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第70話 粉骨砕身 ❶

翌朝 一月4日 阿賀屋が用意したバスに皆で乗り込み飛鳥井の家まで送って貰った 烈は飛鳥井の家に帰ると、桜町商店街のピンクの法被を着て出て行った 桜町商店街の新春 初売り出しセールの裏方として指揮を取らねばならないからだ 当然、慎一と一生も烈と共にピンクの法被を着て出掛けた 翔達も桜町商店街の新春初売り出しセールに協力しに出かけた 神野達は昼まで飛鳥井の家族達と過ごし、仕事始めがあるから、と帰って行った 其れと同時に、竜馬が夕方になると飛鳥井の家に帰って来た メンバー達も飛鳥井の家に帰って来た 帰って来るのは4日の夕方と指定したから、桜町商店街の新春初売り出しセールには顔を出していなかった 混雑を避ける為に烈の存在と【R&R】の存在は徹底的に排除したイベントにせねばならなかったからだ! 買いに来てくれた人達の為のイベントでなくてはならない! そう決め新春初売り出しセールに挑んだのた その甲斐あって、桜町商店街初売り出しセールは大盛況の内に終わり、商店街の人達に感謝されまくり終わった 烈は林檎を1000円分買い甘酒を飲んでいると、桜町商店街唯一の神社の神主がさつま芋を1000円分買って豚汁を飲んでいた 二階堂洋二は豚汁欲しさに買ったさつま芋は烈にやるよ!と言ったから、ケントに頼み野菜1000円分買いに行かせ甘酒の引換券を貰って来て甘酒を渡した だから烈は結構重い林檎とさつま芋と野菜1000円分をケントに手伝って貰い家まで運んで貰ったのだった 烈は林檎とさつま芋と野菜の数々をならべて 「タルトタタンでしょ、大学芋でしょ、やっぱ豚汁を作るしかないわね!」と野菜を見て言う 竜馬は「何処へ行っていたの?」と問い掛けた 「桜町商店街の初売り出しセールよ! 今回はボクは完全な裏方だったからね 1000円分林檎買って甘酒飲んでたのよ! そしたらよーちゃんがさつま芋くれて、甘酒飲みたいって言ったから野菜買ったのよ 大空は「なら明日はタルトタタン作るよ!」と謂う 慎一が「ならば俺は大学芋と豚汁作ります!」と張り切っていた 烈は「なら明日はまた皆を呼びたいわね!」と呟いた 皆でリビングで楽しく食事をしてお酒を飲む 楽しい日常にやっと戻った 1月5日 この日は仕事始めだった 社員達が続々と会社へ出勤して来た 烈は宗右衛門の着物を着て3階のエレベーターの前に立っていた 朝一番に社員達に声を掛ける 社員達は3階の廊下に並んで貰った 全員が揃うと烈は皆に 「飛鳥井建設は今まで社員証のバッチはなかった!なので今後は必ずやこの社員証のバッチを身に着けて下さい! 社員証のバッチがないと会社に入れません! 社員証のIDカードと社員証バッチ、この2点が揃って初めて会社に入れます! 今年の7月引っ越しとなる新社屋はこの会社よりも徹底的なセキュリティがあるので、この2点は絶対に揃わねば社内には入れません! 仕事をしに来るのであれば、他の会社も大手ならば情報漏洩は絶対にさせない為に、徹底しています!飛鳥井が遅いのです! なので今後は必ずやIDを提示して社員証バッチを着けて出社して下さい! では、名前を呼ばれた方々は社員証バッチを取りに来て下さい!」 と言い一人一人、烈は名前を呼び上げ社員証バッチの入った袋を手渡した 渡し終えると「皆さんは飛鳥井建設の社員と言う証しである社員証バッチを必ずや身に着け仕事をして下さい!」と言い終わる 榊原は「其れでは皆さん、自分の部署へ行き仕事をして下さい!」と言った 皆が部署に異動を始めると康太は 「烈、オレ等にも、それを貰わねぇとな!」と言った 「渡すわよ!なら会長室に行きましょうか!」と言い会長室に向かう 会長室のドアをノックすると瑛太が顔を出して 「社員証バッチ皆に渡しましたか?」と尋ねた 「渡したわよ!次は相談役や会長、社長、真贋ね!」と謂う 会長室へ入りソファーに座ると烈は名前の書かれた袋を清隆、瑛太、榊原、康太に渡した 「副社長には家の事で話もあるし、後で渡しに行くわ!」 「それが良いですね!」と清隆は言った 烈は「この社員証バッチにはICチップが入っているのよ!他の誰かに成り代わろうとしても、何時もと違う行動を取れは関知して伝えてくれるシステムを構築して、新社屋には取り込んであるのよ 今はそのシステムを借りて管理させているのよ えーちゃん達はICチップ入ってないのよ 一緒に暮らしてて中身変われば直ぐに解るし、母ぁーさんがそんな事させないわよ!」と笑顔で話す 康太は「だな、そんな巫山戯た事する奴は即刻燃やしてやんよ!」と嗤う 「だから役員はICチップなしの社員証バッチです!」 清隆は「別にICチップ入りでも構わないよ! たまに友人と飲みに行く程度の行動だし!」と笑う 烈は「ならは、たまにはばぁしゃんとデートしてあげなさいよ! 映画見たり、食事したり、手を繋いで歩いてあげなさいよ!」と文句を少し謂う 「あぁ………そんな時間………持ってなかったね 飛鳥井の女として生きてくれた人なのに………」 「だからさ、下のカフェで茶したり、ラブラブになるのよ ボク達、じぃしゃんとばぁしゃんがラブラブの方が嬉しいし! えーちゃんもよ!たまにはさ二人きりでデートしてあげなさいよ!」 瑛太は「心掛けるよ!デートします!」と嬉しそうに謂う 康太は「最近の京香、何か頗る美人になったよな?後 乳がめちゃくそデカくなったよな?」とボヤく プルンプルン揺れる豊満な乳房に、心惹かれる殿方は多い 「ママはね今が楽しいと言って鍛えているから、吸われたとか揉まれたと謂うより筋肉になりつつあるのかもね!」 「筋肉!!ならめちゃくそ硬いのか!!」 と康太は叫んだ 「いやいや柔らかいらしいけど張りがあるそうよ!」 「お前触ったのか?」 