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第71話 粉骨砕身 ❷
緑道の言葉を聞き、烈も徹底的にメスを入れるしかない!と腹を括った時、部屋のドアがノックされた
緑道の配下の者がドアを開けに行くと、一生が一希を抱っこして連れて来てくれた
飛鳥井家真贋の気を纏った男が立っていたから配下の者はそれは丁寧に一生を部屋に招き入れた
部屋へ案内されると一生は一希を烈に渡した
「悪かったわね!カズ!」
一生は丁度戻って来た一陽に送って貰い、取り敢えず一希を菩提寺へ受け取りに行き、ホテルの前まで送って貰ったのだった
烈は一希を抱っこすると「さぁ一希お仕事よ!」と仕事の合図を告げた
『美人なおなご期待したのに………ムサい野郎ばかりの部屋に連れて来やがって!』
「そんな事言うと食後のヨーグルト食べちゃうわよ!」
『それは嫌だ!仕事する!ん?』
一希は烈の前に座る男に目を向けた
『一生、この男の近くに頼む!』と言われ一生は一希を抱っこして花山院の傍へと立った
『この男の血は花山院家 元より清華家の血筋の者じゃな!何で今主と共におるのじゃ?』
一希が言うと一生は俳優をしている男に見覚えがあり
「あぁ、その男は俳優の花山院楓雅だよな?
昨夜、ドラマで見たばかりの奴がいて驚いたよ!」と話す
一希は『え?花山院家の後継者は役者をしておるのか?』と呟いた
そして烈を見て『宗右衛門、主の果てが狂うぞ!
主は鷹司を始めとする家に【軌道修正】を掛ける者、儂は是正を司る者、その二人の目から見ても常軌の逸脱は犇々と伝わっておるじゃろ!』と尋ねる
「そりゃもぉね、今一度調べて更地にする必要があると話した所よ
多分ネームバリュー欲しさに家は取り込まれて、生粋な後継者なんて消されていない
其れが今の名家と呼ばれた家なんじゃないかって思うわ!」
『じゃろうな…………じゃがこの男は自分の生き様からは逃げてはおらぬ!
俳優と言う人目に付く仕事をしてるのに、本名を名乗るなんて、本当に太々しい根性してやがるな!
宗右衛門、この儂が是正の呪文を唱え正し、軌道を変えてやる!
その後、主は此奴を始めとるする軌道修正を図るかよい!』
そう言い一希は呪文を唱え始めた
花山院楓雅の足元には魔法陣が出てグルグルと魔法陣は文様を浮かべて回っていた
『ほら、主の口から話すがよい
主にはその責任があるのではないか?』
花山院の頭の中に直接声が響く
花山院は唖然となっていた
白い猫と白黒斑な猫が立って話をしている
そして乳飲み子が仰々しい声で話し掛けて来る
何が起きてるんだ?
モップはご主人を想い足元に飛んで行き、心配して見上げていた
花山院は覚悟を決め口を開いた
「10年程前に親父が急に人が変わった様になり………夫婦仲良かったのに、その日を境に親父は………母をいびり倒して自殺に追い込み………殺した
その後に中国の言葉を話す見知らぬ女が家に入り込み………家を取り仕切り出した
そして子供を産むと、この子が後継者だと言い出し、まだ高校生だった俺を家から追い出した
俺は………無一文で家から追い出され路頭に迷っていた
そんな時、路上で寝てる俺に声を掛けて来たのが、四方達哉………今の事務所の社長だ!
以来俺は俺を追い出しやかった家を恨み本名で役者の道を歩み始めた
後はもうお前等が見ている俺だ、他はない!」
損等に真実を言ってるのは足元に出されている魔法陣を見れば解るのだ
花山院は真実のみを口にした
「それは由々しき事態じゃないの!
ならば今の花山院家は滅ぶしかないわね!」
と言い目を閉じた
そして「終幕の章、終演!」と宣言すると、長い長い呪文を唱え始めた
鷹司緑道は「終幕の章 終演……まさか本当に在ろうとは………」と呟いた
クー ルー スーか烈を取り囲む様に立つと、トキが何処からか現れ烈の横に立った
そして烈の声は宗右衛門になりヘルメースになり烈そのもので在り……重なり呪文を紡いで行く
2時間半の呪文を唱えている最中
部屋の結界を破り、やはり白装束の奴等が姿を現した
緑道と配下の者が闘い、その場で息の根を止めた
トキは『クェェェェェェェェェェ!』と鳴くと大地は揺れて震度5弱の地震が起こった
緑道は踏ん張り立っていた
一生は「まぢかよ!」とボヤき一希を抱っこして護っていた
「『此れは道を誤った家への審判である!』」
「『此れは破滅へ向かう家への是正である』!」
「此れは総てを終わらせ終章
舞台の上の配役は総て降りねばならぬ幕引きで在る!」
変わり代わり声が告げる
その呪文の上に一希の声が重なる
烈の呪文が花山院の中へ吸収されて行くと、花山院は苦しみ出した
「『此処に一つの正当な血が在る!』」
「『此処に未来を繋ぐ存在が在る!』」
「『此処に正しき道を歩く後継者が在る!』」
「『紛い物は許してはならぬ!』」
「『正しくない血の者は排除を!』」
『秩序を乱す者に鉄槌を!』
花山院へ吸収された呪文は蜷局を撒いて放出され
部屋の外へと揺ら揺らと消えて行った
そして烈は両手を広げ
「正しき血が通わぬ家の終焉を!
幕は降ろされ家は終わる!
血を呼べ、先祖に導かれ正しき道を外れた家は終われ!
それを此処に宣言する!」
と言い自分の足元に魔法陣を出すと!人差し指を噛み切り血を流した
「誓約の元に粛清を!」
『古来よりの血の復活を!』
そして目を見開くと
『是正を司る我が眼からは逃げられはせぬ!
此処に飛鳥井一希が告げる!』と宣言した
と言い魔法陣に血を流した
一生は「え?怪我したのか?」と慌てたが一希が
『騒ぐでない!』と止めた
そして魔法陣を消すと、血は何処にも遺ってはいなかった
緑道の配下の者は直ちに烈と一希の手当を行った
「此れでパチモノの家は跡形もなく幕を閉じる事となるわ!
