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第18話 ブルース 2
「キースはたくさん恋をしたのか?」
「なんでそんな事聞くの?
高校生の頃はたくさんの女の子と遊んだよ。
ミクオは知ってるでしょ。近くで見てた。」
「ああ、凄くモテてたな。
あの頃は女の子だけだったの?」
「そう、片っ端から付き合った女の子たち。
何故かときめかなかった。こんなものか、と。
ミクオは知ってたでしょ。
あなただけを見てたんだ。」
抱きしめてくれた。
「あの頃の想いがブルースだ。切ない思いをしたよ。」
ギターを爪弾く。アレンジしたブルースらしい
『朝日の当たる家』を歌ってくれる。
キースは置いてあるカホーンの上に座って合わせる。
「面白い楽器だな。ただの箱みたいだ。」
「叩く所や叩き方で音が変わるんだ。楽しいよ。
ミクオもやってみなよ。」
箱の上に座らせて手を取り合って音を探る。乾いた良い音がする。
「いいなぁ、この音。」
ミクオがノリノリだ。そばにあったジャンベでキースも合わせる。キースは以前、ギニア人のユールからジャンベを習った。
「コンガやボンゴやジャンベ。
太鼓は大好きなんだ。」
キースは、ダンスと同じくらいノリのいい打楽器が好きだ。
二人で、小一時間叩きまくった。適当に思いつくまま、子供の頃のように時間を忘れて叩きまくる。立派なドラムセットを叩くのも気持ちいいが、音の出るものなら何でも好きだ。
「子供は太鼓が好きなんだよ。」
ミクオが、汗をかいて顔を火照らせたキースを抱きしめて、キスしてくる。
「セクシーだ。汗ばんだキースは綺麗だね。」
抱かれて隣の部屋に行った。
ミクオの昂りを触った。キースを脱がせる。
ソファに倒れ込んでもどかしく求め合う。
いつもベッドサイドにあるローションの瓶を取って身体を開かれる。
毎日のように抱かれても、その都度衝撃的な行為。
(慣れる時が来るんだろうか?)
耳を噛まれて背中がのけぞる。
(ミクオは上手だな。)
少し傷付く。益々昂るのをキースは隠したい。
「これがいいのか?
言ってごらん、どうして欲しいのか。」
「ミクオ、恥ずかしい。凄く感じてるよ僕。
これが好き。欲しいの。」
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