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第77話 艱難辛苦 ❸

その夜 兄達によるプレゼンがあった 食事を終えた家族を客間に集め、三連休は京都だと話した 翔は「今度の旅行は紫園による計らいなので家族のみとなります! GWには沖縄へ行くので、その時は皆を誘って行く事は決定しています!」と話した 大空が詳しい詳細を事細かく話す 一点の漏れもなくキッチリと説明した こんな所は本当に榊原に酷似していた 家族は京都旅行の予定を楽しく受け止めた 清隆は「紫園は家族思いな子ですね!」と話す 花山院も「ならば俺も今度は旅行の計画立ててみるさ!」と謂う 清隆は花山院の頭を撫で「楓雅も家族思いの子です!」と言葉にする 花山院は嬉しそうに笑っていた モップの子供は5匹 飛鳥井の家で暮らしている 美緒が一匹欲しいと言うから近々、花山院の許可を得て里子に出すのは決まっていた 平穏な日常が戻って来て三連休を待つだけとなった が、天気は連日雨で憂鬱な空気が漂っていた 「三連休雨かしら?」 と烈が呟く程に連日雨ばかりのお天気だった 兄達はせっせと、てるてる坊主を作って晴れを願った 「これで晴れるわね!」と流生が笑顔で言う 烈は「晴れてくれればいいけど、晴れなきゃ首切られちゃうわよ!」とボヤいた 音弥は「てるてる坊主の歌だよね 3番のもしも曇って泣いてたら そなたの首を チョンと切るぞ、だっけ?」と烈の呟きに付け加えた 「そうよ、てるてる坊主を逆さに吊るすと、ふれふれ坊主になるのよ! そして願いが叶うまでは顔は描かない、ってのも一事は流行ったけど、其れは呪い的な事になるから避けるべきとされてるのよね!」 流生は「流石生き字引!」と感心した 「春は長雨に悩まされるのよね! こんなに雨ばかりだと土砂災害とかのニュース増えるかもね…………地盤が緩むわ………」 大空は「烈、今は楽しい京都へ向けての時間だから………そんな物騒な事は駄目だよ!」と言う 「それもそうね………京都に行ったら何処に観光に行く?皆はもう決めた?」 烈が聞くと大空はガイドブックを出して 「目星は着けてあるんだよ!」 とグルメな大空はチェックを怠らない 何処へ行こうか?と兄弟は話し合い盛り上がった そして迎える三連休は雨だった てるてる坊主の効果は案外無いかも知れない…… 京都へ出掛ける当日の朝、神威がバスでやって来て、飛鳥井に住んでる【家族】で京都へ出向いた 天気は悪いが皆でのお出かけに家族は上機嫌だった 紫園は飛鳥井の家族の為に、興行主の計らいで旅館を貸し切り、京都の街を楽しんで貰おうとかなりの準備を重ね家族を迎え入れた 興行主のご厚意で宿泊の旅館と宿泊中の食事は提供される事になっていた が、グルメな家族は銘店に行く気満々で、京都のガイドブックを片手に回って、美味しそうな料理【飲兵衛はツマミ】を買っていた お天気は曇りか雨ばかりのだったが、其れでも家族は京都の街を満喫していた 烈は公共交通機関を使いバスに乗り「大原」まで出向き京都大原三千院へ出向き神社仏閣や庭園散策し、昼は料亭で食べてバスを乗り継いで帰宅した 京都へ行くなら大原と決めていた烈は阿弥陀如来の仏像が見られて満足だった 夜になると紫園の能が始まり皆で観に向かった 清水の舞台での奉納の能は、それは見事に美しく感嘆の息を漏らす程の舞台だった 呑兵衛達は昼間は大阪へ出向いて美味しいモノを買って、夜はそれをツマミに飲みまくり 何処でも変わりなく呑兵衛は宴会に突入させていた 紫園は飛鳥井の家族が観に来てくれてるから、それはそれは頑張って舞っていた 京都の街を歩き、茶屋の長椅子に腰掛け茶を飲む おなごは甘味処へ行き、甘い物談義に花を咲かせ 「こんなに美味しいのが悪いのじゃ!」 と、美味しさに釣られ食べしまう現実に嘆いた ウエストのサイズも気になるし体重も気になるではないか!とボヤいて食べていた 流生は一生と聡一郎とで嵐山へ出向いていた フラワーパーク嵐山で綺麗な花々を写メして、満足の1日となった 烈は香の店に行き匂い袋を買っていた 【R&R】のメンバーや流生を抜いた兄達も匂い袋を買ってご満悦だった 花山院は御影と英生と一陽と慎一と共に市場へ出向き京料理に使われる野菜を吟味していた 市場には関東では見掛けない野菜が並んていた 花山院は「この野菜送って貰うのは無理かな?」と聞いた おばちゃん達は「送料いるけどクール便で送りはります?」聞くと 花山院は「はい!お願いします!」とお願いした 途中で康太と榊原が合流し、花山院が買った京野菜を見て「京料理を食べ尽くして作ってみせますとも!」と燃えていた 発送の手配をして、再び買い物を続ける 慎一は本場の白出汁に惹かれて、白出汁を1ダース購入し飛鳥井へ発送した 英生は「烈の好きな大根を!」と形の違う大根を買ってクール便で送る事にした 皆 買い物を楽しみ旅館へと戻った 紫園は飛鳥井の家族が楽しそうに買い物に行ったり過ごしているのを見て安堵していた 気晴らしに誘ったが、怪我してる烈はまだ頭の包帯は取れてなかったからだ 肉を抉られ頭蓋骨を傷付ける程の威力でナイフは掠めて行ったと言うから、中々治らなくても納得だった 其れでも烈も竜馬もメンバー達と観光を楽しみお土産を沢山買い、飛鳥井へ宅配でお届けする程に買い込み楽しんでる姿を見れば、京都へ誘って良かったと思えた 阿賀屋と鷹司も来ていて修学旅行ぶりな京都を堪能していた 「烈よ、茶を奢れ!」と言うから茶を奢って 「子供のボクに奢らせる?普通?」とボヤいていた 阿賀屋は笑って「まぁ気にするな!」と謂う 鷹司は「宗右衛門が大人ならば茶屋に行き芸子でも呼ぶのじゃがな!」と残念がった 「ボクは大人になっても芸子は呼ばわないわよ! そんなお金出したくないわよ!」 「宗右衛門は昔からケチじゃからな! 今はそんな接待もないし、仕方ないのぉ〜」 「梨沙子にチクるわよ! 