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第68話 年末年始 ❶
クリスマスの夜、高速道路で30台の玉突き事故があった
前代未聞の大惨事となった
全国各地で集会や暴動は起きなくなったが、クリスマスの夜、全国各地で悲惨な火事や爆破、そして事故が多発した
リサイクル工場からいきなり火の手が上がり大爆発を繰り返し、近隣住民は避難を余儀なくされた
緊急車両は走りっぱなしで足りなくて他県に緊急要請を出したりした
ニュースではそんな悲惨な事故が流れていた
報道各社はその夜の事を【史上最悪、魔の一日】と呼んだ
烈はそんなニュースを目にして
「やってくれたわね……」と悔しがった
禍は鳳凰自ら消してくれたが、漆黒の奴が人々に禍を撒き散らして行きやがったのだ
無傷で終われる所を爪痕を見せ付ける様に遺して………行きやがったのだ
康太は「其れは鳳凰の存在に怯んでお前に手が出せなかったから腹癒せだろ?
禍が無効化されすに漆黒の奴が来たらもっと被害は増大していた!まだこの程度で済んで良かったと思うしかねぇよ!」と謂う
「其れでも……死ななくても良い人達が死んで逝ったのよ………」
「嫌々、運命だったんだよ!
その日死ななくても、いづれ巻き込まれる運命を持っていたんだよ!
オレ等は全知全能の神じゃねぇ!
人の生死をどうこう出来る力なんてねぇんだよ
まぁ地獄へ来たならば、それなりに対処は出来るけど、其れも役割を持っただけの事!
オレ等はそこそこの存在なんだよ!」
「そうね、ボクもそこそこの存在だから………仕方ないわね………」
「そうだ、其れより今日は大掃除だぞ!
飛鳥井の家は大掃除必要ねぇけど、会社と菩提寺は必要やろが!」
「今日は仕事納めじゃない!
明日の太極拳や道場の子達皆でやる餅搗き大会終わらなきゃ大掃除は始められないわよ!」
「あ〜明日も餅搗き大会か!
飛鳥井の家のお餅は何時やるのよ?」
「大晦日かしら?今年は金色の呼べないからカズに頑張って貰わなきゃ!」
「あ〜金色のぶっ倒れてるってな………」
「まぁ魔界の住民は殆どが鳳凰の瘴気にやられて寝込んでるでしょう!」
「間近で見たらそうなるさ!」
「ボクもぶっ倒れそうだったわよ!」
烈と康太はボヤきつつも榊原の運転する車に乗り会社へと向かった
社内へ顔を出すと社員達は烈の姿に安堵していた
「最近会社の方へボク関係の電話あるのかしら?」
「今はねぇだろ?営業妨害で訴えられたくねぇからな!」
「それは良かったわ!」
社員達は朝からお掃除道具片手に頑張って開始を待っていた
烈は整列する皆に
「飛鳥井建設の毎年恒例の大掃除が始まります!
今年からお弁当は料亭で依頼しています!
結構安くて1000円ピッタリでやってくれるので、お昼のお弁当が必要な人は愛染に1000円支払って注文してね!
愛ちゃん頼めるかしら?」
愛染は笑顔で「任せといてよ!なら俺の所へ1000円持って来て予約してくれ!
お弁当屋さんって葛西さんの所の?」と問い掛けた
「そうよ、お弁当は普段はやってないけど、土地貸してるから融通効かせてくれて作ってくれるのよ!」
「なら頼んできます!お店移転したんだよね?」
「静かな所が所望と謂う人多いからね
値段ピンキリだした皆も食べに行きなよ!
無論、前の所も営業してるわよ!」
「それは楽しみですね、今度行ってみます!
それではお弁当は俺に頼ん1000円と部署と名前を告げて10時までに注文頼みます!」
「次は餅搗き大会の話です!
餅搗き大会は自由参加です!
強制ではないので不参加でも大丈夫よ!
出なかったから後の審査に影響出るなんて考えないでね!
参加される方は会費は三千円です!
瀬能ちゃんに渡して参加してね!
瀬能ちゃん、頼めるかしら?」
「任せておいてよ!烈!
俺の方も会費は10時までに部署と名前を告げて三千円お支払いで頼みます!」
「と謂う事で飛鳥井建設の年末恒例大掃除始まります!
来年の7月には会社は移転します!
新社屋へ来年は移るので、この会社で迎える最後の大掃除になります!
皆さん、この会社は施工が入るので、綺麗に掃除して下さいね!
施工の会社はリフォームに特化した飛鳥井内装工事株式会社が入ります!
なので、綺麗に磨き上げて、施工に渡して下さいね!其れでは大掃除スタート!」
烈の掛け声で始まる大掃除
皆の手には【ツルピカ印】のお掃除道具が握られていた
「ボクもツルピカ印使ってるわ!」と手にしたツルピカ印のハンディモップを掲げた
社員達は自分の部署へと走り、掃除を始める
最近 烈のエッセイは毎日ルーティンと題して毎日の日常をテーマに書いた
朝起きて九条葱にお水をやり、年末のお鍋に役立つ様に太らせる
ボクは結構お料理は得意なので、太ったネギはお鍋には欠かせないので、育ててるのです
無論、面倒を見てくれる人もいるわよ!
一人で暮らしてる訳じゃないから安心してね
料理もその人が作ってくれたり、一緒に作ったりしてるのより
そして着替えて、着替えを洗濯機に入れてお部屋の掃除
掃除を終えると、太極拳をやり、朝を食べる
此れは365日、毎日続けられるルーティンです
犬の散歩はしません!
今 ボクの家には犬はいません!
犬の散歩中、すっぱ抜かれて雑誌の表紙にされて以来、家の周りをファンと名乗る人達が屯して家に帰れなくなったから………
今も家族で暮らせる家も失ったまま………
でもボクは毎日、この時間は兄達もやってるだろう朝のルーティンを繰り返しやるのです!
離れていても家族への想いは何時だってボクに元気をくれるのです!
と、少し刹那く書かれたエッセイは、烈の私生活を垣間見た読者が、やはり今も家族で暮らせていないのだと………心を痛めた
烈は犬の散歩はもうしてないし、犬はいない事を強調したかったのだが………
案外 反響が大きく成りすぎて………困っていた
社員達も烈が別行動してたり、康太でさえ「アイツの事は解らねぇよ!」と言ってる姿を見れば嘘を言ってないのが解る
其れでも会社に顔を出してくれるし、兄達と連絡は取ってるのだと思うと、其れだけで嬉しかった
愛染の所には社員全員分のお弁当が予約された
竜馬が「恭輔さん、飛鳥井の家族15個お願いっす!【R&R】は7個頼むっす」とお金を支払う
愛染は「飛鳥井15個ね!【R&R】は7個ね!」と予約表に書いて行く
15個多くないか?と想い想像する
清隆 玲香 瑛太 榊原 康太 烈 兄達5人 凛 椋 レイ あ、兵藤か!と納得、書き込んだ
そして瀬能の所には社員全員と家族がいる家には家族の分も注文していた
烈は「お米高騰で餅米も高いから、ゴメンね!」と謂う
瀬能は「皆 解ってるから大丈夫だよ!皆でやる餅搗き大会ってのが楽しいんだから!」と謂う
皆で最後の大掃除をする
来年は新社屋の掃除となるのならば、今年は念入りにやらねば!と皆が思いを一つにして綺麗に磨き上げる
9時に始まった大掃除はお昼前には終わった
烈は「皆 綺麗に掃除有り難う!今年はどの部署が綺麗とかはありません!