「止めてよ母ぁーさん! 一希が触ってた感想言ってたのよ! ボクはおなごの乳を揉み揉みする趣味はないわよ エロ乳幼児の一希が言ってたのよ!」 「アイツ、んとにエロいよな? まぁ好きなだけ乳触ってても、ミルク飲みたいのかしら?で見逃して貰えるからな!」 「本当にね、エロいわよ!アイツは!」 二人のエロ談義に榊原は 「さぁお仕事ですよ!」と急かして会長室を出た 榊原と康太は社長室に、烈は副社長室へ向かって行った 副社長室のドアをノックすると志津子がドアを開けた 烈は部屋の中に入るとソファーに座り、志津子に社員証バッチが入った袋を渡した そして家に引っ越す事を告げた 「あのね志津ちゃん、あの家広すぎるでしょ? だからお引っ越ししない?」と問い掛けた 志津子は苦悩した表情を烈に向け 「そうですね………神威も栗栖も有栖も出て行きましたからね………」 「別に永遠の別れじゃあるまいし、逢おうと想えば何時だって逢えるわよ!」 「そうなのですがね………有栖が紅緒に悪いと泣いていました………あの日の有栖の哀しい顔が………今も忘れられなくて……」 「有栖はね前に話した通り、とある国の王子の体で創られた傀儡なのよ! 有栖は創られた存在なのよ、望んで生かされた訳じゃない……… だから誰よりも敏感に禍に怯えて感じてしまったのよ! 普通の子より感性が鋭いのね………ボクも其処までは解らなかったから、可哀想な事をしてしまったわ………」 「烈………」 「有栖は暦也が強引に連れて来た子でね 暦也は創られた存在だった有栖を普通の子として生かさせてあげたかったのよ それが有栖院暦也の願いなのよ! そして有栖も栗栖も有栖院翁が旅立たれる前に資産を贈与されて貰ってるからね 生活に困る日は来ないわよ! だから志津ちゃんが悔やむ事ないわ!」 「あの日、私は何も出来なかった……… 有栖は少し前から不安定になり、怯えて引きこもりの様な生活をしていました そしてあのXmasの日、有栖は壊れた様に叫び………紅緒の子はそんな有栖に引き摺られる様に泣き続け紅緒は衰弱してしまいました 神威はそんな有栖を車に乗せて、栗栖と共に出て行きました 私達は何も出来なかった…………身動き一つ取れなかったのです………」 「志津ちゃん………」 壮絶な時間を送ってしまったのだ………… 志津子の窶れように烈は有栖を追い出してしまった苦悩を垣間見た 烈は「ならば今夜、有栖に合う機会を設けてあげるわよ!あれから有栖も前向きになってね 環境を変えたのは良い変化となったのよ!」 あれから神威は有栖を魔界に連れて行き、崑崙山で神髄師に診て貰った 神髄師は有栖を一目見るなり 「器と魂が別物じゃな!」と口にした そして不穏に怯える有栖と向き直ると 「身体と心が有ってこそ、初めて其れは人と謂う 主はその心の部分が少しだけ不安定の様じゃな ならば気を整えてしんぜよう!」 と言い心と体のアンバランスな気を整えてやり 敏感過ぎる五感の一つを封じた 此れで普通の人間として、禍級の過敏な空気や環境に置かれたとしても、感じる事はない 「主には烈が着いておるのであろう? ならば何も案ずる事などない! 主は主らしく、烈の指し示す方へ逝けばよいのじゃからな!」 「僕は………人でいて良いの?」 「烈が良く言っておらぬか? 体など魂の容れ物に過ぎぬ…………と。 儂もそうだと常に思っておる! その体は主のモノではないのかも知れぬ じゃが、今は主の身体で、主の魂が入っておる 主はその身体を誰よりも大切にして、輝かせて逝く必要がある! 体に誇る自分であらねばならぬ! 今を生きる、時を刻む その身体で行えば、其れは主の身体と同化して主となる! 己に誇れる自分になる、それが魂を受けた者の死命なのじゃよ!」 有栖は静かに涙を流しながら………話を聞いていた 神髄師は「大歳神よ、気の流れと過敏な五感は封じて正しておいてやった! 此れで禍の影響など受けずに過ごせるじゃろう!で、主は診察の対価は何を支払うのじゃ?」と笑って言う 神威は「烈から対価は貰っておる! 神髄師が飛び付く品物、新作の野菜じゃよ!」と新作の野菜を指差す 兎に角またデカい野菜だった 「此れは何なんじゃ?」 「烈曰く【デカベツ】らしい! 細かく刻んで炒めれば、野菜炒めになるらしいぞ! 後 岩塩で揉めば漬物にもなると謂う優れものだ 無論 生で食べても美味しい 工夫次第でどんな料理にも使える野菜だそうだ!」 神髄師は瞳を輝かせか 「それは凄い!」と興奮して喜んだ そして有栖に向き直ると 「この世界は何もない世界じゃった 魔界の住民は食糧危機に直面していた 其れを危惧して早く育つ野菜を使ったのは炎帝で、その野菜を掛け合わせ、魔界の植物と掛け合わせ作って来たのが烈なのじゃよ 彼奴は何もない世界から地道に種を掛け合わせトライアンドエラーを繰り返し、それでも腐る事なく続けて魔界の食の安定を担っておる 気が遠くなる程の………根気で妖精達と共に品種改良して日々魔界の為に新しい野菜やフルーツ等を作っておるのじゃよ!」 「烈らしいね………」 「主はそんな彼奴の傍におるのじゃろ? ならば歩き出さねばな、怯えて泣いている顔を上げて周りを見渡せば心配しておる家族の顔が見えぬか?」 「あ…………父さんと兄さんに………志津ちゃんや義泰先生………久遠先生、そして紅ちゃんやその子に………迷惑掛けちゃった………」 「それは迷惑になどならぬよ、主を心配しておるのじゃよ!」 「なら謝らなきゃ………」 「そうじゃ、よゐこじゃ! 歩き出したら止まらず歩けばよい! 自分のペースで歩けばよい!」 「はい!有り難う御座いました!」 