獅童が芸子と遊びたがっていたわよ!って!」 「其れは辞めてくれ!梨沙子しか愛せぬし浮気などする気もないのじゃから!」 妻一筋、一目惚れして愛して愛して愛し抜いた妻だった 「大切にしなさいよ! あんな面倒臭い家に嫁いでくれた人なんだから! 家が面倒で結婚もしたくないって言われて、別れた奴もいるんだから!」 阿賀屋は面倒臭い家と聞き、ふと頭を過る存在を思い浮かべ 「維弦は立ち直ったのか?」と問い掛けた 「覚悟はしてたみたいたから、平気な顔はしてるわよ! でも今は一人の部屋にいさせたくなくて、菩提寺の独身寮の方で暮らさせてるわよ!」 「菩提寺なら神威の被害者じゃねぇかよ!」 阿賀屋はボヤいた 「まぁ一人で泣いてるよりマシよ!」 「そりゃそうだな! 其れよりも宗右衛門、俺も玲香達が絶賛していた茶処へ行きたいぞ!」 メンバー達も「チャヤ!」と喜び甘味処へ向かう 大人数でお仕掛けたにも関わらず、店は今は空いてるのでどうぞ!と受け入れてくれた 甘味処のメニューを目にして、其々が食べたいのを注文する 甘味処で腹一杯食べた奴等は 「もう甘いのは入らん!」と告げた 烈は竜馬に「ボクのカードで支払っておいてね!」と謂う 「了解っす!」と言い精算に行き店を出た その後もあっちこっちで観光を楽しみ旅館へと戻り宴会に突入していた 烈は「京都でも飛鳥井でも飲むしかないなら、場所は変わらなくても大丈夫じゃないのさ!」とボヤいた 榊原が「まぁまぁ義母さん達が喜んでるので良しとしましょう!」と執り成した 「それもそうね、傘で歩く京都もまた乙なモノだったしね!」 雨もまた、京都の街並みに溶け込み観光の持ち味を醸し出していたのだ 旅館の貸してくれる番傘で歩くのもまた乙なモノだった 烈はメンバーに「紫園が京都を奢ってくれたから、ボク達は最終公演で行われる舞台の演出をするから!」と伝えた ヘンリーが「何日位の舞台になるのさ!」と問い掛けた 「最終公演のラストを彩るつもりだから1日限定よ!」 「了解!公園の場所と日程は決まってるの?」 「ええ、もう決まってるわ! 残すは最終公演のみとなるからね!」 フレディは「ならば最高の舞台を整えないとね!」とやる気に満ちた瞳で言った メンバーは盛り上がり【最高の舞台】の演出を還ったら構成を練らねば!と燃えていた こうして三連休は京都の街を楽しみ、各々目的地に向かい楽しみ、京都を満喫して終わった 三連休が終わり飛鳥井の家に戻ると、帰宅する日に期日指定で発送した京都からの宅配が、次々に届けられ、あっという間に家の中は段ボールの山が出来上がってしまっていた どんだけ買ったのよ………と、その段ボールの山を見て家族は苦笑した そしてまた日常に戻った 春の長雨は今年はかなりしつこく………晴れ間は中々なかった 長雨による被害は各地で起こっていた 連日ニュースでは被害を伝えていた 3月だと謂うのに雪が降ったり、雹が降ったり異常気象だと騒がれていた 飛鳥井建設では長雨に現場の遅れが出て、社員を上げて対策に動いていた 連日連夜 対策会議をして現場を飛び回り、泥のように疲れて寝るの繰り返しだった 桜もちらほらと咲き始め、飛鳥井の家は花見をせねば!と話している 幸せな光景が続いていたある日 早朝と謂う早い時間なのに、康太の携帯がけたたましく鳴り響いた 電話に出ると白馬のホテルの総支配人である朝倉が、慌てた声で康太に連絡を取って来たのたった 『康太!大変です! 白馬で大規模土砂災害がありました! 幼稚園は土石流に飲み込まれ全壊です! 幸いな事に早朝との事で園児達は被害には遭ってない事だけか救いですが、どうしたら良いですか?』 「飛鳥井の明日は今 宗右衛門が敷いている! 必要ならば残すだろうし、不要ならば閉鎖するだろう!宗右衛門にお伺いを立てて動くしかねぇ!」 『…………幼稚園の隣に家を建てて住んでいた……… 飛鳥井悟、城之内聖 そして養子の透も被害に遭い………今救助をしてますが………土石流に飲み込まれ………幼稚園の在った辺りは跡形も無く姿を消しました 近隣の住宅も巻き込まれ、被害が拡大しているとの事です! 今 救助要請が入ってますが、未だに地響きしている為に二次災害が起こる可能性もあり困難を極めています! ………地形が変わる……それ程の土石流です!』 と取り急ぎの電話で報告を入れる……… 康太は思いもよらぬ現実を告げられ………唖然となった 「白馬のホテルも被害が出てるのか? ならば宿泊客を避難させねぇとならねぇだろ!」 『ホテルは宗右衛門が引き直した結界のお陰で無傷でした……… 2月の末に烈は飛鳥井神威氏と共にやって来て結界を引き直したり、いざと謂う時の対策を立てられてマニュアルを作成したりと、連日動いてらっしゃった 多分 その御蔭で今回 我等の地は無傷でした 幼稚園付近の家は軒並み………土砂に飲み込まれて生存不明です! 我等のホテルの方へも救助の依頼が来たので、社員の者を捜索隊に向かわせてます!」』 「出来る限りの協力はしてやってくれ!」 『了解しました! 宗右衛門の方へは真贋の方から連絡なさいますが?』 「もう知ってて動いてるだろう………それが宗右衛門の死命だからな! 一族の者の死に対して誰よりも早く動かれ、道を示す!それが飛鳥井宗右衛門であられる!」 『では私の方も被害状況を確かめて、ホテルの方で出来る協力をせねばなりませんので、この辺で!』 と言い朝倉は電話を切った 「せっかく幸せに生活してたのに………」 康太は悔しくて堪らなかった 榊原は康太を抱き締めた 漏れ聞こえる声で大体の話は察していた 「康太………」 「菩提寺の住職の家族と、一族の者のもいる! 宗右衛門が出られるであろうから………オレは何も出来やしねぇよ……」 「烈はまだケガも癒えてはいません………」 「だけどそれが宗右衛門の死命だから……仕方ねぇよ!」 榊原は言葉もなかった PCが緊急アラートを告げて赤く光り始めた 時を同じくして何事か?