141 / 143
第141話 メガフェス 5
あゆむが
「こんにちは、デリコ、あなたは男の人?」
「わぁっ、いきなり失礼だよ、あゆむ。」
サブが慌てている。デリコが
「そうよ。私は男。ま、オカマとも言うわね。」
あゆむが
「ボクと同じね。ボクも男よ。」
「まあ、気が合うわね。君は綺麗な子ね。
あ、サブの恋人なの?
今度メイクしてあげるわね。」
デリコは一部の隙もないメイクで、バッチリ綺麗だった。
「レディ・ゲゲが来てるわよ。
彼女も凄いメイク。見に行ってごらん。
じゃ、みんな頑張って!日本代表!」
「えっ、他にもいるでしょ、日本人!」
だんだん人が集まって来た。
「向こうにKNUのTさんがいたよ。
イケメンだった。凍夜もヒゲとかあるとカッコいいかな?」
ミコトが外の様子を見て来て興奮している。
酒が用意されている。アンジーの京子ママからの差し入れだ。
トレーラーは広いが、花とか差し入れとかで、ごった返している。
「マダム関口のケータリングよ。
みんな喉を通るかしらね。」
ナザレとマリアが料理を運んで来た。
テツはもう心乱れないと思っていたが、ナザレを見て心拍数が上がった。
ジヌがテツの手をそっと握った。
「俺、ウォッカトニックで。
ミコトにも作ってやって。」
凍夜がテンション高く入って来た。
キースは緊張してミクオの手を掴んでいる。
ミクオが京子に
「ありがとう。」
「ええ、ミクオも、ね。」
大人のムードだ。
出番の直前にあのライブハウスのサウンドエンジニアの山神が来た。あのライブハウスの優秀なミキサーだ。ミクオが頼んだらしい。押してサウンドチェックの時間もないらしい。
全て運営もバタバタだった。
出演者の間にライバル意識なんて無さそうだ。
有名なYKもKNUもRもDJMも、仲が良さそうだった。
険悪な様子なのは女の子だ。IとA。顔を見せない事で有名なAも、アンプラグドのIも気が強そうだ。
それぞれのトレーラーから、人の出入りが賑やかだ。
ともだちにシェアしよう!