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第2話③
自分も一度イッておこうと自らペニスを扱いていた琉斗 は、ヴィルフリートに背後から押し倒された。
キングサイズのベッドは体位を変える時に便利だ、などと考えられたのは、一瞬のこと。
状況を理解するよりも早く、全身の熱が遠のき、代わって臀部を割り開かれる。
次の瞬間、アナルに熱く湿った柔らかいものが宛てがわれて、琉斗は悲鳴を上げた。
「おい……っ」
下半身を突き出すようにして秘部を晒す体勢に、さすがに羞恥が募る。しかしヴィルフリートの力強い腕に阻まれて、身動きは叶わなかった。
「じ、実技が必要だろう……!」
一度達したはずの男の上擦った声には、はっきりと興奮が滲んでいる。そのままアナルに舌を這わされ、敏感な部分を丹念に舐め回されて、講義を施しているはずの琉斗はしっかりと感じてしまっていた。
得 も言われぬ快楽に膝が震え、完全に勃起したペニスは先走りの粘液を溢れさせ、シーツにいやらしいシミを作っている。
その反応に自信を得たのか、ヴィルフリートの舌が身体の中に押し入ってきた。
「あぁ……ッ! はぁ、ん……ッ!」
甘い嬌声を上げて、琉斗はベッドに突っ伏したまま全身を強張らせる。指と舌、時に鼻先までを使った、稚拙ながらも真摯な愛撫は、琉斗を一気に昂 ぶらせた。
もしかしたら俺、やっぱりアナルの才能あるのかも――いや、それ以前になんかコイツ、要領掴むの早くね?
そんなことを考えていると、ヴィルフリートが身を起こした。
急に刺激を失った琉斗が不満を覚えて振り返ると、ヴィルフリートがやや虚ろな眼差しで、自らを奮い立てる様子が目に飛び込んでくる。天を突いて屹立する彼の分身は、既に挿入に足る硬度をしっかりと保っているように見えた。
何とも言えない気分で、琉斗は唇を湿らせるように、舌舐りをしてしまう。
「――ア、アッ……ッ!!」
一気に体勢を入れ替え、我慢できなくなったらしいヴィルフリートが、正常位で分け入ってきた。
熱くて硬いモノに貫かれて、琉斗は背筋をしならせる。大きさに慣れる間もなく、ヴィルフリートは腰を突き上げ始めた。いくらか解れているとはいえ、やはり自分勝手に動かれると、受け止める側はキツイ。
琉斗は必死で抗議の声を上げた。
「っ、待てって。ちゃんと、俺のイイ所を、探すんだ……!」
「……ぅ……」
小さく呻いたヴィルフリートは、荒い呼吸を繰り返しながらも動きを止めた。そして、今度は探るようにゆっくりと、琉斗のナカを深く浅く犯し始める。
お陰で琉斗の中では、アナルへの挿入に対する快感が、ジワジワと高まり始めた。
思ったよりも従順に琉斗のアドバイスに従ったヴィルフリートはというと、つらそうに美しい眉根を寄せている。必死に我慢してくれているのだと思うと、世界を股にかけてビジネスを展開しているというこの男が、可愛く思えてくるから不思議だ。
「……っ……」
ちょっとだけ(あくまでもほんのちょっとだけ!)キュンとしてしまったせいだろうか、琉斗は思わずアナルを収縮させてしまっていた。
その拍子に、咥え込んだヴィルフリートの先端部分がイイ所に当たり、反射的に高い声を上げてしまう。
「アアッ、ン……ッ、そこ……! 気持ち、イ……ッ」
「……ッ!!」
反射的にアナルを締め付けると、ヴィルフリートが息を呑んだ。同時に、最奥部に挿入された彼のペニスが、ナカで一気に硬度を増す。
これ以上の猶予はないとばかりに、ヴィルフリートが再び激しく腰を使い始めた。
気持ち良い所を何度も、傘の張った先端にゴリゴリと突き上げられて、琉斗もたまらず口走る。
「はぁ、っ、もっと……!」
ねだるように腰を振りながら、ユラユラと揺れる自分のペニスに手を絡ませる。結合がより深くなるように、ヴィルフリートの引き締まった腰に両足を絡めたのは、無意識だった。
「君は、なんていやらしいんだ……ッ」
口ではそんな憎まれ口を叩きながらも、琉斗の素直な反応を受け、ヴィルフリートが腰を打ち付ける速度が早まった。両足を軽々と抱え上げられ、激しい注挿が繰り返される。
「ク……アァ、ッ……!!」
やがてヴィルフリートは小さく呻いたかと思うと、琉斗の体内にビュクビュクと大量の精液を吐き出した。経験の少ない男は、一度絶頂を迎えた後は、より一層我慢が効かなくなるものなのだろう。
琉斗もまた、前後の刺激を受け続けた上、内部に直接精液を注ぎ込まれる感覚に、全身を震わせていた。
「ア、アアア……ッ!!」
ヴィルフリートを追うように、自らの手の中に射精する。
時間差こそあったけれど、今回はふたりとも、ちゃんとセックスでイケた。最初に比べれば、随分と進歩したものだ。
奇妙な満足感を覚えながら、琉斗は束の間意識を手放した。
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