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第66話 禍 カウンドダウン ❷
効果は絶大過ぎて………歌の方は取り敢えず、保留にしてクールな役以外の役も舞い込み、仕事は結構先まで埋まった
君島音楽事務所とのタレントは、やはり解散する寸前のグループmoniを指名した
社長である君島晴貴は、烈の要望に応えようと、わざわざ説得してYouTubeに出してくれた
moniとは好きなミュージシャンの話で盛り上がった
そして【R&R】のメンバーとアカペラで歌を歌った
ハーモニーが売りのmoniの声域と断然違うのに、違和感なく歌えちゃう【R&R】のメンバーにmoniは感激していた
「何よ!解散なんてしたくなくなっちゃたじゃない!」
とmoniのメンバー麻実が謂うと、ユウも泣きながら「まだまだ私たちの歌の可能性が広がっていくのを感じた!」と泣きながら言う
美香も「もう限界だと想った、でも限界なんて遥か彼方にあるんじゃない!って想った!」と泣きながら言う
烈は「己の可能性はそんな過小評価されるべきじゃないのよ!
遥か彼方を見据えて、其処へ逝くと決めなきゃ!
自分達はまだまだ羽ばたけるんだと想えるならば、歌って下さい!」と言う
moniのメンバーは皆 泣きながら頷いた
ラストにエイセイと共にmoniは歌った
そして撮影は終わった
その日の夜 moniは解散はしないと会見を開いた
「私達はまだまだ果てへと歩み出せる可能性を秘めてるのだと想いました!
それに気付かせてくれた【R&R】リーダー、エイセイ君、そして【R&R】のメンバーの皆さんです!本当に感謝します!
エイセイ君、東京ドームでコンサート開けるまで頑張るから、その時はゲストでお願いします!」
その会見は翌朝のニュースに流される程だった
BREAKとの対談は結構切り込み一触即発?的な雰囲気を醸し出していた
烈が挑発するから………なのだが、メンバーやエイセイはハラハラした
少しやんちゃな感じのBREAKのリーダーの如月は焦れていた
この先 アイドルみたいな活動して数年後にはいなくなる…………そんな焦燥感と闘っていた
そんな焦燥感を見抜かれたくなくて、大きく見せようとする姿が逆効果だと【R&R】のメンバーは痛感していた
だが【R&R】リーダーは更に油を投下
「あら、自分達も思ってるのかしら?
数年後には消えてかもって?そんな感じ?」なんてズバッと言われたからメラメラ燃えて喧嘩上等となっていた
「俺等のダンスは誰にも負けない!」
宣言すると烈はニャッと嗤った
メンバーは掌で転がされてますがな……と思いつつ口にはしなかった
どうせ言っても辞めないから………
「良いわね、ならば【R&R】リーダーのボクが受けて立つわよ!」と言いダンス対決となった
「BREAKの振り付けなら、どの曲でも掛かってきなさいよ!」
と言うから如月は選曲して流した
すると曲を聴くなり踊り出す
華麗なステップにダンスを叩き込まれたであろう動き
どんだけ踊っても息さえ切らさない…………
如月はハァハァ言いながら
「……………負けた、負けでいい!」と言った
烈は椅子に座り
「別に勝ち負けで踊ってないわよ!
そんな優劣付けるから頭打ちされちゃうのよ!
良いわ、ボクが鳳城由香里の事務所に話をつけてやるから、イギリスへ旅立ちレッスン受けてらっしゃいよ!
無論 来年からだけどね!
それまではボクが謂う場に来なさい!
体力付けてあげるわよ!
そしたら息切れしなくて踊れる体になれ、そんなに焦れなくてもBREAK此処に在り!となれるわよ
基礎体力がないから自分達に自信が持てなくなるのよ!」と言う
如月は「リーダーは凄いな、こんな対談の場を持てて………俺等は凄い幸せ者だと思う!
本当に有り難うリーダー!」と礼を述べた
その姿は興奮して喧嘩上等な口振りではなくなっていた
そして笑顔で話して、スッカリほんわかと対談を終えた
烈は対談を終えた後に菩提寺の住所を教えて
「明日の朝7時に此処へ荷物を持って来なさい!
呼吸の仕方から教えられ1時間やる太極拳が楽に出来る様になったらイギリスへ行くのよ!
基礎から叩き込まれれば、貴方達は生まれ変わるわ!
まぁイギリスへ行くまでは仕事する以外は菩提寺の寮に住み込みで鍛え上げられなさい!」と伝えた
BREAKの如月は「え?放送中の………社交辞令的な話じゃないのか?」と言う
竜馬は「リーダーは放送中だけの社交辞令なんて口にしない!
そんな社交辞令や嘘や偽りの話しなんてしないっすよ!
そんな放送中だけの詭弁を話せと言われたら、放送中無言で何も話さないっすからね!」と言う
何処までも己を貫き通す姿に……BREAKのメンバーは「チャンスを貰えるならば、掴みたいと想います!」と口にした
如月は菩提寺の住所を受け取り皆と握手して別れた
BREAKは翌日から菩提寺に住み込み太極拳を習い始めた
君島社長とは既に話が付いてるのか?トントン拍子に話は進んでいた
月謝を払い、太極拳へ参加する
始めは太極拳の呼吸が上手く解らなくて1時間ついて行けなくて………
辞めたい………と想った
日々が辛く厳しく辛い………
だけど太極拳の場には【R&R】リーダーが竹刀を持って立っていた
辞めたいと言い出そうとする前に、ヘロヘロの姿を鼻で笑われ
「辞めたそうな顔をしているわね!
続かない奴は何をやっても中途半端な事しか出来ないのよね!
良いわよ、強制なんてしてないから!辞めちゃいなさい!」
なんて言われたら意地でも辞めない!
そうして続けて行く
体が悲鳴を上げる
立ち上がるのも痛い………それに耐えて続けていた
が、良く観察すれば、烈は太極拳を終えたら道場へ行き鍛錬をしているのだ
良くもまぁ………体が続くもんだ……と感心していた
そして菩提寺には早瀬頼朝とシャステナが寮に入って合宿生活をしていた
いいタイミングだとばかりに、烈は指示を出す
夜には体育館でシャステナの生演奏で早瀬が歌いBREAKはダンスを踊る
シャステナはBREAKの楽譜を烈に用意して貰い演奏していた
早瀬が歌う、最近はゴリ押しな演奏じゃなくなって来たから、歌える様になって来ていた
其れでも烈に言わせれば、まだまだ………なのだが……
体育館の床に汗が滴り落ちる………
其れでも演奏は終わらない
この日からBREAKの特訓は始まった
BREAKのメンバー達は生まれて初めての共同生活であり、合宿生活だった
デビューして以来、そんなに必死に何かして来た事なんてなかった
朝 6時に部屋の掃除して、本堂の掃除を皆で手分けしてやる!
