも烈、父だって多少なれば君の為に費用は出しますよ? この家だって皆で割って支払えば良いと言ったのに!」 「まぁね、そうなんだけどね、ボクの仲間沢山来ちゃうし………居着いちゃうし飲兵衛だし………」 「そんなのは気にもしませんよ! 誰も来ない淋しい飛鳥井なんて嫌ですから! 皆が来たいと想える飛鳥井でいたいですからね!」 「やっぱ、ボクの父ぉーさんは凄いな!」 「君達の父ですから!」 「ボクね父ぉーさんと母ぁーさんの子で良かったわ!」 榊原は笑って烈の頭を撫でた そしてヒョイと小脇に抱えるとお尻をペンペンした 「本当に君は言いませんよね! 大変な時は言いなさい!良いですね!」 「父ぉーさん ゴメンなしゃい!」 烈が泣くと兄達が榊原の手から弟を奪還し、お尻を撫でてやった 烈は心配させた皆にも 「ごめんね、本当にそんなにお金には困ってないから安心してね! 本当は………売りたくはなかったのよ……… でもそのビルに入るべき人は………死んじゃっていないからね……… 佐々木蔵之介は死んだのよ……… クソ女に騙され弄ばれ………死んだのよ! だから蔵之介の入るべくビルは売りに出したのよ もう入らないなら………持ってるだけで辛いのよ 人を………何だと想ってるのよ…… 幸せな人生を送りたかったに決まってるじゃない なのに………蔵之介は………」 烈は泣いていた……… 康太はそっと烈を抱き締めた 「悦郎だって………クソ女さえいなかったら今も役者して生きていたわ! 其れを………あのクソ女は………弄び………殺したのよ」 「烈、もう良い………もう良いんだよ!」 「だって………母ぁーさんボクは悔しい………… こんな想いを……思い出したくないから売ったのよ、蔵之介が入る筈だったビルを!」 「売ったってスッキリしねぇだろ?」 「スッキリしなかったし、変な噂立っちゃってるじゃない………ボク相当落魄れた貧乏と思われてるのかしら?」 「それはねぇだろ? でもまぁええやんか! おめぇは子供でオレ達から小遣い貰ってるんだから!」 「そうね、最近は役員報酬でお小遣い出してる気がするんだけどって、翔にー言ってたわよ!」 「おっ!バレたか!仕方ねぇやんか! お前等働き過ぎなんだよ! 仕事の対価は支払うしかねぇやんか! でもまぁそれを小遣いにってセコい事を考えたのは伊織だ!」 「父ぉーさん………セコいのね………」 「言ってやるな、お前等増え過ぎなんだよ! 猫も4匹もいやがるし、段々ちっこいのも増えてくし、大変なんだよ!」 「ボクが次代作り過ぎたからね……」 「今世は顔見せに重きを置いてるの知ってるし、増えてくのは想定内だ! 其れより宗右衛門の着物の染み抜き終わって返って来たぜ!伊織が取りに行ってくれた!」 「有り難う父ぉーさん、摂家 五家の近衛の養子入りに間に合って良かったわ!」 「おっ!そろそろなんだな!」 「そうよ、其れと………耀、ぜんちゃんと和華ちゃんに頼んだわ!」 「で、良い返事は貰えたのか?」 「どうだろ?此れから一緒に過ごす時間を作って、里子にしても良いと思えたならば、引き取って貰う、そんな感じから初めて行こうと考えてるのよ!」 「だな、押しつけはするんじゃねぇぞ!」 「解ってます!人一人の人生を担う様なモノなので、慎重に考えて貰うつもりです! 最悪 菩提寺で育てて行っても良いので、押し付けはしません!」 「うし!なら宴会だな! 材料は神野達が出してくれて買って来たんだよ!」 烈は皆に向き直ると 「ゴメンね取り乱して……… でも今夜は楽しく飲みましょうね!」と言い客間へと向かった 竜馬が後に着いて来て 「烈、俺が相続したマンション売っても良いから!」と言い出した 「竜ゅー馬、その話はもうおしまいよ! 其れよりも竜ゅー馬、xmasイブ 国立競技場で二元中継でライブしたいんだけど駄目かしら?」 「え?えらく話し進んでません?」 「まぁ今回のライブは、色々な事情と思惑もあってね……… 其れを明日話さないと駄目なのよ…… 嫌なら他の手を考えるから、話を聞いて答えを出して欲しいわ!」 「了解っす!