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第79話 披露宴 3

「テツ、俺たちも演奏するって。 曲、決めよう。」  バンドメンバーが集まる、楽屋があった。 「楽器持って来た?」 「キースのドラムは無理だから、ここのオケのを借りるよ。」  シルバースパークルはお預けだ。ディアボラは、ビッグバンドの演奏が入る日があるので、ある程度、楽器は揃っている。  テツは自分のベースを抱えて来た。タカヨシもレスポールを持ってきた。 「アンプはしょうがないからここのを借りよう。」  本当は使い慣れた拘りのアンプがスタジオに置いてある。  松ちゃんは自分のサキソフォンを持っている。ミクオは今日はピアノを弾く予定だ。店にグランドピアノが置いてある。  数曲やって、と言われた。オリジナルは二曲。 あと、サブのボカロ曲を使わせてもらう。 「初めてのライブの時より緊張するな。 芸能人も来てるし。」  テツはあの「ネクスト」の男を意識した。 (ダメだ。ミスタッチしちゃうよ、気にすんな。) 自分に言い聞かせた。 「凍夜はどう?緊張しない?」 「え?別に。」 相変わらずだ。ミコトに無茶振りをする。 「オマエもなんか歌えよ。」 「恐ろしい事、平気で言うなぁ。 心臓に悪い。」  向こうから、小池社長に肩を抱かれてナザレが来た。見るからに腹黒そうな小池社長にテツは猛烈にライバル心を燃やしている。 「テツ、演奏するの?楽しみ。応援してるね。」 ナザレの言葉に 「君はベースか?地味だな。」 キースが殴りかかろうとして凍夜に止められた。 「素人だな、おじさん。リズム隊が全体をまとめるんだよ。曲の出来はリズム隊で決まる。  音痴な歌手しか相手にした事ないんだね。」  喧嘩上等。凍夜が煽る。

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