有栖はペコッとお辞儀をした そして崑崙山を後にして、人の世に戻って家へと還った 神威と有栖と栗栖は菩提寺の家族向け住宅で住んでいた 黒龍が住んでた部屋の家具と家電を、もっと広い部屋の方へ移して生活させている 栗栖は飛鳥井記念病院の横のマンションに部屋はあるが、有栖も同様に部屋は在るのだ 身の立つ様に……と、資産と部屋を譲渡して翁は黄泉の旅路に繰り出したのだ でも今は栗栖は有栖の傍にいたかった 菩提寺で暮らす様になると、徐々に有栖は元気になって行った 菩提寺には今 沢山の子達が共同生活をしていた 親のない子達は何時だって元気で楽しそうだった 蔵持の家から解放された啓介、洋介、康介は今の生活を謳歌していた もう誰の顔色も気にしなくても良い………… 蔵持の家での生活は地獄だった お金はあるが、愛も感情も何もない世界 父親は子供に無関心で、傍を通ったとしても目を向けない 其れもその筈だと解ったのは、母親がずっと父親の秘書とデキていて、どうやら自分達は秘書の子供なのだと………その容姿を見て勘付いていた 母親が父親を裏切って、家も会社も乗っ取り………破滅した そのニュースが世間を騒がすと、祖父母は自分達を捨てて、夜逃げした ある日突然………家無し子になり身寄りもいなくなった 家をなくし、途方に暮れ歩いていると保護された 親や親族とは連絡が着かないとなると、警察は施設へ連れて行くしかないと判断した 施設に入れられ生活を始めた時だった 飛鳥井神威が出て来て、三兄弟を引き取ってくれた 「この子達の親はいない! だが飛鳥井烈が成人した後に後継人となるべく存在なので、引き取ります!」 と言い手続きしてくれ、蔵持の名を捨てさせ【飛鳥井】の一族の者と養子縁組させてくれた そして菩提寺で暮らし始めると、初めて烈と出会った 菩提寺で暮らし始めても馴染めず萎縮していた そんな頃だった 「貴方達はさ、もう既に蔵持じゃない! もう縛られる必要などないのよ! 貴方達を捨てた奴等の事などキッパリ忘れ、蔵持を捨てて飛鳥井となり生きなさい!」 そんな事を言われた 好きに生きて良いと言って貰えたのだ 解き放たれて自由になり今を生きた 其れは西村の子達も同じで、皆は共同生活を楽しんで過ごしていた 自分達の部屋はちゃんとあるが、皆で過ごすリビングや食堂もあった 生まれて初めて包丁を持ち料理を教えて貰った 自分達の食べる料理は総て自分の手で、洗濯も掃除も総て自分達で手分けをしてやるのだ 気に掛けて見に来てくれる大人は多い そんな人達のサポートを受け日々を暮らしていた そんな菩提寺にいる子達は何時でも笑顔を絶やさなくて元気に笑って過ごしていた 有栖は市立の小学校に転校した 菩提寺から近い事と、やはり金持ちの子供のいる世界とは相容れない性格を詠み、烈が他の子達と同じ市立の小学校の方が良いだろう、と決め 菩提寺へ引っ越しした時に手続きして転校した 菩提寺の近くの社員社宅の家族向け住宅に入り、新生活を始めた 餅搗き大会も皆と協力してやる事が出来たし 一族詣でには【飛鳥井】の一族の者として参加した 何もかもが新しくて………何もかもが………新鮮に思える日々たった 仕事始めの日の夕方、義泰と志津子は烈に連れられて菩提寺へとやって来た 保養施設一階で茶を飲み待ってた有栖の姿を目にすると、志津子は駆け出して有栖を抱き締め 「貴方は私の弟の子、甥っ子なのです! 私達は離れて暮らしたとしても家族なのです!」と告げた 「しづちゃん………」 「紅緒も心配してました! 拓美と拓人も心配してました! 無論 義泰も譲も心配してました」 「ごめんね、しづちゃん あの日はボクもコントロール出来なくて押しつぶされそうになってしまっていたの 僕の不安が感染した所為で、赤ちゃんを泣かせてしまった………」 志津子は優しく有栖の頬を撫でると 「もう一緒には住むのは無理ですか?」 と尋ねた 「離れていないと駄目な気がするから……… 赤ちゃんは敏感なのよ…………」 「ならば、譲は夫妻と子で暮らして、私達は菩提寺で暮らす!そしたら保護者として学校行事とかも出られますからね! いきなり同居で新婚生活もありませんでしたからね………少し新婚生活を味あわせてあげたい思いもあるのですよ」 志津子が言うと烈は 「あら?丁度2DKが空いてるのよ! 其処へ住む?久遠先生ぇーは有栖の部屋あるからさ、其処へ移動してリフォームまで過ごせば良いわ!ミとトは好きな方で寝れば良いから部屋だけ用意してれば大丈夫だしね!」と携帯を操作して話す 志津子は「良いのですか?」と問い掛けた 「やはり離れて暮らした方が互いの為になると出てるのよ! 紅ちゃんは仕事を始めるから事務所としても体制は取ってるし、育児ノイローゼになる様な状況じゃないからね! 志津ちゃんも紅ちゃんの子供気にしてやり、面倒見てやれば良いのよ! 孫なんだからね、それには距離や時間なんて関係ないのよ! 会いたいと想えば時間を作って会いに行けば良いのよ!其れだけの事よ!」 「烈………残り少ない自分の人生ですからね 自由気ままに過ごしたい気も有ります!」 「志津ちゃんは倅と謂う存在に囚われすぎてたのよ!もう一人立ちした人間なんだし、後は自由に生きなきゃ損よ!」 「そうですね………ならばお引っ越し致します!」 「それ、紅ちゃんと先生ぇーに話さなきゃ駄目よ!」 「解ってます!今夜にでも話します!」 「飛鳥井記念病院の入ったマンションの部屋のリフォームも始めるから、志津ちゃんと義泰の荷物は菩提寺の家族向け住宅に運び込み、久遠先生ぇーの荷物は一旦有栖の部屋に入れて生活を始めないとね まぁ先生ぇーは勤務地近くなって良いんじゃないかしら?」 「義泰はどうしましょうか?」 義泰は「儂は自動車は運転など出来ぬ!」とボヤいた 「義泰は志津ちゃんが送り迎えするか?バスで通わせれば大丈夫よ! 菩提寺から飛鳥井記念病院近くを通るバスあるし、大丈夫じゃない?」 義泰は「バス………」と呟いた 「この頑固親父は免許有りませんからね まぁあっても60近くなので免許はやはりないに越した事はないと思うので交通機関を利用して行かせても宜しいですね!」 