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77.※
「愛賀⋯⋯私が触っているだけでは、物足りないか?」
「んん⋯⋯っ。⋯⋯きもちいいよ? 直接触られていない焦れったさに⋯⋯触られて興奮している乳首を見て欲しくて⋯⋯慶さまも興奮してる⋯⋯?」
「⋯⋯」
何と言っていいのか、唸っているような声を漏らした。
素直になってもいいのに。
にんまりと笑った姫宮は御月堂のズボンに覆われているソレに手を伸ばした。
「⋯⋯っ、愛賀⋯⋯っ」
「ふふ⋯⋯、口では言わなくても、ココは素直に興奮してるね⋯⋯? 可愛い⋯⋯」
「愛賀っ、触るな⋯⋯っ」
「慶さま、このままだと苦しくて仕方ないでしょ⋯⋯卑しいオメガ《愛賀》のフェロモンに充てられて、そのままナカに挿入《はい》ってきても、いいよ⋯⋯? 受け入れる準備、できているから⋯⋯」
いつの間にか止まってしまった手を、その後ろへと誘う。
が、その手に力がこもった。
「⋯⋯愛賀、前にも言っただろう。こんな形で愛したくないと。⋯⋯苦しいが、それよりも愛賀の方が先だ」
息を切らし、ようやくといったように彼は言う。
こんなにも欲しがっているような目をして、噛みつきたそうに牙をチラつかせているのに、それでもギリギリの理性でなんとか保とうとしている。
なんで、気にしなくていいのに。
「いいのに⋯⋯シても、いいのに⋯⋯」
重ねていた手を頬に滑らせる。
しかし、それでも彼は頑なだった。
「⋯⋯分かった。慶さまの好きなようにして」
「⋯⋯ああ」
頬を触っていた手を取ったかと思うと、自ら頬に擦り寄せた。
ピクッと指先が動く。
ちょっとしたなんてことのないことのはずなのに、彼がやるとは思わなかったその仕草にときめきにも似た感情を覚えた。
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