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第23話 優しいベッド

 朝まで、先生、ここにいたんだよね。  ここで、寝てたんだよね。 「あっ、っ」  このシーツで、寝てた? 「あっ、ン」  ね。  そう思っただけで、イきそうなんだけど。  ほら、もう、きっと、買ってもらったばっかのパンツ、シミできてそう。  はっず。  けど、それがわかっちゃうくらいに感じてる。  触られなくてもイけそうなくらい、熱が上がってる。  恥ずかしいくらい張り詰めてる。  ベッドとクローゼットしかないシンプルな部屋でも、先生がここで過ごしてると思っただけで、ひどく興奮して、ヤバいんだ。この前よりもずっと自分の声が甘い気がする。その自分の声を先生が貸してくれた服の袖で、ぎゅっとせき止めた。  そうしてないと、恥ずかしいくらいに媚びた声が零れそう。  まだ首筋にキスしてもらってるだけなのに。  ここでこんなに気持良いなら、乳首、してもらったら、もう。 「っ、っ、っ、っ……ンっ」  溶けるかもしれない。 「っ」  ゾクゾクって、快感が背中を撫で回して、敏感さが増してく。  向かい合わせで座った体勢。俺は膝を抱えるように座りながら、先生の肩にしがみついた。   「…………」 「? 先生?」  先生が撫でるのもキスも止めたから、どうしたんだろうとその表情を伺った。   「?」 「いや……」  何?  なんか、俺、変だった? 「志保がここにいるんだなと」 「……」 「嬉しかっただけ」 「!」  飛び上がって大喜び、ってさ。本当に、あるんだね。  今、本当に飛び上がりそうだった。  先生にそんなこと思ってもらえるなんて。  先生もそんなことを思うなんて。  嬉しくてたまらなかった。俺が先生の部屋に来れたこと、先生が寝てたベッドでしてもらえることに感動しているみたいに。先生も俺とこのベッドですることを嬉しいって、口に出して言ってくれたことが嬉しくてたまらなくて。  なんでもしてあげたいって思った。  先生のことたくさん、良くしたいって。  だから、首に回していた腕をほどいて、胸にそっと触れてから、もっと下、今の体勢だと手が届かない下半身に――。 「あ、ね……俺、したげる」 「?」 「その、口で」  なんでもしてあげる。 「したこと、ないでしょ……口、で」  教科準備室で何度もしたけど、口でしたことなかった。いつもしてもらうばっかりだったでしょ。けど、俺も先生にたくさんしてあげたいしって。 「っ」  って思ったんだけど。めちゃくちゃ先生がびっくりした顔してた。  なんか、意外、だった?  そういうの、言われたりとかすんの、あんま好みじゃなかった? 「あのっ、だから、っ、!」  好きじゃなかった? こういうの。  その驚いた顔に、急に、口にしちゃった言葉をなかったことにしたくなって、慌てて、大きな声を出した。違ってたかもって、大きな声で、小さく呟いてみた言葉を掻き消すように。 「あっ、のっ」 「ありがと」  先生の重みも重なって、ベッドに沈む。 「あっ、ン」  服を捲り上げられて、曝け出された乳首をそのまま口に含まれて、濡れた舌に舐めてもらえた。優しく唇で食べられて、気持ち良すぎて、先生のまだ少し濡れてる髪をくしゃくしゃにしてしまうほど抱き締めた。 「っ、ン、ダメっ、あっ、あっ」  舐めて、噛まれて、蕩けてく。  反対側も。 「あぁぁっ」  指で摘まれて、ツンと尖ったところを押し潰すように撫でられて、抓られて、両方可愛がられるとおかしくなりそうに気持ち良い。  も、ダメ。 「先生っ」 「……」 「あ、あ、あっ、それ、ダメっ」  気持ち良くて。  もっと、先生と。 「あっ、先生っ」 「志保」 「あ、っ」  下着と貸してもらった家着のパンツを一緒に脱がされて、とろとろに濡れた身体を曝け出すと、恥ずかしくて顔が熱くなる。火でも吹き出しそうなくらい。 「先生っ」 「待ってな」  そう言って、先生がローションを手のひらにトロリと垂らした。  あ……もう。  挿入を期待した身体の奥がギュンって締め付けられるように切なくなる。そして、恥ずかしいけれど、でも暴かれて奥で先生のこと感じたくて、喉奥も熱くなる。  早く、欲しくなる。 「あぁっ」  指の挿入に震えるほど感じた。 「あっ、先生っ」  長い指がぬるりと挿ってきて、中を擦り上げると、腰が浮き上がるくらいに気持ちいい。 「あ、あっ」  今朝まで先生が寝ていたベッドで、先生が寝転がっていたシーツをぎゅっと掴みながら、指でももっと撫でられたくて、自分から中のいいところに擦り付けてく。  ハンドルを握ってた手。  一緒にランチをした時に水を渡してくれたあの手。  吊り橋を渡る時に繋いでくれたあの手に。 「あ、先生っ、もっ」  中を撫でられて、何度も、出し入れして孔の浅いところも、奥も、ほぐされて。 「先生っ」  身体を、あの手に、セックスに悦ぶよう仕立てられてく。 「も、先生っ」 「腰」 「!」  短く、それだけ口にした先生が枕を掴んで、俺の腰の下辺りに置いてくれた。 「脚、広げて」 「あっ」  今朝先生の頭が乗っていた枕を下に敷いて、そのままさっきまで俺の中を撫でてくれた指が腰骨を掴みように持ち上げた。 「あっ、あっ、あぁぁぁぁっ」  そして、もう片方の、俺の乳首をたくさん可愛がってくれた手に前を握られながら、気持ち良さに震える身体の中心を貫くように。 「あっっ」  先生のが奥まで突き立てられて。 「志保」  挿入された快感に、イった。 「あ、あ、あ、今」 「すごいな……」  勢い良く弾けた俺のがさっき可愛がってもらった乳首のところにまで飛んでる。 「……少し馴染むまで」 「あっ」 「ちょっと休憩してな」  平気。めちゃくちゃにしていいよ。  先生になら、俺、きっと何されたって嬉しいから。 「せん、せぇっ」  先生の指で、熱で、唇で、俺のこと、奥までたくさん。 「あっ……ン」 「ゆっくり、動くから」 「あぁっ」  めちゃくちゃにして欲しくて。 「志保」 「あぁっ……ン」  さっきまであった羞恥心さえ溶けるくらい火照った身体を開いて、喘いだ。

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