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第12話
馨の中心も、着物の上から汁が滲む様になり堪らなくなってきている。
「馨くんが可哀想だよ、浮羽」
既に蜜壺に指を挿れられて両手を後ろについてだらしなく足を広げていた浮羽は、正座の間で盛りあがっている馨のものを見て目を潤ませ、笹倉の前を馨の元へと這っていった。
「なあ頼政。最初は雪さんじゃなくてもいいよな?」
結果的に笹倉へ尻を向ける格好になった浮羽の着物をめくりあげ、少し酸味のする香りを放つ液体の壺へ再度指をいれながら、なんでもない風に笹倉は雪に奉仕を受けている頼政へ問う。
「いきなり雪 では、馨には荷が重いだろう。まして雪だ。浮羽にまず筆下ろししていただこう。な、馨」
雪の頭を撫でながら、こちらもなんでもなさそうに薫を見てきた。
な、と言われても既に浮羽 の赤い唇に包まれている薫自身は、得も言われぬ快感に身を震わせ、返事などできようもない。
視覚からは雪の白い体が頼政に縋り付いているのをみて、竿の根本が痛いくらいに緊張するほどの快感の相乗で、もう体は後に倒れそうだ。
「あ…でも浮羽…さんは笹倉さんのお相手を…」
「心配はご無用だ。私はなんでかわからないんだが、去年から男性機能が壊れてしまっていてね。そこのいやらしいお医者さんにも相談をしているのだが、まだ回復の兆しはないんだ。浮羽も義理だてして暫く男を受け入れてない様だから、よかったら馨くんお願いできるかな」
浮羽が馨に奉仕する音と、雪が頼政に奉仕する音が部屋に響き渡っている。
「旦那様…雪にくださいませ…」
そう言いながらジュルジュルと、いつもの雪では見られないような下品な音を立てて吸い付き、浮羽も手練手管の技を初めての馨に仕掛けてくる。
「あっあっああ…浮羽さん…離して…おれ…もう…」
「大丈夫ですよ。そのままで…お任せくださいな」
そう言って再び口に含み舌で翻弄し唇で擦り上げ、馨の気を上げてきた。
「旦那様…大きい…早く…早く雪に…」
舌を蠢かせ、頼政を達 せようと頭を振り喉の奥まで受け入れる。
喉の奥で締め上げられ、頼政の眉が寄った。
「頼政、馨くんより早くいっちゃうかい?」
グラスに洋酒を注いで飲みながら上機嫌の笹倉は、朋友の手助けをしながら笑っている。
「言っていろ。お前とて雪にこれをされたらわかる」
「それは、私が元気になったらお借りできると言うことか?」
「無理だがな」
なんだよー、とこれも楽しそうに笑って、今度は浮羽と馨に目をやった。
浮羽の頭も上下に激しく蠢き、馨 はもういきつく寸前といった感じだ。
笹倉の目の前に突き出されている浮羽の女陰も、開けたばかりの牡蠣のように水分を纏い行灯の光で怪しい光をともしている。
馨の腰が男の本能のように上下して、後ろについた手を軸に浮羽の喉奥を突くように動いていた。
「あっで…ちゃう出ちゃう…でるっんんぅぅっ」
馨の腰が激しく揺れて浮羽の喉の最奥を突いたかと思うと、そのまま口の中へと放出してゆく。
馨の体がビクビクと痙攣し、喉の奥で馨の精を受け止めた浮羽は喉を鳴らして飲み込んだ。
「若い子の精は、ほんと久しぶり…」
「美味いか?」
笹倉に聞かれ、浮羽はなんとも言えない女の顔で微笑み返してくる。
「馨はいったか…それなら…」
と頼政は雪の頬を優しく挟み、
「雪、手をこうしたまま愛してやろう」
いつもなら手を外して布団の上で愛してくれる。この状態で愛されるのは久しぶりだ。雪はこれが本当は好きだった。
「旦那様…嬉しい」
頼政は雪の後ろに周り、尻穴に指を挿れてみるが少しきつそうなので用意していたクリームを塗り指で広げるように中を混ぜ始め、それに雪が反応して、激しく声を上げる。
「あっああ旦那様…そこは…」
医学を修めている頼政だからこそわかる、尻穴の中のツボ。そこを刺激しながら広げる様に蠢かせ、ツボを時々ぎゅっと押しながら雪の反応を見る。
馨はその光景を目にして、たった今行き着いたばかりの男根を萎えるまもなく怒張させ、浮羽がーさすがお若いーと喜んで立ち上がる。