なら明日は朝早くから6階に集合っすね!」 「そうね、そうしましょうね!」 「何かメンバーは6階気に入って6階で暮らし始めたんだよな………」 「幼稚園の上の部屋に似てるからかしら?」 「あ〜それもあるのかもな! 皆で雑魚寝しても余裕があるからな……」 「真ん中のドアを閉めてロックしちゃえば、個室になれるしね! 猫達は好きな部屋で寝てるから、メンバーも好きな所で寝れば良いのよ! 壁にはハンモック吊るす頑丈なフックも装着してあるから、ハンモックで猫は寝てるしね」 「あぁ、そのハンモック、メンバーの間では人気で猫と争奪戦繰り広げてるんだよ!」 と竜馬は笑って話す 客間で皆は飲み始めた 最初は少しぎこちなかったが、皆飲み始めると楽しげに飲み始めた 響と奏は烈の前に来ると 響が「金脈当てて金の塊やろうか?」 奏が「鉱脈当てて鉱石の塊やろうか?」と謂う 一希が『ならば儂が万馬券当ててやるさ!』と謂う 烈は「良いから子供らしくしててよ!」と謂う 響と奏は人型になりニコッと笑い 「「してるよ!」」と謂う 一希は『儂は乳飲み子しとるではないか!』と笑う 「乳飲み子喋らないし!」 『喋る乳飲み子もおるんじゃよ!』 「それ一希だけよ!」 『まぁ人前ではバブゥ〜と言っておるから安心なされよ!』 安心……出来ないけど、まあ良いっか! 家族と楽しい宴会を楽しみ、烈は早目に眠りに行った 此れは後日談だが 後日、本当に響と奏と一希は、烈の為に動いた 響は一生に『山へ参るぞ!』と告げ 人が足を踏み入れない山へと向かった 奏は一陽に『山へ行くわよ!』と告げた やはり同じく人が足を踏み入れなさそうな山へと向かった 余りにも険しい山で、一生が赤龍になり飛んで行かねばならない程に大変な場所へと向かった 一希は御影に『競輪 競馬 競艇の新聞を持って参れ!』と頼んだ 御影がコンビニで買ってくると一希はひたすら新聞を読み『場外車券売り場でワイド(拡大二連勝複式)で小田原競輪 8R 5−4で……』とか細かいレースの番号や指示をする 御影は指示に沿って新聞に購入するレースと番号に丸を付けた 『御影 競輪 競馬 競艇の掛金貸してくれ! 勝つから其れで返すから、烈の為に協力してくれ!』と頼んだ 御影は掛け金を貸した、貸したお金で生まれて初めてギャンブルをした 言われるままネットで掛けて支払う 一希の予想は総て的中させ、払い戻しでお金は返して貰えた そして万馬券に化けた掛け金は百倍になり返って来た 一希は『やっちゃあ駄目なんだけどな、俺は勝ち筋が見えるんだよ!』と白状した 御影は掛け金を、響は金脈で金の塊を、奏は鉱脈で手に入らなさそうな鉱石を探り当て、掘らせた 断崖絶壁で尚且つ、岩の壁を目にして……… あ~こんなのは無理ゲーだわ!と想い 一生は鬼ちゃんを呼んで来た 「烈の為に掘り起こしてくれ!』と頼み、ツルハシを握らせて掘り起こして貰った 一生は鬼達を一陽の方にも向かわせ、その腕力で鉱石を掘り当てて帰って来たのだった 一生と一陽はヘロヘロで帰ったら、取り敢えずご飯を食べて直ぐに気絶する様に寝た 目が醒め、起きたら翌朝だった……… 響と奏と一希も爆睡して、起きたのは翌朝だった 翌朝 3人は一生と一陽と御影に付き添われ、烈に戦利品を渡した 戦利品を渡された烈は驚き 「此れは何?」と尋ねた 響が『金脈を掘り当てたんじゃよ!金の塊故高く売れるぞ!』 奏が『鉱脈当てたのよ!此れは珍しい鉱石だから高く売れるから!」 一希が『今 開催されてる競輪 競馬 競艇の勝ちを読み解き、御影にお金を借りて賭けさせたんじゃよ!かなりオッズの高いの勝ったからな トータルで700万はある! まぁ、全然足らぬであろうが、足しにするのじゃ!』 と、各々が話す 烈は有り難く其れ等を受け取り 金の塊と鉱石は台座とケースを買い、その中に保存してサイドボードの上に飾った ギャンブルで稼いだお金は、今度家族の旅行に使わせて貰うつもりで貯金した 烈は響と奏と一希に「有り難う!」と礼を言い 「でもね無茶や無理はしちゃあ駄目じゃない!」