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10冷静に話せば、なんということはない
「さーて、今日はなんか良い依頼はあるかな」
朝、サシュにキスで起こされて、その頭をなでなでしてやってから俺はそう呟いた。今はとにかく真面目に働いて貯蓄する時だ、そうしておかないとまた剣が折れたら買う金がなかった。それで俺とサシュは楽しく朝食を終えたら、そのまま冒険者ギルドに向かった。するとドラゴン退治という依頼があった、でも俺はその依頼を選ばずに他を探した。
「カイト、ドラゴンとは戦わないのですか?」
「戦わない、というかドラゴンは人間を滅多に食わない。だから戦う理由がないんだ」
「へぇー、そうなんですか」
「俺も前の街でエルフに聞いて初めて知った、だからドラゴンとは戦う必要がないんだ」
「それじゃ、なんで依頼になっているのでしょう?」
「ドラゴンだって襲われたら反撃する、多分こっちが先になんかしたのか、何か理由があるのさ」
俺はダークボア退治を引き受けた、最低でも五頭はしとめることと書いてあった。受付のおねえさんからは更に詳しく話が聞けた、近くの森にこの魔物が出るようになって、今は薬草採取も安全にできないそうだ。そういうわけで俺はサシュを連れて近くの森に行った、ダークボアが俺たちを見つけると俺たちに向かって全速力で走ってきた、俺はサシュを下がらせて剣でその頭をかち割って止めた。
「サシュ、魔石をとっておいてくれ。うわっ、また来た」
「はいです、本当にダークボアが多いのですね」
サシュに魔石をとる作業をさせてたら次がきた、そうやって俺たちは合計で十五頭のダークボアを退治した。冒険者ギルドに行って依頼達成の報酬を貰った、それは良かったのだが俺はドラゴン退治を頼まれた。
「カイトさんならドラゴン退治できるでしょう?」
「いや、できません。もっと強い人に頼んでくれよ」
「”旋風”の名を持っていながら、なんでそんなに弱気なんですか!?」
「俺は自分の強さの限度は知ってるの!! 今の俺じゃドラゴンなんて倒せないって!!」
そうギルド職員と滅茶苦茶もめたすえに、話だけ聞いてくるということになった。ドラゴン退治じゃなくて、話を聞いてくるだけそういうことになった。俺は大丈夫かなぁと思いながら、サシュと一緒に翌日ドラゴンに会いに行った。真っ赤なドラゴンだったので、俺は昔エルフに聞いたとおりにそのドラゴンに挨拶をした、サシュは俺の足にくっついていた。
「猛き赤をまとう太古からの隣人に、大いなる力の加護があらんことを」
「ほうっ、風の精霊の加護を受けし者に、大いなる力の加護があらんことを」
「こんちは、楽に喋るけどいいか。なんでこの道にいるんだ、皆が通れなくて困ってるんだけど」
「うむ、ちと厄介な怪我をしてしまってな。傷は回復魔法で治るが、体の中に入った異物がとりだせんのだ」
「こりゃ厄介な棘が刺さってらぁ、傷口を少し切って抜くしかないな」
「できれば頼もう、風の精霊の加護を受けし者よ」
俺はドラゴンの右足に突き刺さっている厄介な棘がある矢じりを引き抜いた、そうしたらドラゴンは自分の力を使い回復魔法で傷を綺麗に治してしまった。
「礼を言おう、風の精霊の加護を受けし者よ。ああ、久しぶりに本来の姿に戻れた」
「風の精霊の加護って何? 俺、何もしたことないよ」
「うむ、精霊たちは気紛れで何にも縛られない。だが時々その気紛れで人間と勝手に契約することがあるのだ。そなたには風とよく見れば光の加護も受けているようだな」
「そうなの? へぇ、良いことを聞かせてくれてありがとう」
「こちらこそ助かった、風の精霊の加護を受けし者に、大いなる力の加護があらんことを」
「ははっ、猛き赤をまとう太古からの隣人に、大いなる力の加護があらんことを!!」
そうしてドラゴンは飛び去っていった、サシュはずっと俺の足にくっついていた。俺が危ない種族じゃなかったろとサシュの頭を撫でると、サシュはこくこくと俺の言葉に頷いていた。そうして俺は冒険者ギルドでドラゴンと話したことを報告した、冒険者ギルドは最初は懐疑的だった。だが実際にドラゴンはいなくなっていることを確認すると、手のひらを返してさすが”旋風”ですと俺を褒めたたえて、ついでにいくらか報酬をくれた。俺は夜になっていたし、サシュを連れて宿屋に帰った。
「あんなに大きなドラゴン相手にカイトは凄いです」
「ん? ちょっと話をしただけだろ」
「僕にはそのちょっとお話が、怖くてとてもできないです」
「まぁ、そりゃそうかもな。それで怖くなったサシュは、今日は俺の相手はしてくれないのか?」
「もちろんするのです、僕はカイトの性奴隷です!!」
「ははっ、優しくしてくれよ」
サシュは俺に言われたとおり、俺のものを優しくこすってくれた。そうしながら俺とキスもするものだから可愛かった、以前に法律がどうのと考えていたことは吹っ飛んだ。サシュはまだ幼いが俺はサシュに触れたかったし、サシュの方も俺から触れられて感じていた。
「カイト、気持ち良いですか? 僕はふわふわします」
「俺も凄く気持ち良いよ、サシュももっと気持ち良くしてやる」
「あっ、ああっ、ああっ!! 気持ち良いです、もう出ちゃう、出ちゃう!?」
「可愛いな、サシュ。ふぅ~、俺も凄く気持ちよかった」
「えへへへっ、本当に気持ち良かったです。もっとしたいです」
「何度でもいいぞ、つきあってやる」
そんな感じで俺はサシュとさわりっこ、セックスの前戯までしていた。サシュは俺にいっぱいキスしてくれたし、俺もお返しにいっぱいキスをした。サシュの幼い柔らかい手で俺のものをこすられるのは凄く気持ちよかった、だから俺もなるべくサシュを気持ちよくさせてやろうとした。そうやってお互いに快感を与えあって満足していたが、サシュの中ではやっぱり性交は別物扱いだった。
「でもそこまでしなくても、十分気持ちいいしなぁ」
「やぁ!? カイト、こっちに集中してぇ、ああっ!!」
「おっと、ごめん。余計なことを考えちゃってさ、そのお返しにサービスするよ」
「ひゃん!? やぁ、おちんちんが気持ち良くって、また出ちゃう、出ちゃう」
「サシュは可愛いな、いっちゃう時も可愛い」
「はぁ、カイトは男らしいのです。いってしまう時もそんなに声をださないです」
身長百八十センチ超えの俺があんあん喘いでいたら、それはもう男性同士のセックスである、そんなことはサシュ以外としなくていいのだ。俺は声はそんなに出してないけど、ちゃんと感じてるからとサシュに説明した。
「カイト、僕が性奴隷で満足ですか?」
「大満足です」
「それじゃ、いつ性交しますか?」
「いや、無理に性交しなくてもいいんじゃないかなぁ」
「僕はカイトの性奴隷として、きちんと性交までしたいです」
「まぁ、それは……。うーん、今後のお楽しみな!!」
俺はそう言ってサシュにキスして性交のことを誤魔化した、男同士で本気で性交するとなると準備がいろいろ大変だったからだ。たしかにサシュとセックスまでしても良かった、でもセックスの定義もいろいろで今の状態でも十分にセックスをしているとも言えた。
「本気でやっちまうか、でも今でも十分気持ち良いんだよなぁ」
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