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第75話 艱難辛苦 ❶

飛鳥井の家に帰ると、当初の予定通り康太の誕生日の前日の朝だった 両親や烈、流生、レイ、花山院が帰宅して来ると、兄達や響 奏達は皆で出迎え【お帰りなさい!】と言いリビングに連れて行った そして朝食を皆で食べた 久しぶりに皆 揃って食べる食事風景だった 食事を終えると、ケーキを皆で完成させた 康太はそれを見届けた後、唐沢に連絡を入れた 「兵藤美緒が怪我したとか? それはどんな状況だったのよ? お前の所にまで上がってねぇか?」 『あ~何度も連絡したが繋がらなかったからな 一生に伝言頼んておいたんだよ! 直接説明もしてぇから飛鳥井に行って話をした方が良いな!』 「なら桜林学園の近くの立体駐車場まで来たら電話くれ!車は駐車場に入れるなよ!」 『了解した!』 唐沢は1時半位掛けて桜林学園近くの立体駐車場へ到着し電話を入れた 康太は慎一に「唐沢来るから、応接間まで連れて来てくれ!」と頼んだ 慎一は裏口から立体駐車場の方へ行き、駐車場前に停まってる唐沢を駐車場に入れさせて飛鳥井の家に入り応接間まで案内した 応接間には康太と榊原、そして烈が座っていた 唐沢はタブレットを出して説明を始めた 「事故が起きたのは1月28日 この日 兵藤美緒は夫の昭一郎と共に横浜駅西口の高島屋に出向いて買い物をしていたそうだ 6月に行われる結婚式の引き出物を特注で頼む為に出向いていたと言っていた 夫の昭一郎氏と秘書も付き添い、警戒態勢は取っていた 目的の階へ行こうとエスカレーターに乗っていた時に事件は起こった エスカレーターがかなり上に上がった時 突然 美緒の前に立っていた女が急に振り返り、美緒に襲い掛かって来て物凄い力で突き飛ばしたそうだ! 突然の事で美緒は何が起きたのか?解らず地面に叩き付けられた、と言っている それ程に急な出来事だったそうだ! エスカレーターから突き飛ばされ落下した美緒は、全身を強く打ちつけられた痛みに動けずにいた 正気に戻った昭一郎はエスカレーターを停止させ、即座に美緒に近寄って抱き起こしたそうだ 秘書が「直ぐに病院へ行きましょう!」と混雑し人集りになる現状を見て口にし 昭一郎が美緒を抱き上げて駐車場まで行き、秘書の運転する車で飛鳥井記念病院へと向かった そして検査の結果、即 入院となった 犯人は直ぐに捕まったが……… 『此れは聖なる粛清の証! 此れは穢れた存在に鉄槌を下さねばならぬ大義! 此れはあの方に報いる善行であり大義である!』 と、壊れたカセットテープの様にその事しか口にしない……… それが全容だ!」 唐沢は当時の状況をニュースに上がった映像と共に説明した 「…………大義とか……出所一つの所業よね……」 烈がボヤくと康太は「だな!」と口にした 榊原が「直接手を下しに来ましたね! ならば今後は………もっと熾烈で卑怯な手を使って来るのでしょうね!」と謂う 唐沢は「取り敢えず、身辺警護を着けてくれ!」と言う 康太は「子供達は既に着けてある!と謂う事は母ちゃん達も必要となるって事か………」と呟いた 唐沢は「実はお前等に連絡を取っていたのは、何も兵藤美緒だけの事じゃないんだよ! 元総理の安曇勝也、三木繁雄議員が暴漢に襲われて怪我をした 身辺警護に当たってるSPが意識不明の重体となってる事も耳に入れねぇとならねぇからだ!」とタブレットを持ち上げると、そのニュースの記事にページを移した 襲われた場所は別々だか、安曇は登紀子と共に選挙事務所へ出向いた時に暴漢に襲われ、SPが身を挺して守ったお陰で、安曇と登紀子は軽症だが、SPは意識不明の重体、今は意識は戻ったが全治3カ月のケガを負っている 三木も参議院選挙を見据えて事務所へ政策の打ち合わせに行き事務所に暴漢が押し入り暴行を受け入院していると謂う 烈はその記事を見て 「竜ゅー馬は付き添ってるのね……」と家にいなかったのはその所為か……と呟いた 康太と榊原は怒りに震えながら、ニュースの記事を見た 「今後の対策を取らねぇとならねぇから、連絡を取りたかったんだよ!」 康太は「オレと烈、どっちに用があるんだ?」と問い掛けた 「政治家は当面非常事態と謂う事で警備態勢を取らねぇとならねぇ! 警備体制の指揮を執って貰うのは烈! そして今後行われる総裁選の時の重要人物の護衛に真贋が当たって欲しい!」 「それ、本当にオレをご所望か?」 「………手厳しいな、相変わらず! 近々 総裁選がある、その前に衆議院選挙だ! 烈はその警備体制の指揮に執って貰う 康太は総裁選当日、重要人物の警護に当たって欲しい!」 「あ~オレよりも烈を警護に当たらせろよ!」 「彼、消しちゃうでしょ! それか我慢して地獄に落としちゃうでしょうが! 烈と共に動いていた時、どれだけの奴が一瞬に消えたか……… で、奴は【自業自得よ!】としか言わねぇだろ! それは困るんだよ!」 「あ~面倒な奴消しちまうからな……」 康太がボヤくと榊原は 「康太は面倒になると燃やしますよ! 面倒だ!全部燃やしちまえ!と燃やしますよ!」 と同じだと苦言を呈した 「んとに……面倒クセェ親子だな!」と唐沢はボヤいた だが引く訳には行かないのだ 「総裁選 当日の警護だけ頼む! 此れは引く訳には行かねぇから頼むしかねぇんだよ!」 「解ったよ!総裁選当日の警護だな! 伊織とワンセットならばしてやんよ!」 「ワンセットで良いのでお願いする 詳細は後で連絡する!」 と言い唐沢は帰って行った 康太は「あ~面倒クセェな!」とボヤいた 烈も「本当にね、其れよりも美緒たんのお見舞いに行かないとね!」と現実を口にする 康太と榊原は頷いた 康太と榊原と烈はリビングに戻り玲香に 「母ちゃんは美緒が襲われたの知ってるのかよ?」と問い掛けた 玲香は「知っておる………が、今は騒ぎ立てぬ様に指示が出ておるから見舞いにも行けてはおらぬよ!」と口にした 烈は「その指示って何処経由なの?」と聞く 「昭一郎の秘書からじゃよ!」 「でも心配なら行くしかないわよ! ばぁちゃんお見舞いに行きましょうか!」 「え??」 「お見舞いの品はないと駄目かしら?」 康太は「今度改めてでええやんか!