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第78話 披露宴 2
盛り上がっている。有名人ばかりだか、一人一人紹介仕切れない人数だ。
ステージでは、なんと小鉄がドラァグ・クィーンになって踊っている。
「わぁ!小鉄さん封印したんじゃなかったの?」
「これが、見られるなんてラッキーっ。」
「今日は大サービスだな。
俺たちも出番があるよ。」
相変わらず機嫌の悪そうな凍夜が
「何かやるって?
俺たちの曲、暗いのばっかで、こう言う所に相応しくないよな。」
集蔵と名都のお色直しが終わって再登場だ。
二人はフィルムノアールから抜け出したようなギャングスタイル。
映画「ボルサリーノ」のアラン・ドロンとジャンポール・ベルモントのようだ。揃いで被ったボルサリーノが似合っている。
名都の繊細なイケメンが精彩を放っている。さすが集蔵の貫禄が凄い。咥えた葉巻が似合い過ぎる。
「藤尾さんも名都もカッコいい!」
大向こうからも声がかかる。
テツはナザレの事が気にかかる。
(俺はただの客か?
毎日会いたいのに金が続かないよ。)
テツは銀座で連絡先を交換して以来、ナザレに夢中だった。
キャバ嬢なんだから、本気で相手してくれるわけないよ、と自嘲しても抑えきれない想いは募る。
同伴して店にいく。それだけで高い料金が発生する事を知った。毎日会いたいけど金が続かない。今日、久しぶりに会えたナザレは凄く綺麗だった。
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