7時に太極拳して、終わるとやっと朝食だった
朝を食べて、武術を叩き込まれれ………と言う生活が始まった
シャステナのマークは「慣れるまではキツいだろうけど、それを乗り越えれば体が出来て来るから、少しは楽になるからね!」と言う
「頑張るよ!」
早瀬は「此方はシャステナのマーク アーク リューク、そして俺は早瀬頼朝だ!
少しの間どうやら共同生活するみたいだし、宜しくな!」と手を差し出すと如月は握手した
如月は「俺等はBREAK、ダンスユニットだ!
俺がリーダーの如月、そしてメンバーのリュオン、秋津、誠司だ!宜しく!」とご挨拶
「仕事へ行く以外は此処で生活して、只管鍛錬と練習の生活となる!
ぶっちゃけダンスユニットならば、3時間ぶっ続けで踊っても息切れしない程にならないと、鳳城由香里のレッスンでは泣きを見るよ!
彼女は烈の上を行くからね………鬼だよ!
まぁ本当の鬼の方が優しいと俺は想うけどね!」
早瀬の言葉は本当に返答に困る…………
シャステナのリュークは「早瀬はん、水分補給したら始めるで!」と言う
早瀬は「リュークは【R&R】のデービッドに言葉を教えられたから………大阪弁何だけど、少し変な大阪弁だと俺は想うけどね!」と笑う
「んな事あらへんで!」
と突然背後から声がして振り返るとスーが立っていた
スーがいると謂う事は烈もいると辺りを見渡した
すると、少し離れた場所に烈は君島社長と共に立っていた
その横にはBREAK達には見知らぬ男が立っていて………【誰?】となった
瀬能和寿は最近良く菩提寺に来る様になっていた
愛染と共に菩提寺に来て鍛錬をしていた
烈は元気になった瀬能を君島に見せる為に、この日呼び出していたのだった
クーは「よりちゃん、今夜は保養施設3階で鍋パーティだって!まぁ本堂で鍋パーティ出来ないから保養施設3階になるんだけどな!」と言う
早瀬は「本堂で鍋パーティしたら立派な仏像に怒鳴られるからね!
何なの?この寺………本堂脇に置いてある仏像に怒鳴られるし……」とボヤいた
ルーが「あぁ、あの仏像の中には、この菩提寺に前住職の魂だけ入っているんですよ!
最近は仏像に慣れて倅と語り合ったりしてるから、本堂で騒いだりしてると叱りつけられたりするんだよ!」と説明
そんな話ししてると、君島が早瀬の傍にやって来た
君島は「どうです?うちのタレントは?」と問い掛けた
早瀬は「まだまだかな?体力がまだないから由香里のレッスン受けたら裸足で逃げ出したくなるレベルかな?」と答えた
君島は笑って「なら君達死ぬほど頑張るしかないね!チャンスだからね!これは!」と言いシャステナを見た
「君達がシャステナ?」
と問うとマークは「はい!俺等三人がシャステナです!」と答えた
「君達がこの先デビューに向けて動くならば、受け入れ先の一つとして、音楽事務所をしているうちも乗り出そうと思っているよ!」
「え?………キミシマは結構で名だたるミュージシャンいるのに?
トラバスとかエッヂとかイギリスでも人気なミュージシャンいる事務所だよね?」
「飛鳥井宗右衛門が再生しているグループと言うのならば、うちで引き受けるメリットはあるんだよ!彼の眼は本物を見極め基礎を叩き込む
そうして教え込まれた存在は、根強いファンを魅了して行くからね!
だからうちのBREAKだって叩き込まれるチャンスがあれば、其れを掴み取り叩き直してくれて構わない!
解散すると言っていたmoniだって、どんなマジック使ったのか、YouTube配信後に解散を撤回している!あのグループはもう駄目だと思っていたのにね………其れが俄然やる気になって今じゃイギリスに旅立ち鳳城氏のレッスン受けているよ!
だからシャステナが今、叩き込まれているのならば、原石なのだと見て先手を打つのも芸能事務所の社長としては当たり前の事なんだよ!」
と分かりやすく話す
烈は「三社共同事務所には話は通してあるわよ!晟雅ゃはミュージシャンならば専門に属してやるのもいい事だ!と言ってるしね
此れはチャンスなのよ、唸らせて掴み取ってみなさいよ!」と発破を掛ける
皆 俄然やる気になり闘志に火をつけた
そんなこんなで連日 YouTubeの配信をして呼び掛ける
「今度の【R&R】のイベントは国立競技場でXmasの日にやるからね!
皆はその日は鏡を持参して来てね!
鏡をSTAGEに向けて欲しいのよ
そしたら人体に害のないレーザー光線で反射してまるで星の輝の如く、神秘的なイベントになるんじゃないかって思っているわ!
そして此処からが【政府】から要請されたお願いです!
昨今 物騒な事が続いているので町内会や自治体が新年の年始札を皆に配ります!
町内会に入ってない人は区役所や市役所に貰い行けば貰えるからね
其れを玄関にはったり、窓に貼ったり、玄関の扉の裏でも良いわ!
家の何処かに養生テープでも良いわ、貼って欲しいのよ!
そして新しい年に向けて、気分一新で【みんな】で迎えられる様に協力お願いします!」
と何度も何度もお願いした
そして四方芸能事務所の中で一番重鎮と言われる俳優 松陵慶次との対談もYouTubeで配信
松陵慶次は気難しい俳優で有名で、テレビにも役でしか出ない!と有名な俳優だった
それが出る………と謂うから興味津々で、東都日報の今枝浩二は「取材させて下さい!」と言いに来た程だった
烈は「好きに見て、好きに書いてくれて構わないわ!」とOKを出した
後日 その記事がもっと松陵を不器用な親父として世間に知らしめたのだが………
松陵慶次との配信はホテルの一室を借りて行った
ソファーに座る松陵は結構…………慇懃無礼な雰囲気で源右衛門を彷彿させていた
烈は松陵を見るなり
「お会いしたかったです!