だってそんな評価なんて不必要な程にピカピカだもの!
菩提寺で行う餅搗き大会に参加される方は、もう会費支払ったと想うから、思う存分楽しんてね
皆 お昼食べたら楽巌寺に来るのよ!
行き方解るかしら?」と問いかけた
城田が「あ!菩提寺の近くに神奈中のバスが停まるよ!
しかも楽巌寺前ってアナウンス流れるから!
この近くのバス停に停まる5番のバスに乗り、楽巌寺前で降りれば直ぐに解るよ!
道場あるし反対側には体育館も建ってるし、バス停から少し歩くと物凄い階段あるし、それ登れば広場に出るから!」と謂う
瀬能が「体育館の横に立体駐車場有るから、時間分の料金支払へば停められるから!
乗用車で来る人は其処に停められるよ!」と謂う
「皆 待ってるからね!
菩提寺にはちっこい子達も沢山いるから!
皆で協力して頑張っておもてなしするから!」
「お弁当、烈は何処で食べるんだい?」
「食堂で家族で食べるわよ!
瀬能ちゃん達も来ると良いのよ!」と言い歩き出す
食堂に行くと【R&R】のメンバー、フレディ、ヘンリー、サムエル、ダニエル、イーサン、デービッドそして竜馬が既に席に座っていた
烈は竜馬にお弁当を貰い食べ始めるとフレディに
「雑音は大丈夫?」と英語で話しかけた
フレディは「前の様に雑音の世界にいる訳じゃないから大丈夫だよ!」と笑う
やはり皆で一緒にいられる時間は何よりも大切だと実感する
そしてメンバーや烈や竜馬、そして飛鳥井の家族と共にいたい………切に思った
康太と榊原もその前に座り、その横に清隆、瑛太、玲香が座った
凛 椋、レイ 響と奏 翔 流生 音弥 太陽 大空もその近くの席に座りお弁当を食べる
兄達が響と奏の食事の世話を焼いてやり、食べさせてやる
レイは「ぼきゅ ちゅき ちらい にゃい!」と烈の褒められようと謂う
烈が「レイたん凄いね!」と謂う
デービッドも「レイはお兄ちゃんになって頑張ってるな!」と謂う
レイは嬉しそうに笑った
そしてお昼を食べると片付けて食堂を後にした
ケントの車で、レイ達も烈と共に菩提寺へと向かう
兄達はリック村上が菩提寺まで送る事になっていた
そして【R&R】のメンバーと竜馬と兵藤は【R&R】の経費で買った病院とかの送迎用とかで見かけるマイクロバスで菩提寺へと向かった
菩提寺に到着すると皆が忙しそうに動いていた
菩提寺の奥の炊事場には竈が5個作ってあった
大羅漢を要していた菩提寺の名残だった
昔はそれなりに僧侶もいたし、寺のスタッフも巫女もいたから、それを担う為の竈は必要だった
今も祝賀の時とか去年から始めた餅搗き大会の時には竈を使用して餅米を蒸していた
烈は竜馬に「会費幾らになったか聞いてくれる!」と謂う
竜馬は愛染に連絡して「会費幾らになりました?」と問い掛けた
「社員全員300人で90万円、子供料金半額で50人で75000円
97万5千円となりました!」と謂う
烈にメモして書いて見せる
烈は「良かった〜赤字は避けられそうね!」と謂う
翔が「鍋用の野菜とか肉!キロ買いしてるから、そこそこしてるわよ!後小豆も、きな粉も!」と現実に引き戻す
「あ〜そうよね!」
竈を2個使い豚汁を作る!
そしてもう一個で小豆を煮て、きな粉と砂糖を給食とかのパンとかが入っている様な容器で混ぜ合わせる!
そして施工で災害用に購入したプラスチックの汁物容器と皿を400個ずつ運び込み皆に振る舞う
この日は太極拳はお休みで、菩提寺には関係者しか入れない様に告知しておいた
社員達が続々菩提寺へとやって来る
車で来てる者は体育館横の立体駐車場へ車を停める
無論 1時間 300円は要るがそれでも安いと自負している
康太と榊原と清隆と瑛太と玲香もやって来た
京香がジャージに竹刀を持ってやって来た
皆が何故に竹刀…………と思うが聞くのは止めた
「さぁ社員の皆さんもお手伝いして下さい!」と声を掛ける
午後2時少し前に社員全員、菩提寺へとやって来た
城田の様に家族連れもチラホラといた
愛染津葉木もやって来て
「恭輔、さぁ姉に驕りなさい!」と謂うから3000円支払って
「すみません!姉が食べたいそうなので!」と言い頼んだ
烈は「津葉木ちゃん!」と謂うとレイと凛と椋も津葉木と仲良く話をしていた
烈は「皆、この美しい女性がね愛染津葉木さんよ!愛ちゃんのお姉さんで幼稚園の責任者をしてる人なのよ!宜しくね!」と知らせた
津葉木は「宜しく!愛染津葉木だ!奇しくも其処にいる恭輔の姉だ!」と自己紹介した
女性社員は津葉木の美しさに
「目が痛い程に美人!」と口にした
「そして今日手伝ってくれる人を紹介するわね!
鳳凰院家 結月 睦月 皐月、そして早瀬頼朝、BREAK如月、リュオン、秋津、誠司、そしてシャステナ、マーク、アーク、リューク
そして留学生の紗理奈!以上の方々が今回お手伝いしてくれた人々です!
この人達がいなかったら餅搗き大会をやる事が出来ませんでした!」
と紹介した
女性社員は「鳳凰院家姉妹も目が痛い程に美人だし、留学生の紗理奈さんはめちゃくそ目が痛いわ!」と口にする
そして紹介されなかった女性 神宮寺菖蒲は
「おいこら!俺も紹介しろよ!」とボヤいた
「この人は強い女の人です!宜しくね!」
「うし!俺は強い!負けねぇからな!宜しく!」
皆は……その台詞………何処ぞの不良よ……と苦笑する
竜之介が「烈!餅米蒸し上がった!」と謂うと臼の所まで持って来て早瀬に杵を持たせた
「え!俺!」
「ほらほら、よりちゃんファイト!」と謂う
一陽が返しの担当をし、早瀬が餅を搗く
そして後2個は飛鳥井凛太郎と遼太郎が搗いて返しを孝太郎、宗太郎、英太郎が返してサポートをする
そして搗かれた餅は豚汁の中へ入れて欲しい人には入れて、後はあんこ、きな粉、大根おろし、醤油、海苔等、好きなトッピングを乗せて食べていた
子供達は搗き立てのお餅に大興奮して食べていた
お汁粉も出来上がり、子供達はお汁粉を食べ始めた
康太も豚汁を楽しみ搗き立ての餅を食べる!
