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第10話 中条 兄視点

あれから透は学校から家に帰ると ほとんど部屋に閉じこもっていた。 母さんが心配して気に病むので 俺は大学は遠くたいへんだが家から通ってる。 透が突然バタンと部屋からとびだして走って行った。 「隼人が庭に出てる!!」声が弾んでる 2階の窓から様子を見ると隣の家の庭で寄り添っているのが見える。 父が俺の部屋に来て一緒に見下ろした。 「こうやって見るとΩにしか見えないな」 「ああ、」俺はそう答えることしか出来ない。 しばらくして透が帰ってきた。 心配した家族が玄関で出迎える 俺たちを見てポロポロと涙を零しだした。 「おい!透!」 「、、したんだ、匂いが!かすかだけど隼人から!何回も確認した!」 「思い込みじゃないのか?!」 「違う!首に頬をあてて何回も確認したんだ」 泣き崩れる弟を父が背中をさすって。 「わかった、わかった」と慰めている。 父はその日 隣の家に行き夜遅く迄何かを話しあっていた。 帰って来てから父は珍しく酒をのんでる。 「今度詳しい検査をすることになった、匂いは透とあった直後はびりょうだが出ているのを向こうのお爺さんも気が付いたらしい、、、」 「それじゃΩ、、」 「わからない、最近の検査結果はαの反応が強く出ているらしい 全ては検査を次第だろうな」 匂いがしたならΩだ 何かの検査ミスだと言い切りたいがそうは言えない何かを感じる。 俺も父のウイスキーをグラスに注いでカチリと父のグラスに当てた 透 厄介な相手に惚れたな。

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