我が祖母は貴方のファンで子連れで狼、仕置人とか武士の本鰹とか猿侍とか、見て来ました!
サインが欲しい位です!
ばぁしゃんにサイン持って帰りたい!
でも今日は対談なので諦めます!」と少し悲しそうに謂う
その祖母思いな烈に松陵はやられた
「サインならば何枚でもするから、お祖母様を想う君の為ならば、何でもするよ!」と言った
烈はニコッと笑うと「有り難う御座います!」と礼を言った
「我が祖父 榊 清四郎と出られている大河ドラマ、毎週欠かさず見てます!」
「え?君、清四郎の孫なのかい?」
「はい!じぃたんは尊敬すべき我が祖父です!
そして祖母の榊原真矢は愛すべき我が祖母です!」
「清四郎と真矢のお孫さんか………盟友の孫
それ以前に君は………時代に合わないと言われる時代劇が好きと言ってくれた………有り難う!」
「我が家は飛鳥井玲香と謂う祖母がいて、祖母が無類の時代劇好きなので、まだ哺乳瓶でミルク飲んでる頃から見せられて来ました!」
「其処まで!!」
松陵は驚きつつも、この撮影は大変だったんだよ!とか、この撮影は最高だった!とか
時代劇ならばの話を烈に聞かせてくれた
そして「Xmasの日は久し振りに妻と娘と婿と孫と夜空に鏡を向けて君のイベント配信を観たいと思うよ!」と言ってくれた
「ならばイベントに招待します!」
「え?本当に?」
「はい!後日関係者席のチケットを四方ちゃんにお渡しするわね!」
「有り難う……妻や子供とはそう言ったイベントには行った事がないんだよ!
今年は妻と娘と婿と孫とイベントに行きXmasを楽しめる………嬉しいよ!」
「ならば、その日は愛する奥さんに日ごろの感謝の意味を込めて、
花束位渡すのよ!」
「花束………解ったよ、花屋で予約して買って渡す事にするよ!
私は役者馬鹿で……妻には優しい言葉もかけてやれなかった………」
「それなのに貴方に着いて来てくれた愛すべき人に、伝えなきゃね!」
顔を赤くして「頑張るよ!」と言う姿は………
時代劇の重鎮の姿ではなく………年輪を積み重ね生きて来た不器用な男の顔をしていた
この配信を見た人達は……松陵慶次も一人の男だったのだ………と想った事だろう
そしてトドメが今枝の記事だった
妻を愛し、其れでも不器用な男は妻や子に想いも伝えられない……団塊の世代に生きて来た姿があった
同年代の男性は心を揺さぶられ、女性は解る……と涙した
その傍らで四方も涙していたのは………誰も知らない、烈だけ見ていた出来事だった
人の心に幸せの種を植え付けて行く
何があろうが揺らがない【人間】と言う生き物は弱くはないと知らせて行く
地道な作業だが、一歩ずつ一歩ずつ着実に進んで行く
四方芸能事務所のタレントは人気となり、半年先までスケジュールは埋まっていた
浅葱仁 松陵慶次は殻を脱ぎ捨て新しい領域に歩み出ていた
君島音楽事務所は解散寸前のmoniが解散を撤回し、修行に逝くとイギリスへと旅立った
そして何だか可能性を秘めている原石スカウトしたと耳にすれば………
非協力的だった事務所の社長は臍を噛み悔しがった
うちのタレントを使ってくれて!と打診しても
「今の所時間的に余裕もないので、無理です!」と返って来た
そりゃ時間はないだろう
Xmas寸前までの期間限定のYouTubeなのだから………
着実に実力を付けて、一歩の差が出る
其れは今後の芸能界に置いて、歴戦の差となるのは明らかだった
友好的な態度を取っておけば………と悔しがったが後の祭りだった
みゆき芸能事務所に至っては……総てのタレントが本国に帰り………外国人タレントを多く扱う事務所としては立ち行かなくなっていた
また同時に給料の不正を弁護士に訴えられた
脱税の疑いも出て来て………話は日々大きくなって行く
四面楚歌、にっちもさっちも立ち行かない………
みゆき芸能事務所の社長 田中みゆきは烈に恨みの炎を燃やしていた
憎い………憎い………憎い!
復讐の炎を燃やし………何かを企んている事は烈には解らない領域だった
11月も終わろうとしていた
めっきり寒くなり、更に忙しく慌ただしくなっていた
阿賀屋は「身辺気を付けて過ごせよ!」と謂う
「やっぱそうなるわよね………」
色々と警戒して過ごすならばやはり、家族とは離れて生活する事を余儀なくされる
その事は神野達にも蔵持や榊原の祖父母にも伝えられた
「一緒にいると巻き添え食うし、家を探し当てられたくないからね!」
烈の後ろを付き纏うモノがいる事を即座に阿賀屋の配下の者が御館様に報告した程だった
何処へ行こうとも背後にピタッと付き纏う
その事は内閣調査室の唐沢の耳にも入っていた
唐沢は西園寺維弦の班と他の班の者を、烈の警護に当たらせる事にした
アレから唐沢班の中から西園寺班が出来上がり、スッカリ維弦は班のトップになっていた
維弦は烈の背後にピタッと引っ付いてる存在をマークしていると、有栖院暦也が必ずや傍にいた
遣り難い事この上ない状況だった
あれから唐沢は西村と籍を入れ結婚した
唐沢はワンルームに住んでいたから、二人で住む場を探していたら、烈から
「二人の職場の間にある賃貸物件を家賃少なめで貸してあけるわよ!」と言いマンションを家賃少なめで借りた
「結婚祝よ!と、ポンッと譲渡したいけど、ボク今貧乏でそれは無理だから格安の家賃と管理費支払ってくれれば貸すわよ!
マンションの下に電車通ってるし、西村と唐ちゃんの行き先は正反対だけど時短出来て最高だと思わない?」
そうして入籍して結婚生活をスタートさせたのだ
が、2人は恐ろしく気が合い、適切な距離を取り合う所なんか息ピッタリで長年夫婦として生きて来ました!バリの生活になっていた
西村の娘二人はイギリスから帰国して唐沢との顔合わせも無事終わっていた
西村の娘は、西村のコピーバリにソックリの美人さんだった
モデル?と謂う程の美人だが、烈の周りには美人しかいないから、まぁこんなモノか?と思っている唐沢だった
烈曰く、容姿なんてただの器よ!要は中身!