社員達は子持ちの家庭の為に持ち帰りが出来る様に、最初の内に持ち帰りの分を確保させた
そして残りを皆で楽しく食べた
お腹一杯になれ、ぬくぬくで温かな汁物は野菜がゴロゴロ入っていてお肉も結構大きいのが入れられていて、とても美味しくて社員達は
【此れが会費三千円では赤字になりませんか?】と心配した程だった
お餅二切れとか幾ら搗き立てと言えどもワンパックに入れたお餅で三千円は少し高いかと思ったけど、豚汁もお汁粉もあり、搗き立てお餅にはトッピングもあり、此れなら………赤字にならないか?と逆に心配したのだ
栗田は康太に「此れ赤字になりませんか?」と聞いても
「う〜ん、この餅搗き大会は烈と烈の兄弟でやってる行事なんだよ!
別に会社のイベントの行事じゃねぇかんな、自由参加って言ったのはその所為だよ!」
だからお金関係は飛鳥井建設は一切関与してねぇ
オレ等も会費払ってるかんな!
まぁオレの分は伊織が支払ってくれてるかんな!
でもこのイベントが赤字かどうかは?知らん!」
横で榊原もうんうん!と頷く
シャステナが楽器を持って来て演奏すると、早瀬が歌い、エイセイも【R&R】のメンバーも歌った
流石とBREAKは踊ると土煙が上がるから止められた
城田は「え!生演奏まで聴けて会費三千円は安すぎる!」と訴えた
烈は「食堂のおばちゃん達には手伝って貰った御礼があるから、ばぁーたん!じぃーたん!お願い!」と謂うと榊原真矢と榊清四郎が姿を現した
真矢は「烈の祖母です!飛鳥井にいる総ての子供達の祖母です!」と笑顔で謂う
清四郎も「烈や皆の祖父です!」と謂う
「シャステナ、愛の讃歌よ!」
「了解!愛の讃歌 だね!」と演奏を始めた
榊原真矢に憧れる妙齢なお姉さん達は喜んだ
清隆世代の男性社員も喜んだ
真矢と清四郎の熱唱が終わると、社員達は皆 拍手をした
隼人が「オレ様も何か歌いたいのだ!」と飛び出して来ると早瀬と隼人と英生でSTARTを歌った
生演奏 生歌………目の前で歌って貰い………
こんなの3万でも安いくらいじゃないの!と思った
愛染は「宗右衛門、こんな素敵な演奏を聴かせて貰ったんです!
そのお礼に新年は社食のチケットを綴りで奢ります!」と謂う
社員達も【我等も絶対に奢りますから!】と言う
城田んちの倅が烈に抱き着く
城田の亡き姉の形見の子供だった
「烈!最高だよ!」
烈はふふふふっと笑った
烈は左右に並んだ子達を
「近い将来 飛鳥井建設の骨組みとなる子達を紹介します!」と謂うと翔達位の子から少し小さい子達が並んだ
「この子達は総て苗字は【飛鳥井】を名乗っています!
それではボクの右から飛鳥井世椰(せな)理翔(りと)
律希(りつき)一颯(いぶき)」
西村に良く似た顔をした子達を紹介した
「そして左から啓介(けいすけ)、洋介(ようすけ)康介(こうすけ)です!
此れから数年後必ずや貴方達と逢う事となるでしょう!
そして兄達が飛鳥井建設を継ぐ時、必ずやブレーンとなるべく存在となります!
そしてラストに城田海翔(かいと)、彼はボクの為にこの先大人になると動いてくれる存在です
彼の奥さんの麻由ちゃんが既に【R&R】事務所で働いてくれてます!」と紹介した
康太は、あぁ…………こうして繋げられ果てへと逝くのかと実感していた
人材を持ち育て布石を打つ
遥か昔から宗右衛門はそうして人を育てて布石として明日の飛鳥井を護って来たのだ
7人は烈の横で深々と頭を下げた
そして城田の子も深々と頭を下げた
西村はそんな姿を………遠くから見つめて………泣いていた
あぁ………貴方達の子はこうして飛鳥井へ繋げられて生きているのよ………と心の中で呟く
蔵持の愛人の子達は………何方かと言えば蔵持の秘書に似た顔をしていた…………
が今は己のルーツを知る存在はいない
自分の思うように生きて良いのよ?と言われた
生き方が解らないならボクの為に生きなさいよ!
明日の飛鳥井の礎に入り生きて行きなさいよ!
今後の人生で貴方達は誰にも、蔑ろにされたり、騙されたり弄ばれたりしないと約束するわ!
だけど貴方達がお年頃になったら結婚相手は詠ませて貰うわ!
その人が貴方の運命の相手か?どうか調べてあげる!それが間違わない方法なのだからね!
蔵持の子は半ば諦めて菩提寺で生活を始めた
ても今は自分の人生を生きる為に日々勉強している!何者にも囚われない日々がこんなに幸せだと初めて知った
今は笑顔も見せる様になって来ていた
烈は「社員達への顔見せも終わったわ!さぁ片付けて解散としましょうか!」と謂う
もう日が暮れていた
冬の日暮れは早かった
「それでは餅搗き大会は終了となります!
皆さん!気を付けてお帰り下さい!」と告げた
社員達は幸せ気分で家路へと還る
家族でだったり、愛する人との約束の場へだったり、自分の部屋にだったり………帰って行く
烈達はある程度片付けをした
明日の餅搗き大会の準備をしつつ、こびり付いたお餅とかは水の中に入れて明日洗えば大丈夫だから、と帰って行った
早瀬達には別に中華おこわを蒸したのが差し入れされた
夕飯で出すように言ってあったから、中華おこわを出して貰って食べていた
菩提寺での暮らしは、健康的で尚且つ、食事も栄養が考えられていて、毎日美味しい料理を食べられていた
肌艶も良くなって来たと言われている
12月30日
菩提寺で2度目となる餅搗き大会の日
烈達は朝早くから菩提寺に来て、準備に余念がなかった
昨夜のお餅のこびり付きを洗い流し、準備に取り掛かる
この日は菩提寺の境内には太極拳をするお年寄りや主婦達、道場の子らや、道場成人組も出席となり、陣内は朝から手伝いに来ていた
今日は来てくれた人達にお礼の意味を込めて、豚汁を一杯振る舞われる
昨日とは違って野菜はより細かく、お肉も細切れにして鍋の中へ投入
小豆は昨日大量に作ったのを使用する
きな粉も無論、今日を見据えて大きな容器を選んだのだ
大根おろしは新しく擦らねばならないが、今は機械で大根おろしが出来るのだ
準備をしていると午後10時から始まる餅搗き大会の開始時間となった
道着着ている猛者が餅搗き大会を始める
無論 陣内も餅搗きをしていた
そして搗き上がったお餅は即座にグラムを測り切り分けられパックの中へ入れられる
一パックお餅2個、トッピングは自由で会費は300円だった
赤字覚悟の出血大サービスだった
陣内は「今小豆も値上げしてるからな、本当に出血大サービスだな!」と謂う
対した混乱もなく皆 チケットを買いお餅と引き換えて貰っていた
お金も持たずにお餅を食べに来る者はいなくて、徹底的に周知され始めているな………と思った
まぁそんな事をやれば、学校に通う児童の両親も多数参加して協力してパック詰めしてくれているので、噂になっちゃうからやらないだろうけど……
翔達は皆に豚汁を振る舞っていた
年寄り連中は「この豚汁は無料なのか?」と驚いていた
翔は「はい!烈が皆さんに温かい汁物で暖まって貰う為に作ってます!