見舞い出来るかどうか分からんのやし!」と謂う 「そうね、取り敢えず見に行きましょう!」 そう謂うと烈は玲香の手を引いて玄関へと向かった そして病院へ行き面会の許可を貰い病室を訪ねた 美緒は個室に入っていた その隣の病室に三木繁雄の名前があった ノックして病室へ入ると美緒は腕を吊りベッドの上で起きていた 玲香は「大丈夫なのかえ?」と傍へ寄り美緒の身を案じた 烈は美緒に付き添う昭一郎に 「昭ちゃん秘書の身元は確実なのかしら?」と尋ねた 昭一郎は「秘書?彼は私が政局に上がって以来、秘書をしてくれてます!」と口にした 「美緒たんが高島屋に行くのは内輪の者しか知らなかった筈だとすると……… 刺客が動いたとしたら、側近からしか有り得ないのよね 安曇と三木の事務所も然り、身内にスパイ飼ってると思わないと駄目よ!」 昭一郎は言葉もなかった 康太は「面会謝絶にしていたのかよ?」と問い掛けた 美緒は「面会は特に制限はなかったわな?昭一郎?」と口にする 榊原は「義母さんは秘書から面会は控えてくれと言われそうですよ?」と疑問を口にする 昭一郎は「何故彼はそんな事を………」と困惑した声で呟いた 烈は「まぁそんな小賢しい事してくれるのは想定内だし!その内唐ちゃんが対策するでしょう!」と謂うと康太が 「だな、多分オレ等が不在なのを狙ったんだろ? そして慌てて人の世に来て羅針盤に刻む作業を中止にさせ様としたとか?」と可能性を口にした 「それ狙いでしょうね! 近しい奴を狙えば出てくるしかないとか?思ってるのかしら?」 「思ってるんだろうな……… しかも標的はオレの近しい奴等ばかりかよ……」 「ボクの関係者って竜ゅー馬しかいないじゃない!」 「その竜馬どうしたのよ?」 「隣の病室にいないかしら?」 「あ~繁雄か!」 烈は美緒のベッドに近寄ると 「美緒たん明日にでも二条薊と謂う女性が病室を訪ねて来るから、その娘に身を護って貰ってね! ならまた来るからね!」と謂い美緒の手をギューッと握り締めた 「烈………二条家の姫か、その娘は?」 「そうよ、二条家は跡取り息子が嫁を娶り、無事跡継ぎとなる男児を出産した事により、姫である薊は晴れて自由の身になったのよ! 滅法強いから、其処は安心するのよ!」 「我に護衛を着けてくれるのか?」 「そうね、ばぁしゃんには式神付けるから、美緒たんは身辺警護されとくと良いのよ!」 康太は「母ちゃん、オレ等は繁雄を見舞って帰るから、母ちゃんは美緒に付き添っててやれよ! 後で誰か付き添いに越させるかんな!」と言い、美緒の病室を後にすると、三木の病室をノックした するとドアを開けたのは敦之だった 「あら?アツ、父さんに付き添い?」 烈が声を掛けると敦之は 「兄さんも母さんも限界突破しちゃったから仕方ないじゃないか!」とボヤいた 「あら?竜ゅー馬 限界突破しちゃったのね!」 「父さんが襲われて病院に運ばれてからずっと寝ずに付き添っていたから倒れて当たり前だよ! 久遠先生が見兼ねて母さんは家に帰らせ、兄さんは薬で眠らせたんだよ!」と言い、父のベットの横を指さした 康太は「繁雄の具合はどうよ?」と問い掛けた 「この人さ刺されても次の選挙を踏まえて動かねば!とか抜かしてさ 起き上がろうとするから大変でさ……傷が引っ付くまで入院させてるんだよ めちゃくちゃ説教されてね そりゃもぉ久遠先生が怖くてさ……チビるかと思った で、父さんもやっと大人しく寝てるんだよ!」 と大変だった事態を口にする 烈は「アツ、今度の選挙は父と共にボクの指示通りに動きなさい! 君の腕の見せ所よ!留学に行く前に父親孝行してから行きなさいよ!」と簡単に言う 物凄い高いハードルをさっさと飛び越えろ………と意図も簡単に謂うのだ 敦之は「兄さんは良くもまぁこんな無茶振りを何時も聞いてると思うよ!」とボヤく 康太は笑って 「烈がトレパンマン履いてる頃、出会って3秒で飛び蹴りかまして以来の付き合いだかんな! 絶対の信頼があんだよ!」と謂う トレパンマン履いてる子に飛び散りかまされたの?兄さん……… 敦之はクスッと笑って 「そりゃ絶対の絆で結ばれる筈だね!」と言った 敦之は顔付きも変わって来ていた やはりこうして見てみると、三木淳夫に酷似している姿をしていた 三木が話し声に目を醒すと病室にいる康太と榊原と烈の姿に 「康太、伊織、烈までもどうしたんだ?」と問い掛けた 烈は「お見舞いよ!まぁ後で果物籠持って来るわよ!」と手ぶらを詫びた 三木は「果物籠なんていらないよ!こうして顔を見せてくれれば嬉しいんだから!」と謂う 康太は「大人しく寝てろよ!竜馬が政治家になり敦之が政局に上がり舞台が整うまでは隠居なんてさせねぇかんな!」とキツい一撃をかます 三木は苦笑して「解ってるよ!」と答えた 今は取り敢えず体を治す事に全力投球させる必要がある ならば長居は禁物と謂う事で、康太達は病室を後にした 病室の外に出ると久遠が待ち構えていた 「烈が来てると泰知が言ってたから来てみたんだよ!検査してやるから来い! ついてに康太と伊織も定期検診来なかったから診てやる!」 久遠自ら来てる以上逃げられず、三人は仕方なく検査へ向かった 一通り検査を終えると、其処までの数値の悪さはなく一安心だった が、久遠は「烈、毎月定期検診は欠かさず来いよ!」と釘を差した 病院を後にすると三人は飛鳥井の家へと帰って行った 2月1日 飛鳥井康太の誕生日 家族で細やかながら祝った 今年も皆で誕生日を祝え、皆楽しい時間を迎えられた が、そんな悠長な事を言ってられない現実が待ってはくれなかった 家族に、今の現状を踏まえ、友人知人 商談 等出向く時は気を付ける様に話した そして今は色々と予断の許されない現状があるこら、単独で誰かと会うのは止めて、会うならば警護を必ず着ける様に伝えた 無論 会社にいる時も同様、商談 他社への訪問などは秘書同席で必ず出向く様に伝えた その為に護衛に特化した美人の秘書が配属されたのは、康太の誕生日の少し後の頃だった 家族はこの厳重な警備体制は美緒の事故も関係してるのでは?と考えたが、何も謂う事はなかった 烈は会長 社長 真贋 副社長に秘書を紹介した 「えっと、今日から会長 社長 真贋 副社長等が接待や商談、会合等で外部へ出ねばならない時用に、護衛も兼ねた秘書を着ける事にしたので紹介します! 