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134.
「良かったね、大河」
そう言ってみると、大河はそれを見せてきた。
今着ている服もそうだが、さっきの黒い目よりもよく目が合う。
もっとよく見てくれと言わんばかりに顔に近づけようとしてくる大河に、「うんうん、良かったね」とそれとなく窘めて落ち着かせようとしていた。
「次はわたしの番ですねー。はい、これどうぞ」
淡々とした口調と共に渡してきたのは、おえかきちょうとクレヨンセットだった。
見慣れた表紙のおえかきちょうは五冊ほどで、クレヨンセットもそうだがビニールがかけられたままで、先ほどの二人とは違い、何か包装しているわけでもなく裸の状態だった。
まるで、直前になって買ったかのような。
「大河さまといったら、ハニワだと思ったのですけど、他の人達も同じ物を考えそうでしたので、他に考えられるのはそれでして。と、思いついたのは前日なのですけど」
それは買い置きしていた物だと、なんてことないように平然と言う彼女にいつも通りだと彼女らしいと妙に納得してしまった。
「それでまたママさまを生産してください。その五冊もあっという間になくなるのでしょうね」
また買い置きしてもらわなければと言う彼女に、「いつもありがとうございます」と返した。
「ママさまも楽しみですね」
「⋯⋯はい」
そう言って口元を緩めた小口につられて小さく笑った。
「つぎはぼくたちから! たーちゃん、たんじょうびおめでとう」
玲美と伶介が大きな物を目の前に置いた。
さっきの人達とは大きい贈り物に目を丸くした。
恐らく大河もそれに似た顔をしているのかもしれない。一緒になってそれを見ていた。
「これはなんですか」
「開けてみてください」
玲美がにっこりと笑う。
確かに聞く前に開けてみた方がいい話だ。
一旦膝から下ろした大河と共に包装紙を破いた。
ある程度中身が見れた時、「えっ」と思わず声を上げた。
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