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冷たい眼【2】
「迷子なら送るよ」
錦は一ミリたりとも海輝から視線を外ずさない。
殺気混じりの刺すような冷たい瞳で見つめてくる。
心臓が弱ければ視線だけで殺されそうだ。
「迷子じゃない」
「もしかして僕に用?」
「別にお前に用はない。偶々だ。偶々大学構内を歩いていたらお前にあっただけだ。奇遇だな。折角だ、顔を拝ませろ」
「十分拝んだだろ?思い残すことはないね?じゃぁ、僕はこれで。錦君や達者でな」
はっはっはと実にわざとらしく笑い友人の肩に手を回す。
さぁ、ご飯だご飯。
「海輝」
大きな声を出しているわけではない。しかし彼の声は良く通る。
『逃がさない』そう彼の瞳は語っていた。
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