右から竜ヶ崎 蘭 一条 累 五稜院 梓 彼女達はARЯK警備保障©イギリスで要人警護を叩き込まれた秘書のスキルを持つSPとなります 今後外に出掛ける会合や商談等は必ずや彼女達を連れて行って下さい!」 烈が言うと秘書は一人一人自己紹介した 「竜ヶ崎斎王が娘 蘭に御座います!」 「一条弦斎が娘 累に御座います!」 「五稜院直達が娘 梓に御座います!」 その立ち姿はブレのない凛とした刀剣の様に美しかった 康太は「え!竜ヶ崎蘭、お前生きていたのか? 斎王が行方不明になってる娘がいると言ってたのお前やろ?」とボヤいた 蘭は「あ~柵って奴が嫌いで逃げてる所を津葉木と知り合い仲良く飲んでる所を烈にスカウトされたんだよ! でARЯK警備保障©イギリスで訓練され任務に当たっていた で、久方ぶりに倭の国での任務だから、父親に連絡を取って家族に会ったら、すみれは結婚して子供もいるし、杏やさくらも結婚してて丸くなってやがっていた! そして一番驚いたのは親父が………好々爺になっていやがった そしてお前はお前の信じる道を行け!と言いやがった事だな!」と言い嫣然と笑った 「人は変わるもんだ! お前が変わった様にな! 其れと摂家五家の一条の姫と五稜院の巫女 …………あんたら良く親が許したな!」 一条累は「今の時代 姫なんて堅苦しいだけだ しかも私の性格は融通が利かない頑固一徹な祖父に似ていて、一族の者は煙たがっていた 後継者問題も烈が星を詠み導いてくれたから、姉が婿を取り【力】を継承した後継者も出来た 家の終焉を迎える事もなくなった今、一条に固執する必要もないからお役御免になったのです!」とやはり堅苦しさが抜けぬ話し方で話す 五稜院梓は「五稜院は終焉を迎えた家らしくて、烈が星を詠み最後の足掻きで姉が神レベルの巫女を誕生させた なので………そこそこな私はお役御免となり、放浪の旅に出て累と知り合い仲良くなった 累と二人でアメリカで行われた【R&R】のイベントを観に行き、其処で黒服に拉致られて烈と会い、以来烈の会社で働いて来ていたのです!」と事情を説明した 「黒服に拉致られて………って………お前等大人しく着いて行ったな………」 「まぁ黒服事態は怖くはなかったが、チャカ出されたらヤバいと想い大人しく着いて行ったんだよ まぁ最悪私にも使役出る式神はいるし、イザとなったら倒して逃げれば良いか、と想って着いて行ったら烈がいて………スカウトされARЯK警備保障©イギリスで扱き使われ死ぬ目に何度も遭わされたりして、今度は『ボクと心中して!』と呼ばれて今に至る!」 梓が言うと累は 「まぁこの命、烈に捧げてやると覚悟して今に至ってるって事です! 家の奴等もお家の危機を救ってくれた烈は恩人として私は烈に献上された事だしな!」と続けた 康太は「献上って………お前は貢物かよ!」とボヤいた 烈は「ARЯK警備保障©イギリスでもトップクラスのSPだから、大丈夫よ!」と笑って謂う 榊原は「ならば社外へ出る会合や商談は必ずや同席と謂う事ですね! 招待されたパーティーも同席して参加出来ますね!」とSPとして活躍し尚且つ見目も良い才媛ならば秘書としても申し分はない 康太は「お前等は今どこで住んでるのよ?」と尋ねた 竜ヶ崎蘭が「我等は菩提寺の女性専用シェアハウスで巫女や職員、鳳凰院家の三姉妹と敦美と共に共同生活してます!」と伝えた 「菩提寺にいるのかよ? まぁ何にせよ!宜しく頼むな!」 康太が言うと三人はビシッと姿勢を正し「「「はい!」」」と返事した 烈が秘書課へ行き西村に事情を話した 普段は秘書として、そして外への同行は絶対に彼女達がSPとして護衛の為に同行させる旨を伝えた 警戒には警戒を重ね対処して行くしかない 何が起きても、何が起こっても、生存率を上げる闘いをせねばならないのだ 康太の誕生日の翌日から、烈は花山院家復興の為に精力的に動いていた それ以外の時間を唐沢や政治屋、警察関係者と共に選挙を踏まえて協議をしていた モップは退院して、家に戻るまで飛鳥井の家にガル達といる事になった 無論 子犬も揃って飛鳥井の家にやって来た 花山院は「子犬を引き取ってくれよ!」と烈に話した 烈は「良いわよ、でも何匹かは里子に出すけど大丈夫?」と問い掛けた 「あぁ、それで良い! 悪いな………」 「気にしなくても大丈夫よ! 其れよりも家が片付いたら、役者業再開させなさいよ!」 「良いのか?」 「良いわよ!役者やってようが、【お仕事】が入ったら熟してくれさえすれば大丈夫よ!」 「また来ても良いか?」 「良いわよ、好きな時に来なさいよ 生活費さえ入れてくれれば、飛鳥井の家族は何も言わないわよ! 源右衛門の部屋に荷物や着替えとか置いておいても大丈夫だから! 多分、貴方は役者業やるなら………その耳は辛いかもだけど、その内普段使い用の耳栓でも開発してあげるわよ!」 「それは嬉しいな!」 花山院はそう言い笑った 自然体の笑みだった 「ねぇフーちゃん」 「何だ?」 「夏に向けて大きなイベントやりたいのよ! ノーギャラだけど出て欲しいのよね! 夏フェスとか一度やってみたいのよ まぁその前に三連休にスキーに行かなくちゃ!」 「【R&R】のイベントに出てギャラ出される方が恐怖だってば! 良いぞ、何時でも呼んでくれるなら、俺は何時でもお前の為に演じると約束しよう! それりもスキー?良いな!俺も行きたい!」 「なら一緒に行きましょう! まぁ会費は取るけどね!」 「払うって!お前見てたら対価取るのは相手の為でもあるんだと思ったよ! その対価に合わなくても、損する事だと想っても、お前は対価を取る んとにお前は優しいな………」 …………面と向かってイケメン俳優に言われるのは照れくさい……… おなごならばイチコロだ が、傍にいた太陽が「烈はケチだからよ!」とボヤいた 榊原真矢や笙と酷似した容姿にDNAが垣間見れる 花山院は「そう言えばケチだよな、直ぐに値切る癖、御影にも影響与えてるからな……」とボヤいた 流生は「みかちゃんは烈命だもん!仕方ないのよ!」と笑って話す 子供のクセにやけに辛辣で花山院は返す言葉もなかった 烈は「にーに達、モップの子供を貰うから、お世話お願いね!」と謂うと 翔が「モップの子供!