と怒った 一希は『無茶振りしやがるお前に言われてもな!』とボヤいた 響も「この家で今一番無茶してるのお前だから!」と謂う 奏も「そうじゃな!そんな無茶して突っ走ってるお前に言われてもな! 我等はお前の役に立ちたかった なのに、ケースに入れて飾るか?普通? 売りに出せよ!鉱石を!」 「そ~だぞ!売らねぇと金にならねぇだろうが! 苦労して鬼ちゃん達が掘り当ててくれたのに、普通飾るか?金に変えろよ!」とボヤいた 烈は笑って「売りに出せないわよ!此処までの立派な鉱石と金の塊は飾って置かないと! 此れは響と奏の想いだからね! 其れと一希のお金で家族旅行に行くわよ! 一希 何処に行きたい?」と問い掛けた 『資産の足しにしやがれ! でも旅行なら熱海か鬼怒川か、其れとも富士を眺めての温泉か?』 「そーよね!そーよね!温泉よね!」 烈の兄達は皆 じじくぇせ〜と想って苦笑した でも響と奏と一希の家族を想う想いに……… 自分達は何が出来るのか?話し合った 自分達は響や奏や一希みたいに、金脈や鉱脈、一攫千金なんて無理ゲーなのだ ならば何が出来る? 悩んだ時もあった だけど一生が「無理しても烈は喜ばねぇぞ! お前等は弟を支えて行けば良いんだよ! 何時だってお前達が傍にいてくれる! 其れだけで烈は頑張れるんだよ! 金が欲しいなら金の塊も鉱石も売っぱらってるし、一希のお金だって、其れで旅行行こうなんて言わねぇだろ? 金がねぇのは当たり前じゃねぇかよ! この家 家具も総て合わせれば億単位の金を弾くぜ!その上貴史んちだろ? あの家だってこの家に負けねぇ費用は投入してる そして新社屋作ってるって謂えば、金なんてねぇのは当たり前じゃねぇかよ! だけどそれは烈が家族といられる為に作った、家族との時間を刻む家なんだよ! 皆が元気で笑っててくれれば、何も求めねぇ烈ならば、その方が嬉しいに決まってるやんか!」と話す 兄達は一生の言葉が胸に響き………… 音弥は「最近の一生って母さん命って感じじゃなく烈命って感じね!」と言う 一生は笑って「そうか?ならばそうなんだよ! 俺は烈に救われたからな、恩を返そうなんて烏滸がましい事は考えてねぇけどな、烈と一緒にいたいと思ってる! 一緒にいるならば、烈の助けはしたいし、楽しい時間を刻もうと思ってる!」と話す その一生は至極自然で飾ってない本音を話してくれていた 流生は「なら僕達は弟の為に毎日楽しく過ごさなきゃ!」と笑顔で話す 流生と一生の間にはもうギクシャクした凝りも距離もなかった 烈は言った、この家に暮らす皆が【家族】なのだと! ならば【家族】なのだ 一生も自分達も御影や一陽達も皆 み〜んな、家族なのだ! ならば家族として過ごさなきゃ! と想い楽になった 楽になったから、自然と接する事も出来る様になった あぁ家族でいて良いのだ! 皆で家族なのだから……… 兄達は何時もの様に、過ごすと決めた 過ごすと決めたから、クッキーやマカロン、フィナンシェやお菓子を沢山作ってちっこいの達のおやつにして、菩提寺にも差し入れに行った 菩提寺には少し前に 翔達と年の近い子達と小さい子が入った 親はいないらしい 親がいないから、菩提寺の全員が親になり育てていた やけにイケメンな子が四人、そして翔達より少し大きい子と小さい子が三人 イケメンな子達は何処か西村に似た男の子達だった 大きい子と小さい子は人の顔色ばかり見て、萎縮して感じられた この子達は菩提寺の寮に入っていた あれから菩提寺はシェアハウスみたいに暮らせる部屋を古い方の独身寮をリフォームして、個室は確保してあるが、大きなキッチンやリビングを作った その【家】で子供達は生活し学校に通っていた 一応 保護者は菩提寺の住職 城之内が筆頭に職員達も名を連ねていた 皆で共同生活して暮らす ご飯は水萌や澄香や桃香、時には京香も作りに来て、皆で一緒に作り食べさせていた 菩提寺も日々 様変わりして、人も増えた 働き手が増えて、騒がしくも楽しい活気付いた菩提寺となっていた たから翔達は皆に差し入れを持って行くのだった 甘い物は皆が喜び食べてくれるからだ 烈と竜馬と【R&R】のメンバーは翌朝早くに6階に集まり話をした 烈はテーブルに着くなり 「ボクは諸事情があり、xmasにイベントを開かなきゃならなくなりました!」