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7 あなたのために

 古良井が愛人の他に今の仕事を請け負うようになったのは、こんな日のことだった――  古良井が事務所のソファで転た寝をしていると、珍しく大きな一所の声に目を覚ます。 「解体屋の爺さんが死んだ? 参ったな、爺さんまだ70過ぎだろう……いや、身寄りはない。そうだな……うん……うん……ああ、今夜は現場が入ってたな……」  薄暗い事務所は電気をつけ損ねたまま夕方になってしまい、デスクライトの灯りだけで、一所は電話に出ていた。  古良井が立ち上がって部屋の電気をつけると、一所は眩しそうに目を瞬かせ、ありがとうと古良井に頷いて見せる。 「……いや、むりだな。他を当たる時間はない……仕方ない、僕が行こう。良い解体屋だったんだが。ああ、じゃあ」  受話器を置くと、一所が溜息を着いた。 「解体って何を?」  古良井はソファに戻らず、一所の横へ来てそうたずねる。 「粗大ゴミさ」 「粗大ゴミ?」 「ああ、人間のクズって言うね。さて、朔。今夜はちょっと遅くなるよ。残業が入った」  すると古良井は、いつものように頷く代わりに、こう言ったのだ。 「それ、俺にも出来ますか?」  外では低く雷鳴が轟いている。  じき激しい雷雨になりそうな空模様だった。       ◉  愛人の他に、その日から遺体を片付ける仕事も古良井のものとなった。  初日に一所に手順を教わって、何件かこなすうちに、今ではすっかり手慣れている。  けれど、その異常な行為は、古良井の神経を少なからず狂わせた。  仕事から戻った古良井は、おかしいくらいに激しく抱かれたがるのだ。  今日も、そんな日だった。 「はじめさん、戻りました」  すこし昂揚した顔で古良井がマンションに戻ると、出迎えた一所は、着替えのパジャマを手渡しながら、古良井の頬にキスをする。 「バスタブに湯を張ってある。ゆっくりとしてくるといい」 「はじめさん、出たら……」 「ああ、ベッドで待っていよう」  古良井は受け取ったパジャマを抱きしめ、浴室へと向かった。 「さてと」  一所は、古良井を見送ると自室のベッドへ戻る。  古良井に部屋を選ばせたら、彼は一所と同じ部屋の、同じベッドを選んだのだ。  ベッドの上でグローをふかしながら仕事の書類を捲っていると、古良井が戻ってくる。 「はじめさん」 「おいで」  一所が腕を広げれば、古良井は仔犬のように飛び込んできた。 「抱いて下さい」  一所は胸の上に抱きとめた古良井の喉元に舌を這わせる。 「ぁっ♥」  古良井が、小さな声を上げた。  一所は、そのままパジャマから覗く鎖骨に、きつめのキスを落とす。  手は、優しく古良井の髪をまさぐり、髪を梳いていた。うなじを責められる度に、古良井が敏感に声を上げる。 「ぁ……♥ んぁっ……♥」 「いつ聞いても、艶っぽい声だね」 「だって……はじめさんが……ぁあっ♥」  一所は、古良井のパジャマをたくし上げて脇腹にキスを落とした。  唇をそのまま正面へと滑らせ、古良井の乳首に吸いつく。  ちゅっちゅと先端を吸われ、古良井がはかない声を上げた。 「ゃ……いやっ…はじめさ……っ♥ あっ♥ やっ♥」  ぽつりと立ち上がった先端を、一所の熱い舌で乳輪ごと舐め回される。  古良井はそこで身体を支えきれなくなって、一所の胸へと倒れ込んだ。 「朔は本当に可愛いね」  一所は抱きとめた古良井を下に押し倒して、耳元で囁く。唇が触れるように喋るので、古良井はゾクゾクと身を震わせる。 「ゃ……♥ ぃやぁ……♥」  両方の乳首を指先で弄られ、やわやわと耳朶を喰まれる。 「きもち……い♥ 気持ちいいの……ぃや♥」 「嫌じゃないだろう。ほら、こっちはこんなに触って欲しがってる」  一所は古良井の勃ち上がった熱の昂ぶりを撫で回す。 「はじめさ……♥ 舐めて……♥」  一所は笑って、顔を古良井の太腿の間に埋めた。  舌で先端を舐め回され、古良井はもどかしげに腰を振る。 「ぁ……はじめさんの舌……えっち……♥」  一所はゆるゆると古良井の陰茎を可愛がって、吐精寸前まで追い詰める。 「ぁ……イク♥ いっちゃぅ……ひゃあん!」  まさにイクという瞬間、一所は古良井の根元を握りしめる。  イケない。  苦しい。 「酷いです……はじめさ……」 「朔がイくのはおしりでだろう?」  一所の長い中指が、古良井のアナルの襞をくるりとなぞる。 「朔。僕のも準備してくれるかな?」  一所は、古良井をもう一度自分の上に乗せると、シックスナインを始めた。  古良井は一生懸命に一所の陰茎をしゃぶるのだが、後ろでアナルを舌で責められ、ままならない。 「んっ♥ んン……っ♥♥ ん~~~~♥」  またもや身体を支えきれず、ぺしゃりと崩れ落ちる。 「はじめさん……もぅ……俺……♥」  古良井はうっすらと潤んだ瞳で一所を見た。 「朔、上手に出来たね。それじゃあ」  一所は身体を起こし、古良井の腰を後ろから持ち上げた。 「バックからな」  ローションを垂らした陰茎を、ヌルヌルと二、三度アナルの上を滑らせ、古良井の舌ですっかり怒張した熱の塊をそのまま、入口へと押し当てる。  若干の引っかかりの後。  ずぷん♥  古良井のアナルはローションを滴らせながら、一所の陰茎を飲み込んでいく。 「あッぁあっ……ッ♥♥♥」 「生がいいんだろう? 朔」  一所は古良井の前立腺を狙うように、容赦なく突き上げた。 「やッ……激し……っ♥ ぁあっ♥ はじめさ……っ♥♥♥♥」 「は……朔、そんなに締めつけるな。力抜いて」 「無理ぃ♥ お腹が…きゅんきゅんしちゃって♥ ぁっ……あっ……♥」  一所は両手を前へ伸ばし、古良井の上半身を起こすと、きつく両乳首をこね上げる。 「やぁあああっ♥」  すこし力が抜け、一所は激しく腰を打ち付ける。  ぬぷッ♥ ぬぷッ♥ 「だめッ……♥ いやっ……♥」 「……はぁ…朔、もうイくよ」 「んっ……♥ はじめさん、キス……♥」  身を捩って振り向いた古良井の唇を貪り、一所は、中へびゅるびゅると射精した。 「~~~~~~ッ♥♥♥♥」  古良井が、声にならない歓喜の声を上げる。  ドサリとベッドに折れ込んだ古良井から、ぬぽり、と陰茎を引き抜く。  こぷっ♥  とろりとした一所の精液が、古良井のアナルから垂れ落ちて、シーツを汚した。 「朔?」  一所は頭を撫でながら声を掛けるも、返事がない。  どうやら、緊張から解放されて、古良井は眠りに落ちたようだ。  カーテンの隙間から、白々とした朝の光が差し込んでくる。 「無理するなよ」  古良井の髪をすくい上げると、一所は顔を近づけ、そっと唇を押し当てた――

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