毛玉凄そうだね!」とブラッシングの大変さを想う そんな他愛もない話をして烈は迎えの車が来ると家を出て行くのだった 花山院の家は元観世音家の跡地に移転した 花山院家の土地は宗右衛門事業団が貰い受けた が、直ぐには使えない 土地が穢れているから、鷹司にお祓いを依頼した そして三木が退院すると竜馬が烈の元に戻って来た 兵藤も美緒が自宅療養に切り替えると、烈と共に動く事になった 連日 警備体制 警備網 選挙カーや演説の時の警備、政治家の安全を第一に練られて行った が、あまりの忙しさに烈は唐沢に 「義務教育中なのに学校にすら逝けないじゃない!」と難癖を着けた 唐沢は「お前、そもそも学校行ってないんじゃねぇのか?」とボヤく 「通える時は行ってたわよ!」 「………お前がそう謂うって事は、この労力に似合う対価をご所望か?」 「そうなのよ!話が早くて助かるわ!」 「で、何をご所望なのよ?」 「スキー場に行きたいのよ!」 「なら群馬に公営のスキー場から少し離れた所に、自衛隊の設営基地があるんだよ! その横に立派なゲレンデがあったりする」 「………間違って体に風穴空きそうで嫌よ!」 「大丈夫だ、其処は極秘で総理とかの御家族も起こしになられる場所でペンションもある」 「…………きな臭くて嫌よ!」 「なら、たんばらスキー場でどうだ? あの近くに内閣調査室の保養施設があるんだよ! まぁ公に公表してる訳じゃねぇがな、俺等は日々激務な訳だから、そう言った福利厚生はあったりするんだよ!」 「良いわね!そこを貸してよ!」 「なら俺の名前で申請掛けとく 三連休だな、料理はどうするよ? 頼めば格安で賄いは出るらしいぞ!」 「キッチン使えるなら買い込んで調理するわ!」 「うし!その様に申請かけといてやる えっと多目に見繕って40人位か?」 「今回は知り合い知人誘うから、多めに見繕い60人でお願いね!」 「また大盤振る舞いしやがるな!」 「休みだから盛大に休暇を取って皆を誘って行きたいのよ!」 「うし!なら2月終わりの三連休に貸し切り入れていてやる! 100人収容の保養施設を貸し切りにしてやるから、多少増えても大丈夫だぞ!」 「それは嬉しいわ!」 そうして楽しいスキー場と、宿泊施設もGET出来、烈はワクワクだった そうこうしている間に選挙戦は突入した 烈は安全対策本部に設置された、全国を繋ぐモニターの前に座り指示を出していた 予め危険行動を起こしそうなデータは入れてあるから、危険を察知するとモニター画面が警戒アラートを発するシステムを今回は取り入れた 竜馬と兵藤は父親の選挙を手伝わせる為に派遣させた 敦之も兄 竜馬と共に父親の選挙をサポートした 兵藤昭一郎はスキー場災害の時に、迅速な救助を行って以来 知名度も上がり庶民に向き合う政治をコンセプトに活動をして来たから、少々優勢な読みだった 三木繁雄は……苦しい闘いとなっていた 下手したら…………落選がチラつく が、諦める事なく真摯な姿勢を崩さず、市民と共に日々を生きる政策を掲げた 昨今の高騰が生活を頻拍している現状を語り、政策を考えねばならないと貫き闘っていた そんな父親をサポートして竜馬と敦之は、烈からの指示で動いていた 花山院家は元観世音家に居を移し、古くから家に仕えてくれた使用人を戻した そして少しずつ家として復活させて行った 役者として働く以外は家の為に動き出していた 鷹司緑道が間に入り、お家復活の手続きをさせたり、顔見せをしたりと着々と【花山院】の家の復活が浸透して行った そして花山院家の【耳】の役割を皆に知ら示す事になると、嘘が通用しない現実を突き付けられ青褪めた者も少なからずいた 花山院家復興が日々なされる中 烈は安全対策本部を、警視庁本部庁舎が在る霞が関の近くのビルのフロアを貸し切って、その場に安全対策本部を置いた 安全対策本部の中は半分以上がモニターが置かれ、全国各地の選挙状況が映し出されていた 不審な人物はいないか? 街頭に設置した防犯カメラが警戒アラートを果たすればチェックして、警察が即座に動き警戒を強めた そんな中で行う街頭演説だった 【ARЯK警備保障】の社員も投入してチェックしていた そのビルはセキュリティが凄いと有名なビルだから、選ばれたと聞いた が、マンションとオフィスが入ったビルは常に人の出入りはあるのだ 宅配の社員になりすました女が、エレベーターで一階ずつ上がるたびに箱を置いて回っていた カートに積んだ荷物が総てなくなると、その女はマンションの外へと出て行った その後に各階で爆破が起こった かなりの威力のある爆破はマンションを揺らし、全ての機能を停止させた 烈達はそのマンションの地下にいた 西園寺維弦が慌てて部屋に飛び込んで来て 「安全対策本部長!爆弾が各階に仕込まれていて、一斉に爆破したそうです!」と伝えた それと同時にマンションの電気が一斉に落ち非常電源に切り替わった 警視は皆の安全を図る為に警察、消防に連携を取り救助要請を出した そして直ぐに烈達を移動させる事にした 警視は「即座に移動なさって下さい! 我等は現状を踏まえ規制線を張らねばならぬので、上へ行き現状を把握したいと想います!」と言い部下に烈達を託した 烈も「近くの警視庁へ異動しないと大変よ!」と、見張りの出来ない時を狙われるのが一番危険だと伝え、皆は直ぐ様地下に停まっている車に乗り込み地下の道路を通り警視庁へと急いだ そして警視庁へ到着するとエレベーターに飛び乗り、連絡を受けた警視が用意した部屋へと案内した こんな時の為に警視庁の中にもモニタールームは用意してあったのだ そしてビルの地下に対策本部を置いたのは、妨害を見越して、直ぐ様警視庁へ移動出来る様にだった 警視は「お怪我は有りませんか?」と問い掛けた 「ボク等は地下にいたから被害はないけど、ビルの中の人が被害に遭ったら……悪い事したわね」 「防犯カメラが不審な動きをする者を感知して追跡していたのです なので行動を把握していた警備員がビルを出た女を直ぐに拘束したのです が、次の瞬間………ビルが爆破して……爆破の衝撃でガラスは飛び散り………地獄絵図さながらになっていたそうです……… 女は握り締めていた起爆スイッチを押したんだと思います」 「仕掛けて来るとは思っていたのよ! 