と榊原はPCを開いて立ち上げた 【 次代総代 飛鳥井流生が告げる 直ちに右の者は菩提寺へ参られよ! 飛鳥井志津子 義泰 譲 城之内優 水萌  飛鳥井家 宗右衛門がお呼びである!】 榊原は「次代総代 流生が動きましたか……… 宗右衛門が何かする気ですかね?」と問い掛けた 「それが宗右衛門の死命だかんな………仕方がねぇよ!宗右衛門は一族の規律を守り一族を導く存在だかんな!」 「我等は………どうします?」 【尚 飛鳥井家真贋は見届け立ち会われます様に!】 康太はそれを指差し「呼ばれてるやんか!」と苦笑した 「抜かりなくなりましたね流生は!」 康太と榊原は身を清め黒のスーツに着替えた 菩提寺に行くと本堂に通された 本堂では呼び出された者達が言葉もなく座っていた 流生が「今 宗右衛門は不在です!戻り次第お話がありますので待機して下さい! 宗右衛門は今…………死者の魂の捜索に出向いておられます!」と告げた 康太が「死者の魂の捜索………そんなに被害状況は混迷を極めているのかよ!」と叫んだ 次代の真贋は「そうです!ですが宗右衛門は『飛鳥井の血が必ずや儂の言葉に反応するじゃろう!』と出向かれました!」と言いPCをテレビに繋ぎ白馬の現状を皆に伝えた 志津子は顔色一つ変える事なく凛と座り 「倅の譲は総合病院から医者の派遣を頼んだなら来ると申しておりました!」と久遠の不在を伝えた 緊急アラートは機械音痴な久遠の所へは入らなかったから、志津子が連絡を入れたのだった 久遠から『直ぐには行けないので、総合病院から変わりの医者の派遣を頼むので少し遅れるとお伝え下さい!』と言付かり伝えた TVの画面には白馬の被災地が映り出されていた 元幼稚園の在った地は総て削り取られ……跡形も抉り取られ押し流され、家々も道路もなくなくなっていた 地形を変える程の大災害だとニュースは告げていた 康太も榊原は顔色一つ変える事なく凛と姿勢を正し 「宗右衛門が参るまでは………此処で待機して下さい!」と告げた 沈黙が本堂を包み込む 言葉なんかなかった 無事を祈ろうにも現状はあまりにも残酷で………… 可能性を根こそぎ奪い取っていた 翔は「一族の者の星が赤く点滅していると気付き、調べたら飛鳥井悟 城之内星 そして倅の透の命が危機に直面しているのだと占い即座に動かれました! 多分 土石流が起こっる前には動かれています!ニュースに上がる前に宗右衛門は我等兄弟に後を託し、姿を消された……… 我等は何か起こったのか? 解らずにいたが、後にニュースで知る事となりました!」と此処へ至るまでの経緯を話した 康太は天を見上げて 「あぁ一族の星の異変か………其れは宗右衛門だけが把握出来る領域の話となるな………」と呟いた その頃 烈は魔界から鬼達を呼び寄せて、城之内優、悟、透の魂を回収に来ていた 土石流で家が土砂に飲み込まれ何処に家があるかさえ解らない状態になってしまっていた 星が赤く危険を告げていたから、神の道を通り向かった が、一歩遅く目の前では土石流が物凄い勢いで全てを飲み込み木々を押し倒して流れて行ってしまっていた 救助しようにも土石流の勢いが凄過ぎて、近寄る事も叶わなくて、遺体が何処にあるかも解らないでいた 「此処まで跡形もないと………掘り起こすレベルでもないわね………」 土石流の中から掘り起こす為に鬼ちゃん達に来て貰ってるのに……… 掘り起こそうにも、無闇矢鱈に掘り起こしても見付かるものでもなくて……… 現状を目撃して烈は言葉もなかった 鬼ちゃんも「これじゃ何処らへん掘ったら良いのかさえ解らぬな……」と途方に暮れていた 烈は魔界で発掘した魔力を秘めた水晶をペンデュラム(振り子)の形に磨き上げ鎖で吊るしたのを取り出すと 「城之内聖 悟 透の魂を此処へ知らせろ! 飛鳥井悟よ、飛鳥井の血を呼び起こし此処に共鳴させるがよい!」 と謂うとペンデュラムは静止したまま止まっていたが、物凄いスピードで指し示し始めた ペンデュラムの指し示す方へ鬼達と共に向かう 足場が悪く烈は何度も転び滑り落ちそうになった 其れもその筈、土石流が抉った後を辿って行っているのだ 道なんて既にない足場の悪い道なき道を行くしかないのだ 土石流は何もかもの見込み土の中は何かあるのかさえ解らない状況だった ツルツルと滑って飛び出てる根っこに捕まると、その根っこは意図も容易く倒れて来て、本当に命が幾つ有っても足らない状況だった 泥の中に紛れ込んでる瓦礫で怪我をしても、折れた木の破片が突き刺さったとしても烈は止まる事なく歩いた 土石流と共に流される所を鬼達に助けられ何とかペンデュラムの指し示す方へと向かう その頃には皆 泥だらけで、烈は包帯も泥で汚れてしまいあっちこっち怪我をしまくり血を流していた が、そんな事など気にしてはいられず、必死に指し示す方へと遅れを取らずに走り続けた ペンデュラムは一点を指し示し動きを止めた かなり下の方まで押し流されていたのが解る 白馬の幼稚園は広大な敷地をふんだんに活用して作られた未来育成型幼稚園だった 個々の個性を伸ばし特質した才能を育てるのではなく、子供の頃から努力を積み重ね成し得る功績を教える為の幼稚園だった 実際 この幼稚園から基礎を叩き込まれた生徒はかなりの成績を叩き出し注目されていた 広大な敷地は山の中腹を削り地形を利用した作りとなっていた その地が土石流で押し流されて崩壊する………と謂う可能性は極めて低い筈だった その場には地龍もいた 「どう?ちぃちゃん、何者かの悪意による土砂災害だったのかしら?」 地龍は土に潜り何者かの痕跡を探した 「だね、長い年月をかけて土砂災害が起きる様に亀裂を入れられていたよ! 地脈に古い傷が遺っていた! そしてこの長雨………異常気象は神ならばある程度は操作が出来る……… 炎帝の関係者をまた一人消してやり……って感じでダメージ与える為にやられていたのは間違いないね!」 「ちぃちゃん、あの子達の遺体は?」 