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第38話
左手で背中をかき抱くとウォルフが肩に顔を埋めてきて、吐息でじんわりと体温が上げられた。
「好きだ。もう離したくない」
「……俺も」
「そろそろ動いてもいいだろうか?」
ウォルフの額には大粒の汗が滲んでいる。理性をかき集めて我慢しているのが明白で、くすりと笑う。その唇にキスを落として膝をたてた。
ウォルフの性器を根元まで飲み込んでいるのがよく見える。
「あっ、あア、んん」
下からも突き上げられて中を擦られると全身に快楽が走る。肌と肌が密着しているとお互いの体温の心地よさに目眩がした。
「だめ……またイっ」
視界が白ずみすぐに達してしまった。だらりと力をなくした性器は痙攣しながら絶え間なく精液を吐き出している。
荒い呼吸を繰り返しているとベッドの上に押し倒された。くるりと後ろを向かされ、四つん這いの姿勢のまま性器がまた挿入ってくる。
「はぁっ、アっ、あ」
また違った箇所を擦られて甲高い声をあげた。
背筋が仰け反るとウォルフが顔を寄せてキスをしてくれる。
「あっあ、気持ちいい……どうしよ、いい」
「好きだ。愛してる」
「んっ、俺も」
無理な体勢でキスをしながら奥を突かれると精液がびゅっと飛び出てシーツにしみをつくる。
ウォルフの性器が限界まで張り詰めているのがわかった。
「子宮が降りてきてるのがわかるか?」
「えっ、わかんな……アッ」
「ほら、ここ」
奥をとんとんと突かれびりっとした快楽に身体が震えた。
「ここに出したら妊娠するかな」
「いいよ、出して……あっ!」
中の精液のおかげで律動が滑らかな動きで、的確に弱い部分を擦ってくる。存分に与えられる快楽に身体が歓喜しているのがわかり、嬉しくて涙がとめどなく溢れた。
痛いだけだったセックスが愛を伝える行為だと知った。怖くはない。痛くもない。傷ついた心までも溶かしてくれる熱に夢中になった。
「んんっ、あぁ… … 」
ぐっと硬さを増した性器が奥で達し、入りきれなかった精液が臀部から溢れてきている。足の付け根に垂れる感触にすら感じた。
布団に突っ伏し尻を突き出す体勢になるとウォルフは腰を掴んで律動を再開させるので、もう限界だと首を振って訴えたが悪いと耳元で囁かれるだけで止まることはない。
「しばらく抜けそうにない」
「なんで」
「コブが出た」
もしかして狼が極限に興奮したときにでるという性器の根元のコブだろうか。確か一度出たら一時間ほど抜けなくなり、ずっと挿入ったままだと聞いたことがある。
「嘘だろ……もう無理ぃ」
「それはいいと言うことだよな」
「ちがっ、あぁ!」
変なふうに解釈を間違えたままウォルフはまた腰を動かせた。もうこうなってしまっては抵抗などできない。
意識が飛ぶまで幸福感にひたひたに浸かるのを感じていた。
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