まぁ、赤字です、当たり前じゃないですか
お野菜高い昨今、豚汁だってタダじゃないです
でも皆がこの師走に暖まり、幸せな気分で来年に向けて頑張って欲しいと謂う願いを込めて作ってます!」と伝えた
皆は帰りに沢山、お祈りをして賽銭箱に賽銭を入れて帰って行った
年末の一大イベント、餅搗き大会は対した混乱もなく終わった
康太と榊原はやはり我が子が心配で見に来ていた
が、豚汁を貰い、搗き立てお餅も貰いご機嫌で食べていた
その夜の夕飯は赤飯を炊いて皆に出していた
水萌も桃香と澄香が奇しくも、禍の真っ最中に産気づき、ポロンと出産したのだった
それを祝って赤飯を炊いて出したのだった
烈は城之内に「弥勒んちとモモちゃんちにも差し入れ頼むわね!」と謂う
城之内は「了解した!有り難うな烈………昔からは考えられない程に………菩提寺は活気付いた………」と苦しい胸の内を話す
「此れでも昔よりは錆びれてるわよ!
でも仕方ないからね、少しずつ少しずつ新しいカタチにして行けば良いのよ!」
「年始の一族詣での準備手伝ってくれよ!」
「当たり前じゃない!
皆で協力して行くのよ!」
城之内は嬉しそうに微笑み、戻って行った
今回もお餅でベタベタなのは浸けて置いて、烈達は自宅へと帰って行った
飛鳥井の家に帰ると、竜馬が烈を待ち構えていた
この日は竜馬も【R&R】も菩提寺へは来るな!と言いつけてあった
早瀬やシャステナ、BREAKも寮から出るな!と言っておいた
12月31日 大晦日
この日烈は菩提寺に来ていた
菩提寺の境内に行くと君島が既に待っていた
君島は烈を見付けると「烈君!」と声を掛けた
「待たせたかしら?」
「俺が早く来ちゃったんだよ!」
「BREAKは年明けたらイギリスへ行き、鳳城由香里のレッスンを受ける事になるのよ!
それを伝えないとね!
それとシャステナ、使えそう?」
「今はまだ粗削りだけど、彼等は光る原石だと思っているよ!」
「なら、君ちゃんちのミュージシャンの前座やらせる?」
「前座じゃ勿体ないよ!
1年間、早瀬君貸してくれるんだろ?」
「ええ、1年間はシャステナwith早瀬頼朝でバンバン表に出て鍛え上げられれば良いのよ!」
「彼達にとって此処での共同生活は己に刻まれた未来となると信じているよ!
だからまずは異業種やって貰おうかな?」
「え?どんな?」
「役者、深夜枠にどう?と声を掛けられているんだよ!主題化歌い演じさせようかな?って!
相賀さんとも話は着いたからね
相賀さん、本当に懐の大きな人だね………感服した!弟子入したい程たと言ったら弟子は取ってないと断られたけどね!」
「え、凄いわ!自己表現はまずは第一歩だからね
好きに料理してくれて構わないわよ!
おーちゃんもきっとそんな気持ちで快諾してくれてのよ!」
「其れと菩提寺の近くに病院専用の社宅と、一般向けの家族向け、単身向けマンション有ったよね?」
「ええ、有るわよ!」
「其処の家族向け借りるよ!
瀬能と愛染も住んでるんだろ?」
「あ〜愛ちゃんは姉に呼ばれて引っ越したから、今は住んてないわ!」
「あぁ、津葉木さんか……呼ばれたら行くしかないか!
俺は………瀬能のお隣借りて友人を見張っていようと思う
もう…………気付いたら死にそうで………ボロボロなんて想いしたくないからな………」
「君ちゃんは独身?」
「ええ!昔、こっ酷く振られて……少し人間不信だ!」
「あ〜、運命か変わっちゃう…………ボクの野望が……崩れて行くわ………」
「え?何?それは?」
「良いのよ……」
どよ〜んと暗くなった烈に君島は慌てた
烈は「慎一きゅんと一陽たんと栗栖のバカぁぁぁ!」と叫んだ
だから母は笑っていたのだ
お前の好きにしろよ!と笑っていたのだ………
本当に意地が悪いのだ………
気を取り直して炊事場へと向かう
君島は「え?炊事場?こんな所にBREAKいるんですか?」と問い掛けた
「いるのよ、年越し蕎麦茹でてるわよ!」
炊事場を覗くと如月が「俺が茹だるぅ〜」と竈の前で団扇をパタパタやっていた
君島は「今の時代に竈?」と驚いていた
「此処の炊事場は明治頃のモノなのよ!
その昔、菩提寺が大伽藍建立の時に造られた炊事場なのよ
菩提寺も寮生が増えたからね、大人数だから飛鳥井建設で出るクズの木を入れて燃やせる竈は重宝なのよ!
だから復活させて使用しているのよ!
まぁ人数少なければ炊飯器やIHクッキングヒーターで事足りるわよ!」
烈が君島と話していると如月が「烈!」と嬉しそうに名を呼んだ
烈は「竈は他の子が見てるから、メンバー呼んておいでよ!」と謂うと如月はメンバーを呼びに行った
烈は他の子に竈を頼み、保養施設へと場を移した
直ぐ様メンバーが揃うと君島は
「君達!年明けたらイギリスへ行く事が決まったから!」と告げた
如月 リュオン 秋津 誠司は黙ってそれを聞いていた
君島は「鳳城氏の所には何ヶ月位いる事になるんだい?」と尋ねた
「ケツ捲くらなければ早くて3か月、遅くて半年ね!基礎は叩き込んだから、後は洗練さと機敏さね!自分達だけの売りを身に着けないと、先へは行けないわ!」
「そんな事は彼等は嫌と謂う程に知っているよ!