中身にどれだけのモノが詰まってるか?なのよ!
だから美人だとて、西村の子だから当然か
程度で流す唐沢に娘達も西村の結婚を大賛成した
菩提寺には二人の娘の子供達が住んでいた
娘達は息子に会いに時々 日本に帰って来ていた
息子達は時々会いに来る親の、生き生きしている姿に安堵して自分達の人生を送ろうと決めていた
父に苦しめられている母親が哀れで…………助けてやりたかった
その為に生きていた
賢くなりたかった
強く早く大人になりたかった
だが今、母はイギリスへと旅立ち、生き生きと自由に生きていた
イギリスの地で仕事して、時には恋して伸び伸びと生活していた
イギリスでは自分達が特別に美人と持て囃される事もなく、自己主張、自己表現、そして自分の意見を持たなくては話さえ耳を貸して貰えない現実に直面した
別にアメリカでも良かった
海外で生きる東洋人の生きづらさを体験させたかっただけだから……
何も言えない存在から消えて行く
仕事してても、何も言わなければ、それなりの仕事しか回って来ない現実を解らせたかっただけなのだから………
西村の娘ならば、乗り越えられない事はない!と、イギリスへと渡らせヨニーで仕事させていた
食うに困らない仕事と社宅は与えてやった
後は自分の力量でのし上がって行くしかないのだ
二人は血反吐を吐きながら、涙を零す事なく堪えて踏ん張り一歩ずつ歩み出して、職場に慣れ、仕事を熟し、プライベートも恋人と過ごす関係を楽しんでいた
国際結婚しようなんて考えて無い
イギリスでは結婚と謂うのが、其処まで重大視されてはいない
パートナー制度が確立していて、離婚の不便さは感じない
そんな生活を送りつつ、プライベートが充実した今 母を思う
母もパートナーを得て幸せに暮らせるならば………
心残りは末っ子だけ
その末っ子も傍にいてくれる存在がいて、姉達はホッと胸を撫で下ろしていた
そんな幸せそうな結婚した唐沢が、少しだけ羨ましい維弦だった…………
だって、絶対に班長は結婚しなさそうだったのに!!
西園寺維弦 心の叫び
同僚の神宮寺菖蒲は菩提寺の姫の警護に当たっていた
神宮寺は永遠に独身だろうから…………
まだ安心していた
そんな維弦の心の内など知る由もなく、慌ただしい12月
禍は其処まで来ていた
忙しい合間を縫って烈は魔界に来ていた
閻魔に呼び出され、閻魔庁分署の建設で頓挫しているから来てくれと呼ばれたからだ
魔界はスッカリ冬だった
まぁ人の世と連携した季節になってるから当たり前なんだけど………結構寒かった
暖房考えなきゃ!と想いつつ建築現場を見に行く
閻魔庁分署は柱がバラバラに壊れて手が付けられない程になっていた
烈はそれを見て「誰かが壊したのかしら?」と問い掛けた
閻魔は「…………やはりそうですよね?」と答えるしかなかった
「でも此処は誓約の地、こんな事をした者達は謀反を犯した者として粛清を受けているんじゃない?」
「この現場の前で多分、5体位の服だけが遺されていました!」
「あら、消えたのね………余程の悪意があったのかしら?其れとも………他の意図が働いたのかしら?」
「其れは解りませんが………どうしたモノか……と想い君に来て貰いました!」
「ボクもね、こまめに来たかったけど鳳凰の禍が人の世に齎す影響を考えて動いてるのよ!
当然、魔界も禍受けるわよ!どう対策取ったのかしら?」
「………対策取りようがないでしょ?」
「無効化狙ってみなさいよ!」
「無効化………魔界は人の世より近く禍を受けますからね、どれだけの無効化狙えるか?解りません………」
「其れでもやらないよりはマシよ!
やる前にゴタゴタと御託は要らないのよ!」
「烈………手厳しいですね今日は………」
「こんな事をやる奴は禍の影響受けてるかもなのよ?」
「私も其れは想いました!」
「ならば鳳凰が誕生なされる日、なされる瞬間は魔界の住民は皆 この地に集めなさいよ!
この地ならば………相殺され無効になるかも………
賭けだと想ってその日はこの場に集めてやり過ごすしかないのよ!」
「解りました!」
「金ちゃんは何処にいるの?」
「あの夫妻はずっと桃源郷近くの家で、黒龍夫妻のサポートをしています!」
「ならば呼び戻しなさいよ!
こんな時に金ちゃんいなくて元龍族の長が務まるの?今こそ呼び寄せ龍族を纏めさせ、力のない者達もじいさんと共にこの地に先導すべきでしょ!
後 龍族ならばなるべく黒龍以外は近くにいたら負けて死ぬかもよ?金ちゃん銀ちゃん纏めて黄泉の旅路を辿る羽目になるかもよ?」
「其れは大変です!直ちに迎えに行きます!」
「この建物は手を付けなくて大丈夫よ!
鳳凰が誕生なされてから、直しましょう
そしたらボクも時間が取れるし、指示は出来るわ
直ぐに壊れた場所の瓦礫の撤去して!」
烈が謂うと鬼達が即座に瓦礫の撤去を始めた
烈は疲れている顔をしている閻魔を見て
「えんちゃん、今夜は此処で泊まったら?」と言った
「え?此処で………そりゃ学校は完成してますが………」
「豊乃姫もそろそろ出産でしょう
ならばこの地で産まれる事をお勧めするわ!
今直ぐに家族を連れてこの地に来なさいよ!」
「解りました!執務官に伝えて連れて越させます!」
「駄目よ、あまちゃんに頼みほーちゃんに乗せて貰い来るのよ!」
「解りました!」
閻魔は天照大御神に連絡して豊乃姫を連れて来てと頼んだ
暫くして建御雷神と天照大御神が鳳凰に乗り、豊乃姫を連れてやって来た
建御雷神は「烈!久しいな!最近は顔を出してくれぬと素戔鳴は淋しがっておったぞ!」と言い烈を抱き締めた
「たけちゃん禍が来るわよ!」
「知っておる!魔界でも既に影響を受けた者が暴動を繰り返しておる!」
「だから禍が最大級で襲って来るまで、豊乃姫はこの地から出ちゃ駄目だから!
