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第16話
「で、めちゃくちゃ嫉妬した…キララは沢山のやつとやってきたんだなぁって…けどそっち側はしたことないって言ったから何度も頭下げて頼み込んでこっちの初めてをくれたんだよ」
世羅さんは俺の尻を撫でながら息遣いを荒くしていた。
「ん…ちょ…世羅さん…だめだって…お医者さん言ってたでしょ?」
「…わかってるよ…安定期入るまではだめ…」
「入っても極力控えるようにだったでしょ?この子が無事生まれてくるまで我慢して?そんでそろそろ着替えてリビング行かないと…まだ…妊娠のこともこれからのことも話してないよ?」
「そうだな。ちょっと待っててくれ」
世羅さんはバタバタと着替えると俺を伴ってリビングに戻った
「あら。早かったわね。もっとかかるかと」
「我が子で何を想像しているんだ。親父は?」
「今着替えに行ったからすぐ戻るわよ…それより…もう着替えちゃったの?残念。そう思わない?キララくん」
「…思います」
「えっ!?」
驚いたのは世羅さんだ
「そうよねぇ?他にも色々と着せたい服があるんだけど…世羅なかなか着てくれなくて。我が子ながら着映えするのよねぇ。何着せても。だからついつい趣味がとどまるとこを知らなくて…世羅用の衣装部屋もあるの。一部屋ぜーんぶ世羅に着せたい色んな種類の服たちは今か今かと出番を待ってるのよ」
「いつか全部着て見せてくださいね?」
世羅さんに言うと彼は渋々頷いた。
「いつでも遊びに来てね?」
「はい。ありがとうございます」
そうこうしているうちにドタドタと大きな足音が聞こえた。
「悪い!お待たせ!」
現れたのは世羅さんだ…あ。違う。世羅さんによく似たお兄さん?
「世羅の父です。本当に…大きくなったねぇ。キララくん。あのときはありがとう。君のお陰で世羅は治療を頑張って今があるんだ。本当にありがとう!」
お父さんだったのか…双子の兄かと…それくらいよく似ててかっこよかった
「親父…ちょっと声量抑えてくれる?キララが驚いてるだろ?」
「あぁ!あぁ…すまない…」
「いえ。」
「取り敢えずお茶飲みましょう?」
お母さんがそう言って観音原家せいぞろい。こんだけ顔のいい人たちが揃うと圧巻だ。
「早速だけど。俺、キララと結婚する」
「そうか。そうか。やっとやっとお前の思いが届いたんだな!良かったなぁ!おめでとう!」
「ありがとう…あと…キララは…妊娠してる」
「おぉ!それはめでた…えっ!?キララくん女の子だったのか!?」
実家でも話したように丁寧に説明する。すると皆が複雑な表情をしていた。
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