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第73話 粉骨砕身 ❹ 〜儀礼に乗っ取り
1月20日
康太と榊原は朝から祭事用の着物に着替えていた
自分達の着替えを済ませると、榊原は花山院の着付けを手伝った
花山院家跡継ぎの着物を着せて貰い、身の引き締まる思いだった
烈は来客を迎える為に5時に起きて、軽く緑茶を飲み祭事用の着物に着替えて出掛けた
新宿御苑へ逝くと官僚や政治家が忙しく動き回っていた
警備体制を布いて、半径1キロまでは車の入場制限を掛けた
午前10時から始まる顔見世の儀の為に来賓が続々とやって来る
やはり警官の暴発の件があり、警備状の不安は拭えず天皇陛下の御出席は見合わせとなった
が後に開かれる園遊会で顔を合わされる事となっている
安曇と登紀子もやって来て、烈を見て声を掛けた
安曇は「やっとこの日だね!」と感慨深く謂う
「そうね、でも貴方の息子で在るのまでは変わらないから!」
「解ってるよ!有り難う烈!」
烈はニコッと笑うと気を取り直して次の来賓にご挨拶をする
その場にはまだ後継者はいなかった
が、近衛明継と美沙子も来賓をお出迎えしていた
その横には摂家 五家が出揃いご挨拶をしていた
康太と榊原と花山院がやって来ると、烈は軽く会釈した
その後に兵藤昭一郎と美緒、兵藤貴史と婚約者のシャルロットがやって来た
シャルロットはセレモニー用のワンピース丈の服を身に纏い、豪華な宝飾品を着けていた
烈は兵藤家の方々に軽く会釈した
その後に三木繁雄が妻の智美と竜馬を連れてやって来た
烈は竜馬と目配せすると、竜馬は軽く会釈して通り過ぎた
そして来賓を総てお迎えすると扉は閉められた
顔見世の儀と謂う事もあって、会場のひな壇には畳が敷かれていた
近衛明継と美沙子は左右に、現当主近衛明継が口上を述べた
「この度、摂家 五家 鷹司の方から後継者を取れと要望があり、飛鳥井宗右衛門殿の計らいにより、無事後継者を取る事と成りました!
近衛貴也、此処に皆に会わせられる事が出来て本当に感無量に御座います!
其れでは貴也、皆様に顔をお見せなさい!」
と謂うと奥から近衛家 跡継ぎの着物を着た貴也が姿を現した
その姿は………何処から見ても……明継に酷似していて………養子とかではなく………
まるで死した息子が姿を現したみたいで、一族の者は顔を青褪めさせた
貴也は中央に礼儀正しい所作をして座ると
「近衛貴也に御座います!
この度宗右衛門殿の計らいにより、後継者として養子に入りました!
今後は近衛の家の後継者として、粉骨砕身する覚悟で近衛の家の為に生きると決めました
以後お見知りおきを!」
と見事な口上を述べた
飛鳥井宗右衛門がいては、誰も何も文句すら言える筈もない
鴻池が跡形もなく落魄れて消えた………
そして近衛の後継者を影から暗殺したであろう者達も………悉くこの世を去った
邪な事を心に思うだけで消し去る!とまで宣言されたのだ
恐怖政治とは言えなくとも………恐怖で抑えられた感はなくはない………
が、下手な事をして藪を突っつき藪から真贋を出したくはないのだ………
ったく………厄介な事この上ない【家】なのだ
また飛鳥井にはその【権限】があるのだ
近衛明継は皆に
「貴也には私の総ての権限も権利も引き渡すつもりで教育を受けさせ、顔見世の儀の前日までには総て託し終えています!
次の選挙で国会に躍り出て【監視】の役務に就くのは近衛貴也であると、此処で宣言致します!」
と告げた
近衛貴也は不敵な顔をして嗤っていた
その顔は………昭和の世の時代を築き上げた安曇総太郎に酷似していた
顔見世の儀は大成功を収めた
その後 立食パーティーがあり、竜馬はやっと烈の傍に逝く事が許された
鷹司緑道は「おい!宗右衛門!花山院家 跡継ぎの着物着てる御仁はあの日の者か?」と問い掛けた
「だから花山院家後継者よ!
緑道には花山院家の家の者総て死ぬの確認して貰ったじゃない!
追い出された使用人は呼び寄せてくれたかしら?」
「あぁ、代々花山院に仕えた者は家に戻して働かせている!」
「ならば摂家 五家の鷹司家としても正しく配置して下さる事を願うわ!
時代に合わなくなって来てると言っても、やはり継がれるべき家は遺さねばならないわよ!」
「そうであるな!だが、花山院家の資産状況はかなり厳しいぞ!」
「あの女の資産を総て奪えば大丈夫でしょ?
凍結させてくれたんじゃないの?」
「凍結させたが、殆どが………何処かへ流れておったわ!」
「其れって……あの教団繋がりじゃないわよね?」
「其処までは掴めん、何せ国が違うからな!
其れに遺体の返還、資産の返還を要求されて来た
で、神威に出て貰ったら………痛い所を突かれたのか?音信不通になり、本国に確かめても、そんな弁護士はいないと返されたらしい
そして遺体もそちらで処分する様にと言われたらしいぜ!」
「きな臭いわよ!なら花山院は奪われた企業の返還をして軌道修正を図るしかないわね!
そして家は移転ないとね!
丁度、元観世音家は今蛻の殻で、資産停止させて総て奪った所なのよ!
ならば花山院家は元観世音家に移転して、今の家は売りに出し資産とするしかないわよ!」
「では、その方向で話を進めるとする!
ならば花山院家は復活との事で宜しいか?」
「ええ、お願いね!」
烈が鷹司と話をしている間に、康太と榊原は還って行った
烈は内心で、ズルいじゃない!と思いつつも社交界の場と謂う事もあり兵藤貴史とシャルロット、そして花山院を連れてご挨拶していた
そして近衛家次代の当主 貴也にもご挨拶
「誠 見事な口上に御座いました!」と述べる
貴也は「緊張しまくりだったけど上手く言えて安心しています!」と謂う
「辛い道程には御座いますが、貴方ならば乗り越えられます!
貴方が政局に上がられる時、面白い動きをしてくれるであろう兵藤貴史、その後に三木竜馬が政治家になられる!