此処最近見栄えないからね……… あ、この男、即座に捕縛して!」 と指示を出すと、直ぐ様モニターに映る県の護衛に当たる警察に連絡して捕縛した ニュースで烈がいると知らされたビルが爆撃を受けた事を知った康太は烈に 『ニュース見た!大丈夫か?怪我してねぇか?』とラインした 烈は「大丈夫よ!傷一つ負ってないわよ!」と返した 『なら良かった、オレ等は何時だってお前の事を案じてる事を忘れるなよ!』 「解ってるわ!母ぁーさん! あと少しで還るからね そしたら三連休はスキー場へ行きましょう! 兵藤きゅんちも皆もご招待して行きましょうね!」 『すげぇやんか、楽しみにしてるな!』 そう言いラインを終えた烈は、ラストスパートを掛けて行くのだった 爆破の被害に遭ったマンションは爆撃の瞬間 防火扉が作動して衝撃を緩和する事が出来、建物は破壊されたが、鉄骨まで歪ませる事なく修復させれば問題なく使えるだろうと聞き、安堵はしたが……… 爆撃の所為でガラスは飛び散り壁は吹き飛び、ビルにいた者達やビルの下を歩いていた者達が被害に遭い、過去最高の被害者を叩き出し、犯罪史を上書きした その日以降は警視庁で只管モニターを眺める日を送った 近くのホテルに滞在して選挙活動か許されている時間帯はモニターの前でチェックに余念のない生活を送っていた 大変な思いをして警戒を強めた結果 政治家は無傷で選挙戦を終えられ、迎える選挙投票日 当日 やっと烈は飛鳥井の家に帰って来たのだ 家に帰るとまずは腹拵えをして、久々の飛鳥井のご飯を食べ大満足で家族に 「今月末の三連休スキー場に行くわよ!」と告げた 家族は大喜びした 【R&R】のメンバーにもラインをすると喜んで参加を表明した 神野達や真矢と清四郎、笙家族も 久々に皆と過ごせるスキーに胸を躍らせていた ついてに四方や君島にも声を掛け、大人数のスキー旅行となった やはり大人数だからここいらで説明もしとかねば、と烈は兄達にスキーの旅のしおりを作って貰い説明する事にした 菩提寺の保養施設の三階に家族や仲間、真矢夫妻、笙家族、兵藤一家 神野達、君島と四方にも連絡を入れ日時と時間を指定して集まって貰った 飛鳥井の家族が保養施設三階に行くと、其処には皆が勢揃いしていた 北斗がやって来た皆に『スキーのしおり』なるものを手渡した 兄達や北斗達が作ってくれたのだった 皆が揃うと兄達が前に立ち説明を始めた 翔が「其れでは皆さん スキーのしおり2ページを御覧下さい! ざっと概要を伝えます!」 流生が「今回は不測の事態を考慮して現地集合です!交通機関を使い現地で落ち合う事となります!」 音弥が「期間は三泊四日!金曜日の夜に現地に着くように計算して下さい! 行き先は、たんばらスキー場です! 最寄り駅に着いたら連絡してくれれば迎えに行くそうです!」 太陽が「基本 食事は出ません!頼めば出るそうですが、買い出しに行き作った方が経済的なので会費を取り買い出しに行き皆で作ります!』 大空が「取り敢えず、しおりを読んて貰えれば交通機関や行き先も書いてあるので参照下さい! 2月末の三連休は滑りまくり遊びまくりで過ごし月曜の昼には帰ります! 解らない事が有りましたら、僕等に聞いて下さい!」と締め括った 康太は「烈はどうやって現地まで行くのよ?」と問い掛けた 「ボクは金曜日の朝には神威に送って貰い現地に着くつもりよ! そして一陽たんとエイセイとみかちゃんとフーちゃんは、ボクと一緒に来て貰い買い出しに出て貰う予定よ でないと夕飯ないじゃない!」 烈が言うと榊原が 「ならば僕達も烈と共に出向き買い出しに行くとします!」と言った 康太は「翔達はどうするのよ?」と問い掛けた 「にーに達や響 奏 一希はママと共にリックが送ってくれる手筈になってるのよ ケントは帰りの為に車で来て貰う予定なのよ その為にリックとマックとケントは近くの宿を取ってあげたのよ 旅先まで雇用主と同じだと肩凝るからね! スキー場に来てる間は、リック達もスキーを楽しむ為にね別々が良いのよ!」 「ならオレも伊織と行くとすんよ! 父ちゃんと母ちゃんはどうするのよ? 後、他の奴はどうやって行くのよ?」 康太が言うと真矢は 「ならば私達は社長達と同行して行きます!」と告げた 四方が「なら事務の者にバスを出させるので、晟雅達も乗って行きましょう!」と謂う 神野は「良いのか?悪いな!」と言い嬉しそうだった 聡一郎は「ならさ、僕達は電車とバスの旅だね! 北斗 永遠 和希 和真、交通機関の手配よろしくね!」と謂う 和希は「了解だよ!そーちゃん!」 和真は「なら分刻みでスケジュール立てるよ!」 永遠は「分刻みで立てても予定は狂うよ、そーちゃんだもん………カフェとかみたら入っちゃうよ!」 皆は、あ~と納得した 北斗は「別に夜までに現地に着けば大丈夫なんだし!」とフォローを入れた 力哉は「僕も君達と行くよ!聡一郎の暴走止められるの僕しかいないじゃん………」と謂う 北斗達は「それもそうだね!」と笑った 一生は「なら俺は烈と共に行くとするわ! 飯抜いちまうからな、見張っておくとする 今回の検査ギリだったと謂うからな!」と烈を見張ると言った 隼人は「オレ様は………目立つからどうしたら良いのだ?」と不安気に呟く 竜馬が「隼人とヨーコは俺等とどうぞ! 【R&R】のスタッフにバスで送って貰うつもりだから、2人増えても困らないっすからね!」と謂う 「なら頼むのだ!」と安堵の息を吐いた 美緒は「玲香は誰と行くのじゃ?」と尋ねた 「我かえ?我と清隆はまだ交通手段は決めてはおらぬよ!」 烈が「なら薊に頼んどくから紗理奈も来るなら菖蒲ちゃんも神宮寺の方から皆が乗れる車出してくれるし、じぃしゃんとばぁしゃんはその方が安心ね!」と謂う 翔がボードに皆の交通手段を書いて行く 太陽が「笙ちゃん家族はどうするの?」と問い掛けた 笙は「え?交通機関使って行くつもりだよ!」と謂う 聡一郎が「なら僕達と共に行けば良いよ!」と嬉しそうに言う 玲香は「瑛太はどうするのじゃ?」と聞く 「私達家族は烈に便乗して行きたいです!」 烈は「ボクは金曜日の朝に行くのよ?」と驚く 「有給使います! 毎年使わずに消化されない有給を生まれて初めて使います!」 瑛太が謂うと京香も「ならば我も有給申請せねばならぬな!」