「乗り方は菩提寺の子達が教えてくれるわ! 心配なら着いてってくれるし!」 義泰は「ふむっー」と唸った 志津子は「菩提寺に沢山子供がいますね、あの子達は菩提寺に住んているのですか?」と問い掛けた 「そうよ、人の世の子供じゃない子達と、親のいない子達が住んでるわ! 龍の子達は生活のサポートをしてくれる存在を頼み住んでるわ そして顔を見れば解るでしょ?志津ちゃんなら……西村に良く似た子達は西村の娘の子供よ! 美しいが故に色々とトラブルがあるのよ! 一人なんて殺されかけたし………大変なのよ で、子供と親と切り離し、別々に住まわせ、西村の子供達は飛鳥井の苗字を名乗り、兄達の駒となり兄達を助けてくれる存在となる そしてもう3人は蔵持善之助の戸籍上では子供達よ!祖父母は母親が罪に処せられた時に子供達を捨てて夜逃げしたのよ! それを拾って飛鳥井の名を名乗らせ、やはり兄達の駒として育てているのよ! ボクは飛鳥井宗右衛門、人を育て適材適所に配置するが役目だからね! 1000年続く果てへと敷いたレールの上を走らせるに相応しい子達と詠み盤上に上げて、この前一族に紹介したのよ!」 「そうでしたか、ならば他の子達の面倒も見たいと想います!」 「なら志津ちゃんも菩提寺の京香ママのサポートをする? この菩提寺で働いてくれるならお給料は支払うわよ!まぁ飛鳥井程には払えないから、お勧めは出来ないわ!」 「私もこの年ですから、多少の蓄えは有ります! そして資産を運用して利益を上げているので、も少し仕事の配分を落としても大丈夫なんですよ!」 「なら栗栖を副社長に据えないとね! でもいきなり菩提寺で仕事てってのはバードル高いかもだから年度末決算をキリにしましょうか! 飛鳥井の会社は3月一杯で終える、それ迄に志津ちゃんは菩提寺での生活に慣れるのよ!」 「そうですね、それが良いです!」 志津子と話をしてたら有栖は 「鍛錬の時間なので!」と言い着替えに向かった そして道着を着て道場へと向かう 道場には弥勒もいた 弥勒は今自身も鍛え上げている最中で、やっと黒帯を取ったから小さいのに稽古を付けてくれていた 烈は弥勒に「弥勒ゅ、御守り売れまくりで在庫ないって城之内言ってたわよ!」とボヤいた 弥勒は「追いつかねぇんだよ!」と叫んだ 「だから誰かに手伝わさせれば良いのに………」 「嫌々、術師たる者、名ばかりの御守りなど売りには出せぬのじゃよ!」 「流石!弥勒ゅね!だから売れるのね!」 「褒めても何も出ねぇぞ!」 「出さなくて良いわよ! どう?赤子の服とか足りてる?」 「あぁ一希の産着とか貰えたからな助かってる!」 「子供は日々成長するものだからね 飛鳥井には、にーに達が子供の頃の服とか有るからね、もっと遡れば父さんの子供時代の服とかあるのよ!」 「お前は着ないのか?」 「ボクはジャージしか着ないわよ! 畏まった服着ても肩凝るしね、それでもにーに達からのお下がり有るからね、ボクは普通の子よりは服持ちよ!」 「それは助かる!」 「まぁ赤ちゃんの時代なんて直ぐに大きくなるから、お下がりや貰った服で良いのよ! にーに達位になったらお小遣いで服買ったりするしお洒落になるからね!」 「お前はお年頃だろ?お洒落は良いのかよ?」 「あ~ボクはね、堅苦しいのは嫌いなのよ!」 「大歳神ソックリだな!」 「え〜違うわよ!じぃさんはお洒落な人じゃない!どっちかと謂えばボクはじぃさん似よ!」 「…………お前、今世が乱世に突入しなかったら大歳神と連絡取る気はなかったのか?」 「そろそろ連絡は取る気でいたわよ! だってあの人………ボクの事を電柱の影からずっと見てたのよ! そんな哀しい事をさせて来た自覚はあるからね そろそろタコ殴りにされる覚悟で会いに行ったわよ!」 「めちゃくそ殴られたんだっけ?」 「そう顔が変形して中々元に戻れない程にね、殴られたわよ! まぁ仕方ないわ、心配してるの知ってて音信不通にしてたんだからね!」 「お前等親子って………複雑なのか?単純なのか理解が出来ねぇな………」 「単純じゃない、ボクは飛鳥井で生きる死命があったから、親父殿を無視して生きるしかなかったのよ!親父殿は無視しやがって!と怒りを増幅させていたのよ! そこへ鴨ネギだったから、この際愛の鉄拳じゃ!となったのよ!ね!単純でしょ!」 弥勒は言葉もなく笑った そして「何故に義泰と志津子いるのよ?」と問い掛けた 「あの二人は有栖に逢いに来たのよ!」 弥勒は「ならば腕によりをかけ鍛錬着けてやるさ!」と笑ってちっこい子達に鍛錬を着けていた 有栖は基礎が出来てないから、ちっこいのに混ざって修行をしていた 烈は菩提寺の保養施設3階へ上がると、北斗にラインをした 「ほっくん、今後の事を話し合いましょうか?」 烈からのラインに北斗は一瞬息を飲み 『父さんも同席必要?』と問い掛けた 「ほっくんのみで良いから、バスに乗っておいでよ!乗り方解る?」 『大通りに出て101番か35番のバスで大丈夫かな?』 「そう、待ってるわね! コッソリ出て来るのよ!」 『了解したよ!』 北斗とのラインを終え、烈はPCを出して仕事を上げていた 少し待つと北斗が保養施設3階へ上がって来た 北斗が座ると烈は 「ほっくん、スキップして取るべき資格取っちゃったから、どうしたいのか?一度聞かなきゃならないから呼んだのよ!」と問い掛けた 北斗は「…………僕は倭の国へ帰りたい………そんな思いで日々頑張って勉強したんだ!」と答えた 「なら帰国したんだし、このまま倭の国で過ごせば良いわ!」 「え?…………」 「ほっくんは市立の残り少ない中学生活だけど転校して、其処に通い高校受験を受験するのよ 吉田学園の畜産科なら、家の近くのバス停からJRの駅に出て、電車で一本だからね 通学時間1時間近く掛かるけど、それよりも大変な思いして通学してる人はいるからね 続けられない事はないと思うのよ!」 「僕………帰って来て良いの?」 