まぁ破滅の章、限界でも良かったんだけど、やはり幕引きは己の手でやって貰わなきゃね!」
緑道は「その呪文の存在は聞いた事はあるが、誠に使う者がいるとは思ってはおらなんだ!」と驚いていた
「終幕の章はね、役者とか商売をしている者達の為の幕引きの呪文でもあるのよ
まぁ家の終わりだから、己の手で幕は下ろして貰わなきゃね!
だから終幕の章を選んだのよ!
でも一希が『是正の章 断罪』を唱えてくれたから効果はかなりあると踏んでるのよ!」
「一希は『是正の章 断罪』を唱えられたのか!」と驚いていた
同じ呪文を唱えていた訳ではないのか!
「当たり前じゃない!
彼はこの先、全ての家の是正を司る者だから、その程度の呪文を唱えられなくてどうするのよ!」
一希は『カズ、ミルク!』と言いミルクを作らせて飲んでいた
一生は「おめぇ汗だくやんか!帰ったらお風呂に入れてやるからな!」と汗を拭いてやりミルクを飲ませていた
烈は「緑道、今後はバタバタ死人出るから、唐ちゃんに言っとかないと駄目よ!」と謂う
「解っておる!既に配下の者が連絡を取っておるであろうて!」
「此れでどれだけの家が潰れるかしらね?」
「主はどれだけと呼んておる?」
「一割遺れば良い方かしら?」
「其処まで!!」
「有栖院家の様に倭の国の企業の土台を支えて生き残ってる家なんて滅多といないのよ
時代の流れに乗った者だけ、今も倭の国に根を下ろし、そうでない家は跡形もなく消え去ってるわ
それか今回の様に乗っられ利用価値が有るうちは利用されて使い回されて逝くのよ!
今のこのご時世に合ってないのよ!
家族も希薄になり、交友関係を築くものも希薄になり、仮想の世界でしか繋がりを持たない者が増え過ぎてるのよ!」
「哀しい世界になりつつあるのは………我等も感じておる!
じゃが我等は其れでも仕来りや伝統は守り続け逝かねばならぬ!」
緑道が言うと一希は
『仕来りや伝統は守るべきモノ!
そして其れ等は受け継がれるべきモノ!
それをなくしたら全ての秩序は崩壊するしかない
下手したら領土も領地も乗っ取られて、気が付いたらこの国どこの国よ?
となるしかあるまいて!』と皆の脳に声を轟かせた
「誠に、そうじゃな!
では是正を司る者よ!この一件どう対処なさるのじゃ?」
『軌道を逸れた者はこの世から消えた
後は遺っている者を立たせて後継者として生かせるしかない!
まぁどれ程の資産が残っているかは、定かではない…………資産がなくば家は終わる
その時は本当に幕引きをさせて家仕舞いをさせる
それをするのはやはり後継者しかあるまいて!』
「解りました!では花山院楓雅、主は命を狙われる、何処かへ身を隠されよ!
そして白装束の者達から逃れた後は、後始末をやらねばならぬ!」
と告げた
烈は「あのさ緑道、白装束ってのが少し引っ掛かるのよ!」と話を其処まで進めるな!と止めた
「何処が引っかかるのじゃ?」
「母ぁーさんを討つ為に、帝と謂うのが遣わした刺客と謂うのが、白装束の男だったのよ!
その話はそーちゃんから聞いた事があるわ
死にそうになったから未だに白馬は少しだけトラウマだとね!
白装束、今の時代に白装束はそうそういないわよ!下手したら帝を裏で操っていた奴等の生き残りと考えても良いかもね!
そしてその白装束の奴等は体に文身咒入れられていたと聞くわ!」
「え!邪法を!直接護法へ使役を命ずる咒身とならせたと言うのか?
邪法中の邪法に身を染めたと………あぁそう言えば政治屋からその話は聞いたな………
其れが繋がっておると申すのか?」
「今時、白装束着てる団体がどれだけいるのよ
今の若い子達ならば白装束、それ死人の衣装?とか言っちゃうわよ!」
「ならば………帝を背後で操っていた輩は今も手薬煉引いて仕掛けるのを待っておるのか?」
「緑道、少しデートしようかしら?」
「主とデート………黄泉の旅路よりもキツくなりそうじゃな
で、何処へ逝くと申すのじゃ?」
「それはもぉ秘密よ!」
阿賀屋は烈の身に危険がないと知ると
「烈、1月20日 新宿御苑で行えられる様に場の確保はしておいてやる!」と告げた
「それは助かるわ!」
「場を確保したならば、もう二度と違える事はないから安心されよ!」と言い姿を消していた
烈は神の道を開くと部屋にいた死体に至るまで、部屋から連れ出し、姿を消した
取り敢えず魔界に出て、牛頭に死者を頼みんだ!
「無限要塞牢獄へ一旦入れといて!
其処ならば誰も辿れないだろうからね!」
牛頭は「承知した!烈、今度は何時宴会やるのじゃ?やるならば我の非番の日に頼むぞよ!」と謂う
「解ってるわよ!牛頭ちゃん、なら後は頼むわよ!」
「了解されたし!」
と白装束のヤツの襟首を持ち引き摺って行く
烈は再び神の道に戻ると、只管歩いた
そして出たのは白馬櫻堂神社だった
神主の二階堂三鶴は烈の姿を見ると
「どうなされたのだ?」と声を掛けた
「晃嗣んちの土蔵の中身、地下に運んだかしら?」
「あぁ秘密裏に総て運び、晃嗣の実家は更地にした!その土地は主が貰うと権利書を持って行ったではないか!」
「三鶴ちゃん、下手したら狙われちゃうかもだから、神社の結界を強めないと駄目なのよ!緑道、頼めるかしら?」
緑道は「承知した!ならば主はこの地に来た用を片付けられよ!
我は結界を強化しておくとしようぞ!」と答えた
トキは姿を消して烈の傍に控えていた
「さぁトキたん好きに鳴きなさい!」と謂うと
クェェェェェェェェェェ
クェェェェェェェェェェ
クェェェェェェェェェェ
と好き放題鳴いた
する遠くから悠一が出て来て
「地震だ!」と三鶴に訴えた
三鶴は「兄さん、このお鳥様の鳴き声です!」と答えた
悠一は「朱鷺?めちゃくそデカくない?」と驚いて呟いた
その上をクー達が結界を張る
「緑道、どう?着けて来てる【眼】の気配ある?」と問い掛けた
「ないな!神の道に入った辺りから気配は消えておったな!」
「まぁ用心の為よ!じゃ地下の庫裡へゴーしましょうか!」と謂う
悠一は「あ、何か凄い文献出て来たぞ!」と謂う
烈は「どんな?」と問い掛けた
「この地の曰く、この地の役割、この地はどうなるべきか、との未来予想的な奴だった!」
緑道は顔色を変えて
「やはりこの地がキーとなると謂うのか?