更にその数年後には貴方の弟が頭角を現す動きをしてそのまま政治家になられるでしょう!
その時は三木敦之も政治家になる
中々に面白い展開となります!
貴方の弟の貴之も政治家になられる事だし、頑張ってバランスを取って行って下さい!」
「中々辛い政局になりそうだね!
でも僕は近衛の家に恥じない働きをすると約束するよ!」
烈は微笑んだ
そして烈は貴也の傍を離れると、阿賀屋と鷹司の傍へと向かった
声を掛けたそうにしている輩は五万といる
親しくなり、力になって欲しいと謂う下心のある者も五万といるのだ
烈は誰も近寄れない所から兵藤を見ていた
シャルロットは堂に入った感じで美緒の横に立っていた
兵藤とは絆を深くして仲も深めている感じだった
美緒は姑として嫁を教育して、何処へ出しても恥ずかしくない教育をしていた
そんな努力が花開き、シャルロットは大輪の花の様に嫣然と笑い、堂々と受け答えをしていた
顔見世の儀の後の親睦会は無事に終えて、来賓達をお見送りした
烈が大変な思いをしている時
横浜橋通商店街まで買い物に行った一陽は………唖然として立ち竦んでいた
一生と慎一と英生は黙ってその光景を見ていた
横浜橋通商店街には疲れて還って来る烈を思い
「今夜はやはりおでんですかね?」と謂う
一生も「おっ!其れは喜ぶぜ!」と賛成
慎一は「ならば上質な大根を選ばねばなりませんね!」と大根を先に見て回ろうとする
何時もの八百屋の前に行こうとすると
「仁志さん…………」と謂う声がした
振り返ると…………其処には門倉が愛した女がいた
女は「助けて仁志さん!」と抱き着いた
英生が止めようとすると一生が英生を止めた
「烈が事前に話したろ?
総ては一陽に選ばせろ!って!」
「だけど……もし行ってしまったら?」
「まぁその時は二度と烈の視界には入れねぇ存在になるしかねぇんだよ!
彼奴は康太よりも甘くない存在だ!
一度はチャンスはやる!
だから早瀬頼朝は許された
が、二度目はねぇんだよ!
門倉は烈の命を狙っていた!
なのに生かしたのは、あのまま人の優しさにも触れられずに死なせるのは哀れだと思ったからだ!
だから好きにさせろ!と言ったんじゃねぇか!
この先は本人が決めて進まねぇとならねぇんだ!」
英生は言葉もなかった
一陽は女の手を振りほどくと
「間違いではないですか?
俺は弥勒院一陽、貴方の知っている人間ではありません!」と一蹴した
「あれ程………愛してると言ったのに……」
「さぁ、俺は貴方の事など知りません!」
と突っぱねた
其処へ西園寺維弦と庄司班の班長 庄司要と共に姿を現し、女を拘束した
両脇からガッチリ押さえつけ、手錠を嵌めた
維弦は「執行猶予中は常に連絡が取れる場にいねばならない!
なのに消息不明になった事で執行猶予は取り消されました!
此れから拘置所に拘留した後 刑務所へ送致致します!」と述べた
女は「何で助けてくれないのよ!
私の為に命を懸けても良いと言ってくれたのに!」と叫んだ
一陽は「俺は貴方など知らない!俺のこれからの人生に貴方など関わる余地もない!」と吐き捨てた
女がパトカーに乗せられ消えて逝くと、慎一と一生は一陽を抱き締めた
一陽は「俺は大丈夫です!俺はもう二度と道は踏み外さない!烈に顔向け出来ない人生なんて……死後……牛頭さんに目の敵にされるじゃないですか!そればかりか、鬼さん達も目の敵にするじゃないですか!それは嫌です!
俺は死後、閻魔様に頼み烈の傍へと逝くと決めてるんですから!」と笑顔で答える
一生は「あ〜牛頭……アイツは烈命だったな………」と笑った
「さぁ買い物して康太と伊織と烈を持て成しますよ!」
慎一が言うと英生は「立派な大根!」と口にした
そして買い物を続け、飛鳥井の家へと還って行った
維弦から一陽の前に女が現れ捕縛した、との話を聞いたのは帰りの車の中だった
烈は其の話を黙って聞いて電話を切った
阿賀屋と鷹司と共に飛鳥井の家に帰ると、料理が出来ていた
烈はジャージに着替えて来ると、客間へ行き何時もの席に座った
すると兄達がサラダとおでんを入れて渡してくれた
烈の好きなしみしみ大根多めだった
皆で楽しく料理を食べていると来客が訪れた
来客を迎えに行ったのは慎一だった
「康太、兵藤家総出でお越しです!」
康太は「此処に呼べばええやんか!母ちゃんも嬉しいだろうし!」と謂う
慎一は兵藤さんちのご家族を客間に呼んだ
昭一郎も美緒も着替えたのか?軽装だった
美緒は烈の前に行き深々と頭を下げると
「紗理奈の社交界デビュー成功でしたか?」と尋ねた
「そうね、上場だったわね
でも社交界デビューにあの場はカウントしちゃ駄目よ!
春の園遊会があるから、その時が社交界デビューの場となるのたから!」
「え!今日はノーカンですか?」
気張ってドレスアップさせたのに………
「摂家 五家は認めたわよ!
一点の曇りもない婚礼かな!と句を緑道は詠んだからね!」
「ならば上場ですね!」
「其れよりも態々着替えて来たんだし、ばぁしゃん達と飲まなきゃ!」
「それはよいわいな!」
玲香は嬉しそうに美緒にグラスを渡した
竜馬は立ち上がると
「親父が『十四代龍泉・朧月』を持って行けと言って渡してくれたので、皆で飲みましょう!」と名酒を差し出すと皆の瞳が輝いた
竜馬と共に神威も来ていた
神威は「冷か?熱燗か?悩むではないか!」と迷っていた
清隆は「では両方味わいますか!」と提案する
昭一郎も混ざって名酒で騒ぎ
玲香と美緒は仲良く話をしていた
シャルロットは英語で烈と話をしていた
英語なら解らないかと?かなり具体的な話をしようとする
が、烈は「飛鳥井の家は全員が英語喋るから、具体的な話は今度にしてね!」と謂う
「レイもか?」
「レイたんは元々がアメリカ人だから当たり前じゃない!」
「響と奏は?」
「一度聞いたら覚えるのよ
話せるのは当たり前じゃない!