「良いに決まってるじゃない! ほっくんは大切な家族よ! そして………ほっくんを悩ませたバカとは未来永劫逢う事ないから安心して良いわよ!」 「烈が手を回したの?」 「ボクと謂う謂うよりも四季ちゃんが怒髪天を衝いてね、退学にさせて親は北海道の僻地に行かせると言ってるし、その内この世からも去りそうだから大丈夫なのよ!」 「烈が何とかしなくても良いからね!」 「ほっくん、ボクは幼気な小学生よ! そんな事しないから安心してね!」 笑顔で言われても安心は出来ないが、烈が未来永劫逢う事はないと謂うならば………そうなのだ 前を向いて歩こう………と心に決めた 「なら吉田学園の受験頑張ってみるよ!」 「その為にほっくんは少し護身術と武術を叩き込みます!強い身体には強い心が宿るのよ! 襲い掛かる奴がいたら、襲い返して犯しても文句なんかは言えないじゃない! 人はそうして強くなって行くのよ! もっと強く、鋼の身体と優しい動物の言葉が分かる良い男になって下さい!」 「うん!うん!頑張るよ烈!」 「ほっくんには【家族】がいるのよ! そして誰よりもほっくんの事を案じて、見守っている雪ちゃんの事を忘れないで!」 「絶対に忘れないよ! 僕は雪に誇れる大人になりたいから! じぃさんになり老衰したら雪と僕は一つになるんたから!」 「それは無理よ!ほっくん 雪ちゃんはそんな事は望んでない だから老衰したらほっくんは魔界に行き、雪と共に生きれば良いのよ! 二人で協力して逝けば良いのよ! 一つになるより、二人で協力して行く方が心強いじゃない!」 「確かに………一つに溶け込むより、傍にいて抱き締めてあげたいね!」 「そう、だからほっくんはほっくんの人生を歩み、悔いのない生涯を刻んで行くのよ!」 「あぁ………烈………烈………僕は僕の人生を生きるよ!いづれ一つになるなら雪の為の生涯を送ろうと思っていたけど、今ならば自分の人生を送らなきゃって思うよ!」 「長期の休みになったら魔界へ連れて行ってあげるからさ、雪とちゃんと話をしなよ!」 「有り難う烈!何か心が軽くなったよ!」 「なら働いてね!ほっくん うちはちっこいのが増えたから!」 北斗は吹っ切れた清々しい笑みを浮かべ 「解ってるよ烈!」と言った 北斗は倭の国へ帰って来たのだった イギリスでの宿舎の荷物は、ヨニー©イギリスの社員に頼み送って貰った 飛鳥井での日常が始まる 朝6時には起きて掃除洗濯をして花の手入れをして、太極拳をする そして朝を食べて学校に行き勉強をする 北斗は市立の中学に転校した 家から通える学区で通学を始め、学校が終わったら菩提寺へ行き鍛錬をする 体力のない北斗には辛い日々だった だけど皆が北斗の傍にいて助け合い励ましてくれたから、北斗は頑張り体力を着けて行く事が出来た 志津子と義泰は久遠と紅緒に引っ越して菩提寺で暮らす事を告げた それは謂わば同居の解消を意味する……… 紅緒は「私………何かしましたか?」と不安そうに志津子を見て問い掛けた 志津子が何か言おうとした時、ドアチャイムが鳴らされ、志津子がドアホンを作動すると烈が立っていた 志津子は慌てて烈を迎えに行き応接間に招き入れた 志津子は「どうなさったのですか?」と問い掛けた 「口下手な志津ちゃんと義泰じゃ、ちゃんと説明出来ないじゃない!だから来たのよ!」 義泰は「済まぬ………どう説明しようかと思ってたら言葉が中々出なかったわい!」と答えた 烈は久遠と紅緒に向き直ると 「紅ちゃん子育てはどう?」と問い掛けた 「久し振りの子育てなのでキツいのはありますが、皆が協力してくれてるので仕事に差し支えなく出来てます!」 「あのね紅ちゃん、今後の事を話さなきゃだからボクは来たのよ!」 「今後の事に御座いますか?」 「そう、義泰と志津ちゃんは菩提寺で暮らす事になるわ! 其れがこの先の家族のバランスが一番上手く取れると星が告げた 総ては星が導く果てとなるのよ! ならば先生ぇーと紅ちゃんは新婚生活からジジババ付きだったから、今更だけど新婚生活を送らせてやろう…となったのよ」 「有栖は………大丈夫なのですか?」 「有栖の生い立ちは聞いたでしょ? 彼は魔術によって生き返らされた傀儡、人とは違うのよ!ボクも今回の禍の無効化で飛び回ってて、有栖にまで手が回らなくて………哀しい思いをさせてしまったわ………… こうなった以上は共に暮らすのは無理なのよ 互いが違和感を持って暮らすのは無理よ! それと紅ちゃんの子は影響を受けやすい 有栖の気と同調しちゃうみたいなら離れないとならないのよ! 神威はもうこの家に戻る気はないわ!」 烈が言うと久遠は「今は何処に住んでるのよ?」と問い掛けた 「今は菩提寺の家族向け住宅に住んでるわ! 有栖は桜林を辞めさせて市立の小学校へ転校したわ!向こうでの生活をスタートさせた以上はもう同居は無理な話となるのよ!」 久遠は苦しげな顔をして……… 「この先……離れて暮らさないとならないのか?」と問い掛けた 「まぁ住む場は違えど神威と貴方は従兄弟なのは間違いないし、縁を切った訳じゃないから、逢おうと想えば何時でも逢えるわよ!」 「そう言いつつ、お前は年越してから通院してねぇよな?そして飛鳥井引っ越して行っちまったよな?」 「忙しかったからね………それは仕方ないのよ そして飛鳥井は引っ越したけど、そんなに離れてないし、今度新居に呼ぶわよ! 少し前までまたボクは命狙われていたから、家から離れていたからね、呼ぶ段階じゃなかったのよ!」 紅緒は「お義母さんとお義父さんは菩提寺で暮らされるのですか?」と問い掛けた 志津子は紅緒に向き直り 「はい!もう決めました! 飛鳥井建設も3月一杯となり、4月からは菩提寺で働きます! 私は今まで息子の為家の為………と必死に生きて来ましたが………もうそろそろ気楽な生活を送りたい そう思っていました、会社の方もそろそろ辞める気でいました!」