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最近、表情らしい表情を見せるようになった大河が、その普段よりも喜んでいると分かる表情で、我が子がこのような表情するだなんてと驚いた一方、姫宮の方もまた目を細め、微笑にも似た柔らかい表情をしていた。
前よりも表情を出せていると自覚していることが増え、それと同時に周りが驚き、安野が主に大袈裟に嬉しそうにしていた。
これは姫宮にとっても驚いてしまうものだった。
大河が描いている絵のような顔をしている。
「ね、いい写真でしょう?」
「⋯⋯ええ、はい。これは⋯⋯とても⋯⋯」
「今のも送ってくれ。今すぐにだ」
割って入り込むようにやや強い口調で御月堂が言ってきた。
驚いて振り向くと、彼は前乗り気味だった。
周りが呆然とし、自分のことを見ている視線で気づいたのだろう。ハッとした彼は、居住まいを正して「⋯⋯できれば早急に」と言った。
「必死すぎるでしょ」
「必死⋯⋯⋯⋯当たり前だ。何よりも代えがたい者達だ。なかなか会えない時も写真で存在を感じたい」
「へぇ〜⋯⋯」
「その気持ちは分からなくもないですね! 私も姫宮様とひと時も離れたくないと思うことが日常茶飯事⋯⋯ですので、この寂しさを紛らわせてくれるその写真をどうかこの安野にも送ってください!」
「送る⋯⋯安野、お前は愛賀の連絡先を知っているのか」
「ええ、それはもちろん。何かあった時のためにすぐに駆けつけられるようにとすぐに連絡先を交換しました」
「⋯⋯立場的にそのようなことは容易にしてはならないと、愛賀がまたどこで危険な目に遭うか予測つかないために控えていたが⋯⋯」
言い訳のように自分に言い聞かせるように御月堂はぶつぶつと言っていた。
安野を介して主に御月堂と連絡していて、それが当たり前だと思っていたが、そんな理由だったからなのか。
あのようなことになってしまったきっかけを作った自分が悪い。だが、この胸にある気持ちは。
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