因みに一希も話せるわよ!」
『Take your private conversation elsewhere!』
紗理奈は「Oh!」と驚いていた
「と謂う事で菩提寺に行くんだし、話があれば其処で話なさいよ!」
「承知した!済まなかった!」
「いいえ、さぁ楽しく飲み食いするわよ!」
と言い宴会は続けられた
やっと一区切りの顔見世の儀が終わりを告げ、日常に戻り生活をして行く
烈は一陽の事は何も聞かなかった
一生達は多分知っているのだろうと想いつつも、何もその事に関しては何も言わなかった
が、翌日から一陽は、飛鳥井の家から出て生活する事となった
『一陽は飛鳥井の家から出して、菩提寺で暮らす様になったから!』
と烈が皆に話した
烈は何故、あの女が一陽の事を知っていたのか?
其れが解るまでは、一陽は他所で暮らさせると告げた
一陽もそれは気になっていたから、その方が良いと納得して菩提寺へと移った
顔見世の儀が終わって直ぐに烈は家族に
「ボクも用心の為、少し家から離れるから!」と告げて家を出て行った
家を出た足で烈は魔界へと向かった
やっと纏まった時間が取れたのだ
烈の横には花山院がいた
「あの……烈さん……此処は何処何ですか?」
烈は面倒臭そうに「あ〜人でない世界よ!」と答えた
コイツ、説明する気0なんだな、とその顔を見て思う
崑崙山へ行き八仙に「来てるかしら?」と尋ねた
八仙は「主の家の方で待って貰っておる!」と答えると八仙の屋敷の奥の自分ちへ向かった
家に入ると羅刹天と神髄師が待ち構えていた
「悪いわね呼び出しりして!」
烈が言うと神髄師は「嫌構わぬよ!で話とは?」と本題を問い掛けた
烈は写真を1枚取り出し2人の前に見せた
羅刹天は「このおなごは?」と問い掛けた
「この女はね花山院と謂う名家を乗っ取り、ボクの呪文で死んでる筈の女よ!
地獄界へ堕ちてないか?聞きたいのよ?」
「この様なおなごは地獄界には来てはおらぬ!」
「魔界の地獄にもいないのよ!」
「このおなごは倭の国の国籍ではないのか?」
「婚姻すらしてなかったのよ!
なのに家を乗っ取り好き勝手してたのよ
国籍は中華圏よ、死した場合倭の国にいても魂は中華圏に行くんじゃないの?」
神髄師は「普通はそうじゃが………此処最近は………各国で消息不明の魂が出ておると報告が上がって来ておる!
死しても戸籍の在った国に戻らず、死した国にも痕跡すらない、今回のケースもそれかと思っておる!」と答えた
「無茶苦茶やられてるのね……」
烈がボヤくと羅刹天が「そうじゃな!節操がなくなって来てる事案が増えておるのは否めはしない!」と答えた
「まぁそれは序章にも過ぎない事だから捨てておいて良いわよ!
其れよりも【春蘭】と謂う企業の倭の国の資産を凍結したけど、中華圏へ流れて行っているのよ
出来るならば総ての事業停止、資金の返金をお願いしたいわ!」
羅刹天は何と答えて良いか?悩んで黙ると神髄師が口を開いた
「我等は人の世に干渉は出来はせぬ………それを知ってて申されるのか?」
「そうよ!解ってて話してるのよ!
やり過ぎなのよ、あの会社は!
ボクは今人だから、ボクに干渉して来るならば、消すわよ!と宣戦布告よ!
其れをやる為だけにお二人をお呼びしたのよ!」
「領地侵犯だと申されるぞ?」
「違う?良く考えなさいよ!今領地侵犯してるのはどの国よ?」
「…………」
「まぁ多分世界中で似たり寄ったりな話題が噴き出て来るかもね
その時 我等はどの様な手を打てるか?
どの様な対処をし、どの様に人を導けるか?
其れしかないと思ってるのよ!」
神髄師は「………そうじゃな………この先の事を考えねばならぬな!
で、烈、其処の者を連れて来た意味は聞かせては貰えぬか?」と問い掛けた
「崑崙山にてんちゃんとらーくん呼んで貰うなら、てんちゃんにフーちゃんの落胤のツボを押して貰おうかと思って!」
「記憶のツボじゃと?どうしてじゃ?」
「【落胤】は受けているけど、様子を見てると【落胤】がどうやら?ブレるのよ
【落胤】ってこんな感じなのか?
ボクは解らないから一度見て欲しくて連れて来たのよ!」
神髄師はじっと黙って花山院を診ていた
黙って診られているのは……何だか居心地悪いのだ
だが一瞬の隙を見過ごす事なく、神髄師は花山院の秘孔を突いて、強制的に記憶の邂逅をするツボを押した
するとみるみる内に花山院の奥深くの記憶が一気に流れ込んで来た
記憶に押しつぶされそうになる…………
其れは前世の記憶であったり、幼少期の記憶であったり
巡る………巡る………記憶が巡る………
その記憶が一つに交わり、自分の中へ溶け込んで逝くのが解る………
烈は花山院の【落胤】を見て安定してるのを確認すると、やはり完全なモノではなかったのだと知る
烈はニコッと笑顔で神髄師に
「有り難うてんちゃん!
御礼に果物を持って来てるから、荷台に積んでくれてると思うわ!
らーくんと分けて持って行ってね!」と伝えた
神髄師は「果物じゃと?何を持って来てくれたのじゃ?」と尋ねた
「ぶどうよ!ワインの材料となるぶどうを改良したらめちゃくそ大きくなったのね!
其れを四粒持って来てるのよ!」
「四粒………」
羅刹天は呟いた
どんだけ大きいのよ?そのぶどうは………
「らーくん、てんちゃん、ボクはあくまでも友好は続けて行くつもりだから!
紅花を苦しめる様な状況になんてするものですか!嫁にと迎え入れた以上は魔界は状況を悪化などさせはしない!
でも警告の意味を込めて、少し強引な事を口にさせて貰ったわ!
だって………其処の花山院楓雅は年端もいかない年に家を追い出され、後継者だと言うのに自分の力で生きて来たのよ!
