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第17話

「続き…してもいい?」  唇を離して切ない顔になってしまった馨の言葉に、雪は小さく頷く。   それを確認して、馨はそのまま雪を寝かせると先ほど乱暴に開いた胸の中に手を差し入れ、乳首を指で転がした。 「んっ…ぁ…」  それに反応して、雪の足が少し開く。 「ここ、気持ちいいところ?」  執拗に指でこねて、舌を絡ませ続ける馨だったが、雪の襟元をもっと広げ乳首に舌を這わせ始めた。 「ぁあ…」  乳首を舐められて、馨の頭を抱えた雪は足を開いて馨を挟んでしまう。 「雪さん…」  馨は苦笑して、自分の着物の前を開き下帯を緩めるともう痛いほどに反りたったものを、下着は襦袢だけの雪の足の間に擦り付けた。  布越しに熱いものを押し付けられて雪の腰も馨へとおしつけられる。  暫く2人で擦りあっていたが、乳首の快感も手伝って雪がもう堪らなくなってしまたらしい 「馨くん…ね…」  催促をしているようだが、はっきり言えない雪が馨は可愛くなって 「なに?雪さん。言ってくれたら俺は、なんでも言うこと聞くから…」  乳首に軽く歯を立てたり、舌で捏ねたりして雪を焦らす馨に雪は恥ずかしそうに馨の両頬に手を当てて自分に向かせると 「私に…挿ってきてほし…」  最後まで言えなくて唇を噛んでしまう雪に、ーかわいーといって唇を合わせると、雪の着物の下の部分を分け、片手で下帯を投げ捨てると雪の尻の合間へと固く熱くなったものを差し込み、その中心に当てるとゆっくりと中へと挿っていった。 「ぁぁ…あぁあ」  雪の両脇に置かれた馨の腕が握られて、雪は足を馨に絡めながら挿入感を楽しむ。 「きも…ちい…」  薄く笑って、収まり切った馨を見つめた雪は 「もっと…して…」  と腰を押し付けてきた。  それは馨にも刺激になり、 「こんな昼間でも…雪さんいやらしいなぁ…すごい素敵」  そう言いながら腰を進ませ、浅く深く何度も何度も雪を突き上げる。 「あっあんっあっああっ」  動きを合わせ、馨の首に両手を回した雪は喉をそらせ、腰を押し付け揺れに任せて自我を手放した。 「ああっいいっ…馨くん…きもちいぃ…」  意識なく、感じたままの声は本当にクるな、と感じ入り腰を打ちつけていると雪の白い肌が桃色に染まってくるのに気づく。  馨は思った。夜のあの行燈の灯では、雪のこの肌の色は見られない。  いま初めてその肌の色を確認し、なんて貴重で尊いものを見ているんだろうという高揚感が湧き、思わず強く雪を抉ってしまった。 「ぅんっ!あうっんっ、馨く…激し…あっ」  いつも思うが、長さが勝つ馨のものは奥を突きすぎて雪は怖いのだ。  怖いと言っても痛いとかではなく、これをずっとされたらどうにかなってしまうんじゃないかという恐怖。 「あっああっんいいっすごっいいっ」  それでもやめない馨の強い突きに翻弄される。  馨はしばらくそのまま突いていたが、ある瞬間一度抜けでた。 「雪さん返し〜」  と笑って、優しく雪の腰を持ってうつ伏せにしようとする馨に、雪はー止めないでーと抗議しようとして、返される身体に違う期待感で身体を震わせる。  うつ伏せになった雪の腰だけを高く上げて、 「雪さんこれ好きだよね…」   と囁きながら、馨は再び雪の中へと挿っていった。 「あっ…ああぁんっ」  この体勢は深く抉られることを雪は知っている。そして、この体勢は好きだ。  馨は容赦なく突き、雪も遠慮なく声をあげる。  家に2人だけと言うことが、夜の行為よりも大きな声をださせている。   馨も上がる息と共に声で快感を露わにし、雪を抉りながら自分のイきどころも考えていた。  より、長く、雪を楽しませたいから。 「ね、馨くん…ここ…ここを…」  雪の尻の丸みを堪能していた馨の手を、雪が引っ張り、膝立ちになった自分の胸に誘うと 「ここを…キツく…して…」  先ほど優しく責めていた乳首に手を持っていかれ、雪はそこをキツく責めてくれと懇願してきた。 「これ?これをどうするの」 「ぅん…ここを…キツく捻ってほしぃ…」  頼政からも漠然と聞かされてはいた。  雪には被虐的なところがあって、先天的なものか好天的なものかは判らないが、ともかく少し乱暴に、とか痛くとかが好きなようだと…。  