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他の世話係とは明らかに違う反応。けれども、本人に何を訊いても、何故そのようなことをしているかという明確な答えが返ってこなかった。 一体、どうしたのだろう。 「そういえば、前にもそのように見てましたよね」 今まで傍観していた様子の小口が何かを思い出したかのように言う。 「前って⋯⋯」 「確か⋯⋯御月堂さまの専属の運転手と共に来た時だから⋯⋯ああ、そうだ。初めて大河さまとお会いした時ですね。その時も上山さんが言葉を発した時、そんな反応をしてましたよね」 小口が大河と初めて会った時というと、姫宮が入院している間の出来事だろう。 入院期間は短かったと思われるが、対面した時には大河は小口のことを懐いている様子だったことも思い出してしまい、ちくりと小さく胸が痛んだ。 「誰に対しても怯えているような反応をしていたのに、上山さんだけは今みたいな反応をしていて、わたしも気にはなっていたんですけど、大河さまはこうですし、上山さん本人に訊いても無意味かなーと」 「⋯⋯ですが、小口さんに対しては違ったのでしょう⋯⋯」 「わたしに対しては妥協みたいなものじゃないですかねー。未だに子どもと間違えられますし、ママさまみたいに好かれていれば、手を出されることはないでしょう。そういうことです」 思わず訊いてしまったことに、けれども、なんてことのないように返した。 姫宮もよく思っている、大河と小口は姉弟のように見えるというもので、大河も他の大人よりもまだ親しみを感じられるということなのか。 大人に苦手意識があれば、小口が言ったような怯えているような反応を見せるのは分かるが、安野達と同じ大人である上山だけ違う反応を見せるというのなら、そのことは当てはまらない。 「込み入った事情にほぼ部外者の私が口を出すのもなんですが、この際、ご本人に訊かれてはいかがでしょう」 「わたし個人としては、やはり気になるので訊いてみたいとは思いますが、上山さん食えない人っぽいんですよねー。今も小声で話しているとはいえ、危機的なものを感じたみたいでいつの間にかいなくなってますし」 小口がそう言ったことで、玲美と共に上山がいた方へ振り返ると、確かに彼女の姿はなかった。 「ま、他に知っている人もいるかもしれませんし、訊いてみてはいかがでしょうか」

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