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「あのような場で大河様に何をあげると言いにくかったのかと最初は思ったのですが、その後の様子を見ますと、そうではなさそうだと見受けましたので」
「あ⋯⋯はい。そう、なんです」
「大切なご愛息ですから、やはり悩んでしまいますよね。ですから、私達も少しでも姫宮さんの力になればと思いまして来た次第です」
僅かに顔を和らげた上山と姉のように優しく緊張を解してくれるような笑った顔を見せた江藤の言葉に、やはり見透かされていたことが分かったが、気づいてくれて嬉しく思った。
「お気遣いありがとうございます」
「いえ、とんでもございません」
「このぐらいのことはなんてことありませんって」
微笑み返し合った後、「さて」と江藤が話を切り替えた。
「本題の大河様に何をあげるか、という話ですが⋯⋯大河様の好きなものといいますと、やはりあのハニワとなりますよね」
「調べましたら、あのアニメグッズと呼ばれる物はほぼ持っているようですね。なるべく被らない方がいいとは思いますが、なかなか難しいものですよね」
「はい⋯⋯」
今のように一緒に暮らす前から集めていたらしいグッズ達は、それからも姫宮を始め、何かと買ってくるため、その関連グッズをプレゼントできない。
他に好きなものとなるとお絵描きとなるが、お絵描き帳やクレヨンなどと他の人と被りそうで、面白みも申し訳なくも感じる。
とはいえ、毎日のようにお絵描きをしているため、いくらあってもいいかもしれないが。
「あの時も言いましたが、私は編みぐるみをあげようと思っています。元々、大河様にあげようと思って編んでいたのもあったのですけど」
「そうだったのですか」
「はい。私も大河様と仲良くなりたいと思っていたのですけど、あまり良く思われていないようなので、なかなかその機会が訪れず⋯⋯」
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