「回収して来たよ かなり奥深くに飲み込まれてて、あれじゃ捜索隊が来て土砂を掘り起こしても見つからない程奥に飲みれていたよ! 上まで引き上げても良かったけど、何が埋まってるか解らないから、掘り出す作業は鬼ちゃん達に任せた! だから鬼ちゃん達が泥を掻き分け掘り起こしてくれている!」 「悪かったわね……ちぃちゃん 菩提寺へ行ったらお風呂用意させるわ!」 「烈だって泥だらけじゃないか! 烈には返し切れない恩があるんだもん 俺は此の命に変えても烈の願いは叶えてあげると明彩と共に決めているんだよ!」 「恩なんて感じなくて良いのよ! 二人が幸せでいてくれれば、ボクは安心なんだから!」 「烈………」 「辛い役目をお願いしてごめんね! でもボクは遺体さえない葬儀はあげたくなかったのよ………遺体がないと志津子の思いもケリが着けられないからね…………」 「………親ならば……どんな姿になろうとも我が子の姿は………知っておきたいと思うからね………』 「ちぃちゃん………」 こんな優しい地龍から炎帝は虹龍を、そして烈は響と奏を取り上げたのだ 我が子を取り上げのだ 「ごめんね、ちぃちゃん ちぃちゃんは親として………我が子の傍にいたかった筈なのに……」 「虹龍が今はいてくれるよ! そして響と奏も菩提寺で逢ってくれるからね 俺はこの上ない幸せだと明彩と話しているよ! 月に何度かは菩提寺へ行ける環境を作ってくれた烈には感謝しても足らないよ!」 「其れでも我が子の傍には居たいわよね………」 「我が子に親だと名乗って良い………其れだけで俺は幸せだよ!烈………烈には感謝こそすれ、恨んでなんかいないよ! 本当に明彩を生かしてくれて有り難う そして今の穏やかな生活をくれて本当に有り難う 明彩は食堂で働く様になったよ 雪ちゃんや食堂のおばちゃん達が優しいの!と言って幸せそうなんだよ! 本当にあの日に黄泉の旅路に出なくて良かったと思っているよ………」 「もう二度と誰にも明彩もちぃちゃんも虐めさせないわ!」 「烈………有り難う! 其れよりも此の人達どうするの?」 烈は呪文を唱え始めた そして小瓶をサコッシュから取り出すと、3人の身体から魂を抜き取り小瓶に入れた その作業をして小瓶をサコッシュにしまうと、携帯を取り出してた 「唐ちゃんに連絡して遺体を収容して返して貰い葬儀をあげるわ! そして菩提寺の墓に入れ供養するわ!」 と言い唐沢に電話を入れた 唐沢は『烈!用があって連絡しても何故に連絡が取れねぇんだよ! 総理も心配されてたぞ!』と文句を言う 「唐ちゃんボクは今 白馬なのよ!」 『白馬?…………あ、大規模土砂災害の現場へ行ったのか?確か飛鳥井の奴いたよな、其処に!』 「そう、遺体は土石流に飲み込まれ、発掘不可能な程に奥深くに飲まれていたのよ 其れを地龍を呼び出して回収して貰ったから、唐ちゃんが一旦司法解剖してから飛鳥井へ戻してよ ボクは魂さえ回収出来るならば遺体はその後で構わないから!」 『ならば直ぐに班の奴に遺体を回収に行かせる! 一応、書類書かねぇとならねぇんだよ! 人の生死に関わってるからな! 書類にはどう上げるかだが?』 「飛鳥井宗右衛門は一族の為ならば即座に駆け付け、遺体が埋まってるならば建築、施工、全ての職員を動員して回収すると決まっている! 飛鳥井の一族の為ならば飛鳥井宗右衛門は何としてでも完遂する!と書いておいてよ!」 『うし!なら其れで書類上げとくわ! 直ぐに行かせるから待ってろ!』 唐沢の電話を切り、向かわせてくれる隊員を待つ 暫く待つと真田班と西園寺班が救助隊のヘリコプターで駆け付けてくれた そして二人は烈の元へ降りると、地面に寝そべる遺体を目にして手を合わせた そして遺体を包み込みこみ吊るしてヘリコプターへ収容させる作業を必死に行ってくれた 真田班 班長は「司法解剖した後、何方に遺体をお返しすれば宜しいですか?」と問い掛けた 「飛鳥井家菩提寺へお願いします!」 真田は泥だけの烈を見て、泥だけの鬼達や地龍を見て 「君達が捜索したの?」と問い掛けた 「飛鳥井の一族の事は宗右衛門であるボクの務めだからね!」 「この地に………他にも被害に遭ってる人はいるけど………」 「其れは捜索隊に任せるわよ! ボクは飛鳥井の一族を導く死命の為に、一族の魂と遺体を回収に来ているだけであって、ボランティアで全ての人を救助に来た訳じゃないからね!そこんとこ履き違えないで貰えるかしら? まぁ飛鳥井施工は被災地にはボランティアで炊き出しとかに出向くけどね、それとこれは別な話なのよ!」 怒気を孕んだ声に西園寺維弦は慌てて 「烈君、遺体は確かに回収したよ!」と執り成した 上空に待機させてたヘリコプターに、遺体を回収させる 一体ずつ引き上げて回収した後、遺体を降ろしたらヘリコプターか維弦達を回収に来る予定になっていた 地龍が「他の遺体はこの先の麓に纏めて見付かる様にしたから、回収してあげて下さい! この距離で直線に地図で線を引いた先に眠っておられます」と言葉にした 真田はそれを聞き、即座に捜索隊に連絡を入れた 維弦は「下手な事を口にするな!死にたいのか!」と注意した 「あら?死にたいの?ならば即座に消してあげるわよ!」 その冷たい瞳を目にして真田は背筋に冷たい汗が流れて行くのを感じていた 「死にたくないです! 俺はまだまだ小童なので!」 「ならば覚えなさい口は災いのもとだって!」 「はい!肝に銘じておきます!」 その場にいた鬼達は「殺るか?」と謂う 聖神に言い掛かりを付ける奴等消し去ってやる! やけにイケメンな鬼達は普通に人と同じ服を着てるから、ホストに見えなくもなかった が、ムキムキで見るからに怖い系ではあるが…… 維弦は「烈命の鬼を怒らせたらあの世に行っても安泰じゃないからね!」と本当に辞めろ!と止める そして遺体を回収して迎えに来たヘリコプターに乗り去って行った 烈は鬼ちゃん達に「有り難うね!魔界へ戻ったら好きな野菜でもフルーツでもじぃさん言って貰ってね!伝えとくから!」