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『愛賀、それは違う。お前も被害者だ。自分を責めるべきではない。それに、お前を害した者らは正当な法で裁かれた。だから、安心してくれ』 彼なりの笑みに似せた顔で言う。 そう言う通り、元婚姻相手は国外追放、そして共謀した方は執行猶予を下されたというニュースが連日報道されている。 雅の方は外に出歩いても会うことはまずないだろう。 問題は共謀した相手の方だ。 もしかしたらまた会う可能性もなくはない。 俊我。 ──愛賀、あのような所で働いている人間が愛されているとは思わない方がいい。 まさかの場所で再会した時、かつて愛していた相手が放った一言が急によみがえり、そして姫宮の心の傷を抉った。 彼は、雅と婚姻するために姫宮に大河を産ませたと言っていたが、大河にきちんとした躾をしていたし、何よりも大河が毎日飽きないのかと思うぐらいの姫宮のことを描いていたことから、あの言葉は真意だったのかと思うぐらいだった。 あの人の話題になる度にどこか信じようとするなんて、御月堂に失礼ではないか。 嘘の愛を口にしては、愛の結晶である子どもを産ませて、後は用済みだと愛しい我が子を取り上げた犯罪者のことは忘れて、大河のことも一生懸命愛そうとしてくれる人に心を向けないと。 風俗で働かされていた時の、自分の欲のために愛を囁く人達とも違う、不器用でありながら愛をくれようとする人を。

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