鳳城氏と連絡を密に取り、入れ受け入れ態勢が整ったらイギリスへ行くから、パスポート用意しといてね!」
【はい!解りました!】
と皆で答えた
そして如月は「あのさ、烈、俺達倭の国へ帰って来たらこの近くに住みたいんだ!
月謝払って太極拳やって、道場で鍛え上げた日々はもう無くせない生活の一部になっているんだ!」と訴えた
「ならばそんな貴方達には体育館の上のマンションを格安で貸すわよ!
ワンルームから家族向けまで取り揃えてますからね!シャステナも早瀬もその上で住むのは決まってるのよ!
ならばお金を稼いてご購入有り難う御座います!と言える様に買いなさいよ!
でも此処は不便よ?」
「静かだし、バスでも買い出しに行けるし、不便さは感じないよ!
その内車か原チャ買うし、そしたら安全運転して買い物にも行けるから!」
BREAKのメンバーは頷いていた
「君ちゃんは一般向けマンションの購入なのかしら?」
「嫌、賃貸で、それかローンで!
芸能事務所の社長と言えども、そんなに稼ぎはないからな!」
「君ちゃんの所は事務所の賃貸ににお金がかかり過ぎなのよ!
養成所も兼ね、ボイトレ、ダンス教室まで必要?まぁ決めるのは貴方なんだけどね、時代に合ってないのよね」
「解ってるよ………それは痛い程にね
でも……【R&R】の事務所に入る三社共同事務所の様には行かないよ!」
「事務所、移転する?
ボクの持ちビルの一階、空いてるから知人料金で貸そうかしら?
三社共同事務所もね無料でなんか貸してないわよ!
幾ら親しくてもね、無料で貸してあげるなんてしないわよ!
何をするにも対価はあるからね、キッチリ遺恨を残す事なく対価は取る
それが宗右衛門としての矜持だからね!
三社共同事務所は今の事務所を貰う変わりに!【R&R】のビルの一部を貸してあげてるだけよ
今のビルを貰い受けたら、取り壊して売りに出すのは決定してるからね!
あの土地は高速道路の乗り口の近くだから、結構高く売れるのよ!
だから【R&R】のビルに入ったら管理費は取るわよ!エレベーター乗ったり、お掃除のスタッフ雇ったりしないとビルは維持が出来ないからね!」
成る程、君島は納得していた
「因みに友人料金のビルは幾らで貸し出してくれるんだい?」
「ワンフロア程度で良いのよね?
其れだと管理費込みで15万かしら?
レッスンとかは外注に出しなさいよ!
自社でやるにも限界は来るわよ!」
「それ痛感してるよ!親父に不良債権押し付けられた気分だったからね!
まぁ昔は其れでも大手芸能事務所として君臨して来られたから良いけど、今後は規模の縮小は否めない!
え?ワンフロアで15万円?
其処って一部屋しかないとか?」
「失礼ね、マンションの部屋で謂うならば、6LDKはあるクラスの部屋よ!
今ワンフロアぶち抜きで店舗にしようと思ってた物件を事務所に貸してあげるわよ!
君島音楽エージェントと名前を変えて、ミュージシャンに特化したミュージシャンのサポートをするって夢に向かいなさいよ!
それが事務所の社長になった時に向かう夢だったんじゃないの?」
「え?なんで知ってるの?」
「愛ちゃんに聞いたのよ!」
「アイツ…………そうだよ!今の御時世YouTubeとかメディアを使い熟せた者がファンを魅了する事もある!
そんなメディアに特化してたミュージシャンの夢を叶える仕事をしたかった………」
「ならボイトレ、ダンス教室は外注にして事務とミュージシャンのサポートに特化した事務へ変貌を遂げるべきよ」
「あぁ…………凄いな……恭輔に謂われて……一度話してみろよ!と言われた意味が理解出来た!」
「それは知らないけどね、因みにボクにこうして話して相談するだけで数百万は請求するわよ!
ボクの起業アドバイスは安くはないからね!
でも全面協力してくれた君ちゃんだから、対価なしで友達として聞いてるのよ!
知らない人なら無視だけどね
其れと貴方、父親を意識し過ぎ!
父親には生きて来た過程があるけど、其れは貴方の生きる道標じゃないわよ!
どうして芸能事務所の社長って奴は余分なモノを抱えちゃうのかしらね!」
「………其れは誰ですか?」
「神野よ、彼の父親は芸能事務所の社長だった
破天荒で己の生き方貫いた奴だったらしいわ
其れで母親は首括って死を選んた
そりゃ父親憎んで当たり前じゃない!
彼は父親と謂う存在を憎んてる
最初はおーちゃんみたいな年齢のも嫌だったみたいね、其れを母ぁーさんが矯正して導いたのよ
まぁボクは生まれてもいない頃の話よ!」
「……………あの方、本当に飄々として掴み所ないんですが………苦悩なんて言葉に合わない人なのに………ですか?」
「あら、君ちゃん晟雅ゃを誤解してるわね!
良いわ、神野晟雅ゃを教えてあげる
今夜は離さないわよ!」
「え!………ええぇぇ!!」
BREAKのメンバー達は心の中で社長ファイト!と拝んでおいた
朝から菩提寺の掃除に付き合わされた
雑巾がけで烈の兄達にダメ出しされたりして、何とか掃除を終わらせた
掃除を終えると一族詣での準備をして、座布団を並べる
其処までして、烈は終わりを告げた
「此れで大丈夫ね、なら帰って年末の準備しなきゃ!皆には会費取らなきゃ!」と言いケントを呼び出して君島を乗せて飛鳥井の家へと帰る
烈は病院の前で下ろして貰い、病院へ行き久遠に診てもらう
「お前さ、忙しくても食えよ!
欠食児童並みに栄養足りてなかったぞ!」と久遠は怒った
「忙しいと食事抜いちゃうからね!」
「薬出しとくから後で取りに行けよ!」
「解ったわ、処方箋だしといて後で貰って来るわ!」
と言い久遠と別れ横のマンションへと入って行く
エレベーターで上に上がるのか?と思っていたら、関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて入って行く
そして坂道を降りて歩いて行く
暫く歩くとまたドアを開けて外へと出た
そしてIDを翳し家の中へと入る
「此処は?」と君島は問い掛けた
「此処は飛鳥井の家よ!
本当なら来客は用心して家には入れられないけど、君ちゃんを信用して他言無用にしてくれると踏んで招待したのよ!」
君島は感激していた
「ボクは市内に幾つも誰も知らない部屋を持っているわ!
危険と踏んだら家族は避難して、ボクとは別行動となるのよ!
そんな家も幾つかあるのよ!」
烈はそう言い君島を連れて階段を上がりリビングに連れて行った
リビングに行くと神野達が来ていた
「烈、お帰り、珍しい客と一緒かよ!」と康太が声を掛けて来た
「母さん、君ちゃんよ、晟雅ゃが何か飄々として掴み所がないなんて夢見てるから連れて来たのよ!」
と謂うと康太は大爆笑した!