そして後継者として生きて行こうとしたら資産は食い潰されてた
だなんて可哀想過ぎない?」
「………誠………我等の国の奴がした事ならば謝罪しても足らぬ!
お詫びと言ってはなんだが、金脈から取り出した塊一つで手を打っては貰えぬか?」
「てんちゃん、弁償目的もあったけど【春蘭】と謂う企業への警告でもあったのよ
【春蘭】【蘭花】【蘭雪】等の【蘭】の付く企業は、ラスボスの駒だと伝える為にね!」
羅刹天と神髄師は息を飲んだ!
「ジワジワと侵食されて気付けばスカスカ、そんな事にならない様に身を引き締めてくれないと、せっかく結んた和平さえ踏み付けられてしまうわ
ボクは其れを危惧してしているのよ!」
羅刹天は「烈の思惑は理解した!が、我等はそれを見破る目を持つ者はおらぬ………」と困った顔をした
羅刹天が呟くとズラーっと七賢人、八賢者が姿を現した
賢人アーサーが羅刹天の腕を掴む
賢者アイロスが神髄師の腕を掴む
羅刹天と神髄師は「「え?????」」と素っ頓狂な声を上げた
賢者アーロンは「何、一瞬の事じゃ!」とニャッと嗤う
賢人ノアも「我等の技術を結集させ創り上げし【眼】を主達に授けよう!」と告げた
賢人ミゲルとラルゴが羅刹天の目を取り出すと
賢人レオとルークが素早く眼を嵌め込んだ
賢者カレブとラドルフが神髄師の目を取り出すと
賢者ロックとタイラーが素早く眼を嵌め込んだ
賢人ラルゴは「暫し目を瞑られよ!」と馴染ませる呪文を唱えた
羅刹天は「一瞬の出来事で………何が起きたか解らない……」とボヤいた
神髄師は「見事な手法過ぎて目にも止まらなかった!」と何が起きたかは理解出来たが、眼には見えなかったから解らなかった
呪文が終わると賢者イーロンが「眼を開けられよ!」と告げた
眼を開けた二人は………「「何も変わらないかも……」」と口にした
レイが姿を現してニブルヘイムの声で
「コレ、視えますか?」と問い掛けた
二人は「「うわぁー!!何それ!!」」と叫んだ
「闇ですよ!貴方達は闇が視える眼を手に入れられた!まぁ僕の烈みたいに性能は良くないですが、闇に染まった者は排除出来るし、師匠達に視覚共有の呪文を教えて貰えば、視ている世界は共有出来るので一石二鳥狙えます!」
レイは闇を捏ね回して浄化すると霧状にして吹き飛ばした
烈は「その眼でこの写真視たらどう見えるのかしら?」と言い写真を渡した
羅刹天は「………!このおなごは闇に染まっておったのか!!」と呟いた
神髄師も「ずっと前に借りた眼と同じ様に闇が視えるのですな!」と口にした
「この先は熾烈な闘いとなります!
闘う相手が視えないと闘いすら始まらないからね
此れで標的は解る筈!
その眼、先着5名に着ける権利を与えるから、5名連れて眼を変えなさいよ!」
「「承知した!」」
「最初は気になるけど、慣れれば当たり前になるから大丈夫よ!」
「「……………っ……取り敢えず慣れる様に見まくるとする!」」
慣れるのか?
………其れは解らないけど………引き戻す道なんて、等にないのだ
神髄師は「烈、我等はこの先どう動けばよいのじゃ?」と問い掛けた
「あまりにも闇に染まっていたならば、総て消して入れ替えるしかないわ!
其処まででないなら踏ん張って変えて行かないとね!それを決めるのはてんちゃん達にしか出来ないのよ!
だから公平な判断を下せる者に眼を持たせる必要があるのよ!」
羅刹天は「理解した!我等の手で我等の国を守り通す!それは強いては嫁いで行かれた紅花殿の為でもある………今後も魔界と地獄界の和平は決して違える事なく続く!と謂う事だな?烈!」と口にする
「そうよ、戦争で割を食うのは市民よ、力のない者達は蹂躙され殺されるか、巻き添えを食い死ぬしかない
何時の世もそれは変わらない理不尽な現実!
だから繰り返してはならないのよ!
ボクは人に堕ちて何度も戦火を生きて来たわ
目の前で人が死んで行くのを見て来たのよ!
心を殺して……敵を殺す………敵もまた人間なのに………其れでも殺さなきゃ殺されるから殺す
そんな想いをして戦火を生き抜くしかない
死体の山を踏み付けて……日々心を殺して見過ごして逝くしかないのよ!
そんな想いはもうしたくはないわ!
誰にもして欲しくないのよ!」
羅刹天は「我等だとて………闘いなど好みはしない………想いは和平しか願ってはおらぬ!」と訴えた
神髄師も「我等は全知万能な神ではない!
己の出来る領分は其処までではないが、己の本分を履き違える事なく正しき道を逝く!
其れしかないと思っておる!」と言い切った
レイはニブルヘイムの声で
「この蒼い地球((ほし)が血で穢れる事はない様に!我等が平和を守って逝くのです!」と誓いを立てた
烈は「話は終わりです!」と告げた
神髄師は「烈と話せて良かった!我らの意識が再確認出来た!
其れとその者には我等地獄界からも償いをさせて貰うとする!
聞いた以上は何もせぬ訳にはいかぬからな!
地獄界の金脈から採れた欠片1個、持って参るとする!受け取って下され!」と誠意を示した
「有り難う!てんちゃん!
花山院楓雅の再出発の手助けをして下さり、有り難う御座いました!」
「我が国も………名家と呼ばれし家の後継者が死して跡がなくなり潰えた家が沢山ある
家の存続は即ち文化と伝統の継承!
其れを改めて考えさせられたよ!」
「時代に合わなくなってるのかも知れない
其れでも受け継いだ者はちゃんと後世に繋げなきゃ、未来の人達に誇れる文化も伝承も無くなっちゃうじゃない!
血は濁るわ、だから適度な入れ替えと粛清が必要なのよ!
飛鳥井の家は適度に半分ずつ入れ替えしてるわ
今世は半分以上入替えして繋げた
そんな感じで【一族】は繋がり果てへと逝くのよ!
