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第3話 初めての出逢い
昨夜、リクエストをしたけど、お気に入りをされてるかどうか、スマホを見るのがちょっとドキドキする。まぁ、0人ってこともあり得る。昨夜リクエストしたばっかりだから、今晩、仕事終わってから見てみようかな…なんてね。小心か俺は。結局、気になって昼前にスマホを覗いてみた。
やったぁ! 7人がお気に入りしてくれてる。なんか嬉しい。どんな奴らなのかもわからないけど、そんなことはどうでもいい。俺とフードコートで出逢いたい7人よ、待ってろよ。楽しもうぜ。
で、まずは、一番最初にお気に入りしてくれた奴から。日時と、どこのショッピングモールか、フードコートの場所と俺の容姿と合言葉を相手に伝えてもらった。どうしても日時で折り合いがつかない時は、次のお待ちの人に話しがいくらしい。今回は一番目の奴と出逢えそうだ。
当日の朝、なんかソワソワしてる俺。着ていく服は予め伝えている通り、白Tシャツにパーカーにジーンズ。今の季節、Tシャツだけでもいいんだけど、一応俺だって分かり易いようにパーカーは無地のグレーで肩にショッキングピンクのロゴが入った、ちょいお気に入りのやつ。
平日の昼過ぎの時間帯だからなのかフードコートートには様々な人達がいる。休憩しているサラリーマンや旦那の愚痴を言い合ってそうなママさん達やパソコンに向き合ってる学生風の奴ら。俺はハンバーガーセットをトレーにのせて伝えた通りの場所、うどん屋とクレープ屋の間くらいにある四人掛けの席に座った。空いててよかった。出逢いの時間まであと五分少し。コーラを飲みながら、少し辺りを見回す。みんなそれっぽく見えるし、そうでもない様にも見える。ハンバーガーの包み紙を解こうとしたら、前からスーツ姿のそれらしい奴がこっちに向かって歩いてきた。これか?合言葉は『ここ座っていいですか?』だ。空いているフードコートーでわざわざ相席を求めるんだからそう言われたら、間違いはないよな。ちょっと身構える。あぁ…違った。結構よかったんだけどな。
ハンバーガーをパクついた時、後から声をかけられた。
「ここ座ってもいいですか?」
ついに来た。振り返る俺。そして絶句。見るからに高校生だ。なんか運動部的な…
「あっ…どうぞ。あのそれって合言葉だよね」
「はい。そうです。よろしくお願いします」
よろしくって言われてもな。
「ごめん、先に聞くけど。君は高校生だよね」
「はい。高校生ですけど、先月18歳になりました。サイトでは18歳以上ってあったから、いいですよね」
「まぁ、いいんだろうけどさ…」
そうだ…30分ルールがあった。今から30分はこの高校生の僕とお話しをしないといけないんだった。
「あの、よかったです。フードコートで出逢えるんだったら、僕でも大丈夫かなって思って、すぐにお気に入りしました」
「そりゃ、どうも」
「こんな、なんていうかカッコいいというかキレイなお兄さんとお話しができるなんて、嬉しいです」
キラキラした瞳で俺を直視する僕ちゃん。
あぁ、何をお話ししよう…。
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