これのことか、と思い、ちゃんと言えた雪の背中に口付けをして、乳首を強く前に引っ張った 「ああああっあ…ぃ…いい…あぁ」  結合部がギュッと締まり、馨も行きつきそうで危なかった。 「いいの…?これが…もっと強くがいい?」  腰の動きを止めず、乳首を指で挟んで強く摘んだり、引っ張ったりして雪の反応を楽しむ。  愛おしかった。  3月の誕生日以降、雪を抱くことが普通になった日常で、こうやってまるで恋人同士のように当たり前に身体を合わせるのが、馨は嬉しかったし、雪のことがますます愛おしくなっていく。  こんな気持ちにはなったことがなく、勉強を頑張れるのもみんなが休めと言うほど動けるのも、雪のためなんだと思った。  これは…愛してると言う気持ちなのか… 「あっああっんっんっんん…かおるく…も……だめ…でちゃううぅ…」  雪の体がびくびくし始め、頭を馨の肩に押し付けてきた。  乳首の痛みに声を上げ続ける雪に、 「うん…俺も…もう出ちゃいそう…一緒に行けたらいいね…一緒がい…い…」  雪に激しく腰を打ち付けながら、乳首をいじる片方の腕を雪の中心に添えて擦り上げる。 「あっああああんんっだめそれいっちゃうから いっちゃうからぁ」  雪の身体が大きく震え、膝立ちのまま馨に寄りかかって行き、それを支えながら馨も雪の中に自分の精を放って行った。  2人は重なって布団に倒れ込んだ。  馨が上に乗る形になっていたが、ー少しだけーと耳元で言って、馨は雪を抱きしめた。  背中が上下して、それに自分の呼吸も合わせるとなんともいえない幸せな気持ちになってくる。  雪もそれを感じたのか、胸の下から肩口にでている馨の手に指を絡めた。  「凄かったね」  馨は息を切らしながらそう言って笑い、雪も指をさわさわしながらーね…ー  と微笑んで、その指を唇へ引き寄せる。  その行為を微笑ましく見て、馨は伸び上がってその唇に自らの唇を合わせると、 「重いだろうから、降りるね」  と雪の顔を撫でて背中から降りようとしたが、雪がその手を離さなかった。 「雪さん…」  仕方ないーと苦笑して、手はそのまま馨は雪の隣に寝転んだ。  雪はずっと、絡めた馨の指に唇を合わせたまま隣に寝転んだ馨の顔をじっと見る。  その目を見ていると、果てしなく雪を求めそうになってしまいそうな馨は、寝転ぶ雪の髪をなで、そして指を体に這わせ始めた。  うなじから布団へと流れる髪を分け、肩、背中、尻の丸みへと順番になぞる。 「くすぐったいよ…」  だいぶ消耗したのか、夜の行為の時よりもぐったりしてそうな雪が、それでもその指に反応する。 「全部俺の雪…」  指を這わせながらついそんなことを口走ってしまうと、雪の目が少し開かれたように見えた。 「あ…心の声が漏れちゃった。俺の気持ちだけね」  雪が口を寄せている指で雪の唇に人差し指を当てて笑い 「内緒ね」  と、指を元きた通りになぞって、髪へと戻した。  雪はそれには複雑な表情で笑っていて、特に何も答えなかった。  それにしても閉め切った上に激しい行為をしてしまったがために 「暑いね!」  と馨は一転明るく笑って、 「そろそろ障子開けようか?」  と雪に問うと、雪はーそうだねーと漸く指を開放してくれた。 「これはこれで名残惜しいんだけどね」  と、もう一度唇を合わせて馨は立ち上がると、障子へ向かい裸のまま障子をガラリと開け放った。  どうせ誰もいないし…と思ってやったことだったが、ふと足元を見て軽くーうえっーと悲鳴をあげた。 「どうしたの?」  あまりの声だったらしく、雪も声をかけてくる。  馨は足元から手拭いが2枚かかった暖かいお湯の桶と、ラムネが2本刺さった冷たい水の桶を持ちあげて、雪の方へ振り向いた。  雪も軽くーヒッーと声をあげ  誰もいないと思い込んでいた先ほどまでの行為を思い出し、2人で顔を見合わせてしまった。 「もう…勝てないやトキさんには…」  と、言いながら雪の元へ戻って座り、 「本当…勝てないね、トキさんには」  と言う雪の声を聞いて一枚の手拭いを絞って渡すと、雪は馨にお礼を言って初めて馨の汗を拭った  もう一枚の絞った手拭いで馨は雪の体を拭ってやると、時々顔が近づく瞬間があり、その時に口を吸いあって、気持ちを交換するように何度も繰り返す。  馨はやっぱり雪を愛していると実感し、今の時が止まればいいのに…と願わずにはいられなかった。

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