と言うと鬼達は笑顔で 「烈の為ならば何処へでも行くから!」と言い帰って行った 烈は地龍に「取り敢えずお風呂に入りたいわね!あっちこっち痛いし……」と呟いた 泥に濡れて寒かったのだ 身も凍る程に寒さが身に堪えているのだ 地龍は「龍になるから乗って行くかい?」と問い掛けた が、地龍も大概怪我してるから烈は 「神の道で帰りましょう!」と言った 烈は地龍と共に神の道を開き菩提寺へと向かった 菩提寺に出ると本堂に面した方へと向かった 全面ガラス窓の本堂から中庭側が良く見えるのだ こんなドロドロの身体で本堂へは入れば、汚れてしまうのだ 「父ぉーさん!」と中庭に行き声をかけると榊原は直ぐに気付き窓を開けて烈のほうへと向かった 其処には…………泥と血に塗れた我が子がいた 「烈!着替えを用意させるので先にお風呂に入ってらっしゃい! 飛鳥井から服は持って越させます! そしてその横にいるのは我が弟地龍ですか? ならば地龍もお風呂に行きなさい! 赤いのの服でも持って越させます!」 「父ぉーさん、このサコッシュをお願いします 誰にも触れさせないで下さい!」 榊原は泥だけのサコッシュを受け取ると大切に胸に抱き 「解りました!誰にも触れさせませんので、君はお風呂に行きなさい! 唇が紫色ですよ!暖まって来なさい!」と優しく告げた 「はい、では少し待ってて下さい!」 榊原は泥だけのサコッシュの泥を拭いて落としていた 烈が職員用のお風呂へ行くと、康太は飛鳥井にいる一生に電話して烈と地龍の服を持って来る様に頼んでいた その時久遠も出来るならば連れて来て欲しい!と伝えた どの道遺族として来なければならないのだ ならば烈が怪我してるから手当てして貰いたいから絶対に連れて来い!と伝えた 一生は『着替えを持って久遠を拾って直ぐに行く!』と言い電話を切った 榊原は窓を閉めると菩提寺の敷地面積に結界を張って 「我が敷地に招いた者以外が入る事は赦さぬ!」と唱えた 城之内は「烈、浮いてるだけで体を洗わないから倅を行かせないと!」と竜之介に烈の体を洗いに行ってくれ!と頼んだ 竜之介は立ち上がると烈の元へと向かった 榊原は「我が子はお風呂は好きなのに、浮いてるだけだと皆が言うんですね!」とボヤいた 飛鳥井の家でも烈がお風呂場へ行くと「烈、洗って来ねぇと、アイツ浮いてるだけだからな!」と言いお風呂場へ行くのだ 康太は肩を震わせ笑っていた 志津子も「烈らしくて………力が抜けます………」と言い泣いた ずっと緊張して泣く事さえ出来ずにいたのだ 義泰は優しく志津子を抱き締めていた 暫くして一生が久遠を連れて着替えを持って菩提寺にやって来た その横には堂嶋正義と唐沢が一緒に付いてて来ていた 物々しい警備体制を敷かれており、榊原はそれを見て 「赤いのが招き入れてしまいましたか………君が一緒でなくばこの地に入るのは不可能な結界を張ったのに………」とボヤいた 「え!俺が悪いのかよ! 其れよりも俺は烈に着替えを持って行くとする! 烈が来たら久遠を連れて来たから傷の手当てもして貰うとする!」 と言い職員用の風呂場へ向かった その風呂場は道場の子達も使っても良く、銭湯並みに大きく鍛錬後の子達は風呂に入ってから帰っていた 「烈、着替えを持って来たぜ! 後 怪我してると聞いたから、久遠が怪我の様子を見に来てくれた!」と言い烈に声をかける 竜之介に洗って貰った烈が 「カズ有り難う!」と礼を言い風呂から出た その時地龍の姿を見て 「え?地龍?あぁ、着替え持って来たぜ!」と驚いていた 地龍はもう昔の顔でなかったから、最初は解らなかった 此処最近の地龍は本当の自分らしさを取り戻したのか? 我が一族の誰にも似てない顔をしていた 烈が天龍に似ていると謂うならば、その天龍とかの容姿に酷似しているのか? 一生は地龍に自分の着替えを渡すと、地龍は着替えた そして着替えが終わると烈は竜之介に 「竜ちゃん、有り難う!」と礼を言った 竜之介は「良いよ!其れよりも怪我に泥が入ってるかもだから先生にちゃんと診て貰うんだよ! 一生君、洗う先から血が出て止まらないから先生が来てるなら手当してもらって!」と心配して告げた 一生が「久遠も来てくれてるから後で診て貰うから大丈夫だ!」と謂うと竜之介はホッとした顔をした 泥だけの服は風呂場の横のランドリーにお金を入れて回す事にした 「カズ、百円入れてくれない?」 そう言われ一生は百円を小銭入れから取り出すと投入した 洗濯機がゴロゴロと音を立てて回りだし水を投入し始めると烈は 「多分泥は取れないだろうから捨てないと駄目かしら?」と悲しげに呟いた お気に入りのジャージだったのだ 一生が「今度お前の好きなの買ってやるから買いに行こうな!」と謂う 烈は嬉しそうに笑った 風呂から出て歩いていると、やはりお風呂で暖まった身体からは血行が良くなり血がポタポタと伝って垂れていた 一生は烈を抱き上げると本堂まで向かった そして久遠に「血が凄いから先に手当てを頼む!」と謂うと久遠は往診の鞄を開いて怪我の様子を見た あっちこっちから血が出ていた 木の先がまだ刺さったり瓦礫が残っていたり、久遠は烈の怪我の様子を見て 「病院に行かねぇとちゃんと消毒も出来ねぇよ! 何処へ行ったらこんなに怪我だらけになるんだよ!」とボヤいた 「土石流の中歩いたから泥だけだじゃなくてね、泥の中に瓦礫もガラスも木の枝も混じってるから刺さるし、滑るから擦りむけたり大変だったのよ 土砂災害が仕組まれてないか? ちぃちゃんも調べてくれたんだけど、ちぃちゃんも怪我させてしまったのよ!」 地龍は「俺は大丈夫だから!」と謂う 「飛鳥井悟 城之内星 息子の透の遺体は後日 司法解剖した後に菩提寺に返却されので、葬儀は遺体が戻った後、ボク 飛鳥井宗右衛門が見届け行う予定です! で、その前に魂は回収に行きました! 悔いなど遺さない様に、最期に遭われる様に連れて参りました!」 