と告げた ヘンリーは「xmasイベント?イベントとか総て白紙にしたんじゃないの?」と尋ねた 「此れから話す話は、総て事実で既に起こっている事案もあるので、その記事のプリントアウトしたのがあるので目を通して下さい!」 と謂うと竜馬が人数分 プリントアウトした最近勃発している事件を皆に配った デモ級の集会が開かれ、止めに入った警官と衝突 各地でいざこざや衝突が巻き起こされている現実 メンバーはそれを目にして 「何故 今 この記事を皆に配ったのか?説明してくれるかな?」と問い掛けた 「メンバーは何度か魔界へ行った事あるじゃない その時 ボクがほーちゃんと呼んでた大きな鳥見たじゃない?」 ヘンリーが「あぁ、鳳凰とか言う鳥?」と呟いた 「そう、その鳳凰の次代が誕生されるのよ 鳳凰は誕生の瞬間 物凄いエネルギーを放出するのよ!其れが禍となり人に降りかかるのよ! 今 各地で起きてる暴動やテロ級の集会は、鳳凰が卵としてこの世に生まれ落ちた衝撃を受けた所為でもあるのよ! でも誕生はそんな比ではない………… だから少しでも影響を受けない様に、政府が動く事になったのよ! そして各地に散らばる宗教団体が禍を防ぐ様に協力し合い手を打つ様に動くと決めた! ボクはコンサートを開くわ! エイセイは沖縄でコンサートを開かせるわ! そして二元中継で結び、禍が起こる瞬間を防ぐ為に動く事にしたのよ でも断ってくれて構わないわ 他の手は幾つも有るから、考えるわ!」 ヘンリーは「リーダー、我等はリーダーがピンチな時なら何時だって手伝うと決めているんだよ!だからそんな悲しい事言わないでよ!」と謂う 「…………イベントやってる我等も危ないのよ?」 竜馬は「其れでもだ!リーダー!我等は一蓮托生だって言ったじゃないか!」と謂う 烈は笑って「なら皆で一緒に禍受けちゃいましょうか!」と謂うとメンバーは頷いた 「鳳凰の禍は12月24日、人の世の時間に合わせて、午後6時に誕生して貰うつもりなのよ もうヒビは入っているのよ! Xmasに殻を突き破り出て来る時に時空は歪み、禍が降り注ぐのよ! 暴動が過激に加速して逝くかも知れない 未知の領域の話だからね、政府もお手上げなのよ 其れでも確定した禍だから手は打たないとならないのよ! だから国立競技場をはじめとした特異点に、術師立たせて、鏡の反射鏡を用いて禍を跳ね返すつもりなのよ まぁ跳ね返すと言うより無効化狙いたいのよ 3時間の長丁場となるイベント どうか協力して下さい! 多分今回のイベントは無報酬となるわ! 各宗教団体とかも術師を派遣して護るんだけど、ギャラなんかは発生しない 皆 無償でこの倭の国を護る為に動き出した! 政府も自治体も巻き込んで、此れから動き出すのよ!」 イーサンは「国立競技場では一度イベントやったね!またあの競技場を仕えるんだね!」と嬉しそう 阿賀屋が鷹司と共に来て 「国立競技場は正義に確保させた 其れと同時に横浜スタジアム、日産スタジアムも確保して配信する 其処には術師を立たせ禍の無効化を図る そして年寄りの大好きな演歌歌手達を集めて明治神宮野球場でイベントをやる! 今 各芸能事務所に国の方から無償参加の依頼を出してる頃だ! そして其れをテレビで流すことが決まった で、お子様は戦隊ショーと、アンパンマンやハローキティとか、子供の好きな人気のキャラをテレビで特番でしてやるそうだ! イベントへ行ける者は、各地のクランドでやる事が決まったからイベントに出向けれる者はいき、、行けない者はテレビで特番を見る! 此れて子供から老人まで釘付けにならんかな?」と話した 「家に護符とかはどうなったのかしら?」 「あ~あれな、自治体を動かして今年は年末年始は全国統一、門松飾り紙を貼りましょう!的なの烈がやってくれねぇか?との話が来るぜ!」 「まぁやっても良いわよ! ボク、YouTube立ち上げてイベント当日は鏡を持参してね!