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第17話 感じやすい体
僕の乳首を弄びながら、鎖骨の辺りを彷徨っていた光の唇がもう片方の乳首に吸い付いた。
「やだぁっ……!!」
両方の乳首を好きにされて、僕の体はぞくりと震える。
「のぼるの体って感じやすいんだ……可愛い……」
甘く低い声で囁きながら、今度はジーンズで痛いほど存在を主張している僕の性器を自由にした。
「やだっ……光くっ……やめて」
「今、ここでやめたら辛いと思うけど……のぼる」
甘ったるい声で僕の名前を呼んでから、光の唇は下へと下がっていく。時々強く吸い上げ跡を残すことをしながら。
そして。
「嫌ぁっ……ひかりく!!」
あろうことか光は僕の性器をその形のいい唇でくわえたのだ。その瞬間体中に電気が走ったような快感を覚えた。
「嫌だ」という言葉と裏腹に僕は光の唇での愛撫を受け入れていた。とてつもなく気持ちよくて、気が変になりそうだった。
僕が昇りつめるのはあっという間だった。
光が軽く僕自身を吸い上げた途端、イッてしまった……光の口の中へと。
光は僕の性器から口を離すと、僕の目を真っ直ぐに見ながら僕が放ったものを飲みほした。
信じられなかった、同性が放ったものを飲む光の行為が。
なのに、光はにっこりと笑って。
「美味しかったよ……のぼる」
「嘘だ……あんなもの、美味しいはずない」
僕が半泣きで訴えるも、光は涼しい顔だ。
「まあまあ泣くなよ。……それよりさ、のぼるってあんま自慰しないの?」
「なっ、なんでそんなこと、聞くの?」
「うーん? なんとなく興味本位」
「…………」
僕は答えなかったけど、それが答えを表していた。
僕は高校生というヤリたい盛りの年齢にしては自慰はほとんどしない。性欲があんまりないのかもしれないとずっと思って来た。
好きな女の子もいないし、巨乳アイドルなんてまったく興味もない。ただ……。
「じゃさ、Uのこと思いながらしたことは?」
「なっ、無いよっ……そんなのっ」
それは嘘だった。まだUが光だと知る前、Uの曲を聴きながら自慰をしたことがある。
でも欲を吐き出してしまってから酷い罪悪感に駆られてそれ以来していない。
「嘘が下手だね、のぼるは」
何もかも見透かしたように光に言われて僕は慌てた。
「いっ、一回だけだからねっ。それもUが光君だって知る前だからっ」
慌てて墓穴を掘って、全て白状してしまった。
光はぽかんとした顔をしていたが、次の瞬間、思い切り吹き出して。
「ほんっとのぼるって可愛い」
陰キャの地味な僕を可愛いなんて言うのは光だけだ。
光君って変わってるな……僕はつくづくそう思ったのだった。
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