工事は一旦止めてゲートを閉めておいてね
そして豊乃姫は慰霊塔の下で過ごすのよ!」
「慰霊塔の下に部屋なんて在るのですか?」
「在るのよ、この日を警戒して慰霊塔を建てたのよ、そして豊乃姫はその下の空間で過ごし禍の起きる日に出産となるわ!
奇しくも次代の鳳凰と次代の女神が時を同じくして誕生するのよ!
此れは運命であり、定めに則った未来なのよ!」
烈は慰霊塔の横にあるパスルを解くかの様に何やら始め、慰霊塔を動かした
「豊乃姫の出産にはあまちゃんが立ち会ってね!」
「解っておると言いたいが、我は産婆にはなれぬ
どうするのじゃ?」
「出産の時はボクは身動き取れないから誰かに来て貰うから大丈夫だから!」
烈は慰霊塔を動かすと「えんちゃん、あまちゃん、たけちゃん、この像に手を当てて!」と謂う
三人は像に手を当てた
「三人の気を読み込んだから、三人以外の者は像は動かせないから!」
と言い!下へ続く階段を降りて行った
其処にはソファーやベッドか置いてあり、暮らすに困らぬ空間があった
「少し窮屈だけど禍の影響受けたくないからね
この中で暮らすのよ、良いわね!」
豊乃姫は「解りました!別に不便など感じない空間で助かりました!」と謂う
烈は建御雷神に「たけちゃん、金ちゃんを戻しなさい!そして弥勒もXmas前日から魔界へ戻すから盟友+元龍族長で暴動しそうな住民達をこの地に誘導するのよ!
この地ならば禍を無効化出来るチャンスもあるからね!
えんちゃんは最初から妻の傍にいれば良いわ!
下手に出入りされたら出産した後の子に影響出ちゃうからね!
下手したら次代の女神を殺されても仕方ない事態に発展しちゃうからもだから気を付けてね!
ボクはXmasの日は身動き取れないから!
魔界の事態は魔界の者で対処するしかないのよ!
まぁ父ぉーさんと母ぁーさんには頼んどくから
くれぐれもボクは当てにはしないでね!」
建御雷神は「解っておる!魔界の事は魔界の者で何とかするしかあるまいて!
主は今 人であるからな
主は人の世に振り降りかかる禍を何とかされるがよい!
魔界に降りかかる禍は我等が何とかするしかなかろうて!」とキッパリ言った
「何とししても豊乃姫のお子は出産せねばならぬ!
果てが狂うから次代の鳳凰とワンセットで誕生せねばならない!
何方かが欠けたら………其れは魔界のリセットを早める結果になる………」
閻魔は「我が子は……死命を持って誕生されるのか?」と問うた
「そうよ、女神として魔界を照らす存在となられる!其れは天照大御神が一番身に染みて感じられるのではないでしょうか?」
烈の言葉に天照大御神は優しく微笑み
「そうじゃな、その力は我と同等……我が黄泉の旅路を渡っても魔界は其奴が担う事になる!」
「そんなに簡単に黄泉の旅路なんて渡れるなんて思わないでよね!
その子が育つまでに何万年必要なのよ!
そして育っても天照大御神と同等の存在になれるまでに更に何千年必要となるのよ!
産まれる、其れは始まりだけど果てしない時を刻む一歩にしかならないのよ!」
「我はまだ楽にはなれぬか!」
「甘いのよあまちゃん!
たけちゃんもじいさんもまだまだやる事は沢山あるのよ!
まぁ楽になれるとしたら魔界がリセットされる時かしら?
使える神がいないと判断されれば魔界はリセットされ、新しい神を立てられ始められる
その時魔界に我等はいなくなる、それでなきゃ死ぬ気で進むしかないのよ!」
「ならば、我は烈の為に死ぬ気で頑張るしかないわいな!」
天照大御神が謂うと建御雷神も
「そうじゃな!リセットなんぞされてたまるか!
そんな日か来ぬ様に死ぬ気で踏ん張るしかないな
なに、儂には素戔鳴もおるし聖王もおる!
一人じゃないからな!踏ん張ってみせるわ!」と言いガハハハッと笑い飛ばした
「ならボクは還るからね!
瓦礫を撤去してゲートを閉めておいてね
Xmasの日は昼からこの地に住民を集めなさい!
この地で暴動起きたら放っておいて構わないわ
総て消えてなくなるから!
この地はそう言う地なのよ!
沢山の天使と魔族が血を流した地
もう諍いも闘いも争いも起こさないと誓った地
だからその地で悪しき行為をした者は総て消えてなくなる呪文を刻んだ
だからこの地に皆を集める様に、と言ってるのよ
そして魔界では何時間になるのかしら?
人の世ではピークを3時間と決めて動く事にしてる!魔界では解らないけど用心に越した事はないわ!詳しい事はお師匠様に聞いてね!
では、ボクは行きます!」
そう言い烈は神の道を開き姿を消した
建御雷神は「忙しいのだな!」と素戔鳴に逢う事なく姿を消した烈を想い口にした
閻魔は「人の世で禍の無効化対策に奔放してるそうです!」と答えた
この禍を乗り越えたら遊びに来てくれる事を願い、建御雷神は動き出した
「儂は金龍を呼びに参る!」と言い愛馬を呼び出し駈けて言った
閻魔は「毎日様子を見に来ます!欲しいのが有ったら、その時に言って下さい!」と言い役務に就く為に出て行った
天照大御神は像を戻し入り口を塞いた
そして豊乃姫に寄り添い、傍にいた
大きなお腹を擦り語り掛ける
豊乃姫はその優しい時間に静かに眠りについた
人の世に戻った烈はイベントを進め具体的なシュミレーションを立て始めた
実際にグランドを借りて四分の一のシュミレーションを当日と同じ様に進める
スタッフや社員に鏡を持たせてどれだけ傾ければ反射出来るのかを実際にレーザー光線を当てて計算する
それをYouTubeで伝え、この角度で持ってて下さい!と伝える
国立競技場で行われるXmasイベントのチケットが売りに出された
それに伴い日産スタジアムや横浜ベイスターズの球場、沖縄の市民体育館に中継をする為に貸し切り、大型プロジェクションマッピングでのイベントを行うと告知すると配信チケット料金で購入出来る分とあり飛びようにチケットは売れた
また新年札は部屋に飾っても良い様にデザイも色々と提案が出され作った
其れを自治体や町内会に渡し貼って貰う
部屋に飾っても良い様に皆に知らせると、区役所や市役所に貰いに行く人達も増えて、コーナーを作り手渡していた
昨今 町内会に入る人達の減少も直面すべき問題だと謂う事が証明された様なモノだった
人伝てに新年札の事が伝わり貰いに来る人達も増えた
そうして浸透させ禍を無効化させて行く努力をしイベントを成功させて行く
演歌のイベントの方も烈が企画・構成を依頼された
まぁ時間的に無理だと断ったが、禍が起きる時間帯にどの歌手をぶつけるか?等は相談に乗った
そして沖縄のエイセイのイベントは、喜屋武社長のスタッフに指示を出して動いて貰った
自治体からの依頼と謂う事で、税金を投入されイベントは開かれる事となった
また協賛と言うカタチを取り、協賛してくれる商店街では、5000円買い物をしたら、日本の歌の配信無料のコードが先着1000名に配られるイベントを行った!