ならば今後は狙われるかもな…………」と呟いた
「多分ね!でも結界張ったから文身咒入れた奴だとて、入り込むのは不可能よ!
無理矢理入ればサイコロステーキになっちゃうかもね!あ〜ボク食欲なくなるから来ないで欲しいわね!」
そんな問題じゃないだろ?と緑道は思ったが謂うだけ無駄なので黙っていた
悠一と三鶴と共に庫裡へと向かう
地下の倉庫を庫裡にして、二階堂の家にあった蔵の中身の全部を入れたのだった
「ボクが見たいのはそれじゃないのよ!
帝が消えた今、この地にはそんな役割は在ってないようなモノだからね!」
そう言い緑道と配下の者達は書物を書き分けて調べていた
「ボクが見たいのは黒幕、遥か昔からテスカトリポカが弄ぶ行為をして何の目的でこの地に目を付けたか?なのよ!」
2時間程探していると、かなり奥の方から古い手書きの紙を束ねた本らしきモノが出て来た
土御門孔明と消えかかった文字が読めた
烈は其れを取り出すと写真を撮って、一枚一枚捲り写メを撮った
緑道は「其れをどうするのじゃ?」と問い掛けた
「PCに取り込み、ソフトに読み込ませて予測変換させて読める字にするのよ
消えかかってるし、達筆なのは解るけど消えかかった達筆は読み辛いのよ!」
「成る程!では我等はこの地の結界の強化をして参る!」
緑道がそう謂うと、烈はサコッシュから呪文が巻き付けられた釘を取り出し緑道に渡した
「区域を決めて結界の周期の区点に打ち込んで!
そしたら結界をより手助けしてくれるから!」
「此れには何が巻き付けられておるのじゃ?」
「閻魔大魔王様の電磁結界と四神の息吹を掛けて貰い練り上げたモノよ!」
「それは凄い!我が家にも欲しい結界杭であるな!」
「良いわよ、何本必要が言ってくれれば、作ってくるわよ!近い内にボク魔界に行く用があるし
その時えんちゃんに頼んでまた雷搾り取って来るわよ!」
「おー!では家に帰ったら即座に図ってラインするとする!」
「待ってるわね!」
烈は写メを撮りつつ答えていた
待ってるのも何だし、緑道は外に出て結界を張る事にした
配下の者に神社の敷地を測りに行かせ、三鶴と悠一に何処からか何処までが敷地か?付き添わせ正確な区点を割り出した
そしてその区点に杭を打ち付け、呪文を唱えて結界を張った
結界が終わる頃、時を同じくして烈も写メを終えた
そして閻魔に八咫鏡の通信機で
「えんちゃん、鬼の派遣をお願いしたいのよ!
当面は白馬の神社の護衛にあたらせたいのよ!
だから腕っぷしの強いのを派遣して欲しいのよ!」
と頼んだ
閻魔は直ぐ様 腕っぷしの良い鬼を転送してくれ、烈の所へ送ってくれた
庫裡から出て来た烈の横に厳つい男が立っていて、悠一 三鶴兄弟は驚いていた
「此方の方は魔界きっての腕っぷしの強い鬼ちゃんです!名をシノさんと謂うのよ!
当面はこの神社の護衛の為に置いておいてね!」
と紹介する
シノさんと呼ばれた鬼は「何か着るのを寄越せ!」とあまりの寒さに文句を言った
三鶴は父親の服を出して来て笑顔で
「此れを着て下さい!
この服は忙しくなった途端 暇な神社へ行っちまった親父の服なので好きに着て下さい!
そして親父の部屋で寝泊まりして下さい!」と答えた
烈は案外闇深いよぉ〜この人達…………と思った
緑道は「結界は終わった、この先の話をしたい!」と謂う
花山院はもう何が何だか解らなくて………唖然としていた
「ならば菩提寺の保養施設3階へ行き話をしましょうか!」と言った
神の道を再び開き、暗闇を只管歩き菩提寺へと向かう
かなり歩いて菩提寺に着くと、烈は神の道から出た
午前中に渋谷に行った筈なのに、夕焼けに菩提寺は染まっていた
烈は緑道達を連れて保養施設3階へと向かった
一生は「一希、必要か?」と問い掛けた
ウトウト寝ている一希を見て烈は
「もう寝かせてくれて構わないわ!
カズ、車で来てくれたなら車取りに行かないと駄目かしら?」と問い掛けた
「俺は送って貰ったから大丈夫だ!」
「なら一希寝かせて、戻ってくれて構わないわ!
ごめんね面倒な事に巻き込んだりして!」
「俺は構わねぇよ!
なら家に戻り車を取って来るとする!
俺が迎えに来るまで待っててくれよ!」と言い一生は一希を抱っこして本堂の方へと消えて行った
一旦 本堂へ連れて行き一希を寝かせて、お迎えを頼む為だ
一生は慎一に連絡して迎えを頼むと、家にいた英生に行かせると約束してくれた
一生は京香に「一希は疲れてるから飛鳥井の家に連れて行くから!」と告げた
京香は黙って一生を見送った
烈達は取り敢えず、保養施設3階へと向かった
テーブルの前に適当に座布団を敷いて座る
「取り敢えず、ボロボロ死してから決めるってのはどうかしら?」
今動いたとしても、どの家が軌道を外した家なのかさえ解らないからだ
「それしかあるまいて!」
「何件遺ってるか解らないけど、有栖院、西園寺、鳳凰院家、伊集院家、松平家 真田 細川は最近ご当主と逢って茶をしたから入れ替わりはないわ!後 摂家 五家のご当主も最近茶をご馳走になったはかりだから入れ替わりはないわ!」
「ならば、摂家 五家以外だと、口にされた家は今も遺っておるのじゃな!」
「そうね、ついてに謂うと天羽はご当主は代替わりして、観世音家は一度滅び新しい場で家を構えられた!」
「天羽は滅んでもよいじゃろ!」
「今度のご当主はマトモな方よ!