とキッパリ告げた 志津子が口にすると義泰は 「我等は二人で旅行に行った事さえない……… もう楽隠居したならば、志津子と二人で旅行したいなと話していた だから病院の方も引退させて貰うと決めていた!」とキッパリ口にした 久遠は「親父………本気で言ってるのか?」と問い掛けた 「あぁ、老兵は去れ、それが今だと理解出来る内に去る事に決めた!」 義泰が言うと烈は 「義泰は菩提寺の方で働いて貰うから大丈夫よ! 今菩提寺には親のいない子達や、職員達や住職の家族など増えたからね! 専属の医師として常駐して貰うつもりなのよ! 久遠先生ぇーはその分医者を増やして対処しなさいよ!」 と結構キツい一撃を食らわせた 「親父が出て行かなくても俺と紅緒が出れば良い!」 「あぁ、久遠先生ぇーは飛鳥井記念病院の上のマンションへお引っ越しね! 早く荷物出してね、この家は取り壊しが決まってるから!」 紅緒は「私が家族を不幸にしましたか?」と言うと烈は紅緒の頬をペシッと叩いた 「誰も不幸になってないわ! 不幸になる為に引っ越すんじゃないわ! 皆が其々の場所で生活を始める為に引っ越すのよ 別に引っ越す事が永遠の別れじゃあるまいし、孫を志津ちゃんに預けて仕事へ行く事だって可能よ ママは一希を抱っこして菩提寺へ行ってるんだし、志津ちゃんが孫を抱っこして仕事してても何も言わないわよ! 新婚生活してないんだから二人で、ミとトにも手伝わせて家族四人での生活始めてみなさいよ 総ては其処からスタートする始まりなのよ! 久遠先生ぇーの家族の歴史が刻まれる始まりなのよ、其れには祖父母は不要、先ずは夫婦で助け合う事から始めなさい! 今度不幸呼び寄せやがったら………半殺しの目に合わせてやるからね! 良い?不幸は己の上に成り立つ自分の行いが引き起こしてる業だと言う事を忘れずにね!」 「烈………烈…………私も菩提寺に住みたいです!」 「それは無理よ!久遠先生ぇーは車の運転出来ないじゃない!」 「あ!………」 バスがあると謂うとする義泰を志津子は黙らせた 「紅ちゃん、夫婦と言うのは互いを助け合い成り立たせるバランス棒な様なモノなのよ 何方かが比重をかけ過ぎれば、何時か関係も狂うバランスなのよ! 紅ちゃんも先生ぇーを助けて互いが互いを想い生きて逝くのよ!」 「解りました烈…………」 「有栖の事は…気にしなくても大丈夫だから! あの子の心配は神威がするわ! 神威で足らないなら、ボクが出るし大丈夫なのよ 其れと義泰は医者である以上患者を看るわ! 今後は先生ぇーとも連絡を取り合って行けば良いと想うのよ! 何ももう来ないと言ってる訳じゃない 先生ぇーがヘルプを出せば何としてでも来るわよ そんな距離感が必要な時なのよ! もう義泰と志津ちゃんの重荷を下ろしてあげてよ 志津ちゃんは息子と謂う存在に囚われて来た人生だった だけど、今は違う、余生を生きて逝くのよ 自分達の思う通りに生きて行けるのよ!」 久遠は覚悟を決めた瞳を父に見せると 「孫を見せに行くから、親父と母さんも来てくれよ!」とやっとの思いで口にした 義泰は「あぁ………離れて暮らしてもお前は儂の倅だ!」と言う 烈は「なら紅ちゃん、孫を志津ちゃんに預けてお引っ越ししてね! 病院の上に有栖の持ってるマンションあるから、其処へリフォーム終わるまでは生活しててね! どの道、新居は病院の上のマンションの最上階だから!」と説明 志津子は「ならば我らもお引っ越しをせねばなりませんね!我等が先に引っ越すとしましょう! その後に譲達が引っ越せば、我等は孫を預かれますからね!」とにこやかに言う その顔は吹っ切れて、近年見たことのない程に清々しい笑みだった 「紅緒、我等は菩提寺の家族向け住宅に入ります 4月からは飛鳥井建設を退職して菩提寺で働きます!なので孫は何時でも預かれますからね!」 「はい!義母さん、ならば御言葉に甘えて頼みますね!」 「たまにはデートでもしてらっしゃい!」 志津子が言うと烈も 「ラブラブでいないと薙刀で薙ぎ倒してやるからね!」と忠告 久遠は「死ぬ気で愛する想いは忘れてないよ!」と答えた 「じゃ、ボクの用は終わりだから帰ります!」 志津子が「送って行きますか?」と聞くと 「ケント待たせてあるから!」と言い立ち上がった 久遠は「烈、顔色が悪い!明日の朝必ずや病院に来やがれ!」と言った 「解ったわ、ならお休みね!」と言い志津子の家を後にした そしてオフィスビルの前に停まると、烈は車から降りてIDを翳しビルの中へ入って行った 通用口のドアを開けて家へと入り、下駄箱に靴を入れてエレベーターのボタンを押す やって来たエレベーターに乗り込み、自分の部屋に行くと竜馬が部屋で待っていた 「あ、烈、四方さんと君島さんが打ち上げやりませんか?と打診あったんだけど?どうかな?」 「何時?」 「明日の昼に、銀座の多目的ホールのラウンジを借り切ってたって言ってきたよ!」 「良いわよ、ボクは其処まで長い間は無理だけどね!」 「だから、それを考慮して昼なんだよ、烈!」 「そう、なら楽しみたいけど、銀座にそんな多目的ホールってあったのかしら?」 「どうなんだろ?多目的ホールってパーティーとか出来る会場なのかな?パセラみたいに??」 「パーティーだとしたらカジュアルな失礼のない服ね!」 「了解!」 烈は部屋に夕飯を運び込み、食べながら仕事の依頼が熟し、飛鳥井建設の仕事のチェックをしていた 夕飯を食べ終わると竜馬がキッチンにまで食器を戻しに来て食洗機の中へ入れてスイッチを押した 一生が「烈忙しいの?」と問い掛けた 「どうだろ?行き先も告げずに出掛けていたからね!解らないんだよ!」 「まぁ彼奴は一族の為にも動かねぇとならねぇからな………」 「何か禍以降の烈は異様な忙しさだと想うんだよ………」 「俺も気に掛けるけど、お前は傍にいるんたから護ってやれよ!」 「解ってるよ………」 竜馬は漠然としない不安に包まれていた 何か?