すると結構長蛇の列を作り、商品は売れ、配信無料のコードを手に入れた人達は喜び、手に入れられなかった人達は残念がりまた何かやってくれ!と申し出か沢山あった
地域の商店街の活性化に一躍買った事になり、イベントに感謝された
時を同じくして【R&R】も大手製菓会社から
「イベントのスポンサーになるから、【R&R】のイベントでの、配信無料コードをお菓子1000円分買った人に抽選で当たる!と謂うのをやりたいんだけど駄目かな?」と謂う打診が来た
烈は「其れは効果絶大じゃない!ならば外れた人にも抽選でサイン入り生写真、ポストカード、ボールペンを各10名ずつにプレゼンなんてどう?」と謂うから製菓会社の社員は
「ならば待ち受けは全員配布、ポストカード100名、サイン入り生写真、ボールペンは各10名ずつでどうですか?」なんて聞いて来た
烈は「撮影はそちら持ちならば、OKよ!」と言うと乗り気で一人ずつ、メンバー全員とで撮影となった
急ピッチで撮影をして印刷をした
生写真はその場でプリントする所も見せてサインを入れた
そうして配信無料コードを配ると言うお菓子は飛ぶように売れ、サインやボールペン等の商品は総て終了した
待ち受けだけは年内一杯取れるとの事で、待ち受けだけを残して総て終了した
そして烈は幼稚園の上の住居で新年札を貼り、兄達と共に配信した
次の日はまた別の場で配信、居場所を定めない為に至る所で配信した
菩提寺へ顔を出すのも神の道を通り、人目に付かない様にして出ていた
今は節子の叔父の家で過ごしていた
母屋の方を葛西に貸して旅館として運営して行く様になっていた
母屋から離れは見えないし、入り込むのも無理だった
とても静かで落ち着く料亭であり、旅館として、予約客は後を絶たない
政治家も一階の部屋を良く使い会食をしていた
一階は会食用のお客さまのお部屋として使い、2階と3階を宿泊のお客さまの部屋として使い分けして回していた
葛西の家は直ぐ側にあり、通うのが楽になったよ、と今までの料亭は兄夫婦に旅館は姉夫婦に譲り
葛西は妻のすみれと母親とで、此処の料亭兼旅館を切り盛りしていた
無論 兄達とも姉達とも連携を取り、向こうの料亭が忙しい時は手伝いに行き、こっちが忙しい時は手伝いに来てくれていた
旅館にするに辺り軽くリフォームはした
まずは料理を運べるようにワゴンごと乗れるエレベーターを設置した
後は個室を旅館の部屋バージョンにリフォームした
葛西にはこの地の固定資産税の分だけのお支払いで貸していた
土地の測量を改めてして、雑木林の方の土地は土砂崩れが起き、今は危険と言う事でかなりの土地を手放した事にして、料亭と旅館としての固定資産税も基準よりも安くなり、支払いやすい値段になっていた
無理せずに続けられる
それが一番なのだ
離れには阿賀屋や鷹司、紫園や神威も来ていた
烈が神野達も呼ぶから、連日美味しい料理を食べて、神野達からの差し入れの酒を飲んでいた
美味しい料理は離れにいると謂うと葛西が差し入れをしてくれるからだ
その日の余った食材で作った料理やツマミになりそうな料理等、差し入れされ烈は
「茂ちゃん、そんなに差し入れして大丈夫なの?
ボクは今狙われているから此処にいるけど、気を使わなくて大丈夫だからね!」と言う程だった
葛西は笑って「構わないよ!烈に食べて欲しくて作ってるんだから!」と言い取り合わない
阿賀屋達は美味しい料理をツマミに酒を飲んていた
烈は疲れ果てでろーんと寝ていた
竜馬は烈と共にいた
メンバーも烈と共に動いていた
烈は母へラインをし伝えるべき事をラインした
「Xmasの日、少し魔界を覗いてやって下さい!
其れと豊乃姫の出産の為に産婆の手配お願いします!
魔界では既に暴動か起きてるそうです!
当日は禁足地に皆を入れて禍を無効化を図りたいのですが、イベントの為にボクは動けないので、お願いします!」と送信
康太は『了解した!久遠に産婆の手配して貰って連れて行く事にする!
それよりイベントが終わった夜は飛鳥井に帰れねぇのか?皆が寂しがっている………』とラインを返した
「母ぁーさん、ボクが凄く嫌ってた女いたじゃない、あの女がボクに復讐するタイミング狙っていると暦也が言って来たのよ!
あの女を何とかしないとボク帰れないのよね………
まぁ禍のピークで踊らされ何かしてくれた方が維弦も動きやすいだろうけどね!」
『あ~またお前に維弦ついてやがるのか?』
「そうなのよ!目立たない様にピタッと引っ付いてるんだけど下手くそで困ったものよ!」
『そう言ってやるな、向こうも仕事なんだ!』
「もう少し待ってね母ぁーさん
この部屋にいる飲兵衛を全員、そっちの家送りにするから!」
『それは騒がしくなりそうだな!』
「Xmasの後は寝るわ、ひたすら寝るわ!」
『おめぇの兄達からXmasプレゼントあんぜ?
