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第7話 まさか…だよ
美人局ではないが、男とキスをしているところを写真に撮って、後から俺をゆすろうとでも思ったのか。まぁ、ゲイを隠している人も多いだろうし、職場や家族に知られたくなかったらって言われると、少額で一回だけのゆすりなら払うかもしれない。そうと決まったわけでもないが、後から出てきた奴が、おい、待てよと言って追いかけたのは致命的だ。望遠レンズ付きのカメラ持ってたしな。俺は動画を確認したら、間違いなくカメラだった。奴らには運悪く、車のヘッドライトが奴らを照らしてくれていた。
俺はサイトの運営者に、全て俺の憶測かもしれないがとした上で動画を添付して報告をした。
転がっていった傘を拾って、俺は何ともいえない気分で、来た道を戻っていった。
スマホが振動した。見ると『シチュエーション・クラブ』の代表からだ。レスポンス早すぎだろ。
『
シチュエーション・クラブをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
先ほど、ご報告をいただきました件ですがここ最近他にも似た様な事例があり、当方といたしましても調査を開始したところであります。今回、動画を添付してくださったおかげでスムーズに対応ができそうす。当該の会員は既に登録を抹消し、それ相応の処罰を検討しております。
今回、大変ご不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げますとともにこれからのあなた様の素敵な出逢いをサポートさせていただきたく誠心誠意尽くしてまいります。
シチュエーション・クラブ
代表 松川 瑛太
』
まぁね、俺が今回のことをSNSにでも投稿すると一気に会員数は減る可能性はあるよな…素早い対応だな。でも、それ相応の処罰って、何をするんだろう。
紙面を賑わすようなことだったら…こわい…な。
何でもいいけど、俺とシチュエーション・クラブは相性が悪いのか、俺が思う普通の出逢いができない。
まぁ、そもそもシチュエーションだけの繋がりなんだから贅沢は言えないけど、それでもさ、恋愛相談やゆすりのカモにされそうになるのはね…ちょっとひどいよな。
二度あることは三度あるか、三度目の正直に賭けるか。相合い傘デートをお気に入りしてくれた人はあと18人はいるしな。
俺は三度目の正直に賭けてみようと思った。
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