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第14話 アンビバレント
俺は家に帰ってきた。時計を見た。午前1時過ぎ。濃厚過ぎる約4時間だった。まだ身体の芯が火照っている。下腹部がゾワゾワしてる。お尻もお兄さんの指の動きを覚えている。でも唇だけは、もうお兄さんを欲しがっている。
パンツのポケットにお兄さんがくれた電話番号のメモが入っている。本当にまた会えるのだろうか。
『レオ君…連絡待ってるからね』
甘い声で言ってくれた言葉。
俺はいつでもいいから、と言ってくれたけど、本当に連絡をしてもいいのかな。でも何かが俺を引き止めようとする。お兄さんに迷惑がかかるとかじゃなく、俺自身がお兄さんから抜け出せなくなってしまうんじゃないかって…思ってしまう。正直こわい。
でも俺は連絡をするだろう。
本当はもう既に俺はお兄さんを忘れられない体になってしまっている。ただ認めたくないだけだ。
歯止めとして、次の雨の日までは待とう。そしてまた、あのコンビニに迎えにきてもらおう。
明日にでも雨が降って欲しい気持ちと、ずっと降らないで欲しい気持ちが、俺の中に混在してる。
アンビバレントだ。
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