だからどんなカタチであろうと、繋げて逝くのがボクの死命だと思ってるわ!」
「繋げて逝くか………それが一番怖い難しいのだな………」
「其れでも逝く道しかないからね!」
羅刹天と神髄師は何も言わず頷いた
烈の屋敷から出て八仙の屋敷に出ると荷車に物凄く大きな紫色のボールが積み上げられていた
バランスボールよりも下手したら大きいぶどうだった
羅刹天は笑って「烈の作る果物は何時も大きいのだな!」と口にした
「何故かデカくなるのよ!
狙ってなんかいないわよ!」
羅刹天は「俺の家族はそんなに多くないから一つを貰うとする!
神髄師殿の家族は孫も入れられると大家族故、3つ持って行かれると良い!」と豪快に笑って言う
神髄師は「良いのかえ?羅刹天?」と問い掛けた
「あぁ、こんなに大きいのならば我が家は一つで足りる!」
「其れでは主の家を経由してから帰るとするかのぉ〜」と言い馬に跨った
羅刹天も馬に跨ると、烈も愛馬を呼び出しアル君に乗り込んだ
レイはタカシを呼び乗り込む
花山院はスィーツ兄弟の中で一番体の大きい馬に乗った
羅刹天と神髄師に手を振り別れ、烈達は魔界へと向かう
花山院は小さな馬に乗せられ………
「あの烈……落ちたら怪我しちゃうよ?」と訴えた
「大丈夫よ、落ちないから!」
と言いパタパタ飛んで逝く
烈とレイなら大丈夫だろうけど………大人の自分が乗って大丈夫なのだろうか?
花山院は馬を撫でて「ゴメンな、重くないか?」と話し掛けた
馬だから返事なんか返らないと想い話し掛けると
『大丈夫だよ!ボクはガンバれる!』と馬が話した
スィーツ兄弟達は『マカロン頑張れ!』とエールを送っていた
先ずは畑へ行き新作を確かめて、素戔鳴尊の屋敷まで飛んで逝く
馬から降りて厩舎に馬を止め水と餌を与えていると、素戔鳴尊が「烈、どうしたのじゃ?レイも!」と来る事を知らされていたかったから、驚いて問い掛けた
烈は「禁足地の建物の状況を見る為に来たのよ!」と祖父に告げた
「そうであったか………で、そちらの者は何方様じゃ?」
「この子はね花山院楓雅と謂う、今少し預かってる子なのよ!」
「何故人の子など連れて参った?
此処は人の世界とは違うと教えたのか?」
「………一応、人でない世界よ!と教えたわよ!
そして今回、何故連れて来たか?と謂うと、花山院の先代の魂と合わせようと思ってなのよ!」
「輪廻の輪に入られてる魂と対話をなさるか?」
「まぁね、家の存続の危機だから、仕方ないわよ!」
「それは閻魔には話してあるのか?」
「ええ、話してあるからお連れしたのよ!」
「そうか、ならばこの者は我が預かろう!
主は色んな所へ先に行かねばならぬのであろう?」
「それは助かるわ、畑は見て来たから、元禁足地の建設の状況を確かめて進めないと駄目だから見に行くのよ!
その後にえんちゃんと話をしないと駄目なのよ
元禁足地にいてくれるなら一石二鳥なんだけどね
禍以降、纏まった時間が取れなかったからね!」
「レイはどうするのじゃ?」
烈はレイを見た
レイは素戔鳴尊の手を取り甘えていた
「レイたんはじぃさんといたいみたいね!
ならボクは行って来るから、お願いね!
フーちゃんは【力】を取り戻す為に釈迦に見せろ!と弥勒ゅが言ってたから見せておいて!」と言い出て行った
花山院は呆然としてそれを見ていた…………
素戔鳴尊は花山院にテーブルの上を拭かせたりさせ、食事の準備に取り掛かっていた
この地には便利な湯沸かし器も給湯器もなさそうで………当たり前の様に使用していたモノがなくて……
何時代なのよ?此処は?と思った
素戔鳴尊は「何もなくて驚いたであろう?」と声を掛けた
「ええ………人の世では当たり前のモノがない………此処は何処なのですか?」
「此処は魔界、通称人の世では地獄と呼ばれる場所となる!
この地は人が犯した罪の分だけ罰を科し労役させている場となる
まぁ主のおる此処はそんな片鱗など伺えられはせぬが、地獄門を潜ればその場は地獄となる
だから我等は便利なモノなど一切与えられはしない世界に身を置く!
此れでも烈が街中を作り変えて便利で暮らし易いモノを作って【お金】を生み出し、生活する様なシステムを作って昔とは格段に過ごしやすくなっておるのじゃよ!」
「昔は……もっと暮らし難かったのか?」
「魔界は人の世の住む場の下に在る
それ故日の光の差さぬ地は寒く暗かった
が、烈が世界樹から陽を照らし太陽光を浴びれる様になった
また昔はルールなど皆無な世界じゃった
力のない子を山に捨てに逝く………なんて事をしても罰せられる事もない無法地帯であった
其れをルールを敷き、決まりや約束事を浸透させ、お金を使い皆は市場で買い物をする様になった!食が安定したら誰もが今の生活を守ろうとルールも守られ青龍が頑張って魔界の法律を制定し、今は浸透させている所だ
無法地帯と謂うことは無いが……此処にいるならば儂の側を離れぬ方がよいじゃろ!」
「あの子は………人なのか?」
「人じゃろ?人の世を終えれば神となり、この魔界へ神として還る事は決まっておるが、今は人として生きておる!」
「………何か大変そうだな!」
「まぁ大変であろうが死命を持って生まれた者であるからな、本人も承知の上の事じゃ!
そして主も死命を持って生まれたのであろう?
烈が主を儂の所へ置いて行ったと謂うのは、主にはまだ自覚がないと謂う事か?」
「え?俺?」
「主は転生者なのであろう?
その【落胤】を受けていると謂う事は、そう謂う事なのであろう!」
「あぁ、確か………花山院家は【耳】を受け継いでいると聞く!」
「その【耳】は女神が下賜したモノではなく、花山院家直系の後継者のみが継承される力なのであろう!ならば耳を使いこなせねば……人の世には帰れぬな………ならば、主は八仙に預けて修行をさせるとするか!」
「え?八仙とか謂うのには逢って来たぜ!」
「だから釈迦か?………仕方ない来るのじゃ!」
素戔鳴尊は座敷に布団を敷くと眠そうにしてるレイを布団に押し込み寝させて花山院の首根っこを掴んで外に出て馬に跨った
花山院を後ろに乗せて釈迦の家へと向かう
釈迦は素戔鳴尊が来るのを知っていたのか?