と呼びかけるつもりだから! イベントでレーザー光線使って鏡の反射を利用して夜空に文字を描くのよ!鏡で反射させて……と謂うのを今研究室の研究員に考えさせてる所よ!」 「ならそのYouTubeで紙の事も宣伝しろよ!」 「ならリレー方式で宣伝しようかしら? 昔あったじゃない友達の輪、アレ的に次に指名して、指名した人がYouTubeで宣伝して、って感じてやりたいのよ!」 「其れやるなら、芸能事務所全部巻き込んてやれよ!大小関係なく芸能事務所全社の協力を仰げよ!政府側からも要請して、烈からも要請しろよ そしたら動く気もねぇ奴だって、動くしかなくなるからな!」 「そうね、其れ良いわね!」 「なぁ烈、悦郎って花柳流の倅か?」 「そうよ……」 「確か隆悦と花笠は倅を亡くして少し休んてたよな?」 「頭 と謂うか直接脳を弄りやがったからね……… 一番酷くて………治せなかったのよ………」 「傀儡にする気だったのか?」 「既に傀儡になり掛けてたのよ………指令があれば自爆だって、人だって殺しちゃえる殺人兵器だったのよ………」 「胸糞悪い事しやがるんだな………」 「………脳は変形しちゃえば元には戻らないのよ 歪な歪みが出るからね………そして記憶を司る前頭葉から海馬までやられたら………死亡通知出すしかないとの決断を下させてしまうしか……なかった 自分が誰かなのさえ忘れてるのよ? 其れを生きているとは………言えないのよ……」 「…………本当に傀儡にされたんだな………」 「……………そんな話より今はイベントよ! 着実に進めて行かないと、ならないからね! メンバーは今回のイベント協力してくれるのかしら?まぁ………色んな思惑もバッチリのイベントだけど、協力してくれないかしら?」 烈が謂うと竜馬は「思惑云々は俺らには関係ないから!イベントやるならば俺等は精一杯やるさ!」と言い笑った メンバーも【だな!】と言ってくれた 良い感じで話が纏まりつつあるのに、テーブルに置いた烈の携帯がブーブー鳴っていた 竜馬は「さっきから止まらないよ?」と謂う 烈は「朝から………と謂うか、夜中から止まらないのよ!」と言い電話に出た 着信相手を見ると戸浪海里 「若旦那 おはようございます! 何故にこんなに朝早くに連絡しちゃったりしてるんですか?」 『逢って話がしたいんだけど、無理かな?』 「無理じゃないですが、そんなに時間は取れないのよね………」 『少しでも話がしたい!頼むから!』と謂う 烈は「なら此れから飛鳥井へ来ますか?」と問い掛けた 『良いのかい?なら行かせて貰うよ!』 「飛鳥井は引っ越したから、桜林学園近くになったら連絡下さい!」 『了解したよ!』 そう言い電話を切り、次に掛かって来た電話に出た 電話の相手はクリストファー・オブライエンだった 『烈!お金がないんだって? シャルロットの結婚資金とは別に婿殿側にも結婚準備金と新居の建築資金は振り込まれた筈なんだけど? 取り敢えず朝イチで王宮の方には連絡を入れたよ!皇太子殿が調べて対応してくれると謂うから少し待っててくれないかい?』 「クリス………その話は誰から聞いたのかしら?」 『息子だよ!王室は既に新居の費用は君に支払っていると言っている………… が、息子が謂うにはお金がないと泣きついて来たからね!徹底的に調べ上げるとするよ!』 「結婚資金、兵藤きゅんにも支払われた金額が安すぎるのよ、それも聞かなきゃと想っていたのよ!」 『貴史は幾ら支払われたと言ってるんだい?』 「50万円!」 『え!!!嘘だろ?烈悪いんだけど、イギリスからの支払いを写メでも良いから送信して貰えないかい?』 「良いわよ、其れとボクは銀行の個人通帳は所持してないのよ! 振り込んたと謂うなら、どの通帳に振り込んだのか?逆に支払い履歴を見せて欲しいわ!」 『っ!!!烈は通帳持ってないのかい?』 「ないわよ!郵便局の通帳なら一通あるわよ でもそれ家で保管してるから、誰も知らないわよ お年玉やお小遣い入れてる通帳なだけだから!」 『…………申し訳ない!