「晟雅が飄々として掴み所がねぇって!
何処見たらそうなるのよ!
まぁ遠くからやと、アイツは親父に似て顔だけは良いからな、そう思われるのかもな?」
「まぁ容姿なんて魂の容れ物に過ぎないのにね」
「そう謂うな烈、見映えが良い方が生き易い世の中なんだよ!」
康太が謂うと君島は「ひょっとして飛鳥井家真贋でらっしゃる?」と戦々恐々と問い掛けた
「そうだぜ!まぁ気にするな!
少し烈がガックシ来ただけだ、お前に敵意なんかねぇかんね!」
と笑って謂う
「やっぱし母ぁーさんは知っていたのね!」
「まぁええやんか!世の中って言うのは何時も理不尽なもんだ!」
康太はそう謂うと君島を神野の傍に連れて行った
「晟雅!君島だ!お前を知る為に来たらしいぜ!」
神野は驚いて「え?俺?俺の何が知りたいのよ?」と問い掛けた
「お前、飄々として掴み所がねぇらしいぜ!」
「え!飄々として???其れはない!」
柘植も須賀も相賀も頷いていた
烈は「晟雅ゃなんて嫌いよ!」と叫ぶと、神野はオロオロとして
「え?烈!俺は何がお前を怒らせたのか?」
と泣きそうになる!
「年末だと言うのにお引越し進んでないって竜ゅー馬がボヤいていたわよ!」
「あ、ごめん………俺は掃除と片付けは……苦手なんだよ!」
「取り壊せないじゃない!
取り壊せないと更地にして売りに出せないじゃない!ボクそれでなくても貧乏なのに!」
烈が謂うと「あ〜餅搗き大会、赤字か………」と呟いた
「会社の方はトントンよ
でも菩提寺の餅搗き大会は大赤字よ!
あれは菩提寺の決済なのよ、ボクが寄付して何とかなってたけど、今年は参加者多すぎなのよ
かと言って値上げは出来ないし………困るのよね」
「まぁ其れは城之内と話し合うしかねぇやんか!」
「そうね、そうするわ!」
烈はそう謂うとタオルを持ってきて、電子レンジでチンした
そしてホカホカのタオルを取り出すと、涙を浮かべた神野の顔を拭いてやった
「晟雅ゃはね、そんなスカした男じゃないのよ
感情がモロに出るから小鳥遊に喋るな!と言われてるのよ!
情に厚く、涙脆い、知り合って仲良くしたらどう?
腹の探りあいなんてのは小鳥遊が得意だからね
晟雅ゃはやらなくても良いのよ!」と謂う
謂われてみれば雰囲気が外で見掛ける時と全然違う
「直君もきょーちゃんも、おーちゃんが好きで傍にいるのよ、ボクもおーちゃん大好きだからね
この四人が三社共同事務所の社長さんです!」
何か………羨ましい関係だった
相賀はもう好々爺と化して響と奏を膝に乗せて甘やかしていた
須賀は「えっと君ちゃん、此処に座りなよ!もう時期烈の友達が買い物から帰って来るから!」と謂う
柘植は「烈、年末年始 ご厄介になる気で一人、三万円分お支払いしました!
今 伊織と一陽と慎一とで、市場に買い出しに行ってます!
御影と英生と一生はお酒を買いに行ってます!」と説明
相賀は「蒼佑と鷹司君は元旦から仕事だから来られないとボヤいていたよ!」と伝える
「そりゃ年始は訪問者沢山来るから家にいて貰わなきゃ始まらないからね!
獅童の方は年越しは鷹司所有の山へ登るのよ!
一族行事だからそりゃ来られないわよ!」
「神威は?やはり来ないんだね」
「神威はもう客間で友達でも呼んて飲んてるんじゃない?」と言い母を見た
康太は「彼奴等Xmasから仕事に行き此処に帰って来てまた飲んで、繰り返してるぜ!」と説明
康太は「所で飛鳥井の家は何時から餅搗き楽にしたのよ?」とボヤいた
烈は笑って「だって連日の餅搗き大会で疲れたんだもん!ひなにー辺りなら楽勝で機械操作して作ってくれてるんじゃない?」
「嫌、拘りの流生が餅つき器で唸りながらやってたぜ!」
「あ〜流にーか………拘りが強い所は何故かカズと一緒なのよね!まぁ家族だから似ちゃうのよね!」
「お前、流生にこの家で暮らす総てが【家族】だって言ったんだって?」
「そうよ、縁あって来た者は特別な結びつきがあるのよ!
こんな広い世の中で出会える事が奇跡なのよ!
知らずに素通りするかも知れない人が、縁あってボクや母ぁーさんと出会い、こうして来てくれた
此れは必然的なモノじゃなく奇跡なのよ
だから皆で【家族】なのよ!
と、流にーには話したわ!嘘じゃないものね!」
「だな、其れは何時も俺も思ってるぜ!」
と言い仲良く話をしている神野達と君島を見て呟いた
「あの君島は瀬戸際に立ってんぜ!」
「母ぁーさんの眼では分岐点にいるのね!」
康太の声が君島に聞こえ………顔を青褪めさせていた
「飛鳥井家真贋……」
その瞳の鋭さに君島は身動き一つ取れないでいた
康太は「俺は飛鳥井家真贋だけど、皆の分岐点か視える訳じゃねぇ!
おめぇは我が子の為に動いた者なんだろ?
だから飛鳥井と縁を持ち、オレの眼に映された
だから敢えて言うしかねぇな!
おめぇの道は此処で分かれる事となる!
道を誤れば………其れは即ち終わりに繋がる道へ行くしかねぇ、だから選択を誤るな!
烈の声を聞き逝く道を決めやがれ!」と言葉にすると君島は泣きながら「はい!はい!」と答えた
神野は「君島、俺達はお前の力になるよ!
だからお前も俺達が困ってたら助けてくれ!」と言葉にした
須賀も「三社共同事務所は君島音楽事務所とは協力関係を結べば良いと思うんだよ!
烈に協力してくれた四方芸能事務所と君島音楽事務所とは協力関係が取れたら良いなと想っていたんだよ!」と言葉にした
柘植も「我等は今後、どんな力を持った事務所が妨害して来たとしても屈しない力を持つと決めているんだよ!
もう理不尽に振り回されたりしない、屈しない!とね!
だから協力体制は敷いて行きたいんだよ!
この先は時代を詠める者だけしか生き残れはしない、だからこそ協力体制は必要となる
そう四方君とも話していたんだよ
今日は大晦日で彼は家庭があるから来れないが、打ち上げもあるし、その打ち明けに呼んてもらえるそうなので、懇親会と行きましょう!」と謂う
君島は「分岐点か、そうだね、僕は分岐点に立っているのかも知れない
有り難う真贋、貴方に視て貰えるなんて、お金請求されたら裸足で逃げたくなる料金なのに………」と凄い事だと感激していた
康太は「宗右衛門にも中々視ては貰えねぇぜ!
