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「無事に帰ってこられた姫宮の姿を見られた途端に嬉しくて嬉しくて、話に夢中になってしまいましてでしてね⋯⋯」 「急に来れる時間ができて、来た私も少なからず非はあるが、それはただの言い訳だ。⋯⋯愛賀が自ら外に赴いたことで、いつになく心配になる気持ちは分からなくもないがな」 「いくら御月堂様が信頼寄せる護衛の方を付けたとしても、何があるか分かりませんし、心底安堵して他に考える余裕はないのですよ!」 「それとこれは話が別だ」 うっかりしてしまうところが袋田と同じだなと思いながら、御月堂も心配してくれていたことが嬉しくて、むず痒くて包みを抱き込んだ。 「いつまでもこんな話をしていても無駄だ」とため息を吐いた御月堂は再び姫宮の方を向いた。 「⋯⋯それで、私が頼んだ護衛は大丈夫だったか」 「はい。代理出産をしていた時と同じ方だったので。それに気さくな方でしたし」 「そうか。そんな偶然があったのか」 その偶然を姫宮は憶えていなかったが、それよりも彼のうっかりさで御月堂に何らかの危険が及んでいたことを知ってしまった。 あげる贈り物を抱える腕に力が入る。 「愛賀、何か浮かない顔をしているようだが、袋田のことで何かあったか?」 何かあったといえばあった。 だが、その気になることをましてや本人に訊くなんて無理に等しい。 開きかけた唇を引き結んだ後、改めて口を開いた。 「あ⋯⋯いえ、何もありません」 「そうか。⋯⋯だが、少しでも気になることがあったのなら遠慮なく言って欲しい。私が信頼している相手とはいえ、所詮人間だ。ふしだらな行動を起こさないとは断定できない。だからまたあの護衛に頼んだ際に何かあったら、真っ先に言ってくれ。すぐに対応する」 いつもと同じ、真面目くさりきっていて、されど真剣な眼差しで言ってくる。

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