と乗り気だった 瑛智は「なら僕達は移動の間にオンライン授業してるよ!」と謂うと柚は頷いた 康太は「神威にバス運転させるんなら、少し大き目のバスにしろや! オレも伊織も悠太も乗れるサイズで頼むわ!」と謂う 危険だから別々ルートなのに……… 「危険なのよ?解ってるかしら?」 「まぁ良いやんか! 気にすんな!」 康太は楽しそうに笑って言った 「もぉ、どうなっても知らないからね!」 ボヤくが、バスを少し大きめにしないと駄目か?調べていた 花山院は「俺は四方さんと行った方が良いか?」と聞いた 烈は「駄目よ!買い出し部隊に入れてあるから!」と釘を差した 御影は「フー諦めろ!既に買い出し部隊に入ってるなら扱き使われるコースだ!覆らないよ!」と宥めた 「みかちゃんもよ!」 「解ってるよ烈!沢山烈の好きなの買うからね!」 兵藤は「話してる所悪い、紗理奈も計算に入ってるのか?」と問い掛けた 「家族計算してあるわよ!」 「なら会費を教えてくれて! 俺の給料で支払える金額にしてくれ!」 「一人二万取ろうと思っていたけど高いかしら? 向こうの物価解らないから………一万にした方が良いかしら?でも…………」 烈は困った様に呟いた 康太は「嫌々!二万なら安いだろ?嫌なら不参加で良いんやし!」と謂う 四方は「三泊四日で二万ですか?安いですよ!ホテルに泊まれば三泊四日なら軽く10万は行きますから!」と謂うのだった 「なら2万で大丈夫かしら? 父さん、三泊四日全員分のお料理賄えるかしら?」 「朝は作っておくので各々バイキング形式で沖縄と同じならば、何とかなりますよ! 昼も作っておくので好きなのチョイスして夕飯は皆で鍋にしましょう! ならば何とかなります!」 「なら皆 2万円支払ってね! 宿とご飯は大丈夫だけど、スキーウェアと板かボードは用意してね!」 烈が謂うと四方は 「多少ならば板とボードは持って行くので貸せます!」と申し出てくれた 隼人も「オレ様もスキーウェアのCMした時に幾つか貰ったから着れるなら貸すのだ!」と謂う 君島は「飛鳥井の子達はウェアと板かボード有るのですか?」と問い掛けた 康太が「オレ等は此処数年は毎年スキーに行ってるかんな、作ってる でも子供の成長は早いからな………今一度着せてみねぇとな!」と口にした するの翔が「今年は着られました!烈がスキーに行くと言ってたから、大丈夫か確かめてます!」と抜かりのない発言をする 花山院は「あ~俺はスキーウェアないかも……」と謂うと御影が「貸すから大丈夫!」と謂う ヘンリーが「僕も幾つか板とボードは持って行くので皆に渡ると想います! ウェアもフーちゃんを売り出す気で最新の買っといたから大丈夫!」と謂う 「え?俺はしがない役者だから……売り出そうとしなくて大丈夫だ…………」 デービッドが瞳を光らせて 「嫌々、あかんで! エイセイとランウェイ歩ける位に男前になって貰わんとあかんのやで!」と力説する 四方は「ランウェイ………無理だよ楓雅じゃ………」と執り成した デービッドは瞳を輝かせ 「トンプソン代表の目に狂いはない!」と言い笑った 四方は「あぁ、トンプソンの取締役代表いたんてしたね………」と今更ながらに凄い経歴ばかりの【R&R】のメンバーを思う 烈は「話が脱線したわね!で、にーに現地集合決まってない人誰?」と問い掛けた 「ゆーちゃんは誰と行くの?」 と太陽がチェックして問い掛けた 「ゆーちゃんはボクと行くわよ! でお部屋で暖まって貰って休ませるつもりよ 足が痛くなるから寒い場所に長居はさせられないからね!」 流生が「良かった、足痛くなるのに自力で現地集合だと無理しちゃうんじゃないかって思って心配だったわ!」と心底安堵した声で言う 悠太は嬉しそうに笑って「有り難う!」と言った 最近 悠太は日本建築学会設計学会賞なるものを受賞したのを皮切りにフリッカー賞までもを受賞した もう飛鳥井会建設ではなくてはならない設計士だった 皆の交通手段も決まり、会費も徴収して慎一が保管した ケントは兄 マックと共に、金曜日の朝に烈の乗り込むバスの後を追い、車を運転してスキー場へ行く事になっていた 慎一は烈と共にバスに乗り込み、荷物を降ろしたら買い出しに行く様にスケジュールを立てていた 「たんばらスキー場近くのスーパーか市場を検索して買い出しに行くルートを決めねばなりませんね!俺は車で行った方が良いですかね?」 と慎一が言うと烈は「ケントが車で行くから、買い物はその車に乗せて貰えば良いわよ! それかリック・村上はマイクロバスで行くから其れでも大丈夫よ!」と提案する 「伊織や御影、楓雅、英生、一陽も買い出しに行くならマイクロバスが良いですね!」 「ならドサッと買って帰れるからマイクロバスが一番ね!」 買い物に行く先のチェックをしつつ、会費を確かめる 会費と電卓の入ったバッグは忘れない様に、早々に荷物に詰め込んだ慎一だった 着々と三連休の食の確保も決まり、当日を待つだけとなった 三連休は飲みまくりたい神威は皆に 「酒が余っていたらバスに詰め込め! 皆で宴会するんだから半端な量だと足らなくなるからな!」と酒を要求した 四方や君島は「家にあるのを全て持って来るよ!」と約束した 四方は君島の事務所の違うフロアに移転した 元三社共同事務所の近くに在る高速近くのビルのワンフロアを貸して貰い事務所を移転させたのだ やはり昨今の不景気は芸能事務所も直撃していて、節約出来る部位は削り経費削減しなければ、近い将来青色吐息となるのは確実だった 多分 烈はそんな君島と四方の星を詠みアドバイスをしたのだろう そして四方は菩提寺近くの家族向けマンションの一室をローンを組んで購入した 家族は静かで長閑な環境に大喜びだった 子供は菩提寺の道場に通い鍛錬の日々となった 四方も道場へ君島と共に通い、己を鍛える日々を送っていた 君島も菩提寺の体育館上のマンションへ引っ越して来て瀬能や愛染と仲よく鍛錬し、楽しく過ごしていてる事でモチベーションが上がりやる気に満ちて事務所を自分の想いに近付け経営していた 今回スキー場に誘って貰えると謂う事で家の中のお酒総て持参で参加を決めたのだった そして迎える三連休前日の金曜日 烈達は神威にバスを運転させ朝早くからスキー場に向かった 前日には唐沢から連絡があり 『金曜日から宿舎に泊まるんだよな! 