と謂うと榊原からサコッシュを渡して貰い 小瓶を取り出すと呪文を唱えた 途中、クラッと意識を失いそうになりがら何とか飛鳥井悟 城之内星 透の魂に姿を現界させた 久遠は烈の血を流しつづけている酷い怪我に、止血用テープを貼り止血した 言っても聞かないだろうから、止血して取り敢えずこれ以上の出血をさせなくした 志津子と義泰 久遠の目の前には悟が姿が現した そして城之内の目の前には星が、水萌の前には透が姿を現した 悟は『父さん、母さん………こんな不慮の災害で命を落としてしまい………申し訳ありませんでした 僕はずっと死にたがりだったクセに………… いざ土石流に飲み込まれ死ぬかも思った時…… 死にたくないと想いました 父さんや母さんに何一つ返してない 譲に何一つ返してない………』と言葉にした 志津子は「悟、私は貴方が生きていてくれさえすれば良かった…………生きててくれれば………それだけで………」と言葉を絞り出した 『ごめんね母さん……… でも宗右衛門の計らいで僕は最後の言葉を、こうして言える機会が持てました! 母さん 父さん 譲、僕は生きて来て良かったと思えます! 短い人生ではありましたが………悔いなどありません!』 義泰は「悟……悟……儂は良い父親ではなかった お前に対して………父ですらなかった 許してくれ………悟………」と泣きながら言葉にした 『父さん、貴方はさ残りの人生賭けて母さんを守ってよ! お二人が仲良くしてくれて、譲が幸せならば僕はこの世に生まれて良かったと思えます!』 義泰は言葉もなく倅を抱き締めた 志津子も倅を抱き締めた その横では星が兄にお別れを告げていた 『兄さん、今まで一杯苦しませてゴメンね これから年老いて恩返しする気でいたのに、兄さんよりも早く逝ってしまってゴメンね!』 城之内は「謝らなくて良い!俺はお前が幸せでいてくれたらそれだけで…………」と良い泣いた 「僕はさ、もう悔いなんかない程に幸せだったよ! 一つ悔いがあるならば、兄さんの事かな? 誰よりも幸せになってよ兄さん! それだけが僕の願いだから!」 城之内は弟を抱き締めた この世でただ一人の肉親だった………… その横で水萌も透を抱き締めていた 「母さん、僕は死したので徹の魂と融合して1つになろうと思っています! 徹、転生を果たしたのでしょう? ならば、それが一番納得の行く未来だと僕は信じています!」 「それで主は幸せなのか?」 「徹は………生まれて暫くして死したのでしょ? 僕は己の半身を失ったのを感じていた そして魂の欠片は再び転生を果たしたのを知った ならば僕は徹と一つになり、今後の人生を送りたい!僕等は一つの魂を分け合い生まれて来てしまった双子だから、転生してもその魂は半身を失ったままだから、僕は徹に還るよ 烈が何時か僕達が一つになれる日を夢見て着けてくれた名前があるから、僕達が一つになった後後は憂太に変更してくれるから、そしたら僕達を愛してよ! そして僕と徹がこの菩提寺を取り仕切る未来は間違いなく来るのだから!」 「透…………」 「僕を亡くしたと思わないで! 僕はもう一人の片割れの中で生きて行くから!」 「ならば今はこうして主を抱かせてくれ………」 「母さん…………」 各々 別れを惜しみ者達に烈は今後の事を口にする 「にーに達アレを!」 と謂うと兄達は大きなぬいぐるみを3体烈の前に置いた 「葬儀は僕が治療した後、司法解剖して遺体が戻って来たら執り行います! 葬儀には飛鳥井家真贋は出席はなさりません! 其れは次代も同じく、不参加となります! 何故ならば表の真贋は人の生死には関われはしない! 裏の宗右衛門は一族の生死に関与出来る仕来りにより、宗右衛門のみが生死を見届ける義務がある なので真贋は本当ならば今 この場にもいてはならぬのだけど、ボクが見届人と指名したので、見届けてくれています!」 烈は康太に深々と頭を下げ宗右衛門の声で 「真贋よ、世話を掛けたな! 悲しき親子の見届け人にさせてしまった……すまぬな!」と詫びた 康太は「嫌、見届け人にならねばオレはこの場に身を置けねぇ立場だから、見届けられて良かったと想いますよ!宗右衛門!」と言葉にした 「儂もそろそろ現界故、傷を治すまでは熊のぬいぐるみの中へ入れておく故、語り明かすがよい! じゃが本堂からは持ち出せぬ故、本堂へ会いに来られる様に!」 と言い気絶する様に倒れ込んだ 一生が慌てて抱き留めると久遠が 「一生!その怪我したお前の弟と烈を、そのまま病院に連れて行き治療をする!」と言った 烈は何とか気力を振り絞り、兄達に目配せした 兄達はコクッと頷いた 翔は「このクマの中に入れました魂を定着させるので少し別室へ行かさせて戴きます!」と言い別室へと移った 一生は久遠と共に烈と地龍を連れて行った 助手席に地龍を乗せて、後部座席に久遠と烈を乗せて飛鳥井記念病院へと急いだ 康太はその一部始終を見てニャッと笑った そして兄達が熊のぬいぐるみを持って来ると義泰と志津子に、城之内に、水萌に、其々にぬいぐるみを渡した 大空は「普段は本堂で座布団の上に座らせて置くので、烈が回復した後、魂は遺体と共に荼毘に付され黄泉の旅路へ旅立たされる事となります! その熊のぬいぐるみの中には飛鳥井悟、城之内星、城之内透の魂が入ってますので、話し掛けてもよいし………其々でお過ごし下さい!」と謂うと翔は立ち上がり 「其れでは話は以上となります! 葬儀は僕は出られませんので兄弟が宗右衛門の手足となり動いてくれるでしょう! では解散となります!」と言葉にした 康太は「ならばオレ等は会社に行くとするか!」と謂う 榊原は無言で立ち上がり本堂を出て行った その後に兄達が続いて退席した 堂嶋は康太の後を追い 「烈と話がしたかったが……またにします!」と言い帰って行った 唐沢も「俺も烈にはちゃんと話がしたかったんだよ!でも無理そうだから出直す! 其れと真田班の班長が失礼な態度を取ったとか? 彼奴等はまだひょっ子故許して貰おうと話をしに来たんだが、傷だらけの烈に言葉なんかなかったな!」