起きていて素戔鳴尊を待っていた
素戔鳴尊は「叩き起こす気で参ったのに、起きておったか!」と言葉にした
釈迦は「烈が魔界に来たと妖精達が騒いでいたからな!そして私の家へ一直線に近付く気配を感じたから出て来たのじゃよ!」と笑って話す
素戔鳴尊は「この者は烈の客人じゃ!そしてこの者は落胤を継いでおるのに、使い方すら解らぬみたいじゃからお連れした!」と説明した
釈迦は花山院を見て…………
「視た所、落胤は完璧に本人に定着しておる
烈が何かしたのであろう!
ならば女神に預けて力を取り戻させてやれば【耳】は本来の力を取り戻すであろう!」と告げた
そして花山院の首根っこを掴むと
「今夜は新しい【ぶどう】とか謂うので作った魔界ワインを飲ませろ!と烈に伝えておいてくれ!
預かって力を取り戻しておいてやる!
無論、力を取り戻せは戻してやる!
だから素戔鳴殿は帰られよ!
宴会の準備を頼む!」
と告げてさっさと奥の神殿に飛んで行った
素戔鳴尊は自分の自宅へと愛馬を駆け巡らせ帰宅した
花山院を祖父に預けて出掛けた烈は、元禁足地にアル君を飛ばしてやって来ていた
元禁足地にいた閻魔は「烈、来てくれたのですか?」と烈に気づいて声を掛けた
「えんちゃん、元禁足地にいてくれて助かったわ!探す手間が省けたからね!
で、建築状況はどうなってるのかしら?」
「瓦礫は撤去して、撤去したコンクリートは粉にして煉瓦と合わせて練って道の舗装様に資材置き場に積み上げてます!
花壇とかも、その煉瓦を使う予定です!」
「基礎まで壊しておいてくれた?」
「ええ、総て取り壊して置きました!
でも折角コンクリート流して作った所まで何故壊してしまったのですか?」
「建物に細かいヒビが入っていたのよ
あのまま続けて建てても耐震強度は望めないのよ
衝撃で倒壊してしまう危険があったからね壊したのよ!そして今度は更に強度を上げて建てないと、って思っているわ!」
更地となった場に改めて建築の指示を出す!
そして工程のスケジュールを元禁足地に建ててある事務所へ移り、工事の責任者と共に話をし決めて逝く
工程表を事務所のボードに張り出して、明日からの工事の指示を書き込む
其れを終えて烈は閻魔と共に閻魔庁まで出向いた
閻魔庁の中の閻魔の執務室へ向かうと、途中黒龍と出会した
「あら黒ちゃん、奥さんと子供はどう?」
黒龍は「母さんが手伝いに来てくれてるし、御近所の奥さん達も来てくれて何かと世話をしてくれてるよ!」と話す
「えんちゃんの子と同い年だから、切磋琢磨して子育てするのよ!」
「豊乃姫の所も生まれたんだよな?」
「そうだと思うわよ………でもボクは長時間魔界に来れなかったから、まだ逢ってないのよ!」
「紅花にも逢ってやってくれ!」
「ええ、近い内に遊びに行くわね!
それじゃまたね黒ちゃん!」
烈は慌ただしく閻魔と共に執務室へと入って行った
閻魔は席に座ると司録を呼び出した
「お呼びですか?閻魔殿!」
やって来た司録は烈の姿を見て笑顔で「烈!」と言い抱き締めた
閻魔は「司録、頼んでおいた転生者は目覚めさせられますか?」と問い掛けた
司録は「花山院と謂う転生者ですか?」と問い掛けた
「そうです!」
「花山院と謂う家は終わりを告げられたそうで、廃棄処分されたみたいです!
朱雀の監視下に置かれる前の出来事なので、今一度朱雀には長期の時間を要して魔界へ来て貰わねばと魂の管理庁の方から要望がありました!」
「廃棄処分………されて跡形もないのね………
ならば大規模な改革と管理とデーターの摺合せが必要となるわね!
楓雅は覚醒まで時間が掛かるみたいだし、責任者を総て呼び出して会議をしないとならないわね!」
閻魔は「了解しました!では復活させる家、終焉を迎えた家、等の摺合せが必要となるので朱雀を呼びます!」と言い司録に「朱雀を呼びに行きなさい!」と命じた
司録は「直ちに!」と言い執務室を出て行った
閻魔は「………ひょっとして烈は総て知っていたのですか?」と問い掛けた
「ボクは果てを詠める眼は持ってないからね
可能性を弾き出して考えたのよ
実際に【名家】と呼ばれる家は殆どが終わりを迎えた!
時代の流れなのか?と思っていたら、どうやら捻じ曲げられたモノだと疑いを持たねばならない事が起きた!
その最たるが観世音家の後継者問題かしら?
代々観世音家は菩薩の息子である子、世阿弥と観阿弥とが入れ替わりで転生する家なのに………
菩薩の息子ですらない者を据えて乗っ取り、才もない後継者を跡取りに据えた
そんな歪めた果ての家なんて、菩薩も祝福すら与えやしないわよ!
躍起になっても祝福さえ貰えない家なんて、存続なんてどたい無理な話となるのよ!
菩薩の祝福の意味さえ知らない愚か者がいる
古い家だからそんな文献さえ忘れ去れたれのか?
調べたらそんな感じで、終わらなくても良い家が終わりを迎えた………
まぁ時代に合ってないと言われれば、今の時代には合ってないかも知れない
でも意図的に消されて良い家じゃないのよ!
元々【名家】と謂うのは、倭の国の資産を分け与えられ、その資産を外資に流れない様にする死命があるのよ!
国益を護る為の【名家】の責務でもあったのよ!
それなのに……意図も容易く外資に吸収され続けている
ボクが転生して、そんな名家の終焉を幾度も見て来て、時代に合わなかったのか?と思ったわ
でも、それだけじゃなく…………意図的な何かを感じずにはいられなかった…………
【力】を与えられた家もなくなりつつ在る今、其れは余計確信に思えたのよ!」
「悪意を感じずにはいられませんが?」
「そうね、炎帝がいる倭の国から潰す算段だっのかしら?