それ受け取らずに寝るのかよ?』
「え!本当!なら受け取ってから寝るわ!」
康太は笑い『どっち道寝るのかよ?』と笑った
「睡眠時間削って動いてるから、その分寝るわ!」
『うし!ならオレは安眠枕プレゼントしてやんよ!』
「それは最高に嬉しいわ!
じゃ母ぁーさん、礼のヤツ貼っておいてね!」
『了解した!ならまたな!』
ラインを終え、烈は夜空を見ようと外に出た
この空は飛鳥井の家の上にも続いてる
夜空を見ながら家族を少しだけ想う
が、外に出て竹藪から瞬間、堂嶋正義とバッタリ出くわしてしてしまった!
正義は「烈、こんな夜更けにどうしたのよ?」と問い掛けた
「ボクは今此処に住んでるからね!
空を見ようと外に出て来ただけよ?」
「え!この旅館に住んでるのか?」
「離れよ!この土地はボクのだから!
其れより正義ちゃんこそどうしたのよ?」
「俺か?葛西が新しく料亭と旅館を持つと聞いたから、遊びに来つつ料理を楽しんでいたんだよ!
それよりお前、飛鳥井の家に帰ってねぇのか?」
「命狙われてるからね、帰ったら家族に迷惑になるからね!」
「…………ひょっとして、あの非協力的だった芸能事務所の女か?」
「あら、よく知ってるわね!
でも外でする話じゃないわよ!
じゃあね、バイバイ!」
と言い離れに戻ろうとする
堂嶋は烈と共に行こうとした
「正義ちゃん一人なの?」
「嫌、繁雄もいる!まぁお疲れ様会だ!」
「このままボクが離れに入ったらもう会えないから、呼んでおいてよ!」
「待っててくれるか?」
「ええ、待ってるから大丈夫よ!」
烈が謂うと堂嶋は三木を呼びに行き外に出て来た
堂嶋と三木と共に、烈は離れへと戻った
三木は「あれ?こんな所に離れなんてあったんだね?」と不思議そうに呟いた
「此処は結界張ってあるから見えないのよ!
ボクが夜空見る為に結界の外に出たからね
正義ちゃんと逢っちゃったのよ!」
竹藪の中へ踏み込むと道は出来て離れへと続いた
離れに入ると竜馬が心配して「烈!何処に行ってたんだよ!」と出て来た
そして父を見て「あれ?親父………」と呟いた
三木は「メンバーもいるのかい?」と尋ねた
「メンバーもいるし、何時もの飲兵衛達と同じ面子がいるわよ!」
と言うと部屋の中へと入って行った
すると阿賀屋、鷹司、紫園、神野、須賀、柘植、相賀、神威がご機嫌で飲んでいた
その中に混ざって何時もの飲兵衛 毘沙門天達もいた
メンバーもご機嫌で飲んでいた
堂嶋は「最近はずっと此処なの?」と問い掛けた
「まちまちね!でも今は此処の近くの廃校のグランドを借りてイベントのシュミレーションしてるからね、最近は此処だけど直ぐに移動となるわよ!」
堂嶋は「我等に言ってくれれば何処だって貸し出したのに!」と言う
「まぁしげちゃんのお兄さんの知り合いが管理してる廃校を借りてるから大丈夫なのよ!」
「まぁ居場所が解ったら来るからだろ?」
「そうね、来るわね!
だから辿り着けない様に気配消してるのよ!
でもね、ずっと消してると知り合い狙うから、適度に姿見せつつ牽制が必要なのよ!」
堂嶋は「まるでストーカーじゃないか!」とボヤいた
阿賀屋が「酒が不味くなる!今は飲む!」と言いコップを渡す
そしてご機嫌に飲み始める
烈は10時には隣の部屋に行き眠りについた
翌朝 堂嶋と三木は国会へと出る前に着替えをせねばならない、と早めに起きて一緒に朝を食べた
堂嶋は「また此処へ来れば会えるか?」と問い掛けた
「無理ね、Xmasまではコロコロと居場所は変わるからね!」
堂嶋は「件のストーカー女、唐沢は知ってるのかよ?」と問い掛けた
「知ってるわよ、維弦を護衛に着けてるみたいだし!」
「その護衛巻いたら駄目だろ?」
「下手なのよ、跡ついてます!言ってる護衛は………ね!」
「まぁ其れも愛嬌って事にしてやれ!
其れと、その女は近々逮捕されるぞ!
その女の夫の前妻が、中々慰謝料支払わないから家を訪ねて談判しようとしたら鍵掛かってて、その日に家を訪ねる事も事前に通知してあり、私物の引き取りも拒否されていたから、その日は私物の引き取りも兼ねて尋ねた
でもドアは開けない、呼び鈴鳴らしても出ない
弁護士は警察に連絡して、警察と共に鍵を開けて部屋に入ったら………元夫の哀れな姿があったと謂う訳だ!遺体は即座に鑑識に回され体内から薬物が検出された
で、逮捕状出てるから色々と探ると、かなりきな臭くて………捜査班立てられ徹底的に調べる事になったそうだ、が本人は行方不明と言う訳だ!」
「きっと体を使って籠絡した後に邪魔になったから、毎日毒になるの飲ませて病死狙ったんじゃないのかしら?
事務所も完全に手中に収めてしまえば、不要じゃない男なんて!」
「…………俺はつくづく女が怖い………」
「まぁ女も男も欲の皮を面突っ張らせると、後先見えない悪鬼に堕ちるのよ!」
「護衛の強化申請しとくよ!
ついでに警察庁の方にもお前を追えばもれなく女が着いて来る事も伝えとくわ!」
「何かオマケみたいなお得な感じにしないでよ!」
「何かあったら必ず連絡してくれ!」
「了解よ!」
堂嶋と三木は烈を抱き締め名残惜しそうに、帰って行った
烈は葛西に「今夜からは別の場所で泊まるから此処へは又当分は来ないわ!
ボクを訪ねて来るヤツいたら伝えといてね!」と頼んだ
葛西は「了解したよ!」と言いお昼のお弁当を皆の分も渡してくれた
「有り難うしげちゃん!」
烈は葛西と別れて別の場へと移動した
場所を飛鳥井の体育館へと移動して、リハーサルを繰り返して行く
保養施設3階に泊まり込み追い込みをやる
その合間にYouTubeの配信をする
ちゃんと背景の解るホテルで生配信すれば、釣られてやって来るのがいるからだ!