鍵とか維弦が持って金曜日の朝には行かせてるから大丈夫だ! そして維弦は月曜日にお前達が帰る時に、こっちに戻る事になる 謂わば護衛と部外者が入らねぇ為の監視も兼ねて行かせる!』 「有り難うね!唐ちゃん!」 『楽しんでくれ!』 唐沢からの楽しい時間の提供を有り難く受け取り大移動が始まった 朝から一生は爆弾おにぎりをせっせと作り支度する 烈は両親と悠太と瑛太と子供達、そして花山院、御影、英生、一陽、慎一、一生共に神威が運転するバスに乗り込んだ 買い物に出たい慎一の要望で、翔達と響 奏 京香と一希達は早めの出発となった リック・村上の運転するマイクロバスに乗り込み、烈のバスと時間差なく横浜を出発した 昼には四方の事務所のスタッフがバスを運転してやって来て神野、小鳥遊、柘植、須賀、相賀、そして君島と真矢と清四郎が乗り込み出発した 竜馬と【R&R】のメンバーはスタッフに運転させてマイクロバスで現地へ行く 隼人と洋子も乗せて車内は歌を歌いまくりと楽しい旅となった 聡一郎は笙家族と共に交通機関を使った旅へGOした 和真 和希 永遠 北斗 力哉は気紛れな聡一郎に手を焼きつつも何とか現地へと向かった 兵藤達は神宮寺の家からバスが用意され、兵藤一家と紗理奈と玲香と清隆はその車に乗り現地への旅となった 無論スキー場へ行くとの情報を掴んた阿賀屋は鷹司と共に現地で待ち構えていた 紫園は生憎と3月末までは不在で参加は出来なかった 烈が宿泊施設に到着すると既に待ち構えていたから、一体何時からいたのよ?と烈はボヤいた 維弦も待ち構えていて、烈が到着すると鍵を開けて皆を部屋の中へ案内した 維弦は「この保養施設は100人収容出来る施設ですので俺も三連休はいるので、ご飯は食べさせて下さいね!」と謂う 「悪かったわね維弦! ご飯は好きなだけ食べなさいよ! 維弦の2万は竜馬が払ってくれるから!」 「………自分で払います……」 「冗談よ!皆が来たら部屋割りするから荷物は大広間にでも入れて置きましょう!」 康太は「スキー場までめちゃくそ近いんだな!」とウキウキと謂う 維弦は「まぁバブル期に贅の限りを尽くした保養施設ですから!今じゃ到底無理です!」とボヤいた 康太は笑い「それもそうだわな!」と言った 榊原は食堂に行き備え付けの炊飯器にご飯を炊き始めた 備え付けの炊飯器は一升炊きのが5個あり、総ての炊飯器を使いお米を炊き始めた 慎一と一陽は汁物を作り始めた 飛鳥井から持参した寸胴鍋3個出して汁物を作り始めた 烈は維弦にも爆弾おにぎりを渡して、熱いお茶を淹れて食べ始めた 少し遅れて【R&R】のメンバーと竜馬と隼人と洋子が到着した 竜馬は途中のスーパーで買い物をして来ていた 朝と昼に良いだろうと、焼きそばとキャベツを大量に買い込んで来たのだった 榊原は「何故焼きそばですか?」と思わず呟いた 「フレディがやっぱ旅先では焼きそばだよな!と言い出したんだよ!」と答えた フレディは「焼き焼き焼きそば♪」と鼻歌を歌っていた イーサンは「彼は言い出したら聞かないし、お金も彼が出したんだよ!」と説明する 榊原は笑って「なら昼は焼きそばですね!」と言った 四方の事務所のスタッフの運転するバスに乗った者達が到着をした 兵藤一家と玲香達も到着して各部屋に荷物を置きに行くと食堂へやって来た 榊原は大量の焼きそばをホットプレートを使い作り始めた 一陽はキャベツと人参を切りまくり、慎一は肉をバラにして用意した 皆は焼きたての焼きそばを美味しく戴き、空腹を満たした 昼を過ぎた頃、やっと交通機関を使って聡一郎達も到着した 聡一郎は残ってる焼きそばを見てお皿に入れ食べ始めた 相当お腹が空いてるのか?ガツガツと食べていた これで全員が揃った事になる 昼を食べると近くのスキー場へ行き滑り、夕飯は鍋にする為に昼の内に材料切って鍋の中へ投入していたから夕方近くまで滑り倒した 維弦も楽しく滑りに行き監視兼休暇を楽しんでいた 夕飯は大広間にテーブルを置いて座布団を敷いて配膳をする 適当にテーブルに一つ大鉄鍋を置き、足らない分は宿泊施設の土鍋を使い用意した 飲兵衛連中は楽しげに宴会に突入して飲みまくっていた 真矢は「久し振りのスキーだから、やはり筋肉痛になりそうだわ」と楽しそう話す 美緒も「そうじゃな、運動してるつもりじゃが、普段使わぬ筋肉なのか? 寝る前にサロンパスは必要かもな………」と笑う 花山院は既に脹ら脛にサロンパスを流生に貼って貰っていた 翔がマッサージをしてやり、解れた所にサロンパスを貼る 四方は「運動不足か?楓雅?」と揶揄する 花山院は「放っておいて下さい!」と少し投げやりに言い、腰にもサロンパスを貼って貰っていた 流生はサロンパスを持ち 「ばぁちゃまにも貼る?」と聞く いやいや………孫にペタッとして貰うのは嬉しいが………それに甘えて良いのか? 心の葛藤………は、あるが、まぁ疲れ切った体にはそんな優しさが嬉しかったのだ 孫にサロンパスを貼って貰い嬉しそうに玲香は笑っていた ついでにクーとプーとルーとスーにも貼ってやる 烈は竜馬にマッサージして貰っていた 榊原と慎一、一陽、英生は頑張って夕飯を作っていた 一生や竜馬、君島、花山院はせっせと鍋をかき回したりして手伝っていた そして大鍋で煮込み皆で楽しい宴会は始まる スキーで疲れた体にアルコールが心地良く浸透して行くから、皆上機嫌になりお酒も進んていた 烈は部屋の隅の方で阿賀屋と鷹司と話していた 鷹司は「宗右衛門、花山院家の跡地は何にするつもりなのじゃ?」と問い掛けた 「決めてないわよ まぁ取り敢えず敷地内の穢れを祓って貰わなきゃ話にならないわ!」 「霞ヶ浦の旧安曇邸は解体工事が始まったのじゃろ?屋敷の中の調度品、骨董品は総て倉庫に運んだと聞いた 一部のモノは我等が引き受けたが、残りはどうするのか? 其れもどうするのか?兄者が気にしていた! 其れと元観世音家の調度品とか骨董品 今の家には持っては行かなかったのじゃろ?」 「あ~其れね、霞ヶ浦の調度品や骨董品は今は比叡山の山奥に置いてあるのよ! 