帝もただの駒だったとしたら?
今 白装束の輩が姿を現したとしても辻褄が合うのよ!」
「…………長い時間を掛けて……崩壊の一途を辿らせる気だったのですか?」
「多分ね、そんな悪意が見え隠れするのよ!
そして後継者の【血】が途絶えた今も神の加護を受けている【名家】とか謂うのもいるから、見直しも必要ね!
混ざり物の【名家】の血が途絶えた
正統な血を受け継いでない【名家】は終わりを迎えろ!と呪文を唱えておいたから、バタバタと倒れて死したわ!
当主は虫の息で残しておいたから、家仕舞いをさせたわ!
戦国の世から続く家と謂うモノは一握りの家になった!
このままだと外資に総て乗っ取られてしまうから、剥奪して取り返す必要があるのよ!
その第一歩の花山院家なのよ!」
閻魔は烈の言葉の真意を理解した
「ならば朱雀が来たら会議と致します!」と言葉にした
暫くして朱雀が魔界にやって来て、事情を閻魔から話された
朱雀は黙って閻魔の言葉を聞き
「ならば烈がいてくれる間に摺合せを致しましょう!」と言葉にした
閻魔は「では魂の管理庁へ行きますか?」と言い立ち上がった
厩舎に行き愛馬に乗り【魂の管理庁】へ移し【名家】の今後を決めて逝く
血が混じった者を転生者として転生などさせられはしない!
正統な血を保たぬ家の祝福は止めねばならぬ!
烈は唐沢からあの日、呪文を唱えた日に死した家の名簿を出して
「この家は謂わば終わった家なので抹消を!」と言った
家仕舞いした家を消して、抹消させて逝く
そして正統な血でない者が継いでいる土地には、今後は祝福を受けられなくさせた
協議を重ね今後、どの家を【家仕舞い】をさせて逝くかを決める
事実上 花山院家は終焉を迎えていると謂う
が、それは誤りとして忌日の訂正を入れる
観世音家も書類上では家仕舞いされていた
朱雀は「こんなにも勝手に書類作られて終わらされてる家がいるなんてな………」とショックを隠しきれないでいた
烈は「杜撰な管理は悪意の塊で主要な家が終われば倭の国の経済も外資に流れて何時か倭の国がなくなるのでも夢見てたのかもね!
でも家はそんなに簡単にはなくならない
でも倭の国の根底を揺るがす事態が引き起こされるならば面白い………との悪意が働いたんでしょうね………だからこそ敢えて継がれるべき家、継がれるべき伝統、継がれるべき財産………そして継がれるべき力、それに目をつけた………そして年号が変わっても気付かない愚かな奴等がいて面白くて仕方なかったんでしょうね
でも其れも、これまでよ!
後は好き勝手になんかさせないわ!」
閻魔は「魔界大法廷で、復活させる家の裁決を致しましょう!
摺合せが終わり正式な書面にした後 大法廷で決議案を伝えましょう!」と伝えた
「そうね、それで良いわ!
魔界大法廷が如何に変わったか皆にも見せないとならないしね!」
「何人かは消えますかね?」
「でないと効果は解らないからね!」
烈はふふふっと嗤った
閻魔もニャッと腹黒い笑みを浮かべていた
朱雀は「お前等本当に腹黒いから、その笑い方やめろよ!」とボヤいた
司録が「謂うだけ無駄だぜ!朱雀!
其れよりも名簿の摺合せをしねぇと帰さねぇからな!」と言われ書類に目を戻した
日が暮れるまで摺合せして話し合う
閻魔庁の執務官もやって来て皆で手分けして摺合せをする
日が暮れ、役務終了のチャイムがなると、その日の摺合せは終わらせた
執務官は退室し、他の職員も退室する
閻魔と司録と朱雀だけになると、烈は摺合せをした書類をクーに渡した
クーは時空を切裂きその中に書類を入れるとダミーの書類をテーブルの上に置いた
そして入り口と出口にトラップをルーとスーが細工をする
総ての細工が終わると烈は魂の管理庁を後にした
素戔鳴尊の屋敷に帰る前に、酒蔵に寄り新魔界ワインを素戔鳴尊のお宅へ運ぶ様にクロウに頼み帰宅した
屋敷に入ると釈迦が「お帰り!烈!」と出迎えてくれた
「あら釈迦ちゃん、魔界ワインが来るから待っててね!今度のワインは酸味がキツくて美味しいとの評判なのよ!」と笑って話す
釈迦は「ひょっとして………部屋にゴロゴロ転がってるその球体がぶどうとか謂うヤツなのか?」と問い掛けた
とても良い香りがするのだ
「そうよ、食べる?
もう時期たけちゃんとあまちゃん来るんじゃないかしら?」と口にする
其処へタイミング良く天照大御神が庭からやって来て烈の顔を見るなり抱き締めた
建御雷神も「烈!久し振りじゃな!」と話し掛ける
「たけちゃん あまちゃん 会いたかったわ!」と笑顔で話す烈に目尻が下りっぱなしだった
家へと上がり食卓に着くと、閻魔と司録と黒龍と金龍と銀龍が笑顔で座っていた
金龍は「烈!レイ!会いたかっぞ!」と二人の姿に嬉しそうだった
釈迦は「花山院家の後継者は今 女神に預けたから力の特訓されてる
明日の魔界大法廷へは完璧な力を手に入れてる奴を連れて行けるだろう!」と、説明
烈は「今日は新作の魔界ワインよ!
此れは量産出来ないか?ずっと試行錯誤して作っていたワインでね、目処が立ったから皆に振る舞えるわ!」と自らグラスに注いで渡す
釈迦はすっかり魔界ワインの虜になり
「めちゃくそ美味しい!