此れは我々の国の失態だ!』 「クリス、去年から何度も何度もシャルロットの大学に通う為の家を建設案が出ていた でも頓挫して、でも来日して来ると謂うから土地の確保していたのよ、倭の国には! でもそれに対してのお金は支払われなかったわ! バカにしてるわよね! そのツケが国民の税金で支払ったとしたら、報われなさ過ぎなのよね!」 『徹底的に調べ上げるので、待っててくれないか?』 「了解したのよ!じや、ボクは忙しいから返信は息子さんの方へお願いね!」 『解ったよ!なら後で!』 電話を切ると竜馬が「ネコババされてたの?」と問い掛けた 「でしょうね!解らないと想って好き勝手やって足の引っ張り合いしてたのよ! 竜ゅー馬、悪いけど兵藤きゅんの通帳写メってクリスに送信しといて!」 竜馬はゲンナリとした顔をして「了解!本当に嫌になるね!本当に!」とボヤいた 気を取り直して話をしていると戸浪が桜林の近くまで来たとラインして来た 竜馬が戸浪のお迎えに向かった 暫くして戸浪が秘書の田代と共にやって来た 戻って来ると竜馬は 「俺は菩提寺にいる貴史に連絡して通帳写メしてくれる様にラインする事にするよ!」と言い兵藤に連絡を入れた 戸浪は烈の顔を見るなり 「烈君、善之助から、お金ないって聞いたよ! 君の手助けになれるならば、微力ながら力にならさせて下さい!」と言った 「あ~その話はもう終わったので、若旦那には伝えねばならぬ事があったのでお呼びしました! この世の中の異変を物流を見て来た社長と謂う立場の貴方ならば、誰よりも理解されていると想います! 各地で暴動や理由の解らない集会、そしてそれを阻止する行政側との対立 貴方ならば、其れ等の異変は身に感じて居られるのではないですか?」 単刀直入に切り出されて戸浪は 「そうだね、日に日に大きくなる騒ぎを警戒しているのは、私だけではない筈だ! 鷹司の家から協力要請がありました! 是非ともトナミ海運も、倭の国の為に協力してくれ!と依頼がありました 経団連が動くならば我等は右に倣えで、協賛するつもりだ だが何に協賛したら良いのてすか?と問うても、何も答えられない! そしてまだ其処までの詳細が上がっては来ていない、とはぐらかされている 企業も躊躇している…………そんな感じで漠然でした不安を感じているのは私だけではない!」 と答えた 烈は最近起きた騒動のニュースを、プリントした紙を戸浪に渡した 戸浪はその紙をもらい受け静かに目を通した 烈は戸浪に鳳凰が誕生する際に物凄いエネルギーが放出され、其れが人の世に影響を及ぼしていると話した 卵で生まれ落ちた時から始まる禍は、ほんの序章に過ぎない 此れからか本番で、その後もあると謂うのだ が、一番大きな禍が来る12月24日 午後6時から3時間は時空も揺れる大きな禍となる為 それを無効化する為に動かねばならない事 其れに経団連や政府、自治体も巻き込み動かねばならない事 全てを話した 戸浪は静かに聞き 「ならばトナミ海運は12月24日は代休にして、フェリーも休航に致します! そしてトナミ海運としても協力出来る事なれは、協力致します!」と約束してくれた そしてその後で「で、お金がない話はまだされてませんよ?」と問い掛けた 烈はやはり騙されてはくれないか…………と諦めて口を開いた 皆に話した事を話したのだ あのビルに入るべき存在 佐々木蔵之介が死した事 しかも上間美鈴に騙され資産奪われポイ捨てされ、蔵之介は何度も自殺未遂していた事 資産を自由に出来る様に洗脳し脳を弄られていた事 蕪村建設は再建も不可能な程の負債を負い、死ぬしか無かった事 全て話した 話した末に………やはり本来の意味を持たぬビルを売った事 その後に幾つもビルを売りに出している事 其れが資産を整理していると謂われた原因なのも全て話した 戸浪は話を聞いて胸が痛くなった 烈の友を想う想いが痛い……… そして何も協力すら出来ない事が辛くて仕方がなかった………   

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