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次の朝。
閉じたカーテン越しにも日が高くなったのがわかる。
身体や重たい頭が気だるくて、まだ、もう少し眠っていたいような感じだ。
けれど、ほの明るい部屋の中で、気を抜いて目を閉じているエヴァンの顔を見つけ、しばらく眺めることにした。
安心しきった姿にこれ以上無いくらいの幸福感が湧き上がる。
彼の胸に顔を寄せてぎゅっと抱きついた。
今の穏やかな時間がずっとずっと続いたらいいのに、なんて思いながら密着していると、くすっと笑う声がした。
見上げるとエヴァンが微笑んでいる。
「わ、起きてたの」
「あぁ、朝から情熱的だな?」
からかうように言われて頬が熱くなる。
文句の一つでも言おうと口を開くと同時に唇を奪われた。触れるだけの甘い口づけに、ついうっとりとしてしまう。
「おはよう、レオ」
なんとも言えない柔らかな表情をするエヴァン。
本当に恋人になれたのだと実感して、胸が一杯になった。
恋人として迎える初めての朝がこんなにも幸福で満たされているなんて思いもしなかった。
「おはよ、エヴァン」
大好きな人に愛されている感覚がこんなにも幸せなんて。
「身体しんどいだろ」
ぼそりと言って頬を撫でられる。
「ちょっとね」
そう返すと、おでこにキスされてぎゅっと包みこまれた。ずっとくっついて寝ていたせいか、いつもよりも温かい彼の体温を感じた。
結局、盛り上がって何回もしてしまったのもあり、まだ怠さが残っていた。
忘れられないような時間だった。思い出すだけで思わずにやけてしまうくらい満たされた時間だった。
寝ぼけたまま彼の胸に頬を擦り寄せていると、いたずらに耳を撫でられ、くすぐったくて身を捩った。
エヴァンがふっと鼻で笑い、俺の耳元に顔を寄せて囁くように言った。
「耳弱いんだな?」
ふぅっと息をかけられて思わず身体が跳ねる。
「ちょっと、んぅ、そこいやっ」
「……いや?」
エヴァンの低い声が響き、背筋がぞくぞくとした。
「レオ……」
かぁっと顔が熱くなる。
昨日あれだけしたのに、それだけで身体も火照ってきてしまう。
胸の中で彼を見上げると、鼻先が触れて吐息が交わる。そのまま優しく唇をはみ、焦らすようなキス。彼の頬に手を添えて、舌先を滑り込ませると、甘く吸い上げられ鼻にかかった声が漏れた。
ベッドに仰向けになる俺にエヴァンは覆いかぶさるようにして、深く深く口付けした。
キスに夢中になっていると、Tシャツの中に手が滑り込み、胸の先に指先が触れる。
エヴァンに優しく撫でられて、びくんと身体が跳ねた。
「ふぁ……んぁっ、あっ!」
唇が離れたかと思うと、耳を舐められ、抑えきれずに声が出てしまう。
弱いところを同時に攻められて、否応なしに身体が熱くなった。
「んんっ、あぁ……そこ、ばっかり」
耳元でくすりと微笑む声が、卑猥に響く水音が堪らなく身体の奥に響く。
首筋にキスされ、甘く吸い付かれ興奮が高まった。
指先で刺激されて腫れぼったくなった胸の先に、エヴァンが唇を寄せて熱く濡れた舌先が触れ、思わずのけぞる。
朝からこんなふうに求められるなんて、想像もしていなかったから、正直困惑していた。幸せすぎて、どうにかなってしまいそうだ。
カーテンの隙間から淡く光が漏れ出し、鳥のさえずりが遠くに聞こえる。
シーツが擦れ、お互いの荒くなる息遣いを感じながら触れられる感覚に夢中になっていた。
エヴァンの手が腰を撫でる。軽く浮かせると、ズボンをずり降ろされ、すっかりその気になり蜜を垂らす屹立があらわになった。
「あ、んっ……んぁっ!」
エヴァンの大きな手に包みこまれ、待ち望んでいた刺激に思わず大きな声が出てしまった。
乳首をぐりぐりと舌先でこね回されながら、直接的な刺激も与えられて快感に震える。
彼の頭に手を添えて、ただ与えられる刺激に翻弄された。
ふと、太ももに触れた彼も固くなっているのに気づいた。
「俺も、触りたい……っ」
そのまま触れている足を揺すって、エヴァンを擦ると、ぱっとこちらを見上げる彼と目が合った。
腕を引かれて上体を起こす。
Tシャツとズボンを引き抜かれて、エヴァンも惜しげもなくシャツを脱ぎ捨てた。
何度見ても控えめに浮かび上がる割れた腹筋や、決して薄くない胸板に惚れ惚れしてしまう。
向かい合いながら、お互いに触れて刺激しあった。
「ふ、ぁっ……んっ、気持ちいい」
先走りで濡れた先の方を包みこまれ刺激され、ぬちぬちと濡れた音が響く。
エヴァンの色っぽい表情や、どくどくと脈打つのがわかるくらいに固くなった屹立にも興奮を高められる。
荒い息遣いや、衣擦れの音が耳に入った。
大好きな彼に触れられているだけでこんなにも満たされる。
昨夜の触れ合いで弱いところを知られてしまったのか、簡単に昇り詰めた。
「あっ、も、イっちゃう……っ!」
我慢出来ずにエヴァンに促されるままに熱を吐き出した。
言いしれぬ快感と高揚感に包まれた。
ゆるゆると扱かれ、絞り出され、身体がびくびくと震える。
エヴァンの色白な指先に俺の吐き出した白濁液がもろに掛かっているのが見えた。
そのまま手を離すと、あろうことか汚れたままの手で彼の屹立を握る俺の手を覆い、刺激し始めた。精液が潤滑油のようになっていやらしく水音をたてた。
言葉はなくとも興奮しているのが伝わってくる。
どろっとした精液が泡立つくらいに繰り返し扱き、そのままエヴァンも果てた。
正直、このまま続けたいくらいに興奮した。
大人っぽくて淡白に見える彼だけれど、こんなにも積極的に求めてくれる。
真っ直ぐな愛情深さに惹かれてしまう自分がいた。
目が合って、お互いくすぐったくて微笑み合って、どちらともなくキスを交わした。
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