残して置かないとあの家も役割はあるのよ
今後は資質のなき者に当主としての資格は剥奪する様に鷹司の方から是正勧告をして貰い、近衛の方からバランスの配分の取り方を改めさせなきゃね!」
「その件は儂が責任を持って行う事とする!」
「じゃお願いします!」
「では1月20日、近衛の新しいご当主の顔見世とする!それを内外に告知して広めるとする!」
「後見人は飛鳥井宗右衛門が成る事と成ります!」
「承知した!其れでは場の確保がなされたのならば、急がれ整えられる様にお頼み申す!」
「委細承知致しました!」
互いに深々と頭を下げ謝意をつたえると、話は終わったとばかりに緑道は立ち上がった
そして保養施設3階を出て行った
烈は花山院に「今夜はボクの家に来なさいよ!
来たかったんでしょ?」と謂う
花山院は「俺は…………どうなるんだ?」と問い掛けた
「当面は命狙われるから、ボクから離れない事をお勧めするわ!
力を総て取り戻すまでは狙われる確率が高くなるからね!
仕事も暫くはセーブしないと駄目ね!
まぁそんなに時間は掛からないけど、バックにいるのが………少し引っ掛かるのよね!」
「…………俺は花山院とは無関係なのに?」
「其れが後継者と謂う立場の違いよ!
家を追い出され、家とは無関係の存在になろうとも、貴方に名を与えは者は貴方の体内に後継者と謂う確かな誓約を結んだのよ!
家か滅びようとも【名】は遺る
後継者さえいれば、家は繋がり果てへと逝ける
貴方にはその死命があるのよ!」
「名は………祖父が着けた!
親父には後継者の名を着けなかったから、親父は祖父を恨んでいたと聞いた事がある」
「無能で優柔不断だったからこそ、女に懐柔され骨抜きにされた
そんな性格を解っていたから後継者には据えなかった!と謂う事ね!
まぁ貴方の父親と継母は死ぬわよ!」
「別に構わない!葬儀をするつもりもない!」
「まぁどこかの寺に放り込まれ無縁仏に入れてくれるわよ!
構わなくても結構な話となるわ!」
烈は一生か迎えに来てくれるまでは保養施設一階に行き、夏海にお茶を淹れて貰い飲んでいた
夏海は「烈ちゃん、餅搗き大会お疲れ様でしたね!で、菩提寺はひな祭りの節句のお祝いイベントの話が盛り上がってます!」と話し掛けた
「ひな祭り?何のイベントするのかしら?」
「菩提寺の本堂をお借りして、学童保育の方々がイベントをしたいと言って来てるんですよ!
ならば、と烈に話をしてイベントにしてくれたらなっと思って話をしてるのよ!」
「うちは女の子一人しかいないからな…………」
「柚ちゃんね、柚ちゃんもひな祭りのイベントあったら出たいと言ってたわよ!」
「うちは節句とかお祝いしないからね………」
「え?5月の節句やられないのかしら?」
「ボク日本人形嫌いなのよ!
髪伸びるし、魂入りやすいし…………嫌なのよ
母ぁーさんも同じ考えだから節句はちまき食べて終わりよ!
柚は雛あられ食べて終わりね………
そりゃ女の子なら悲しいわね………」
烈が話してると柚が鍛錬に来ていて
「かしくないもん!
烈ちゃんかいてくれるなら、かなしくないもん!」と答えた
「ひな祭りのイベントやろうかしら?
でも雛人形嫌いなのよね…………」
烈が言うと花山院が
「んなの今は雛人形を描いた布切れでも貼っとけば大丈夫だろ?」と口を出した
「あら?それは良いわね!
なら考えてみようかしら?」
夏海は「それは皆喜びます!」と笑顔で言う
其処へ一生が迎えに来てくれ、烈は花山院と共に車に乗り込み飛鳥井へと向かった
花山院は車に乗ると「猫はどうした?」と問い掛けた
するとポッケから顔を出し
「此処にいる!」と答えた
「凄い!自由自在の姿になれるのか!」と驚いていた
一生が「其れがクー達の役目だからな!
それよりも、服の中に何入れてるのよ?」と服が何か入れた様にモッコリ膨れ上がってる姿を見て問い掛けた
花山院は「俺の犬!妊婦なんだよ!」と言い服のファスナーを下ろして顔を出させた
「ワンっ!」とモップが鳴く
一生は「プーミーか、珍しい犬だな!でも大切にされてるんだな!ご主人大好きって言ってるやんか!」とルームミラーを見ながら言う
烈は「カズはね動物の話す言葉が解る人なのよ!」と教えた
花山院は「それはスゲェな!」と感心していた
立体駐車場に車を停めると飛鳥井の家へと向かう
通用口のIDを解除すると家の中へ入り、靴を持って下駄箱へと入れに向かった
一生はモップを花山院の服から取り出すと
「温かい部屋で温まるんだぞ!」と話す
モップも何やらキュンキュンと鳴き一生に伝えた
「お前のご主人は大丈夫だ!
烈が隣にいるから心配するな!」と安心させてやる
2階に上がりリビングに行くと、康太と榊原が待ち構えていた
「烈、唐沢の方から身辺警護の話が来た
その時 家の話とか聞いた!」
「母ぁーさん 此方が花山院楓雅さんよ!
この人を視ればどんな状況だったのか解るわ!」
烈が言うと康太は花山院の手を掴み椅子に座らせた
そして黙ってじっと見て…………
「え?白装束………コイツの命狙ってるのかよ?
白装束……文身咒入れた奴がそんなの着ていたな………帝は滅んだのに………背後の奴等は滅んでねぇのか?」
「多分今頃 緑道が裏高野へ怒鳴りに行ってるかもね、そんなの入れるの裏高野位しかいないからね…………裏高野もまさかまた今回其の話を引き摺り出されるのか?と戦々恐々でしょうね!」
「あ〜国家転覆狙いやがっていた奴はほんの駒でしかなく、狙うはこの蒼い地球(ほし)なんだよな?」
「そうね、それ一択ね!」
「で、ソイツが花山院家の後継者か!
厄介なの連れて来やがって!」
「仕方ないわよ!母ぁーさん
捨てておいたら命取られるだけだから!