とボヤいて帰って行った 康太と榊原は苦笑して唐沢を見送った 兄達は烈のお気に入りのサコッシュを手にして、泥で汚れてしまっている現状を口にした 流生は「烈のお気に入りのサコッシュ汚れちゃったね!」と謂う 音弥は「烈の泥で汚れたジャージは洗濯機の中かしら?」と言いランドリーへと走って行った すると洗い終えた洗濯機の中から、烈のジャージを見つけて取り出した 兄達は「帰ったら汚れを取るよ!」と謂う 榊原が「病院へ行きレイを回収に行って下さいね!」と謂うと、兄達はあ~そうなるよね!と納得した 康太と榊原は会社へと向かった 「取り敢えず朝もろくに食ってねぇかんな! 食堂に行き昼を食おうぜ!」 と康太が言うから二人は社員食堂へと向った 早朝 菩提寺に呼び出しをされて、等に昼なんか過ぎていた だから社員食堂は社員がちらほらといるだけだった 瀬能と愛染と城田が遅めの昼食を取りに来ると、康太の姿を見つけ話し掛けた 「あれ?社長と康太さん遅めの昼ですか?」 康太は「あぁ宗右衛門に呼び出されたからな、朝もろくに食わず出掛けていたんだよ! 宗右衛門の呼び出しは、何が何でも優先しねぇとならねぇからな!」と答えた 瀬能は「あれ?烈は一緒じゃないんですか?」と問い掛けた 榊原は「烈は多分入院となると想います!」と答えた 瀬能は顔色を変えて 「え!何があったんですか?」と聞いた 康太は白馬で起こった土砂災害の話をした 一族の者が巻き込まれ魂の回収に行き、土石流の中遺体をさがし魂を回収に行き怪我をした事を話した 瀬能は「烈の好きなの和華ちゃんに聞いて、ヘルシーなの買って見舞いに行きます!」と訴えた 「あぁ、退屈してるから顔を出してやってくれ! オレ等はまた遅れに遅れた工事の見直しをしねぇとならねぇから書類とにらめっこだ!」 愛染が「長雨の影響出ちゃってますからね 我等はどうしても天候に左右されてしまいますからね!」と言葉にした 城田は「そう言えば八雲動物病院が移転して、中に入っていた会社も出たから解体が始まりましたね 跡地の工事には宮瀬建設、南雲建設、飛鳥井建設が決定していて、三社から専門学校に相応しい製図を競合して選出すると言われてますね! この話は決定事項なのですか?」と問い掛けた 榊原が「ええ!決定事項で書類も上がって来ています! 施工主は宗右衛門事業団、宮瀬蓮司、南雲建設の3社からの共同出資で建てられるそうです!」と説明した 瀬能は「城田、烈を唸らせる製図を引いてくれよ!」と笑顔で言う 「コンセプト聞かねぇと引けねぇって!」 「烈が退院する頃、更地にされてるので、そしたら本格的なコンセプトを叩き出すと思います! 跡地には専門学校が建つそうです! スペシャリストを育てる専門学校になるそうです!」 「スペシャリストを育てる? その専門学校って何系なんですか?」 「建築に特化した専門学校になるそうです 宮瀬蓮司の父と宗右衛門と南雲詩とで、何時か建てよう!と誓った建物だそうです! それがやっとカタチになり始まるそうです!」 「専門学校か、烈がこの前『しろたんなら、専門学校を作るとしたら、どんな建物にしたいかしら?』と聞いて来たから話した事あるんだよな そうか、その下拵えだったんだな、あの会話は! 建築業界は常に人手不足だから、後継を育てないとならない!ってのは宗右衛門の持論だもんな」 愛染が「そう言えば飛鳥井建設の新社屋が完成したと聞きました! 施工に友達が入社したんで、今は内装に取り掛かってると聞きました!」と話す   康太が「七月に完成披露やる気で今、せっせと下拵えしてる所だ! 引っ越しはその前から始まる! 竜馬が取り仕切るから、5月になったら搬出の順番着けに来るんじゃねぇか?」と話す 城田は「何故竜馬さんが?」と不思議そうに聞く 「アイツは烈が叩き込んで来た存在だかんな! 表に出るまでは色んな仕事させて来てるんだよ! だから竜馬と貴史が来て引っ越しの指揮を執ると思うぜ!」 「そうか、凄いな! このビルは施工が入るんでしたね 施工のビルは飛鳥井内装工事株式会社が入るんですよね! 何時出来たんですか?その会社?」 「あぁ、烈は飛鳥井建設の支店がなくなったから、左遷や降格処分した後に配置する会社がないから幾つか作ったんだよ! 飛鳥井設備工業も烈が顧問になってる会社だぞ! 今 飛鳥井建設系列の会社は施工、設備、内装、どれもその道のプロをスカウトして運営している 内装はめちゃくそ厳しい奴が社長でな、その社長が現場に出て仕事してるんだよ! 飛鳥井清太郎、飛鳥井で秘書をしている奴等の弟だ!烈の駒になる!」 「え!彼等は五つ子でしたよね? 更に弟いるんですか?」 「兄も妹もいるし、弟もいるぜ! 祖父母も曾祖父母も健在で、飛鳥井不動産は五つ子の親が経営してる 宗右衛門が新しいビルを建てるたびに管理して、販売を一手に担ってるから飛鳥井建設とは切り離せない一族の者だ 菩提寺の近くのバカでかい屋敷あるだろ? 其処が彼奴等の家だ 家族総勢20人の大家族だ!」 「20人………それはまた………」 「因みに飛鳥井は今 総勢42人は常にいるぜ! 烈は皆を【家族】と呼んでるし、それとプラスして烈の腐れ縁も居着いているからな45人は常にいるって感じだな!」 「凄い………」 「イギリスとアメリカから来る奴等もいるからな そしたらもっと増える時もあんぜ! それプラス榊原の両親入れたらもっと凄くなるからな! この前 スキーに行ったんだけど総勢80名の大移動だったかんな!」 愛染は「それ規模が違いますよ!」とボヤいた 榊原は「まぁタダでは連れて行ってませんけどね!」と苦笑する 城田は「でしょうね、烈ですから対価はキッチリと取るでしょうね!」と納得した 康太は「まぁ皆 烈が言う金額を支払って気持ち良く参加してるから成り立つんだけどな!」と誰も文句なんか言わない現状に苦笑する 「この前の餅つき大会、かなり赤字叩き出したんじゃないんですか? なのに、烈はイベントを沢山計画して実現して行ってくれるので、社員達の活力になってますからね!」 