と聞かれたら答えられはしないが………漠然とした不安に心を揺さぶっられていた……… 翌日 銀座に早目に出向いて、色々とお茶して楽しく過ごそう!と、10時頃には銀座に出向いてお茶したり買い物したり過ごす事にした 打ち上げだから飲むならば車を運転して行くのは無理だと、一陽にマイクロバスで送って貰って銀座まで来たのだった 一陽はメンバーを降ろすと帰って行った 烈と竜馬はケントの車に乗りメンバーのいる所へ向かった そして車から降りるとケントは帰って行った メンバーと合流してカフェで茶をして、話題のスポットを探索して遊んでいると時間はあっという間に過ぎて、指定された建物にメンバーと共に向かった 受け付けで【R&R】です!と名乗ると、係の者が部屋に案内してくれた かなり広い部屋には豪華なシャンデリアとかあり、ビュフェ型式のパーティーで、料理は着々と作られ並べられていた が、まだ約束の時間より早く誰も来ていなかった 烈は部屋の隅のソファーに座って誰か来るのを待っていた ソファーに座っていると足元にモップみたいな毛綿が現れた 「あら?モップ………」と烈は呟いた そしてモップを撫でると、モップは嬉しそうに、烈の足にベタッと纏わりついていた 其の犬はプクッとお腹が大きくて、お腹に子供がいるのが解る程だった だけどモサモサの毛をしてモップみたいな毛玉にしか見えなかった 「うちはルンバいるからね、モップは滅多と使わないのよ! 後、クイックルワイパーばかりだし………」 烈が困って言うと隅っこで寝そべっていた男が爆笑していた 「だよな、今の時代モップがけなんて滅多とする家なんかいねぇよな!」 「あら?何方様?」 「俺はこのモップの飼い主だ!」 「あら、そうなのね! プーミーって種類の犬なんでしょ? このモップ!」 「詳しいな!」 「うちにはテリアの犬とシュナウザーいるからね ネコはトイガーがいるのよ!」 「トイガーとは珍しい猫持ってるやんか!」 「大切な家族だからね、別に珍しさも血統もどうでも良いわよ!」 男は瞳を見開き烈を見ていた 「一度お前んちに行きたい!」 「まぁ親しくなれば招待するわよ!」 「なら親しくなろうぜ! コイツの子犬やるからさ!」 「え?要らないわよ!」 「え?お前なら大切にしてくれそうやんか!」 「家族だから大切にはするわよ! でも名乗らない人と友達にもなれないわよ!」 男はスマン!と詫びて話そうとすると四方の声がして 「彼は俳優の花山院楓雅と謂う、君から見たら十分おっさんな奴です」と告げた 「花山院?それ本名?漢字で名前みたいんだけど?」 花山院と呼ばれた男はペンを取り出すと 「花山院 楓雅」とナプキンに漢字で書いた 「これ本名?」 「え?あ?芸名かって事? 芸名でなく本名だ! まぁよく芸名みたいな名前だとは言われるけどな!」 烈は雅の名に丸を書き 「花山院で、この名前は本家の後継者なんじゃないのかしら?」と問い掛けた 花山院は顔色を変えて 「おい!このお子様は何者なんだよ?」と問い掛けた すると烈は嗄れた声で 「儂は飛鳥井宗右衛門! それよりも答えろ!何故花山院の跡継ぎが役者なんかしておるのじゃ?」 花山院は答えなかった 烈は鷹司緑道へ電話をした 「緑道、花山院の後継者となるべき存在が何故に役者なんぞしておるのじゃ?」 『宗右衛門!それは誠に御座るか!! その者は名前に雅が着いておるのか?』 「あぁ、嘘偽りなく偽名などではないみたいな様だから、正当な名であろうて!」 『今直ぐに参る!位置情報を頼む!』 そう言い緑道は電話を切ると、即座に位置情報を送信した 烈は「何故花山院の本家筋なんかがボクの目の前に現れるのよ! 此れは陰謀?それとも策略??? 何よ!もぉ~巻き込まれるのは嫌なのよ!」とボヤいた すると背後から「そんな事は申すな!」と謂う声がした 振り返らずとも解る 阿賀屋蒼佑が来たのだろう…… 阿賀屋は花山院楓雅の顔を覗き込んた 「あ〜この顔は純粋な後継者だろ? しかも花山院は転生者だろ? 100年前に転生した時に逢ったご当主様と良く似た顔してやがる!」 「何か………物凄く嫌な運命の輪に巻き込まれてるじゃないのよ! モップ、ボクをコイツに導いたモップ、少しだけボクは君を恨むわ!」 モップはキューンと悲しげに鳴いた 暫くすると鷹司緑道がその場に姿を現わした 大層な御付きの者も共に来て、その場は騒然となった 皆 打ち上げパーティーをしに来たのに、こんなに仰々しいの目にしたら大変な事になるわねわ!と烈は思った 鷹司緑道もそうなる事を予想して 「宗右衛門、この場では話は出来ぬ! ホテルに部屋を取ったので其処で話そうではないか!」と言われた どの道、打ち上げなのに、打ち上げに相応しくない者達が乱入したら皆に迷惑になるのだ 「其れでは宗右衛門!参るぞ!」 緑道が言うと花山院の両脇を配下の者が、ガッシリと固めて立ち上がらせた 烈はガックし肩を落としてモップを抱き上げると、ドナドナされて行った 四方は「何か大変な話になるのかい?」と問い掛けた 竜馬は「彼は何処の事務員の方ですか?」と問い掛けた 四方は「彼はうちの事務所の俳優だけど? 今日はうちと君島の所の打ち上げだから、うちの所属の者も来ていたりした………申し訳ない事をしてしまったね」と詫びた 「どの道リーダーは不在だけど打ち上げは待ってはくれません! そしてうちのメンバーはリーダーの不在を感じさせない様に頑張りますとも!」 と言葉にする 【R&R】リーダー不在ではあるが、それを感じさせない雰囲気に……… 皆が何かを感じつつも、その時を楽しんだ 四方は「何故……打ち上げ邪魔されるんだろ?」と嘆いた 竜馬は「烈と話したければ、直接 茶にでも誘って下さい!その方が確実です!」