そして宗右衛門に企業料金で支払うなら、一般の者は裸足で逃げてく料金のお支払いとなるぜ!
表の真贋、裏の宗右衛門、何方も高いんだよ!」と笑う
烈は「だから考えて行くのよ!君ちゃん!
ボクはね、一度アドバイスして聞かない奴は見捨てると決めてるのよ!
アドバイスは一度きり、耳を貸さない方が悪い
そう決めて見切る決断も早いのよ!」と言われる
君島の腹は決まっていた
「烈君、君の言う通りだよ、俺は悩んでいたし………このまま行って良いのか?悩んでいた
事務所移転するよ!今の事務所は月に百万は要るからね、友人料金ならもっと支払っても良い!」
「なら決まりね!
晟雅ゃも早く引っ越してよ!
ビルが取り壊せないじゃない!」
神野は「ゴメンな烈、イベントで竜馬が捕まらなくて……身動き取れなかったんだよ!」と謂う
「なら年が明けて落ち着いて日のいい日にお引越しね!」
「そうするよ!其れより烈、やはり俺等も正規のお値段支払うよ!
烈 お金ないんだろ?」
「まぁビル売っぱらってるからね
取り壊したら更地にして売ってるし、そう言われても仕方ないけどね
でも其れは宗右衛門事業団の方のお話で、ボク個人じゃないのよ!」
「動物病院、皆がお金出すと言ってるんだよね?
ならば三社共同事務所として協賛させて貰うよ!」
「新年から取り壊しに入るからね
仮店舗として部屋貸したから、其処で一年は営業してもらうのよ!
HPを見て尋ねてワンやニャン達を診せてね!」
翔が「烈、年越し蕎麦先に食べちゃうよ!準備しなきゃ!」と謂うと立ち上がり準備に入る
クー プー ルー スーも立ち上がりお手伝いをする
君島は「え?猫………猫………猫だよね?」と呟いた
相賀は「あれは烈の護衛猫なんじゃよ!
レベルの違う狙われ方してるから授けられた猫なんじゃよ!
あの猫は人と同じじゃが、烈が猫好きじゃと想い猫を授けられたと聞いた!」と教えてやった
須賀は「外とかでは隠れてるから見えないけど、烈の周りや服の中にいたりするんだよ!」と笑って言う
スーがやって来て「お手伝いせんと飲ませへんで!」とボヤいて言う
神野達は立ち上がりお手伝いを始めた
スーは君島の手を取ると「ほら、あんさんも!」と大阪弁で言う
「大阪弁話す猫………」と唖然として呟いた
「ほらほら、あんさん命狙われてるから気を付けんとあかんで!」
「え!嘘!何で命狙われたりするの?俺!」
ルーがやって来て「スー、余計な事言わない!」と叱り君島の手を取ると「サクサク手伝いして下さい!」と叱る
飛鳥井の猫達は働き者だった
康太は「今日は貴史は実家か?」と烈に問い掛けた
「年末年始を菩提寺で過ごさせる訳に行かないから、迎えに行かせて兵藤の家で過ごさせてるのよ
どの道来年には一緒に暮らすんだし!」
「紗理奈、めちゃくそ変わったな!
ジャージ着て動き回ってる姿は想像も出来なかったな!」
髪をポニティールにしたり三つ編みにしたり、その日の気分で髪を纏める遣り方を、鳳凰院家の娘達に教えて貰い、掃除の仕方を夏海に教えて貰い、料理の仕方を水萌に教えて貰って、生活全般を叩き込まれ、変わって来ていた
無論 武術も毎日習い、とても辛い日々を過ごした
兵藤はそんな紗理奈を気にして、毎日菩提寺に顔を出して支えていた
二人の愛は深まり、紗理奈は愛する貴史の為に堪えて堪えて強くなった
「今薙刀をママに教わってるわよ!
そして護身術を菖蒲たんに習ってるわ!」
「神宮寺の姫か………あれはめちゃくそ強くて嫁になるのは縁遠そうだな!」
「…………でも、ヒットするの一人いたのよ!
菖蒲たんがご執心なのよね………菖蒲たんは論外だったのに………そして鳳凰院家の三姉妹……捻くれ過ぎてて未来変えちゃうし……強すぎなのよ」
「そう謂うもんだ、世の中なんて!
人は果てしない可能性を秘めて生きているんだ!
運命だって捻じ曲げるし、己の信念で何処までも行けるんだよ!」
「一陽たんに合うと想ったのに………」
「アイツはこの家が好きで家族になった
結婚したら出て行かないとならない、と想い過ぎてるのさ、其処を正せばワンチャンあるかもな!」
「もぉ良いわ、運命変わっちゃたもの!」
「人の運命を思い通りに出来るなんて思っちゃ駄目だぜ烈!」
「想ってないわ………それを想ったら傲慢な奴にしかなれないじゃない…………」
「うし!そんな子にはお年玉、弾んでやんよ!」
「役員報酬、出たのね!」
「おー!其処を突っ突くのは良くないぜ!」
「ケチな母ぁーさんが弾む訳ないもの!」
「ケチな宗右衛門に言われたくねぇよ!」
「ケチな母ぁーさんじゃない!」
「ケチな烈やんか!」
収拾が付かないから翔は父を呼びに行った
呼び出された目の前でケチ合戦する親子を榊原は眉を顰め
「ケチなのは君達何方もでしょ?
なので醜い言い争いは辞めなさい!
でないと年越し蕎麦食べさせませんよ!
また食べさせたとしても海老天没収しますよ!」
と言われケチ合戦を辞めた
お口チャックした妻と我が子を見て、本当に似てるんだから!と苦笑した
「ほらほらお手伝いしないと本当に海老天なしですからね!」
サッと動き出す二人
烈は目に涙を浮かべ「海老天!ボクの海老天!」と言いお手伝いをしていた
翔が「海老天没収されたら僕のあげるから!」と慰める
「翔にー」
「ほらほらお手伝いしようね!」
優しい兄は何時だって弟の味方だった
客間で年越し蕎麦を食べて始まる大晦日
君島は「あの……俺帰った方が良いんじゃ……」と謂う
神威が「酒が不味くなる!さぁ飲め!今日は大晦日じゃからな!」とコップを持たせる
笙がラインして来て
『烈、今日は大晦日だから家に帰ってる?
家族で過ごせてる?過ごせてないならうちに来ても大丈夫だからね!』と心配して謂う
「大丈夫よ!笙たん、今日は家族でいるから!」
『良かった、エッセイ読んで……心配したんだよ
其れと……狙われていたんだって?
