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02-3.

「そうか」  アルバートは笑った。  何よりも聞きたかった言葉を聞けたというかのような笑顔を向けられ、ブラッドは赤面する。 「愛している。ブラッド」  ……かっこよすぎるだろ!!  なにかと言い争いや喧嘩ばかりをしてきたが、アルバートの見た目はブラッドの好みそのものだった。  笑顔を向けられただけで鼓動が早くなり、嫌味の一つも口にすることができない。 「可愛いな」  アルバートは下着の上から上下に擦りながら、ブラッドの頬に軽い口付けをした。 「ひぐっ」  喘ぎ声を無理に抑え込もうとしたのだろう。  下着と一緒に上下に擦られる快感が逃れるようとするものの、ブラッドは顔を真っ赤にするだけで逃げられない。 「可愛い。ブラッド。可愛い」  アルバートは下着で包むように掴んだブラッドの陰茎を上下に擦り、喘ぎ声を隠せなくなったブラッドの耳元で囁き続ける。  ……やばい。  可愛いと言われる度に頭が真っ白になる。 「んっ、ひっ」  そんな言葉を望んでいないのだと言い返したいのにもかかわらず、口から洩れるのは可愛げの喘ぎ声だけだ。  ……直接触られてもないのに!  二週間、自慰をする余裕もなかった。  それも原因の一つだろう。  ……これ、やばいっ。  下着越しで弄られるだけなのにもかかわらず、達してしまいそうになる。 「ひっ、んっ」  先走りで濡れてしまっている下着と一緒に上下させられているだけだ。  それなのに抵抗の一つも出来ない。 「それっ、やめっ」  逃げようとすることもできず、ブラッドは涙目で訴えた。 「愛している。ブラッド。可愛い俺のブラッド」 「ひっ、んんっ! 耳元でぇっ、しゃべるなぁっ」 「それが好きなのに?」 「うるしゃっ!」  上下させる手は少しずつ早くなっていく。  快楽から逃げることができず、ブラッドは身体を仰け反らせた。  陰茎から精液が放たれ、下着を汚している背徳感もあるのだろうか。  自分の手でも女性相手でもなく、抵抗しているのにもかかわらず強制的に達してしまったという羞恥心に襲われる。 「最高に可愛い顔をしている」  達したばかりで動けないブラッドに対し、アルバートは遠慮をしなかった。  恋焦がれてきた相手を組みしている快感からなのか、両思いだと判明した高揚感なのか。  興奮を隠し切れない表情でブラッドの下着に手をかけ、脱がしてしまう。 「もう一度見たい」  アルバートはブラッドの陰茎を上下させる。  達したばかりだというのにもかかわらず、刺激をされると固さを取り戻していく。それに気づいたのか。 「ひゃんんっ」  陰茎の先端を爪で引っ掻くように刺激をされ、先走りが零れだす。  暴言の一つでも吐き捨てるつもりが、ブラッドの口から零れるのは喘ぎ声だけだ。達したばかりの身体は刺激と快感に弱く、すぐにでも達してしまいそうになる。 「擦るよりもこちらの方が好きか」 「ちぎゃっ」 「なんだ? 言葉になってないぞ」  指や爪で刺激をしながら、上下に擦る。  優しく触れるよりも、激しい方が反応が良い。言葉にならない声をあげながら快感に溺れそうになるブラッドは必死に首を横に振った。 「うるしゃっ、んんっ!! それっ、やめっ!」  また達してしまった。  一度目よりも、少しだけ色が薄くなった精液を放つ。  その快感にブラッドは身体中の力が抜けていくのを感じた。 「ブラッド?」  アルバートは蕩けた顔をしたまま、身体を震わせているブラッドに声をかける。 「……気を失うほどじゃないだろ」  二度目の快感が強かったのか。  声にならないほどの快感から降りてこられないのだろうか。 「無理にするつもりはないんだが」  アルバートはブラッドの頬を軽く突く。 「気絶をしてしまったのならば仕方がないな」  身体の震えは収まったものの、相変わらず蕩けた顔をしたブラッドはなにも言わない。  ……気を失ったふりをしよう。  二度、達したからだろうか。  僅かに戻ってきた理性に従うようにブラッドは目を閉じた。  ……このままだとヤられる。  頑なに目を閉じて動こうとしない。  それを見ているアルバートはなにを思ったのか。ブラッドの上から退き、ベッドから降りた。  ……ん?  目を閉じている為、アルバートがなにをしているのか、わからない。  薄目を開けた途端に気絶したふりをしていると気づかれることがわかっている為、確認することも出来ない。しかし、なにやら物を探している音がする。  ……上手くいったか?  探し物が終わったのだろうか。  それとも、物を取りに行っていただけなのか。  アルバートはすぐにベッドの上に戻り、当然のようにブラッドの尻を撫ぜ、生暖かい液体を尻穴にいれようとしていた。 「は!?」  思わず、声をあげてしまった。 「な、な、なにしやがる!!」  動揺を隠せないまま、逃げようとするが、身体に力が入らない。  アルバートはブラッドが気絶をしたふりを止めたことを咎めることもなく、平然とした態度のまま、遠慮なく液体を纏わした指をブラッドの穴に射れる。 「ひっ!」  本来、指を入れる場所ではない。  それに対する違和感があるのにもかかわらず、痛みや嫌悪感がない。 「なにしやがった!」  ブラッドの問いかけに対し、アルバートは鼻で笑った。  そのまま、中を探るかのように指を動かした。

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