私の所へ少し横流ししなさい!」とまで言っていた
「此のワインは軽量化に成功したプラスチックに良く似た素材の容器に入れての販売となるのよ
無論 容器を返してくれたら少しお安くなるシステムで、洗って使うつもりなのよ
だから容器に入れたワインを一週間に1本、クロウに持って行かせるわよ!今回のお礼にね!」
「おー!烈!!」と釈迦は感激していた
皆で楽しく魔界ワインを飲み美味しいツマミと料理でご機嫌で飲んでいた
朱雀は魔界ワインを少しだけ飲みレイと共に部屋に行き眠りに着いた
翌朝 烈と朱雀と閻魔は魂の管理庁へ行き続きを始める予定で、魂の管理庁へと向かった
すると、庁内に入って直ぐ皆が騒いでいた
閻魔が「何が有りました?」と問い掛けると、職員は事情を説明した
昨日 この会議室が荒らされました
テーブルの上に置かされた書類が切り刻まれた
との説明に烈はずっと嗤っていた
「魂の管理庁、閻魔庁 法務庁 統括管理庁
総ての庁舎には監視鏡を設置してあるのよ
そしてその監視鏡には誰が何時に庁舎に入り、どの部屋に入ったか?
解る様になってるのよ!
今頃 この部屋に押し入り悪事を働いた奴等は、法務庁の役人に逮捕されて牢獄に入れられてる頃なんじゃないかしら?
まぁ細工してある牢獄で、正体を保っていられるかは………解らないけどね!」
朱雀は「魂の管理庁は好き勝手に出入りを許していたと謂うのか?」と怒気を孕んだ声で問い掛けた
魂の管理庁の職員は「そんな事は御座いません!」と申開きしたが、朱雀は
「好き勝手される為に魂は管理されているんじゃねぇよ!」と職員の胸倉を掴んで吐き捨てた
烈は「朱雀、手を離すのよ!不正を働いた者は此れよりジワジワと体力を弱め朽ち果てて逝くから手を下すまでもないのよ!
この魂の管理庁で働く、其れは不正は許されない天空神 三神がおられる場と同じ光を与えられた場となる!
その光を浴びておきながら不正など許されないのよ!不正を働けば………その体は灰となりパラパラと身体が崩れて………朽ちて行くだけなのよ
その説明は始めにちゃんとした筈!」とキッパリと職員達の前で話した
目の前でパラパラ身体が保ってられずに崩れて逝く職員がいた
スケープゴートには丁度良いじゃない!と烈は嗤っていた
閻魔は「魔界で働いている者が地獄へ堕ちる訳にも行きませんからね、朽ちて消えるしかないのです!朽ちた魂は消滅して何処へも逝けずに消えるしかない!
昨年 鳳凰誕生前に建設途中の建物を破壊した者達も消えてなくなり、服だけ遺った
悪事を働けば消えてなくなると思いなさい!
我等は死命を持って人の世を管理する役務を持つ
軌道から外れるならば、今後は消えてなくなると思いなさい!」と宣言した
烈は「魂の管理庁に勤める総ての職員へ告ぐ
明日の朝一で行われる魔界大法廷での会議には強制的に全員参加でお願いします!
其れでは、明日の魔界大法廷でお逢いしましょう!」と言いその場を離れた
烈は朱雀の手を引き取り敢えず素戔鳴尊の屋敷に連れて行った
朱雀は「書類はどうするんだよ?明日の朝に間に合うのかよ?」と問い掛けた
クーが「アレはダミーに決まってるがな!」と言った
「え?書類あるのかよ?」
「あるわよ、でも危険だからね……出せないわ
そして摺合せは明日の朝までには完璧に出来てるから大丈夫よ!」
「其れは誰かにやらせてるって事なのか?」
「そうよ、基本ボクは他人を信用しない!
だから用心に用心を重ねて行動する!
朱雀とか、えんちゃんは信用してるし、信頼してるわ!
でもその他の存在は………信頼出来うる存在じゃないからね、やはり布石を張っておくのよ
閻魔庁だろうが魂の管理庁だろうが、弱い心に漬け込まれ利用される可能性があると思うからね!
やはり用心しとかないとならないのよ!」
閻魔は何も言わず頷いていた
朱雀は「やはり信頼を勝ちうる人材は必要と言う事か………」と呟いた
「何時の世も人材の確保で左右されるのよ!
ブレーンを作るべきなのよ!
今 育ててるけど間に合わないみたいね………」
「済まない……それやらないと駄目なの俺だよな?」
「此れは魔界全体の話なのよ!
そして今後はそんなに簡単には行かなくなるから大丈夫よ!」
「???其れはどうしてだ?」
「鳳凰が誕生なされたからよ!
次代の鳳凰の力を使えば、不正なんてしようと思った奴から燃え上がって消えるわよ!」
「あ〜次代の鳳凰、誕生なされたんだったな……」
「そうよ、解らない?朱雀
輪廻転生の道が今迄と違う力を、感じてない?」
「やっぱアレは気の所為とかじゃねえのか………
下手な奴なら近寄れば燃えるレベルだからな
そう言えば管理されて眠っている魂は移動されたんだな?」
「あ〜えんちゃんやっといてくれたのね!」
烈が嬉しそうに言うと閻魔は
「そりゃ烈の頼みなので、金龍、黒龍親子に頼み移動させました!
もう今後は誰も転生者の眠りを妨げる事は出来ないでしょう!
此れで少しは朱雀も楽になりますね!」と笑って言った
烈は「朱雀、次代の鳳凰と対話を重ねて、友好を結び信頼を築き仲良くして逝くのよ!
あの方は少し捻れてらっしゃるから苦労するだろうけど、誰よりも味方にすれば心強い御方よ!」とアドバスをする
「あぁ、黒龍に頼み合わせて貰い信頼を築いて逝く事にするわ!」
話が着くと、素戔鳴尊は皆の前にお茶を置いた
素戔鳴尊は「烈よ、明日は魔界大法廷で会議があると魔界では話題になっておる
閻魔庁の新庁舎を建設した時に魔界大法廷は中には含まれてはおらなかった
何処にあるのかも皆は知らぬ………儂も知らぬからな………気にはなっておる!」と話し掛けた
閻魔は「魔界大法廷ですか……この魔界で知る存在等一握りの者しかいませんよ!
……………それ程に徹底した空間にて建設されたのですから!
其れも明日をもってお披露目です!」と言い嗤った
「明日ね!えんちゃん!」
「明日ですね烈!」
2人は顔を見合わせて嗤った
波乱を含んだ言葉に朱雀はゴクッと唾を飲み込んだ
総ては…………この腹黒い奴等の思惑の中にいると謂うのか…………
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