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第8話 二人の日常 続き(9)
食事もシャワーも済ませて、笪也は先に布団に入り、幸祐を待っていた。
あの後の晩ご飯では、肉じゃがの中に笪也の少し苦手な人参が申し訳なさそうに一欠片だけ入っていたが、笪也は残さずに食べた。それを見た幸祐は、お利口さん、と揶揄った。
「…なんだよ、調子狂うな。揶揄うのは俺の専売特許だ」
「だって、笪ちゃん、可愛いんだもん」
「うるさいな…今晩は俺の好きにしていいんだよな」
「それは、布団に入ってからの、お楽しみぃ」
幸祐は、べぇっと舌を出した。
「…お前なぁ、後で絶対にヒィヒィ言わせて泣かせてやるからな、覚悟しろよ」
幸祐は、やったぁ、と笑いながら食器を片付け、笪也を先にシャワーへ促したのだった。
幸祐もシャワーを済ませて、冷蔵庫から牛乳を出して一息に飲み終えると、笪也に声をかけて、部屋の灯りを落とした。
「笪ちゃん、お待たせ」
幸祐は布団を捲りながら言った。
「何だよ、いつもはそんなこと言わないのに」
「もう…待ってたくせに」
笪也は、幸祐の腕を掴んで組み敷くと、待ちくたびれたよ、と囁いて幸祐のパジャマのボタンを外した。
数日前からしている騎乗位は、笪也のガイドなしでも幸祐の腰の動きはスムーズになり、体位を変えることなく笪也はイクことができた。
幸祐の腰に添えていた笪也の手は、手持ち無沙汰になり、幸祐の乳首を摘んだり、臍を弄ったり、腰を動かす度に揺れる幸祐のモノを掴んで、亀頭を摩った。
幸祐は摩られる刺激で、ビクッとして、笪ちゃん、と甘い声を出すのだった。
笪也は、今晩こそ幸祐と一緒にイキたいと思っていた。いつもは、指や舌で幸祐を先にイカせていた。
その日も幸祐は自分からイカせてもらえると思っていたのか、パジャマを脱がされると、いつもの反応で股間のモノは既に勃っていた。
「お前は、感じやすいのか、気が早いのか」
「…どっちもだよ」
そう言って、幸祐は笪也の手を取ると、自分の硬くなったモノを握らせようとした。が、笪也は反対に幸祐の手を取って、自分から先に幸祐に手淫をさせ始めようとした。
「今日は、俺からだよ」
「…えぇ。どうしてだよ」
幸祐は、あからさまに不服な声を出した。
「今日は俺の好きにしていいんだろ?…お前はもう少しだけ、お預けだ」
「ウゥ…ワンワン」
幸祐は笪也の胸に鼻を擦り寄せて、鳴いてみせた。笪也は笑いながら、幸祐に自分のモノを握らせた。さっきまで待ちくたびれていた笪也のモノは幸祐のしなやかで柔らかい指先のおかげで、あっという間に硬く、いつもの笪也になった。笪也は、ほら、おいで、と幸祐を腹の上に乗せた。
「はい。お尻を上げて」
幸祐は、くぅーん、と鼻を鳴らしながら、腰を上げると、笪也は自分の上で四つん這いになっている幸祐の尻に手を伸ばして撫で始めた。
「お前、それ、新しいプレイか」
「ワンッ」
「よしよし…可愛い奴め」
笪也は幸祐のソコにローションをたっぷりと塗り込めると、幸祐の腰に手を添えて、雄雄しく屹立している箇所に沈めた。
「…あっあん…笪ちゃん…」
「ワンちゃんはもうお終いか?」
「あっ…ああ…そう…帰ったよ…だから今は幸祐を可愛いがって」
幸祐は、笪也の亀頭がぐっと押し込まれると、その後はゆっくりと奥深くに入っていくのをうっとりと感じていた。
「笪ちゃん…ねぇ、動かすよ」
幸祐は自分の中にすっぽりと収まっている笪也のモノを腰を引いて少し出しては、また押し付けて挿れ込む動作をしながら、自分なりの気持ちのいい箇所を見つけるようになっていた。
「…あぁ、幸祐、上手くなってきたな…さっきお預けしていたご褒美をあげようね」
笪也は、幸祐のモノを片手で握るともう片方の手のひらで先っぽを包み込むように撫で回した。笪也は手のひらにヌルつきを感じた。
「ああん…笪ちゃん…どっちもいい」
「幸祐…ねぇ…今日はさ、お前と一緒にイキたいんだ」
幸祐は小さく口を開けて、自分の上唇を舐めた。その赤い舌先が、笪也を余計に興奮させた。
「幸祐、もっと…もっと動かして」
「うん…笪ちゃんのいいように…して…あげる」
幸祐は少し仰け反りながら笪也の腰横に着いた両膝に力を入れて激しく腰を上下に動かした。
幸祐の動きと呼応するように、笪也も幸祐のモノを握った手を更に強く早く動かしていた。
広い部屋の一角に、二人の息づかいと肉の擦れる湿った音があった。寝床から見える薄いカーテンが掛かった窓の外はとても静かだった。
笪也は幸祐のいつもより少し高めの喘ぎ声が一段とこの部屋に響いているような気がした。
森川とのやり取りでの嫉妬心は、幸祐の従順さで、あっという間に消えて無くなった。
今、自分の腹の上で腰を動かしながら眉根を寄せて感じている幸祐を見ると、愛おしい感情が笪也の中で爆発的に膨らむ。もっともっと泣き叫ぶくらい幸祐を抱き潰したかった。
幸祐の動きが少しゆっくりになった。笪也を見る目が潤んでいた。笪也は手のひらにある幸祐の先っぽの特に感じる箇所を指で穿るように摩った。
「あぁ…笪ちゃん…もう…もうダメ…あぁ…いやぁ」
幸祐の仰け反った喉元は、喘ぎ声を出す度に上下に動いた。
「幸祐…もうイク?」
「はぁ…笪ちゃんは…あぁ…どう?…」
幸祐は笪也が一緒にイキたいと言ったのを覚えていたのか、泣きそうな声で訊いた。
「いいよ…幸祐…イッていいよ」
「…う…ん…あっ…あぁぁ…笪ちゃん」
幸祐の声と同時に、笪也の手のひらに出た生温かいものは手首に垂れていった。
そして笪也も顎を上げると、下腹部に乗っている幸祐を貫くような勢いで腰を動かし、果てた。
はぁはぁ、と肩で息をしながら、幸祐は笪也の胸元に手をついて、しばらく動けないでいた。
笪也も幸祐のふとももを掴んで、息を整えていた。
笪也は幸祐の頭と背中に手をやって抱きしめると、幸祐の尻からヌルッと自分のモノが出てきた。
「あぁ…幸祐…最高だよ」
幸祐はまた、くぅーん、と可愛い声を出して、笪也の頬をペロペロと舐めた。
「お前、気に入ってんな、そのキャラ」
笪也は ふふっ、と笑う幸祐の髪を撫でた。
またしばらくの間、幸祐は笪也の胸に身体を預けていると、尻や背中をゆっくりと撫で上げられた。
「それじゃあ、これからお兄さんがシャンプーしてあげるからね」
笪也はいつものニヤニヤ顔で言った。
「…?えっ…笪ちゃん…シャンプーって何?」
幸祐は目を丸くして言った。
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