「赤字かどうかは?オレは知らん! オレは関わってねぇからな!」 「6月に新社屋引っ越し記念祝いやるとか聞いたんですが?」 「それどこ情報よ?」 「社内報です!」 「あ~其れもオレは知らねぇよ! 烈が兄達使いやってるんだろ?」 瀬能が「今から楽しみです!」と嬉しそうに話す その顔に昔の様な翳りは一切なかった 話をして昼を終えて社長室に戻り、書類とにらめっこをする 康太は「宗右衛門に出て貰わねぇとならねぇ案件ばかりじゃねぇかよ!」とボヤいた 榊原は「…………帰りに病院へ寄りましょう!」と謂うしかなかった その頃の烈はオペ室にいた CTスキャンを通して瓦礫やカラスが残ってないかチェックを入れてから傷を確認 結構 木片やガラスや瓦礫が体内に残っていて、それを取り出すのにかなりの時間を要した 全身の傷に泥が入っていて、洗浄した後に縫って処置をせねばならなかった そして処置をした後、個室へ運び入れ入院させた 頭の傷の時に血を流し、今度もかなりの血が流れていたのだ 久遠は仕方なく見舞いに訪れていた太陽と大空から直接輸血をした レイが泣いて個室に飛んでいたから、兄達はレイの回収に来ていて、烈の様子を見に来ていたのだ 久遠は「烈と同じ血液型はいるか?」と問い掛けた 太陽が「僕は烈と同じです!」と謂うと 大空も「僕も烈と同じ血液型です!」と言った 二人は烈へと血を分けてやり、野菜ジュースを飲みつつ個室でレイを回収して、烈が戻るのを待った 暫くすると烈が運び込まれベッドへ移された 烈は点滴をされてベッドに寝ていた レイは烈の傍へと近寄り、手を握った 流生は「最近のレイは成長が凄いから、烈の隣で寝て良いよ………とは言えなくなっちゃったね」と残念がった 一生が手当てを終えた地龍を連れて病室へやって来ると、兄達がいて驚いていた 一生は「レイの回収か?」と問い掛けた 音弥は「そうだよ!其れよりもその人は?」と問い掛けた 「コイツは俺の弟の地龍だ! 烈と共に白馬に行き怪我していたから処置を受けていた コイツも烈同様に泥まみれな上に瓦礫やガラスで切れたり刺さったりしていたからな! さっきまで処置して貰っていたんだよ!」 流生は「ちぃちゃんは入院にならなくても大丈夫なの?」と問い掛けた ちぃちゃんと言えば菩提寺に住んでた虹の親だった 顔に絆創膏やガーゼ貼っていたから誰か解らなかったのだ 地龍は「俺は大人だし体力あるから、毎日消毒してある程度治るまでは菩提寺で暮らすから、また鍛錬のお相手お願いするね!」と謂う 兄達は笑顔で【はい!】と返事をした 其処へ久遠から病状を聞いて来た康太と榊原がやって来た 一生は「烈は入院か?」と問い掛けた 康太が「傷が引っ付くまでは退院させねぇからな!と言われたわ まだ正義庇って出来た傷も治っちゃいねえかんな 仕方がねぇ………こればっかりはな!」と謂う 榊原が「後で誰かに来て貰うとして、帰りますよ!」と謂う 兄達は名残惜しが、レイを連れて飛鳥井へ帰る事にした 皆が病室を出て行くと、入れ替わりで竜馬と兵藤が個室にやって来た 烈は目を開けて「悪かったわね!手は打ってくれたかしら?」と問い掛けた 兵藤は「あぁ、でも菩提寺はお前の結界の中なんだろ?安全じゃねぇのかよ?」と問い掛けた 「其れがね、安全とも言えないから用心を重ねないとならないのよ!」 「確証があるのか?」 「菩提寺の社員達には社員証なんて仰々しいのは持たせてはないけど、タイムカードをIDで翳す様にしてるのね で、最近の社員の一人が結構怪しい動きをしてると報告が上がって来てるのよ だから防犯カメラも四方八方に、取り付けて見逃しがある所は皆無なのと、城之内に式神を着けてあるのよ その式神のきゅーちゃんがね、体育館の裏で見たとか、納骨堂にいたとか社員ならば行かない場所にいると報告上がってるのよ」 「え?菩提寺の職員はARЯK警備保障の方から身元を保証された奴なんじゃ………」 「まぁ人と言う存在は日々変わるモノだから仕方ないわよ 365日全て安定してる日なんて送れる人間なんていないわよ!」 「まぁそれもそうだけどな!」 「で、兵藤きゅんは明日から会社に通ってボクの仕事上げて来てよ!」 「お前は寝てろよ!無理すると治るもんも治らねぇからな!」 「それと、今本堂は彼岸と繋いてあるから無闇矢鱈に入らない様にね!」 「え?義泰や志津子達は大丈夫なのかよ?」 「熊のぬいぐるみはダミーだから! 倅に会いたいなら神威に申し付けて崑崙山へ連れて行って貰えば良いのよ!」 「それ………城之内は知ってるのか?」 「多分神威に聞いてると思うわよ! 酔っ払って言い忘れてなきゃ伝わってるわ!」 「何時神威に渡したのよ?」 「にーに達が渡してると思うわ!」 其処まで徹底的にせねばならぬ事態なのだと実感する 烈はニャッと腹黒い笑いを浮かべると 「彼岸を超えて逝くならば、鬼ちゃん達が待ち構えているのよね!」 「あの鬼達はお前にしか優しくねぇやんか!」 「悪い人間を取り締まるんだもの、情け容赦なくても大丈夫なのよ!」 兵藤は何か言う事を辞めた 「其れよりも婚礼の準備は整っているのかしら?」 「え?まだ早くね?」 「招待状出して準備しないと間に合わないわよ 資金出たんでしょうね!」 「あぁ、正式な結婚準備金が出た 後 紗理奈のイギリスにあるパーティー用のドレスや貴金属は総て送られて来た この前のは極一部だったらしくて、クローゼットの中はパンパンだ!」 「あらその為の4階のスペースよ!」 「え?4階に置いても大丈夫なのか?」 「それは好きにしなさいよ! で、貴金属は貸金庫よ!」 「親父が即座に貸金庫へ持って行っていた」 「所で昭ちゃんの秘書は傍にいて大丈夫な奴と判定は出たのかしら?」

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