馨を仰向けに寝かせ、自分の着物の裾を全てはだけさせると胸元も寛がせ、馨の腰あたりに座り込み徐々に再び起立した馨を、さっきから潤みっぱなしの蜜壺へと収めていった。
「ああっああああ」
熱く、柔らかいものに包まれて行く初めての感覚に馨から声が漏れる。
それと時を同じくして、頼政も雪の中へと身を沈めていった。
「ああっあ…旦那様……ああ…」
雪と馨の声が響く。
笹倉はグラスを空けるピッチも早まり、この光景を楽しんでいた。
元々淡白なタチでもあって、こうして他人が交合しているのを見る方が実は好きなのである。
頼政と雪、馨と浮羽の2組は声を上げあい、責め立て合い、冬の寒さも忘れて性の饗宴に没頭していった。
廊下の障子を開くと、今日は桶が3つ用意されていた。
「おトキさんは気が利くねえ」
桶を一つもらって、笹倉は浮羽の足の間を拭ってやり、浮羽は馨のさすがに萎んだものを丁寧に拭いてやる。
「浮羽よ、どうだったかい?欲求は晴れたか?」
馨は既にイキついたまま眠ってしまい、その後始末をしながらの浮羽は嬉しそうだった。
「こんなお若い人の相手をさせていただいて、旦那様ありがとうございます」
「私が不甲斐ないばかりに苦労をかけているからね。また馨くんをお借りしようね」
「よろしいんですか?頼政様」
馨の着物を直してあげて、浮羽は雪の処置をしている頼政へ向き直り、立ち上がって自分の乱れた着物も直し始めた。
「最終的に馨には雪を任せようとも思っているから、いずれ雪の相手もしてもらわないとだが、まだ馨には雪はしんどかろう。浮羽鍛えてやってくれよ」
「嬉しいお言葉です。ありがとうございます、頼政様」
「しかし頼政、お前決断早かったな。馨くんが15と知ってすぐにこの話を私に持ってきたんだからな」
「13と思っていたときは、あと2年待つのか…と思うほどだったのでな。15と知ったとき、なんだか少し肩の荷が半分降りた気がした。15なら元服で大人だ。いい機会だと思ってな」
「まあ、お互いの歳を考えればな…雪さんの先々もあるし、馨くん が現れたのもいい機会だったよな」
大人たちの思惑はいずれにしろ、年齢も経験も大人になった馨は頼政によって部屋へと戻され、雪は今日はだいぶ疲れたのか手をつられたまま寝入ってしまい、これも笹倉の手を借りながら下ろしてやり布団へと寝かせられた。
笹倉と浮羽は、頼政も遅いから泊まっていけばと促したが、笹倉は明日の朝から早い仕事があるからと言い、浮羽もそれに従い帰っていった。
頼政は笹倉が飲んでいた洋酒を、用意してあったグラスに注ぐと雪の隣に胡座をかき、飲みながら雪の髪を撫でる。
「お前が苦労しないようにしてやらんとな」
次ぐ日目が覚めた馨は、自分が自分の部屋の布団で寝ていることに驚いて起き上がった。
その瞬間に昨晩の夢のような光景が思い出され、朝と言うこともあり馨の下半身は起立する。
「夢…だった…わけじゃないよな…」
起立している自分に手を添え、浮羽の中の感触を思い出すにつけ硬度が高まった。
頭が少しぼんやりするが、それと同時に自分の中の意識の変化にも気づく。
この起立している物は、昨日の朝のものとは違う。
なぜか『自信』と言うには烏滸がましいが、そう言うものが自分の中に芽生えている気がした。昨日の自分ではない。
『女を知る』と言うことは、こう言うことなのか…と経験して解る感情である。
しかし馨の頭には、雪の事が思い浮かぶ。
男として女性と交合するのは是としても、雪は男だ。一緒にいて時々勘違いしそうにもなるが、昨日男だと言うことはまざまざと見せつけられた。
が、自分でもなんでかと思うが今は無性に雪を抱きしめたいと思う。
自分は『そう言う』質 だったか?いや、女性でもちゃんと感じて出来た。
でも女性を知った今となっても女性を求める気持ちはあまりなく、雪を抱きしめたいと思う。
この気持ちは、今の馨には理解はできないだろう。
ただこれからも雪のそばにいて、一緒に笑い、色々教わって成長していくのがいいのだろう、と、そう思うしかなく布団から出た馨は着物を着替え朝食の準備のために部屋を出て行った。
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