モップまで巻き込まれるのは………ボクは忍びなくてね…………」
「あ〜一生がお顔拭いてやってる犬か
おい!もうじき生まれるぞ!六匹の子!」
「え!あのお腹で六匹は無理じゃない………下手したら死んじゃうわ!」
「あぁ、一匹は既に息絶えているな
それが残ってるから余計激痛があるのに、偉いなあの犬………」
康太がいうと聡一郎が立ち上がり
「僕は八雲を連れて来ます!」と言い部屋を出て行った
花山院は「他の犬がいるのに……大丈夫なのか?」と心配して問い掛けた
ガルは心配してモップを舐めていた
ガブとルシと金太郎もペロペロと舐めて労っていた
一生はお腹を確かめながら
「こんな小せぇのに何故に妊娠させた!」と怒っていた
プーミーにしては成犬なのに小さかった
花山院は「………撮影現場に連れて行っていたんだ
そしたら知らない内に妊娠していた……」と申し訳ない顔をして答えた
モップは必死にご主人の所へ行き、ご主人を庇って鳴いていた
一生は「何時妊娠した!」と問い掛けた
「知らない内に妊娠していたから解らない………」と答えた
一生は立ち上がると花山院の胸倉を掴み
「責任取れねぇなら飼うな!」と怒り一発殴り飛ばした
家族はそれを黙って見ていた
康太は「楓雅が悪い!」と謂う
烈も「そうね、楓雅が悪いわね!」と言う
兄達や北斗達は頷いていた
一陽が「この方は誰なのですか?」と問い掛けた
「この人はね今命を狙われてる大変な子なのよ
家を追い出され、路頭に迷っている所を四方ちゃんに助けられ一応役者を生業にしてる人よ!」
と、とんでもない説明をされた
一陽は「やはり花山院楓雅さんなんですね!」と昨夜、一生達とリビングで見たドラマの役者なのか………と納得した
慎一と英生も買い物から帰りリビングに顔を出すと、客人と客人の足元に寝そべる犬に気付いた
慎一は「この方達は?そしてこの犬はどうしました?」と問い掛けた
一生は「其処の奴は烈の客人で、この犬は客人のワンだ!妊婦なんだよ!」と話す
英生は「客人、誰が殴り飛ばしました?」と言いタオルを絞り流れた血を拭いてやった
皆が一生に一斉に視線を向ける
慎一は「すみません!我が弟は手が早くて………許してやって下さい!」と謝罪を述べた
烈は「慎一きゅん、カズは間違ってないわ!
楓雅は殴られて当たり前の事をしたのよ!
カズは動物の言葉が解るのよ!
だから責任を取れない奴には腹が立って当たり前なのよ!」と一蹴した
花山院も「俺が悪いのでお気になさらずに!」と謂う
「でも仕事に困りませんか?」
「仕事は当分休むので大丈夫です!」
一生は「今夜辺り生まれるかな?でも体が小せぇから………未熟児だろうな!」と心配して謂う
康太は「大丈夫だ!一生!我が家の未熟児は今元気にスクスクそれなりに育ってんぜ!」と笑って謂う
「あ!母ぁーさん!スクスクは音にーで、それなりがボクかしら?」とボヤく
康太はそんな拗ねた末っ子を抱き締めて
「お前はお前やんか!」と謂う
家族の温かみを花山院は感じていた………
夕飯の時間となり皆で夕飯を食べた
瑛太は一人増えてる客人の顔を見て
「あ!昨夜見たドラマの俳優!」と叫んていた
康太が「烈の客人だ!」と謂うと皆が受け入れ
まるでずっといたかの様に扱われる
夕飯を食べ終わると一生はブルーシートをリビングの片隅に敷いた
そしてありったけのバスタオルとブランケットを用意した
兄達はせっせと手伝い準備して行く
アレから八雲も呼ばれて飛鳥井の家へとやって来た
夕飯を食べ終わると八雲もワン達の健康を確認してくれた
そして猫達を看る
小虎は八雲の顔を見るなり、烈の顔面に飛び付いた
少し前に注射を打たれたのを覚えいたからだ
虎之介もブルブル震えていた
花山院は「トイガー、めちゃくそ可愛いな!」と撫でていた
八雲は「このまま出産出来なきゃ帝王切開で出すしかない!同意書書いとけ!」と書類を花山院へ渡して書かせた
「しかし、コイツ成犬なのに小さくねぇか?」
やはり八雲も同じ事を言う
花山院は「コイツは不出来だと餌も与えられずにいた時期があるんだよ!
だから中々育たねぇんだ!」と話した
康太は「それ誰が言ったのよ?」と問い掛けた
「女優の上間美鈴!」
飛鳥井の家族や康太、一生、烈も
【えー付き合っていたの!!】と叫んだ
「付き合ってない!
あの人!事務所移籍するまで四方さんの事務所にいたんだよ!
契約違反を何度も繰り返すし、気に入った男はストカーするし辞めろと言われても辞めないから解雇されたんだよ!
ソイツがプーミー飼ってて、要らない犬とか猫とか事務所へ置き去りにして捨てて行ったんだよ
で、俺は捨てられた奴等を育てていたけど、今はモップだけとなった
長生き出来なくてな…………」
それを聞いた烈は顔を真っ赤にして怒り狂い泣いていた…………
命を弄ぶのも大概にしろ!
そんな想いが許せなくて…………腹が立つのだ
康太は烈を抱き締めた
「もう良いんだ!モップだってそう謂うさ!」
康太が言うとモップは「ワン!」と鳴いた
一生は「元気な子を生むからねって言ってる!
もう辞めとけ烈………お前が苦しむ必要なんてねぇんだよ!」と烈の頭を撫でた
八雲は「用心の為オペ道具持って来て良かったぜ!オーナーんちのワンだから一匹も死なせずに生まれさせてやるよ!」と言いオペに踏み切った
一生達や翔達の手助けで、麻酔で眠らされたモップは帝王切開で子犬を取り出した
が、臍の緒が絡まり死産していた子犬以外は無事にこの世に生まれた
八雲は「小さ過ぎるな!保育器に入れてある程度の大きさになるまで病院で面倒見てやる!」と言い処置をして傷口を縫うと、血塗れの子犬を温かな湯で洗った
翔達は子犬を綺麗なタオルで拭いてやり、キャリーに寝かせた
キャリーには既にモップが寝ていた
乳首のあたりに子犬を並べて行くとチューチューと子犬達は乳を吸い始めた
八雲は処置したゴミを纏めて袋に入れると、往診用の鞄とゴミを持たせて、キャリーを手にして
「じゃ、仮の病院だけど、建つまでは仮の病院の方へ犬は見に来いよ!」と言い聡一郎と共に飛鳥井の家を出て行った
烈は「疲れたわ、お風呂に入って寝るわ!」と言うと康太は「お疲れ!」と言い抱き締めた
レイが「おふろびゃ?」と聞くと「そうよ!」と言うからワクワクと着替えを取りに部屋へ向かった
烈は「源右衛門の服と下着は新品あるし、お風呂場へ行くわよ!」と言う
花山院は「え?お風呂!!他所様の家でお風呂?ハードル高いって!」と叫ぶが
宗右衛門の声で「黙れ!小童!」と叱られ黙った
先ずは烈の部屋へ行き着換えを取り、洗濯ネットを持って一階へ行き源右衛門の部屋に、行き着れそうなスエットを取り出し新品の下着を持たせて行く
すると【お風呂場】と書かれた中へ入り、【使用中】のプレートを引っ掛けて脱衣場で服を脱ぐ
烈は「無理矢理服を脱がされたくなくば己で脱げ!」と脅され脱ぐ
そして大きな銭湯バリのお風呂場へ入って行き、先ずは身体を流し湯船に!