彼岸に染まっていたそうでね、まぁ人の世にも魔界に付属する存在がいてね その者が手配してくれたから持って行ったのよ 元観世音家の調度品も然り、花山院家の調度品も然り、彼岸に染まって黒い闇をモヨモヨさせていたから仕方がないのよ アレは浄化しないと祓えないのよ しかも祓うには相当の力がなくては負けるから、聖地と呼ばれる地で少し浄化する必要があるのよ 総ては闇が弱まり彼岸から切れた状態にならないと緑道でも祓えないわ!」 「え?兄者でも無理だと申すのか?」 「緑道は鴻池の狗神に殺されそうになったじゃない、あの闇は其れ以上の力を秘めて闇に染まって彼岸に身を置いているから、幾ら力の強い術師でも手は出せないのよ!」 「其処まで………」 と鷹司は驚いていた 阿賀屋は「彼岸に身を置いたモノは人の魂を喰らい成長するからな、厄介な事この上ないから仕方がないか………」と呟いた 鷹司は「其れよりも八雲動物病院の建設始まったんだろ?」 「今は地下を掘っている所よ!」 「地下?何故に地下必要なのよ?」 「患畜さん達の入院施設も併用するとなると鳴き声がね、ネックになるのよ! 防音にも限度があるし………地下に作るしかないのよ!まぁ今度はかなり大きな建物になるからね 隣の薬局倉庫も潰して作るからね 収容の患畜も考えなきゃならなかったのよ」 「あ~騒音妨害で訴えられるレベルだからな!」 阿賀屋は納得した 鷹司は「兄者が宗右衛門がこれ以上資産を整理しなくても良い様に全面協力して行くと言ってた 横浜に還ったら菩提寺に伺うと言ってた!」と伝言を伝えた 「そう、ならば時間を作るとするわ!」 其処で雑談は終わらせ後は友の為に!と乾杯して飲みまくった 外は寒くとも、此処は暖かく楽しい団欒の時間となって笑い声が部屋に響いていた 朝早く 榊原達は朝を作っていた 皆も出来る事は手伝い、皆で快適な休暇を楽しむべく協力しあい過ごしていた 保養施設にはスープを温めるファミレスとかで見かける保温容器が備え付けられていて、夜の内に作ったスープが入れられていた 榊原は「この保温器、飛鳥井でも欲しいですね!」と謂うと烈は瞳を輝かせ 「何時でも熱々のスープ飲めるのね! 何処で手に入るか?調べてみるわ!」 と言い竜馬や【R&R】のメンバーの元へ行き調べてみた スープはポカポカの保温容器に入れられ、パンをトレーに並べ乾燥を防ぐビニールを被せ、和食用におにぎりを沢山作り朝の準備は完了した 皆、テーブルを拭いたりして準備を終えると、其々に好きなモノをトレーに入れて朝を食べていた そして食器を洗い片付けると、ゲレンデに向かう 皆好き好きにスキーを楽しみ満喫していた 【R&R】のメンバーも滑りまくり楽しんでいた 久し振りの楽しい時間となった 玲香と美緒はスキー焼けを気にして、日焼け止めを持参して来ていた 真矢も京香もバックから日焼けを出して 「「「「焼けますものね!」」」」と謂う 女性は雪焼けを危惧して、確り雪焼け止めを持参していた そして日中はゲレンデで楽しく滑り過ごす 響と奏と烈は宿泊施設の前に大きな雪だるまを作っていた 午後からは滑りまくった神威がソリを借りて、響と奏と一希を抱っこした翔を乗せて滑っていた 雪に響も奏もキャッキャッと楽しんでいた 瑛太も我が子とスキーを楽しみ滑っていた 笙も美智留と匠と共に滑っていた 明日菜は結子と共に低い方で遊びつつスキーを楽しんでいた 明日菜は響達と楽しんでる烈に 「私達家族も同行させて下って本当に有り難う御座いました!」と礼を口にした 「たまには皆でこうして来るのも良いでしょ?」 「はい!美智留も匠も結子も嬉しそうです!」 「会社は移転したら、死線を越えて逝かなきゃならない現実に直面するから気を引き締めてくれればボクへのお返しになるから大丈夫よ!」 「そんなの乗り越えてやりますよ!」 明日菜は笑った あれから会社の社員達とも軋轢もなくなり、社員の声を吸い上げようと現場にも社内にも積極的に顔を出していた 明日菜なりの試行錯誤を続け、秘書であろうとしているのだ 烈は笑って「頼もしい限りね!」と言った 結子は柚に滅多と近寄らない 柚も滅多と結子には近寄らない 柚は烈にベタッと引っ付きレイと烈の取り合いをしていた 「ほらほら響と奏と共にソリに乗っておいでよ!」と送り出す 京香が一滑りして柚の傍へ行くと、柚は京香と共に響と奏の面倒を見ていた 烈は結子に「柚は嫌い?」と問い掛けた 結子は「嫌いじゃない………でも近寄れない……弾かれるから………」と言葉にした 「あ~柚は曾祖母の生まれ変わりだから力が強いからね仕方ないか……… でもコントロール出来る様になったら、きっと仲よくなれるわ!後少し待ってあげてね!」と謂うと結子はコクッと頷いた 明日菜は「曾祖母の生まれ変わりであられましたか………そりゃ近寄れませんね!」と苦笑した 「匠も生まれ変わりじゃない あら?そう言えば御子柴も緑道と謂うのよね? 此れは何かの繋がりあるのかしら? 御子柴緑道、鷹司緑道 同じ名を持つ意味………今度会うから聞いてみなきゃね!」 明日菜は「繋がりがありましたら匠にも教えてあげて下さい!」と笑って言った 「解ったわ! 其れよりも明日菜も滑っておいでよ!」 「え?良いんですか?」 「良いわよ!ママは宿泊施設に戻るから、結子も戻すから気にせずに滑っておいでよ!」 京香は「あ~またサロンパス貼らねばならぬな!」とボヤき結子の手を繋ぎ、柚と共に宿泊施設へと戻った 烈は竜馬が呼びに来て、一緒に滑りまくった クー達は宿泊施設の裏山で滑っていた 目立つから人目を偲ぶなら、其処は内閣調査室のモノで一般人は立ち入れないから大丈夫だと言われ、安心して猫の姿のまま滑っていたのだった だが険しいから上級者しか滑れないから、皆はスキー場へ行っていた 雪まみれになってクー達が滑っていて、一陽は 「寒くないのか?」と心配して傍にいてやる 「イオ、楽しいぞ!」 クーは楽しそうに言う スーは「わいは寒いから帰って茶でも飲むとするわ!」とジジ臭い発言をする ルーはスノボを高難易度のジャンプで滑りまくり楽しんでいた 烈が帰って来るとクー達はスキーを終えて風呂場へと向かうのだった 体を流して温泉に浸かる 冷えた体には心地良い温かさだった

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