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目を開ける。 視界がぼんやりとする。それと、頭もぼーっとする。 身体が熱い。重だるい。 あれ、いつの間に熱を出したのだろうか。熱なんて出したら怒られる。 誰に? 誰だっけ⋯⋯。 熱のせいで考える気力がなくなっていたが、不意にあることを思い出した。 そうだ。確か御月堂が来ていたはずだ。 天井に向けていた目を、その仰向けの状態で見える範囲でゆっくりと動かす。 ところが、ゆっくりと見回してみても彼の姿はなかった。 彼がいたというのは、あまりにも会いたくて見た幻だったのだろうか。いや、彼は多忙の身だ。しかも自分のせいでさらに忙しさに拍車がかかっているのだろう。こうして姫宮自身も気づかないうちに寝ている間に行ってしまったのだろう。 仕方ない。しょうがないことだ。 でも、寂しい⋯⋯。 胃の中に溜まった淀んだ気持ちが、重たいため息となって外へと吐き出される。 その時、下腹部がじくじくしたような気がしたが、すぐに悲観的な気持ちに紛れてしまった。 「──大河さまっ!」 姫宮の周りを纏わりつく空気が動いた。 その突如として聞こえてきた声は小口だと思ったのと同時に、大河がそばにやってきた。 「大河⋯⋯? どうしたの⋯⋯」 『これ』 上半身をなんとか起こそうとする姫宮に、あげたボードを介してそう言って、一枚の紙を渡してきた。 渡されるがまま受け取った姫宮は、改めて見てみるとそこに描かれていたのは、姫宮自身。 姫宮という点は普段でも描いていることだからなんら不思議ではない。が、今回は姫宮という姫宮が描かれていたのだ。これでもかと、紙いっぱいに。 圧倒されていると、小口が言った。

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