と言った 四方は「そうみたいだね………何か済まないね…… 私が事務所の子達を呼んだから………」と詫びた 「多分、こうなる運命だったんでしょうね………」 と、竜馬は胸騒ぎの理由が解った気がした…… 後はもう不在のリーダーの為に、盛り上げて打ち上げパーティーは大成功となった 烈はホテルの部屋に着くと、一生にラインをした 「カズ、手が空いていたら添付したホテルの指定した部屋まで一希を連れて来てくれないかしら? カズが無理なら誰か手の空いてる子に頼んで連れて来て、お願い!」 烈からのラインを一生は飛鳥井の家で受け取った 一生は今日はデスクワークをしていた リビングでPCを開いて育成スケジュールを立てていた 其処へ烈からのラインが入ったのだ 『俺は今日はデスクワークだから、これから一希を菩提寺まで迎えに行き、ホテルまで連れて行くわ!』と約束してくれた 「悪いわね、一希の仕事が入ったからね 是正を司る者に見せないとならないのよ!」 『え?一希乳飲み子やのに、もう仕事するのか?』 「其れが一希が生まれた意味だから仕方ないわよ お願いねカズ!」 『あぁ、ならこれから菩提寺に行き京香に言い連れて行くとするわ!』 ラインの遣り取りを終えた 烈は「話は是正を司る者が来てからにしてね それまでは何故、後継者が家を継がず役者してるか?聞かないとね!」と花山院に迫った 緑道も「ふむ、【何故】なのか?それを聞かねばならぬな!此れは由々しき事態である! 敷いては摂家 五家が出て協議をせねばならぬ事態である! 当然 飛鳥井は宗右衛門が出られるか?」と問い掛けた 「そうね、真贋が出ねば収まらないならば出て戴くけど、そうでないなら宗右衛門預かりとするわ!」 「では、先ずは事情を聞かねばならぬな!」 緑道はそう謂うと花山院楓雅の前に座った 「何故に主は役者などしておる? それは花山院家は知っておるのか?」 「…………花山院家なんて、もう終わったも同然な家!誰も気になどしねぇよ! 既に後継者もいるんだし、関係ねぇよ!」 「え!花山院家は既に後継者が存在すると申すか?そんな事など聞いてはおらぬ! 後継者を継げるのは一世代に一人! 【雅】を持つ名のものだけである!」 緑道は配下の者に「今直ぐに【花山院家本家】を調べ上げ、後継者と名乗る者も調べ上げろ!」と伝令を流した 指示を受け取った者は即座に動き、花山院家を調べに行った 烈は「生年月日と名前を此処に書くのよ!」とノートを差し出した 花山院はそのノートに名前と生年月日を書いた 烈はリュックからノートPCを取り出すと、ホロスコープを起動させた そして占って行く 沈黙が部屋を包む 烈が何かに気付き天井を見ると、ルーが烈を護り、クーとスーが白装束の人間を掴み部屋へ放り投げた 烈は足元に呪文を出し捕縛した 「何の為に飛鳥井宗右衛門の前に姿を現した? 無礼を働くならば、此方も黙ってなどおらぬ!」 と宗右衛門の声で容赦ない叱責をする 白装束の人間は「飛鳥井程度の家が出しゃばるな!」と吐き捨てた 緑道は錫杖を手にすると白装束の人間の顔を、錫杖の先で無理矢理上げさせた 「摂家 五家 鷹司緑道だ! 飛鳥井の家を、飛鳥井程度の家と苔下ろす事は許しはせぬ! そして生かしてなどおくものか!」と白装束の人間の首を掴み、怒りを露わにして吐き捨てた 烈は「クーたん結界張って!」と言うとクーはその部屋に結界を張った クーが結界を張ると烈は魔法陣を出し 「この上にその男を立たせて!」と告げた 緑道は「え?男であるのか?おなごではないのか?」と問い掛けた 「性別は男、そして殺戮に特化した教育を受けた者、この日、この時間に花山院楓雅の所へ現れ暗殺するが役目の存在よ!」 「解せぬ!花山院の家はどうなっておるのじゃ!」 「それを言うなら摂家 五家を筆頭に華族(公家)15家も調べるべきね 清華家は無論、名のある家がどうなってるか? この機会に調べ上げる必要があると謂う事よ! ガワだけ乗っ取られて、利益を貪ってる名家とは到底思えぬ所業、唐沢の所へ上がって来ているのよ!」 「え?ガワだけ乗っ取っておると申すのは? どう言う事なのじゃ?」 「名前と家と名家という称号よ!」 「あぁ、名乗る癖に気品もなれば、優雅さもない パチモノの名家と言う者が、我等鷹司にも幾つか接触を図っておるぞ?それか?」 「らしいわ、そして………根っこは深かくて……… 一つの団体に繋がってるんじゃないかしら?」 「あ〜そう言う事じゃな! 誠………情けない!!」 「と言う事で近衛の家のお披露目を早めないとね 伸び伸びのラーメンみたく日程伸びてるからね 直ちに近衛の【監視】の復活をさせねばならないわ!」 「委細承知した! では日を決め何が起きようとも、決行せねばならぬな!」 「そうね、そしてこの時代に合わない家は取り潰しも検討せねばならないわよ!」 「…………ふむ………その時が来たと申すのか……… 「今 この倭の国にどれだけの名家が遺ってるのかしら? 摂家 五家 清華家 13家 財閥と呼ばれた家、華族と呼ばれた家 有栖院家の様に倭の国に根付いて企業として裏に隠れて生き伸びた家、有栖院 観音寺 観世音 神宮寺 三大寺 豪徳寺 鳳凰院 伊集院 西園寺 綾小路 錦小路 他13財閥の家は? 今一度調べる必要があるかも………」 「承知した………調べるとしよう! もう旧石器の様な家に囚われる必要もないのじゃから………繋がりなどない家も増えて来た そして外資に吸収され殆どの家は消えたであろう!」 「外国人が名家を名乗り好き放題は戴けないわ そして観世音家みたく名ばかりの後継者を立てて能無しを矢面に立たせようと名を汚す様な事されるなら、いっそ潰しちゃいたいわ!」 「ふむ、儂もそれは思っておったのじゃよ! 誠 嘆かわしい………じゃが名ばかりの家など剥奪して正してやるしかあるまい!」 鷹司緑道は覚悟を決めた瞳をしていた

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