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第26話
意識が白ずみ始め限界が近い。きゅっとなかが収縮するとウォルフの性器が硬くなった。
「イく……あっ、あァ、ンあっ!」
ウォルフの首に縋りついて精液を吐き出し、。あとを追いかけるように腹のなかも熱くなった。どうやらウォルフも達したらしい。
荒い呼吸を繰り返していると大きな手のひらが頬を撫でてくれる。
「悪い。大丈夫か?」
「……慣れてるから」
つい言ってしまって後悔した。ウォルフが驚いたように目を大きく開いている。
「掻き出した方がいいな」
いくら抑制剤兼避妊薬を飲んでいるからといってもヒートのときは妊娠率が高い。
でも膝はがくがくと震えとてもじゃないが歩けそうもない。まだ身体は火照ったままで正直離れがたく、ウォルフの腰に足を絡ませた。
「それじゃ抜けない」
「もう一回しよ?」
ヒートで頭がおかしくなっているのか、ウォルフのやさしい手管が名残惜しいのか、この熱をまだ手放したくない。
誘うと中の性器がぐんと硬さを取り戻した。
ウォルフもラットを起こしているから悪い話ではないだろう。
だがラビの期待とは裏腹にウォルフは渋面を作った。
「風呂場に連れて行けばいいか?」
「風呂でする?」
「一回掻き出そう」
「薬飲んでるから平気だって」
早く、まだ足りない。
キスをしようと首を伸ばすとウォルフの手で制されて、中のものを抜かれた。蕾が寂しそうにひゅんと萎むのがわかる。
「……なんで?」
泣きそうな声で訴えかけるとウォルフは歯ぎしりがするほど口を引き結んだ。
「ヒートが明けたら後悔するぞ」
「いいよ。こんな身体はセックスすることしかできない」
「画家としての誇りを捨てるな」
ウォルフに抱き締められるとふわりと香る汗とむせ返るような雄の匂いに気持ちが高ぶる。
「おまえは立派な画家だ。こんなことしていいはずがない」
「だって絵はもう描けない」
「描けた。この前描いてただろ」
「到底売れるレベルじゃないよ」
「なら何度も描けばいい。描いて、描いて、描きまくってオレはそういうラビだから好きになった」
耳がぴくりと跳ねた。ウォルフとは初対面のはずだ。まるで以前から知っているような口ぶりに首を傾げる。
だが次第に熱を取り戻した身体はそんな些細なことがどうでもよくなり、疑問が泡沫のように消えていく。
「もう御託はいいから続き」
太い首に唇を落とすとウォルフは肩を跳ねさせた。我慢はしているが、辛いのはお互い様だ。
ウォルフは自分の手のひらを噛んだ。深く牙が食い込み、血がだらだらと垂れている。ふうと息を吐くと痛みで理性をどうにか抑えたのか深く息を吐いた。
「……もうしない」
「なんで」
まだこんなにも身体は熱いのにしてくれないの。
涙がポロポロを零れてきて、ウォルフは口を寄せた。
「責任はとるから」
性器を口に含まれて、堪え性のない身体はすぐに達してしまった。
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