テレビのワイドショーではみゆき芸能事務所の社長 田中みゆきの悪事が流されていた
妻となって事務所に顔を出して、ジワジワ手中に収めた頃から旦那には毒を飲ませ始め
当時のスタッフは「社長はあの女と結婚した頃から、何か体が痺れて自由に動かせないんだよ!」と話していた、とインタビューに答えていた
また他のスタッフ達は口を揃えて
「事務所手に入れたら社長殺されるかもね……」と話していたと謂う
田中社長か社長を務めていた時のスタッフは今、全員辞めてしまっていた
スタッフは全員「残れば殺されかねないから!」と口を揃えて答えた
少しでも早く辞めて身を隠さねば………その思いで皆 住所も移動させずに隠れる様に過ごしていたと訴えた
ボロボロと悪事が表に出て、事務所は壊滅状態となった
もう芸能界で生きてはいけないだろう
下手したら………捕まったらマトモな生活すら出来はしない
依然行方不明な田中みゆき容疑者と連日晒されるニュースは全国に流れる事になった
街はXmasカラー一色になった頃
【R&R】はイベントの告知キャンペーンを渋谷でやる事が決まった
大々的に動く事を告知して1日のスケジュールを公式HPに乗せた
午後3時からはNHKホールへ行く為に渋谷へと向かう
渋谷の大きなビル等を回り、Xmasのイベントの宣伝をする為にレコード店や書店に自分の本のサインを入れたりと、かなり目立つ様に練り歩いた
NHKホールには、NHKのお子様番組から招待されたから、お子様番組に出演の為だった
だから渋谷近辺のキャンペーンとなっていた
ビルを出てNHKホールの方へ歩こうとすると、姿を消して見張っていたクーが
「止まれ!烈、上から降ってくる!」
と烈を止めた
烈は足を止めて後退ってビルの中へと入って行った
その時 隣を歩く男性を竜馬の方へ突き飛ばした
竜馬はその男性を受け止めて咄嗟にビルの中へと入り込んだ
メンバーも後退って即座にビルの中へと入った
自動ドアが閉まると同時に、空から人間が降ってきた
地面に叩き付けられ血飛沫が飛び散った
人間は地面に叩き付けられ、首や手足が曲がっちゃいけない方へと向かってピクピクしていた
傍を歩いていた巻き込まれそうになってた男性は唖然としていた
何が起きたのか?解らないまま………時間が止まったかの様に……身動き取れないでいた
誰かが通報したのか?即座に警察がやって来た
その前に唐沢班の西園寺維弦が証明書を見せて、警護対象だと伝えた
降って来た女とは無縁で、此れからNHKホールへ移動する予定だったと伝えた
烈は維弦にだけ聞こえる様に
「あの見る影もない女はもしかしたら?田中みゆきかもよ?」と伝えた
「えー嘘!何故それが解るんですか?」
「そりゃ飛ぶ瞬間の田中みゆきをクーたんが見たからよ!
もし違う人間ならば、田中みゆきは………人間を辞めたと想った方が良いわ!」
「あ~成る程!ならば警察には伝えときます!
でも用心の為にバスを手配するので、それに乗って下さい!
護衛の者が運転するバスが到着したら、NHKホールへ移動して下さい!
其れでは即座に護衛の者にバスを手配します!
無論、NHKホールを終えた後もホテルへと送迎させます!」
そう言い維弦は即座に手配する!
傍を歩いていた男性は助けてくれた人が【R&R】のメンバーだと気付き
「え?嘘!本当に【R&R】のメンバー?」と信じられないと呟いた
メンバーは爽やかに笑い
竜馬は「気を付けて下さい!」と言葉にした
烈は「ボク達はこの後のスケジュール詰まっているから!其れでは気を付けて目的地に辿り着いて下さい!」と言いその場を去った
外に出ると丁度お迎えに来てくれた、護衛バスに乗りNHKホールへと向かう
NHKホールには小さなお子様が両親達と共に集まっていた
烈達【R&R】のメンバーはお子様が喜ぶダンスと歌を歌いイベントのPRをする
ママさん連中も大喜びして夢中になり、我が子と一緒に笑って歌って盛大に盛り上がった
そしてイベントが終了すると、【R&R】のメンバーは手を振りステージから姿を消した
烈は控室に行き一休みすると
「ボクの子供時代、あんなに無邪気に楽しんでなかったかも………惜しい事したわ!」とボヤいた
竜馬は「烈は無邪気と言うより貫禄なお子様たったすからね!」とボヤく
「ボクの子供時代……惜しい事したわ!」
「其れも烈っすから!」
維弦が迎えに来て取り敢えずホテルに部屋を取ったから!と言われ移動を始めた
アンニュイな烈に維弦は「烈君どうしたの?」と問い掛けた程だった
竜馬は「烈はあんなに無邪気な幼少期なかったからボヤいているんすよ!」と説明
維弦は「あ~今も子供だけど、子供らしからぬ生活送てってるからね!お子様時代なんて想像も付かないかな?」と納得
烈達はホテルへと移動した
烈達がホテルの部屋でルームサービス頼もうかしら?と思っていると唐沢が部屋を訪ねて来た
「あ~烈、無傷か?」
「無傷よ、血飛沫さえ掛かってないわよ!」
「あの飛び降り自殺の身元鑑定が出来たんだよ
烈の予想通り田中みゆきだ!
後が無いからお前のスケジュールを手に入れ、その時間に合わせて飛び降りたみたいだ!」
「まぁあのまま外に出たらボクの体の上に飛び降りの人物と出会しちゃう所だったわ!」
「何故回避出来たんだ?」
「そりゃ上空見張っていたクーたんのお陰よ!
飛び降りて来ると言うから、後退り血飛沫避ける為に窓の近くまで逃げて逃れたのよ!
じゃなきゃ今頃お陀仏よ!」
唐沢はクーの頭を撫でて「お手柄だなクー!」と労いの声をかけた
ルーも、スーも頭を撫で「でも油断するなよ!」と言い帰って行った
禍はすぐ其処まで来ていた
「油断なんてする筈ないじゃない!」
烈は唐沢を見送り呟いた
油断したら何時何時命を狙われるか?解ったモノじゃない
そんな危険と隣り合わせの日々だった
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