母さんから当面の連絡はお辞めなさい!と言われてて連絡出来なかったんだよ!』
「大きな禍が来るから動いていたのよ!
実際、大きな禍来たけど防ぐのに必死になってて【史上最悪 魔の一日】を食い止める事は出来なかったわ………」
『其れも聞いたよ……明日新年の挨拶に行っても良いかい?』
「ならばぁたんとじぃたんと一緒に来ると良いのよ!」
『え?母さん達一緒じゃないのかい?』
「あ〜Xmasでの愛の讃歌が凄い盛況で、物凄く大盛り上がってたらしくてね
新年から出演依頼が凄いらしくて、生出演で歌うの決まっちゃてね、今夜は来ないわよ
東京でお泊りだって泣いていたわよ
だから明日一緒に来ると良いのよ!
一族詣では3日だから、その日はお留守なので気を付けてね!」
『了解したよ!なら明日伺うよ!』
笙とラインを終わらせると横に竜馬が座っていた
メンバー達は皆 帰国して今は不在だった
阿賀屋がコッソリ屋敷の監視を抜け出て飛鳥井にやって来た
「あんな窮屈な所で過ごすのは嫌だから来た!」と、ボヤき酒を飲む
「真央たん………明日の朝には来客お仕掛けて来るのに………」
とボヤくと君島は「お館様?え?明日の朝は訪問させて戴きます!」と伝えた
「酒が不味くなる!その話は辞めろよ!
明日来るなら、その時言えよ!
まぁ俺は来訪を見届けるだけで、気に入ったのにしか声は掛けねぇけどな!」
阿賀屋がそう謂うと神野は「そうなんだ!俺には『死ぬ気で励め!宗右衛門に心配かけさせるな!』とお叱りの言葉しか貰えないんどけど」とボヤいた
「え!簾の向こうにいて顔なんて拝めないし、言葉なんて掛けて貰えてないのに?
烈君の記者会見で拝見して顔を知った位なのに……」
「ならば声を掛けてやるよ!
お前は踏ん張らねぇと明日はねぇぞ!って!」
と笑い飛ばした
そして神威と毘沙門天と共に酒を飲む
君島は唖然として声させ出なかった
クーが「ほら正気に戻りやがれ!」と背中を肉球でビシッと叩く
「あ、ねこさん……」
「俺はクーって名前があるんだよ!」
「クーさん?」
「さんは必要ねぇ!クーで良い!」
「あの、烈君の背中と頭の上にいる猫は喋らないのですか?」
「あ〜あれは猫だから喋らねぇよ
俺等は烈の為にいる護衛猫だからな!
別に猫の姿じゃなく美女とかにでもなれたが、其れだと烈が受け取らねぇだろ?
だから猫の姿をしている!
何故犬じゃないか?とかの質問は辞めろよ!」
烈はクーを撫でて「クーたんはこのままで良いのよ!」と謂う
ルーとスーも烈に撫でて貰おうと傍に行く
烈はルーもスーも撫でた
プーも久々に烈に甘えて撫でて貰う
流生は背中と頭にへばり付く虎之介と小虎をバリッと剥がした
するとガブとルシが咥えて隅っこへ移動した
烈はヘルシーな料理を用意してくれていたから、それを食べた
康太が「久遠から怒られたぞ!お前息子に飯食わせろよ!って!」と烈の前にサラダや寒天ゼリーを置いて謂う
「ごめん母ぁーさん、忙しくてご飯食べるの忘れてたのよ!」
「忙しくても食え!
でねぇと家から出さねぇぞ!」
クーが「ご飯用意してたのに食わねぇから言われるだよ!」と怒る
竜馬は「やっぱ俺が傍にいて食わせないと駄目なんだな!」と今更ながらに謂う
康太は「別行動だったのかよ?」と驚いた顔して問い掛けた
「烈は総司令みたいな役割だったから調整の為に飛び回っていた
俺等はイベントの構成と準備の為に身動き取れない状態だったから!」
「まぁ仕方ねぇか………この世の存続を掛けた闘いだったんだから………」
康太はそう言い後は何も言わなかった
その夜は楽しい声が響き年を越しても飲兵衛達は楽しく過ごしていた
烈は竜馬とレイと雑魚寝する為に源右衛門の部屋へ行き布団を敷いて寝た
翌朝 レイは「いちゃい………」と顔に手形をつけてボヤいた
竜馬も顎を赤くして「痛い………」とボヤいた
大空がレイを呼びに来て、その顔の手形に気付き
「レイ冷やそうね!竜馬も後で冷えピタ持って来るわね!」と謂う
烈はもそっと起きて「あけましておめでとうございます!本年もどうぞ宜しくお願いします!」と新年の挨拶をした
大空も挨拶を返してレイを連れて部屋を出た
烈は「パンチしちゃった?ごめんね!だから雑魚寝は止めた方が良いのよ!」と寝相の悪さなら熟知してるから謂う
「良いよ、それが烈なんだから!
俺等は其れでも烈と寝たいんだよ!」
翔が烈を呼びに来て
「竜馬、その台詞は卑猥に聞こえるから!」と揶揄された
竜馬は「え!俺は下心なんてないし、卑猥じゃないってば!」と叫ぶ
流生が「早くお雑煮食べられないじゃない!」と謂うと竜馬は起き上がった
そしてキッチンに行きお雑煮の手伝いをする
烈は一陽に「朝ごはん食べたらお話あるから!」と言った
一陽は「了解!さぁ流生が搗いてくれたお餅でお雑煮食べちゃおうね!」と謂う
神野達も君島も神威もキッチンの席に座り雑煮を食べ始める
神威は「流生は器用だな!こんな上手いお餅を搗けちまえるんだからな!」と謂う
流生は笑って「機械が搗いたんだけどね!」と謂う
「嫌々、其れでも水加減やキメの細かさは、設定したからであろうで!」と感心する
「神威は家に帰らなくて大丈夫なの?」
神威は困った顔をしていたから烈が
「神威は今久遠の家にいないのよ!」と告げた
康太は「有栖は?」と問い掛けた
「有栖と栗栖と神威とで、菩提寺の家族向けマンションに入ったのよ!
丁度 黒ちゃんの部屋が空いてたからね、そこへ入ったのよ」
康太は「何があったのよ?」と問い掛けた
「何もないわよ、志津ちゃんも義泰も久遠先生ぇーも紅ちゃんもね、何故に出ていくの?と、泣いた程なのよ、別に虐めや不協和音があった訳じゃない
有栖が禍に過敏に成りすぎて………外にも出なくなり、叫んでいたりしたから、神威が困ってボクに助けを求めたのよ!
だから栗栖は元々は翁に贈与されたマンションあるし、其処へ行こうかと言ったけどね
有栖が、落ち着かなくて菩提寺に預けたのよ
そしたら落ち着いて、其処の家族向けマンションに住む事にしたのよ
どの道 神威は駐車場があれば車で出勤だし関係ないからね!」
と事情を説明した
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