14 / 30

14君さえ認めてくれれば、他はどうでもいい

「あー、頼むよ。俺の化学の知識が間違っていないことを祈るぞー。科学苦手だったけど」  そうして俺は武闘会の対戦会場に出て行った、対戦相手の”烈火”のリベルも既にここに来ていた。先手必勝と思っていた俺は戦闘開始の合図と一緒に、黒のロングソードに魔力をかなりこめて”烈火”の方を中心に風を送った。会場全体にかなり強い風が吹き抜けた、そうただそれだけの一撃だった。俺が放った風は誰も傷つけなかったし、何も起こしていないように見えた。だから”烈火”のリベルも俺も馬鹿にして話しかけてきた。 「なによ、今のそよ風? それでも”旋風”の二つ名持ちのか……しら……、……あ?……」  だが俺に話しかけてきた”烈火”の周囲ではまだ風が渦巻いていた、そしてその中心にいたのは”烈火”のリベルと呼ばれる彼女だ。 「火炎嵐《フレイムストーム》!!、なっ、なんで、炎が、息、息、息できなっ…………」 「降参するなら早めにしといたほうがいいよ」  ”烈火”のリベルは息をするのもやっとで、そうしてやっと口から紡いだ魔法の言葉《マジックワード》も、何故だか魔法という形にならなかった。それから数十秒で彼女を気を失って俺が”烈火”に勝った、その瞬間に俺は ”烈火”のリベルにかけ続けていた魔法を解いた。その途端にすうっと彼女は息をして、げほっけほっと咳をしていたが命には別条ないようだった、 「あっ、上手くいって良かった。酸素がどのくらいなのか、目じゃ見えないから俺にも分からないもんなぁ」  今の試合、俺が強い風のような一撃を放ったら、ただ ”烈火”のリベルが倒れた。他の人間からすればそうとしか見えない、でもその強い風には実は簡単な仕掛けがあったのだ。”烈火”のリベルというからには火の魔法を使うのだろう、そして火が燃えるには絶対に必要な条件があった。それは風の中に含まれる空気中の酸素があることだ、俺は試合開始と共に非常に酸素の薄い風を ”烈火”のリベルにまとわせたのだ。完全に空気を無酸素状態にしてしまうと殺してしまうから、酸素を非常に薄くでも無くならず、火の魔法は起こせないという状態にして ”烈火”のリベルを風で取り囲んでいたのだ。 「初めて使ってみたけ上手く行って良かった、これってアンデッド系以外なら凄く強い技なんじゃないか?」  そんなことを俺は考えながら、俺の応援をしてたサシュを見ていた。俺が手を振ったら、笑顔で元気よく振りかえしてくれた。さてそろそろ俺は負けてもいいんじゃなかろうか、いや手を抜かずに相手と剣術のみで戦って、俺がどこまでいけるか試すことにしようとした。だがその時俺の肩をガシッと”烈火”のリベルがガッチリと捕まえて、薄ら笑いを浮かべながらこう言ってきた。 「あたしに勝ったんだから、優勝しなきゃタマとるぞ、てか焼く」 「嘘だろ~~、勘弁してくれよ~~!?」  そう言って脅された俺はありとあらゆる手を使って武闘会を戦った、疲れたすっごく疲れたでもおかげでどうにか俺は武闘会で優勝することができた。 「わーい、カイト。優勝です!! 凄いのです!!」 「おおっ、サシュ!! どうにか俺は身を守ったぞ!!」 「なんだ、女がいんのかよ。チッ、面倒くせぇな」 「僕、女の子じゃないです」 「うわゎ!? ”烈火”のリベルさん? 俺たちに一体何の用!!」 「なんだ可愛いけど男かよ、なぁ。”旋風”、あたしと付き合わねぇ?」 「………………」 「え!? いや、俺は今サシュと付き合ってるみたいなものだから」 「そうなの!? ああっ、男が好きな方なのかぁ。残念、今のことは忘れろ」  俺は必死でサシュを抱きしめて可愛がっていることをアピールすると、”烈火”のリベルはあっさりと俺を軽蔑することもなく諦めてくれた。