烈はプカプアと浮いて湯を堪能しているとレイと兄達が入って来た
ついてに一生も一陽も来ていて、お風呂場に浮いてる烈を見て一陽は
「また体も洗わずに!」と言い湯船から出して洗ってやる
一生は花山院の体を洗ってやった
その御礼に花山院は一生の背中を洗ってやった
一生は「さっきは殴って悪かった!」と謝罪した
「いや、あれは俺が悪いから謝らないで下さい
俺は………役者バカなので、演じる他の事は知らない事の方が多い………モップも知らない内に妊娠させちゃって、近い内に獣医に見せようと思っていた所だ……それよりも早く産気付いて、ペットの事考えてなかったと言われても当たり前だ!」
「でもあの犬はお前が大好きだと言っていたぞ!
お前が哀しい時とかずっと傍にいて護ってやるのよ!と言っていたからな!」
花山院は顔を覆い「モップ………」と言い泣いた
クー ルー スー プーも何時の間にか、お風呂に入り兄達に洗って貰っていた
そして兄達の体を洗い返してやり、ホカホカでお風呂場から上がった
お風呂場から上がり、ホットミルクを飲む
花山院はホットワインを出して貰い飲んでいた
「楓雅は源右衛門の部屋で寝なさいよ!」と言っていると御影が帰って来て
「新しい子?………嫌、昨夜見たドラマの役者じゃないか!」と口にした
隼人も来て「誰なのだ!あ〜花山院楓雅なのか?烈の客人って!」と叫んだ
烈は八雲を送って戻って来た聡一郎に
「此れそーちゃんの好きなチョコレートね!
八雲呼んで来てくれたし、送ってくれた御礼ね!」とチョコレートの箱を渡した
聡一郎は「あ〜僕の好きなチョコレート!」と喜んだ
「カズには、ほっくんが吉田学園へ受験する報告でもって御礼とします!」
一生は「そうなのか?良いのか?イギリスへ行かなくても?」と問い掛けた
「だってほっくん、2年の間に取る筈の資格取っちゃったし、後は吉田学園へ行き実践の毎日で大丈夫なのよ!
ほっくんにはボクの式神のチュー太付けといたから、何かあれは直ぐに手は打てるのよ!」
「そのチュー太とは?なんぞや?」
「ほっくん!」と笑顔で呼ぶと北斗は抱っこしていた一希を寝かせていた
「チュー太ご挨拶よ!」と言うと北斗の背後からぬべ〜っとネズミ………嫌 ネズミと言って良い大きさじゃない………姿はネズミ!大きさは人の倍はあるであろう大きさだった
『わいはチュー太と謂う、以後お見知りおきを!』とご挨拶
「力はあるし、前歯で噛み切れば武器になれるし、最適な式神なのよ!
ほっくんとは仲良しになった事だし、護るのよ!ほっくんを!」
『お任せあれ!我が主に代わって北斗殿を護り通す所存!』
「力はあるけど勉強は聞いちゃ駄目よ!
頭プスプスになったら動けないからね!」
「解ってるよ!烈!」
北斗は嬉しそうに笑って答えた
最近の北斗は前よりも笑顔が増えて楽しそうだった
吉田学園へ行く
ならば烈は北斗と話をしてくれたのだと一生は思った
そして北斗の心を癒して元気にしてくれたのだ
チュー太は『北斗は噛りかけのチーズなんて寄越さない、新品のチーズくれるから余計頑張る!」と訴えた
一生は「因みに噛りかけのチーズ渡したの誰よ?」と笑って問い掛けた
チュー太が『烈!』と謂う
康太は爆笑した
「渡す前に毒見したと言ったじゃない!」
烈は怒って言う
毒見したんじゃく味見したんだろ?
と、全員が想った
皆が笑っている
花山院も笑っていた
其処へ草薙剣を持ったクーが花山院を真っ二つにした
そして草薙剣を烈に渡す
草薙剣は烈の体の中に吸い込まれて消えた
皆は唖然として、それを見守っていた
花山院は唖然として言葉もなかった
隼人は「楓雅は当分飛鳥井にいるのか?」問い掛けた
「そうね、当分は飛鳥井で生活してその内道は定まるでしょうね!」
「そうか、ならば宜しくなのだ!」
花山院は正気に戻り「俺、今斬られた?真っ二つにされなかった?」と問い掛けた
康太は「あ〜されたな!お前にこびり着いて雁字搦めにしていた柵を斬った
其れでお前は解き放たれて、己の道を逝けるだろうさ!宗右衛門の剣は草薙剣だから、相当罪状を重ねていなきゃ斬られても命を落とす事は滅多とねぇんたよ!
素戔鳴尊が持ってた剣だかんな、殺生を嫌う奴の持つ剣だから、柵や過去を断ち切るのさ!」と説明してやった
聡一郎は「中々その剣で柵を断って貰える事はないからね!ラッキーだと思わないと駄目だよ!
正式に依頼して、それをやって貰えてもお値段は家3件は建っちゃうって費用だしね!」と花山院の背中をバシバシ叩き、良かったね!と謂う
花山院は「俺、家3件は無理だけど費用ならお支払いします!」と言う
烈は「もう疲れたから寝るわボク!打ち上げで昼前には出掛けて魔界に白馬に行き、そして帰宅だからヘトヘトよ!」と言い自分の部屋に寝に行っはてしまった
康太も「だな、皆寝ねぇと明日がキツいぞ!」と言い寝に行った
その後を榊原も着いて行く
御影は花山院を連れて源右衛門の部屋に連れて行った
「さぁ、お布団敷いて寝るよ!
