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哀歌 3 side奏多 ※
息苦しいほど濃密な、薔薇の香りのようなフェロモンが部屋中に満ちている。
「やっ…もう、ほしいっ…ねぇっ…ここ、はやくっ…」
自ら大胆に足を大きく開いて誘う凪は、淫らで、でも壮絶なまでに美しくて。
抑制剤を飲んでるはずなのに、意識がぶっ飛びそうになる。
足を両手で抱え上げ。
でも今にも暴れだしそうな本能に流されないように、息を整えていると。
凪が愛液でぐしょぐしょに濡れたお尻を擦り付けてきた。
「はやくっ…はやく、きてっ…」
縋るように誘う声に、一瞬頭が真っ白になって。
気が付いたら、痛いほどに張り詰めたペニスを凪の中へと突き入れていた。
「あぁぁぁっ…!」
なかは熱くて狭くて、絡みついてきて。
沸き上がる快感に、抗うことなんて出来なくて。
「かなたっ…おくっ…ついてぇっ…」
乞われるまま、凪の奥を何度も突き上げる。
「はっ…ぁっ…いいっ…きもちいいっ…」
ヒートの時にだけ見せる
蕩けそうな表情
「もっとっ…もっとぉっ…」
ヒートの時にだけ聞かせてくれる
艷やかな甘い声
脳みそが痺るほどの
強烈なフェロモン
抑制剤で辛うじて繋ぎ止めてる理性が今にもぶち切れて、本能のままに凪を食い尽くしてしまいそうで。
俺は奥歯を強く噛み締めた。
「っ、く…凪っ…凪っ…」
名前を呼ぶと、両手を伸ばしてぎゅっと抱きついてくる。
「きもちいいよぉっ…かなたぁっ…」
耳元で響いた声に、ゾクッと背筋が震えて。
足を抱え直し、ペニスの先を最奥へと突き刺すと。
「あぁぁっ…」
凪の背中が弓形に反って、なかがぎゅっと締まった。
その背中を強く引き寄せ、激しくペニスを抜き差しすると、凪の身体がガクガクと小さく震えだす。
「やっ…だめっ…も、イキそっ…」
「いいよ、イッて。思いっきり、出して?」
耳元で囁いてやると、ふるふるっと小さく頭を振った。
「やだっ…ほしいのっ…かなたのせーし、いっぱいほしいっ…」
可愛い声で、そんなことを言われて。
もう、無理だった
「うん。いっぱい、出してやる」
くるりと凪の身体をうつぶせにひっくり返して。
抜けるギリギリまで腰を引き、一気に突き刺す。
「あーーーっ…!」
凪の硬く勃ちあがってたペニスの先から、白濁が飛び散って。
全身を突き抜ける圧倒的な快感とともに、俺も凪の一番奥にぶちまけた。
「はっ…はっ…」
上がった息のまま、汗濡れの身体をきつく抱きしめ、その華奢な肩に顔を埋めると。
チョーカーに守られた項から、また甘いフェロモンが溢れてくる。
「…かなた…もっと、ほしい…」
間近で見つめるブラックダイヤの瞳の奥には、底なしの快楽が広がっていて。
「…あぁ…」
抗うことも出来ず、俺はその中へと落ちていった。
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