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「⋯⋯大河、もしかして、ママ達がいることに気づかなかった⋯⋯?」
「たーちゃん、どうしたの? ぼくおえかきしなくてもいいよ?」と固まっている大河に一生懸命言う伶介を尻目に恐る恐ると訊ねる。
すると、バネのように大げさに飛び跳ねた。
その過度な反応に姫宮も少なからず驚いたのも束の間、広げていたハニワのおもちゃやぬいぐるみをかき集めた大河は、伶介の後ろに置いてはそれらに頭を突っ込んだ。
一体何なんだろう。何かいけないことでも言ってしまっただろうか。
大河の予測不可能な行動に呆気に取られていた姫宮は、「大河、ごめんね⋯⋯」とそばに寄り、謝ろうとした時、ぷっと吹き出す声が聞こえた。
聞こえた方へとっさに振り向くと、玲美が顔を覆っていた。よく見ると身体を震わせている。
急に具合が悪くなったのかと思い、「どうしたんですか?」と声を掛けた。
「もう、もう⋯⋯だめ⋯⋯っ」
「何が、ですか⋯⋯?」
「大河君の行動⋯⋯っ、可愛すぎて⋯⋯、笑っちゃ⋯⋯っ!」
震える声でようやく言った玲美は、声を抑えて笑った。
放心しそうになった。
具合が悪くなったわけではないようでひとまず安心したが、大河の行動にそんなにもツボに入ってしまうとは。
けれども、玲美が言ったことで大河の行動がよく分かった。
要するに恥ずかしがって伶介の後ろに隠れているつもりらしい。
御月堂が来た時は、監視するようにじっとこちらの様子を伺っているのに伶介と遊びに夢中になってしまうだなんて。
「大河さまー、それで隠れているつもりですかー?」
「たーちゃん、はずかしくないよ! だいすきっていってもらえて、ままうれしいとおもうよ!」
「頭隠して尻隠さずみたいですねー」と言いながら、小口は小馬鹿にするように笑いながら写真を撮っている傍ら、伶介は一生懸命励ましてくれていた。
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