この世界では同性愛はわりと寛容に受け入れられているようだった、それで俺は”烈火”のリベルとは関わらずに済んだのだが、今度はサシュが何故か凄く落ち込んでしまった。そして、サシュは宿屋に帰ると俺にこう言いだした。 「カイトは”烈火”のリベルさんと付き合うべきです!!」 「え!? 何で!? 俺はサシュの方が好きなのに、なんでそんなこと言いだすの!?」 「だって村では男女が付き合うべきだって、男同士は遊びだって言われてました」 「ああ、そういう教育をサシュは受けたのか。でもな、サシュ。俺は付き合うんなら性別は関係ないと思うぞ」 「本当ですか? ひっくっ、一時の遊びじゃないんですか? ひっくっ」 「女でも”烈火”のリベルは苦手だ、それに男でもサシュのことは大好きだ」  俺は涙をこらえきれずに泣き出してしまったサシュを膝に乗っけて抱きしめて、それからゆっくりとサシュと話をした、サシュが不安にならないようにその間俺はサシュをずっと抱きしめていた。 「サシュ、最初はな~。確かにサシュとのことは一時の遊びだと思っていたよ」 「うえぇぇん、ひっくっ、やっぱり、ひっくっ」 「最後まで聞けって、でも最近俺に自分からキスしてくれたりする。そんなサシュが俺は今では大好きだよ」 「本当ですか!? 一時の遊びじゃないですか!?」 「一時の遊びになるかは、サシュが俺をこれからずっと見てればいいさ。むしろサシュは? 俺のこと好き? 一時の遊びじゃないのか?」  そうやって聞いた俺への返事はサシュからのキスの嵐だった、サシュは唇はもちろん顔中にキスしてくれた。それにサシュらしく可愛いが小さな声で、こう言って俺を誘ってきた。 「僕はカイトの奴隷に過ぎませんが、カイトが好きです。内緒だけど、大好きです」 「サシュったら可愛いなぁ、それじゃお互いに大好きだって確かめたところで、エロいことしてもいい?」 「はい、カイトが僕の体が目当てでも、僕はカイトが大好きです」 「そう言われると確かに最初は体目当てだったけどね、でもサシュってすっごく可愛いんだもん」 「僕は可愛いですか?」 「そうそう見た目だけじゃないよ、行動とかも可愛いし、顔は美人さんになりそうだ。俺はそんなサシュが大好きで可愛いの」  そう言いながら俺はサシュの服を脱がせて、ディープキスしてそのまま乳首を舐めてあげたりした。サシュのものはそれだけで勃起していたので、わざとそこだけ避けてそれ以外の体中に愛撫をした。そうしたら、またサシュが可愛くおねだりするからまいった。 「やぁん!? カイト、僕のおちんちん触ってください、お願いです触って、ねぇ触ってぇ」 「サシュったら可愛いけどエロい顔、俺以外に見せちゃ駄目だからね」 「カイトにしか見せません、ああっ!! カイトに触られちゃうとすぐに出ちゃう、やぁ出ちゃう」 「サシュ、今度は俺のものなめていかせてくれよ。俺はサシュの舐めてやるからさ」 「はい、カイト。大好き、あっ、あっ、ああん!! 気持ち良いのです!! また、出ちゃう!?」 「ホントにサシュは可愛いなぁ、俺って今凄く幸せ」  そうやって武闘会で優勝した夜は、賞金だけ貰ってお披露目のパーティを俺はサボった。そして、サシュと心ゆくまでエロいことを楽しんだ、サシュの口に、体に何回射精したのか分からなかった。翌日になると武闘会の関係者から怒られたが、俺はサシュと相思相愛になれて嬉しかったのでさほど俺にダメージは無かった。そして、俺はいつから自分がこうだったのか考えたりもした。 「俺っていつからサシュが好きだったんだろ、サシュは緊張してたけど最初から可愛かったからなぁ」

ともだちにシェアしよう!