8 / 9

02-5.

「気持ちよくしてやろうか」  アルバートの提案に対し、ブラッドは反射的に目を反らした。  ……どうすればいいんだ!?  どのように反応をすればいいのかさえも、わからない。  困惑を隠せないブラッドの返事を待たず、アルバートは刺激を少しずつ強くする。ズボンの上から形を確認するかのように撫ぜまわしたかと思えば、上下に擦り上げるように刺激をする。  刺激に慣れさせないかのように動かされる手に翻弄され、本能のままに大きくなる快感に抗えない。 「同意を得られないまま、犯すようなことはしない」  アルバートはブラッドの耳元で囁いた。  覆い被さるような姿勢のまま、アルバートはブラッドの耳元に軽い口付けをする。それさえも、ブラッドの理性を揺らがせているとわかっているのだろう。 「触れるだけで満足しているのはブラッドなんじゃないか?」  アルバートの言葉に対し、ブラッドは頭を左右に振った。 「ばか、に、すんなっ」  口元を抑えながらも声をあげる。  声が震えてしまう。  ブラッドが反論をしようとしている間も、アルバートの手は止まらない。 「気持ちよくにゃんかっ!?」  ズボンの上から爪立てられた。  爪で引っ掻くような刺激に声が裏返る。布越しで擦られ続けた陰茎は熱を持ち、さらに刺激を求めるかのように敏感になっている。 「ひぐっ」  喘ぎ声をあげそうになる。  それを必死に抑え込もうとするブラッドの姿はアルバートの性欲を煽るだけだった。 「可愛いな」  アルバートは弱いところ探すかのように手を動かしながら、ブラッドの耳元で話し続ける。 「可愛い。ブラッド。可愛いよ」  可愛いと言われる度に頬が赤くなる。  それに気づいているのだろうか。  アルバートの言葉に対し、ブラッドは喘ぎ声を抑え込みながら睨みつける。 「一緒に気持ちよくなりたい。触れるだけなんてひどすぎると思わないか?」  アルバートの言葉に対し、ブラッドは小さく頷いた。

ともだちにシェアしよう!