楓雅はパジャマとか着る人?」と尋ねた
「あ〜そんな大層なの着ねぇよ!
このスェットのままで構わねぇよ!」
「俺はヨニー©ウッズスタンJapanの代表取締をしている東堂御影と言う者だ!宜しく!」と今更ながらに自己紹介した
「俺は四方芸能事務所に所属する花山院楓雅だ!」
「年幾つ?」
「25歳!」
「俺と変わらねぇのか………」
「え!25歳で会社の社長してるのかよ?」
「烈はあの年でヨニー©イギリスの副社長してるよ
まぁ未成年と言う事で竜馬とワンセットだけど!
ヨニー©ウッズスタンJapanの方では会長をしている!その他にも烈は色んな肩書を持っている
超ハードで忙しい小学生だ!」
「あ〜あの子………大人と対等に話すのな
そればかりか傅かれても当たり前の顔してたりして驚いた…………」
「其れが飛鳥井宗右衛門としての生き様だからね………」
布団を引く手は緩めずに、雑談に興じる
そして布団を敷き終わると、布団に入って寝た
思ったより体は疲れてて、直ぐに眠りに落ちた
翌朝 賑やかな声で目が覚めた
此処は何処だ?と寝呆けた頭が現状を推し量る
そして飛鳥井の家だと気づいて起きた
御影は窓を開けて布団を畳もうとしていた
「起きた?飛鳥井の朝は早いんだよ!」
と言い、押し入れを開けて室内の布団干しを出し布団を干した
花山院も室内の布団干しを出して貰いお布団を干す
御影は「この時間は応接間から外に出てる犬いるから、靴持って外でワンといると良いよ!」と言う
下駄箱へ行くが半分以上は防犯カメラのモニタールームを見て、相当警戒して生活しているのを伺えられた
花山院は靴を持ち応接間へと向かうと、翔がサンルームのドアを開けている最中だった
翔は「おはようございます!」と挨拶をする
花山院も「おはよう!」と言うとガル達が花山院に飛び付いた
「良い毛並みしてるな、相当大切にされてるんだな!」と撫でながら謂う
音弥は「家族だからね、どの犬よりも毛艶良いと嬉しいからね!」と当然だと謂う
【家族だから】烈の言っていた通りの家だと花山院は何処か憧れの瞳で飛鳥井の子達を見ていた
飛鳥井の子達は働き者だった
そして花の手入れや掃除を終えると朝食前に太極拳をやり気の流れを整える
そして朝食を皆で取る
当たり前の様な日常が其処に在った
花山院も父親が当然豹変して、母親をいびり倒し死に追いやる前には、当たり前の様に在った光景だった
烈は朝食を終えて玄米茶を飲んでる母に
「1月20日、新宿御苑で近衛の家のお披露目を開かれるので、祭事用の真贋の着物の御用意を!」と告げた
「承知した!ラーメンみてぇに伸びてた日程やっと決まったか!」
「阿賀屋が新宿御苑を押さえてくれたので、その日は確実に決行されます!
横槍されまくりで、突然改装工事やられたり、ホテルのオーナー失踪したり………だったけどね
今度は阿賀屋の力添えを貰い何が何でも押し通します!」
「あぁ、突然中華系の企業の買収があったとかで、改装工事で使えなかったり、オーナーが失踪したりで散々な目に遭ったかんな!」
「今思うと近衛の後継者は厄介だと思う奴等の妨害だったのよね!
セコい事するの本当に好きよね!」
「オレも散々セコい事やられて四面楚歌になった事あるかんな………」
康太が過去を思い出しボヤき、ふと思い出した様に
「了解したけど、まさか祭事用の着物……紛失とかしてねぇよな?」と嫌な思いを口にした
烈も「近衛の後継者のお披露目があるから、と少し前にクリーニングに出してたわよね?
取りに行ったのかしら?」と問い掛けた
家族は皆 沈黙した
一生が「指定された日に取りに行ったけど、出来上がってねぇって言われて、出来上がったら連絡するって言ってたけど、連絡あったのかよ?」と問い掛けた
聡一郎や慎一、一陽、英生も首を振った
康太は「セコい事されてるやんか!あれ一枚一千万近くするんだぞ!」とボヤいた
「3枚保証で3千万近くだからね、支払って貰わなきゃね!」
烈が言うと一生は
「神威連れて行って交渉して来るよ!」と言った
花山院は「一枚一千万ってどんな着物なんだよ!」と驚いて問い掛けた
康太は「糸から染めまで総て特注なんだよ!
出来上がるのに最低でも2年は必要となる!
その分、着物の値段は跳ね上がるんだよ!」と説明した
「困ったわね、着物ないと………」
「まぁ最悪 普段着てる宗右衛門の着物で行くしかねぇやんか!オレも普段の真贋の着物で行くしかねぇかんな!」
「まぁ宗右衛門の着物もかなりのお値段だし、其れで良いけど弁償して貰わないとね!
横槍で着物隠すとかセコくない?」
「だな、だが決まった事ならば何が何でも完遂される事を祈っております!宗右衛門!」
「これ以上世界の果てが狂わぬ様に全力を出したいと思う所存です!」
「まぁ、暇を見つけて会社にも顔を出してくれよ!」
「解ってるわ!母ぁーさん」
「なら支度してオレ等は会社に行くとするわ!」
そう言い康太は食洗機に食器を突っ込み、榊原と共にキッチンを後にした
烈は取り敢えず菩提寺へ花山院を連れて向かった
保養施設へ向かうと、西園寺維弦が待ち構えていた
「烈君、昨夜から名家と呼ばれた家の者達や、その親類縁者に至るまで続々と病院に緊急搬送されました!」
「息は止めてないから鷹司の指示の元、家仕舞いをさせるか?
後継者を立てるか?資産状況を至急に調べ上げて下さい!」
「其れは今、全チーム力を合わせてやってます!」
「まぁ一回更地になった方が鷹司も遣りやすいってものよ!
其れよりも維弦、ボクの着物………隠されちゃったわ!一千万するのよ!祭事用の着物!」
「え!其れは大変じゃないですか!
どのクリーニング屋です?
