5 / 7

ナツとは後どれくらい、一緒にいれるんだろうか……。 そう考えては胸が締め付けられる。 次の日、お見舞いに行くと、パァァっと明るい顔になる。 近くにはおばさんもいて、俺に会釈した。 「浩ちゃん!! 今度の日月に外泊していいって! 」 「お! マジで? んじゃ花火行けるな」 「やったぁ! すげー嬉しい」 「浩介くん」 おばさんが俺を呼んで、病室の外に出る。 「夏樹のために本当にありがとう。あの子があんなに喜んでるところなんて久々に見たわ」 「俺もあんな喜んでもらえてホント良かった」 「夏樹ね、落ち着いているように見えるけど、病状はけっこう進行してて、この外泊が最後だろうって。たぶん、病院に戻ればもう外泊や外出はできないとは思うって。さっき先生にはそう言われたの。夏樹には言ってないんだけどね」 「……そう、なんですか」 「だから、あの子のためにありがとう」 おばさんが泣きそうで、俺もつられて泣きそうになる。 けど、何とかそれを堪えて、おばさんに会釈してから病室へ戻った。 「なあ、花火ってどっからが一番良く見えるの? 」 「そーだな…神社近くの公園かな。神社だと祭りやってて人が多くて、ナツはキツイだろうから」 夏樹は楽しみだなと言いながらキラキラした目でポスターを眺める。

ともだちにシェアしよう!