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第28話 発情

 落ちると思うって言ってもらえた。  そんなことないよ。  けど、ね、それって、先生には俺がそんなふうに見えるってことでしょ?  そんなじゃないけど。  そう言ってもらえて、押された。 「先生」  発情の、スイッチ。 「口で、しちゃダメ?」 「……」 「先生の、口でしたい」  ね、今日、俺ずっと先生としたかったんだ。  ―― 髪、触ってた。  山本と一緒にいたところを見てそう言ってくれたところから、ずっと。それはまるで、髪も先生のものって言われてる気がして、たまらなかった。 「ダメ? 先生」 「そんなの」 「?」 「志保は覚えなくていいことだよ」  したくて、したくて、たまらなかった。 「したいの?」  だからコクンと頷いて、先生のパンツのベルトに手を掛ける。手を止めずに、もう膨らんでる股間を手のひらで撫でて、布越しにそこにキスをした。 「先生の、これ、に……」  今日のデートの間ずっと、ずっと。  欲情してたんだ。 「したい」  ずっと、先生とセックスしたくてたまらなかった。  ――相田、全員分のプリント持ってきてくれるか?  あの先生が。 「そこ、気持ちいいよ」  どこが気持ちいいのか教えてくれる。英単語を教えてくれた、文法を教えてくれたあの口で、声で、どこをしゃぶったらいいのか、舐めたら気持ちいいのか教えてくれる。  それにたまらなく興奮する。 「ン……むっ……ンんっ」  ベッドの端に腰を下ろした先生の足の間に陣取って、口と舌、唇も使って、熱を溜め込んで張り詰めた、先生のにキスしてる。 「っ、志保」  いつも、こんなに太いのが俺の中に入ってるんだ。中を擦られるとたまらなく気持ちいいカリを舌で撫でて。俺の指でも、先生の指でも届かない奥を突いてくれる先端をできるだけ喉に咥えて。  口いっぱいに頬張って。  太くて硬い竿の部分にキスをする。 「っ」  頬の内側を窄め、啜るように唇で先のところまでしゃぶりつくと、先生が眉を寄せて、俺の口元を見つめてる。 「ン、はっ……ン、先生の、おっき、ぃ」 「志保」  嬉しい。  先生のが口の中でムクムクと硬くなってくれる。  舌で舐めると、ピクンって跳ねて、鼻先を優しく叩いてくれる。  頬張ってしゃぶりつくと、喉奥に微かに、苦いのを感じる。  気持ち良くなってくれてる。 「志保、やらしい顔してる」 「っ……あ、だって」 「そんなに美味い? 先生の」 「っ」  その言い方、ヤバい。 「美味しいよ」  妄想の中の先生みたい。  先生が俺の頭の中覗いたらきっと驚くよ。先生にしてもらいたくて、されたくて、頭の中はその願望で汚された先生がたくさん。 「ずっと先生の、口でしてみたかった」 「……」 「頬張って、しゃぶりついてみたかった」 「高校生の時も?」 「うん」  言いながら、目の前にそそり立つ熱の塊の裏筋を舌でなぞるように舐め上げて、パクリと先端を口に咥えた。 「っ、悪い高校生だな」 「うん」 「それ以上に悪い教師だけど」  悪い生徒だよ。  ね、きっと、先生が俺の頭の中覗いたら驚くと思うよ。叱られるかも。そのくらい、俺の頭の中で、先生はたくさん汚されてる。 「先生は優しい先生じゃん」 「そんなことないよ。志保は知らないから」 「?」 「俺の頭の中で、志保が俺に何されてるか」 「!」 「志保、俺に理想とか持ってそうだから、幻滅するよ、きっと」  そんなことないよ。 「俺はお前が思ってるほど完璧じゃないし、ちゃんとした大人でもない。まぁ、生徒に手出してる時点でちゃんとしてるわけないけど」  そう言って、また苦笑いをこぼしながら、髪を撫でてくれた。 「友だち相手にヤキモチするような心の狭い男だし」  髪って、神経通ってる? じゃないとこんな感じないでしょ。  髪を撫でられただけで、ズキズキするなんて。下腹部のとこ。先生のこの先端で突かれて、この太い引っかかるところで擦り上げられて、この太いので押し潰すように何度も行き来される、身体の奥のとこが疼いてる。 「こんな、覚えなくていいこと、させて」  俺、感度、バグったのかな。口でしてあげてるのに、気持ち良くなって、奥がキュンってする。 「ろくでもない男だろ」  早く、これが欲しくなる。 「好き」 「……」  唾液まみれの先生のにキスをしてから口を離した。それから、先生の足の間で膝立ちになって、濡れた唇でキスをした。 「先生が好き」 「……」 「だから、これ、欲しい」  そう囁いて、いっぱい口で奉仕した先生の硬くて太い。 「ちょうだい、先生、早く」  それを手で撫でて、触れるだけのキスをしながら、自分の奥を自分の指で撫でてみる。 「先生の」 「っ」  恥ずかしいくらいにヒクついてる。勝手にもう物欲しそうに熟れてる。先生のを握って扱いてた手でほぐすと、いつもより興奮した。 「俺の方がきっとろくでもないよ」 「っ」  撫でて、先生に跨って、向かい合わせになって座りながら、早急に慣らした孔を指で広げた。 「良い子じゃないし。あ、あっ」 「っ」 「先生とこういうこと、あ、あぁぁぁぁっ」  そのまま、深く、一気に飲み込んだ。 「あっ」 「中、熱い」 「あ、だって、すご、気持ちい」 「挿れただけでイッた」 「あ、だって、も」  今日ずっと一日中こうしたくてたまらなかったんだから。 「ろくに慣らさずに挿れるから」 「あ、や」 「志保」 「動いて」  待たなくていいよ。 「お願い、先生」  優しくしないでいいよ。 「先生の好きに、して」  ずっと、言いたかった。 「めちゃくちゃに」  願望を言葉にした。 「して」  ねぇ、俺の願望で出来上がった先生はもっと俺のこと、激しく抱くから、もっとして平気だよ。  だから、キスをして、先生にキスをして火照った舌先を差し込みながら、イッたばっかの内側でしゃぶりつくように締め付けた。

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