締め上げて出させてみせますとも!」
「ならカズと神威を連れて行ってくれる?
損害賠償請求 一千万円の着物の鑑定書あるから、それをカズに持たせてから行ってね!」
「了解しました!
近衛の家のお披露目、新宿御苑でやられるとか?
当日の警護は天皇陛下が出席されるので、かなりの警備がなされます!
我等も警視庁の者達とで警護に当たります!」
「そう、腕の見せ場ね維弦!
あ、近衛の家の次代の後見人なるボクの知り合いの者を数人参列者に潜らせておいて欲しいのよ!」
「誰を紛れさせますか?」
「【R&R】警備保障のSPを数人!」
「SPですか?SPは要人警護とかに着くんじゃないんですか?」
「SPは瞬時の判断力が違うのよ!
いざとなったら人を助けられる存在だからね!
そして当然当日は花山院楓雅も連れて行くわ!
維弦さ、バタバタ倒れた花山院家に行き後継者の着物を取って来てよ!」
「え〜それを俺に言いますか?」
「謂うわよ!今は少し前の唐ちゃん位の権力手に入れたじゃないの!」
「制圧出来る権限は持ってますけどね………
解りましたよ、花山院家に行き後継者の着物ですね!中国国籍の楓雅さんの義母に当たる方は病院へ着くなり息を引き取られましたからね!
旦那さんの方は虫の息で、使用人も総て死に絶え絶えたので家は封鎖してありますからね!」
「あら?ならばらーくんに死しても安寧など望めぬ地獄へ入れろと言っとかないとね!」
「魔界じゃないの?」
「ソイツ、国籍は中国なのよね?」
「みたいです!」
「なら死したら地獄界へ行くしかないわよ!
倭の国ならば魔界 通称地獄には地獄界の管理する者は逝けないのよ!
例え海外で命を落とそうとも、魂の辿り着くのは生まれ落ちた場に還るのよ!
帰化して倭の国に骨を埋めた者は、その者の行いや生きて来た過程を加味され道は開かれるけど、国籍も向こうならば、100%地獄界へ行く事となるわよ!」
「そう謂うシステムなんだね!」
「維弦もこれからもっと大変なモノを目にするかもだけど、其れ等総ての日々が貴方の糧となると思うわ!」
「役務は頑張るよ!でもさ、やはり俺も司令官みたく結婚したいかも………」
「維弦、今付き合ってる子とは結婚する気もないの?」
「え?………」
維弦は驚いた顔を烈に向けた
「貴方さ、結婚したい結婚したいって言ってるから占ったのよ
そしたら付き合ってる子はいると出たわ!」
「…………多分………結婚しないと思う
だって………相手は結婚したら、必ずや僕の家が着いて来るのが嫌だと言ってるからね………」
「あ〜西園寺家と言うネームバリュー着いて来るわね!でも仕方ないじゃない!
ならば選ばなくちゃね維弦は!
【家】を捨てて別の名になり生きて行くか?
【家】を継いで後継者になるか?
まぁ西園寺家は一番多くの一族が、未だに企業のトップとして存在してるものね!
国司はどんな選択をしようとも、送り出すと決めているわ!
だから貴方も真剣に将来を考えなさい!」
「やはりキツい一撃されちゃったな………
僕が悩んでいたの知ってたの?」
「ボクの眼は未来とか視えないから知らないわよ
唯ね、貴方は結婚したい!結婚したい!ってずっと言ってたから少し占ったのよ!」
「宗右衛門の占いにはどう出ていたの?」
「それを聞きたいなら5000万は用意して貰わなきゃね!」
「それは無理だから聞かないよ!
そうだよね、自分の人生だから………自分で決めないと駄目なんだね!」
「維弦、おなごの一年は男の一年よりも遥かに希少価値が違う事だけ頭に入れておくのよ!
おなごの将来を総て抱えて突っ走る気がないのならば、手放してやるのも愛よ!
そしてその決断は早ければ早い方が、おなごの為になる!」
「その言葉、心に刻み………考えてみるよ!」
「そうしなさい!」
「烈君………君は家を捨てたいと思った事ないのかい?…………」
「そんな事ならば何時だって想うわよ!
ボクは初等科に進学した時に宗右衛門として表に出た
その日から何度も何度も…家なんて捨ててしまいたいと思ったわよ!
家族に迷惑が掛かれば掛かる程にね、ボクがいない方が良いんじゃなかいか………って思ったわよ
それを謂うならば母ぁーさんだって幾度も思った事よ!其れでも…………その道しか逝けない
それを知っているから立ち上がり、立ち向かうのよ!」
「…………時々………家の重責に押しつぶされそうになるんだ………好きな娘が出来て結婚を考えた時………やはり向こうからお断りが入る………」
「そりゃ、分不相応だと思えちゃうからね………」
西園寺家はやたらと立派な御屋敷を持っている
鷹司の様な日本家屋とかではなく白亜の豪邸といった感じのお城みたいな家を持っていた
その家で連日連夜舞踏会が開かれていた
鹿鳴館に似せた造りの家だった
「恋人には今夜にでも別れを切り出すよ
彼女も悩んでて親から見合いをしろと言われてるみたいだし…………」
「駆け落ちする気概はないのね!
家を捨ててもお前一人位食わせて言ってやるよ!と言うタイプのおなごじゃないのね」
「………そうだね、彼女は弱いから……」
「維弦の目に映る弱い姿は、卑怯な心の現れよ
弱いおなご、そう見せておけば楽だからよ
見せ掛けのまやかしに騙されてるなんて……まだ未熟者の証拠ね!
維弦が何処かの会社の社長だったとしたら?
絶対に手放したりしないわよ!
あまりにも堅苦しい生活しか見えないから、嫌だと言うしかないのよ!」
「彼女は計算してるって事?」
「ならさ、家を捨てて飛鳥井建設の社長になるから、着いて来てとでも言ってみたら?」
「着いて来るって謂う………のかい?」
「百発百中、着いて行くわ!と言うわよ
だって面倒くさい仕来りだらけの家が着いて来る男なんて御免だけど、会社の社長になれる男ならば手放したくなんかないわよ!」
「…………騙すみたいだけど………今度話を振ってるみるよ!」
「まぁ人は幾つもの篩に掛けて一つを選ぶのよ!
その一つを見つけ出す試練だと想えば良いわ!」
騙すみたいで……後ろめたい気もする
だが【答え】を出すのならば必要な事なのだと理解する
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