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105.
それから大河が寝たであろう時間帯から、姫宮の部屋で上山と江藤と共に編むことになった。
江藤と描いたデザイン案を元に、江藤に教わりながら編んでいったが、初めてやるものでもあるため、江藤が言うような編み方にはならない。
「すみません⋯⋯なかなかできなくて」
「謝ることではありませんよ。編み物もそうですが、こういうのはやればやるほど慣れていって、自然とできていくものなのですよ」
いつもの優しい声音で励ましてくれる。
何時間かかけてようやく一目が編めた姫宮に対し、上山は黙々とハニワだと分かる形までできていた。
江藤が姫宮に付きっきりで申し訳なく思ったが、その点に関しては心配はなかった。けれども、二人と一緒に制作することになってから江藤に教わる姿は見たことがなく、一人でできてしまうだなんてすごいと感心した。
そして、惨めに思えてしまった。
江藤の懇切丁寧な教え方ですらようやっと一目しかできなく、このペースでは大河の誕生日には間に合わない。
今の時間帯以外でも自主的に編んでいかないと。
「姫宮さまー、お昼寝ですかー?」
抑揚のない声が聞こえ、えっと顔を向ける。
「今、ご自身が寝ていたことに気づいていないんですか?」
「⋯⋯え?」
それでもきょとんとしていると、「重症ですね」と呟いた。
「最近、特に酷いなと思ってましたが、なんです? なかなか寝れないんですか?」
さっきと変わらない調子かと思ったが、どこか心配しているようにも聞こえた。
今回のように大河のために夜更かししていたからでもあるが、元々深く寝付けなくなってしまっている。
だから、自分が気づかぬうちに寝てしまったのだろう。
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