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第50話 癒して
駄々をこねるように、先生の足元にしがみついてた。先生のことが俺の一番欲しいものだから。
「何か、あった?」
何も、ないよ?
別に、ない。
「おいで」
先生が腕を掴んで、俺を洗面所のところに座らせる。それから俺の唇を指で撫でて、真っ赤って呟きながら笑った。口でたくさん先生のをしてあげた後の唇だったから。濡れた口元に一つキスをして、優しく、俺の足を抱えてくれる。
「掴まって。落ちて怪我しないように」
「へ、き」
ゾクゾクした。
「挿れるよ」
すごいところで脚開いてる。
椅子じゃないところに座って、煌々と、少し冷たく冴えた色の照明に興奮してる身体を照らされて、ヒクついた孔がたまらないってヒクついてる。
「っ……せんせっ、いっ」
「うん」
「あっ」
その孔に先生の手が触れて、ぬるりとローションを絡ませた指が入ってくる。
「あっ、っ」
指に孔も、身体の奥も、気持ちも蕩けてく気がした。
「あっン」
そこ、好き。
それを先生はわかってるから、指を増やして、中を撫で回してくれる。甘い水音を立てながら、指を根本まで入れられてほぐされてく。
「あ、も、指、じゃなくて」
「っ」
「先生の、挿れて」
そう切なげな声で言って、手を伸ばして、先生の、さっき舐めてしゃぶったそれの切先を撫でた。指先で、切先の張り詰めた感触を確かめるようになぞってから、先端の小さな口、さっきたくさんキスしたそこを指でくすぐった。
「っ」
先生がキュって眉を寄せて、きついって顔してくれるの嬉しかった。
「っン、ん……ンンっ」
そのまま齧り付くように舌を絡ませるキスをしてくれると、気持ちがふわふわになったように柔らかくなって、甘ったるい欲情がつま先まで染み渡ってく感じがする。
先生にたくさんして欲しくなる。
このまま奥まで、全部、先生でいっぱいになりたくなる。
「志保」
「ぁっ」
早く、欲しい。
「あぁぁっ」
このまま、先生ので貫いて、奥まで。
「あぁぁぁっ」
深くゆっくりと、さっきしゃぶってた先生のが奥まで一気に挿入されて、その、奥が広げられる快感に身体が震えた。
「挿れただけで」
「あ、あ、だって、気持ちぃ」
不安定な場所でいっぱいに脚を広げた俺のお腹の上が自分の精液で濡れた。
「あぁっ、あ」
イッたばっかりの身体の奥を熱いので擦り上げられて、気持ち良くて。
お風呂はもうとっくに沸いてるのに。
風呂、入れるのに、まだ入りもしないで。
お互いに夢中で。
気持ちいい。
先生と一緒にセックスに溺れてるみたいで、嬉しい。
ベッドでもないこんな場所で求め合ってることにまた興奮が高まって、甘ったるい俺の声が響いてる。それから先生が突き上げてくれる度に、肌同士の弾けるような音。そして――。
「あ、ンっ、あぁ、奥、気持ち、ぃ」
身体の一番奥を暴かれて、可愛がられてる、卑猥な濡れた音。
「あっ……」
ゾクってする。
先生が俺を見つめながら、ちょっと怖いくらいの顔して、何度も何度も、奥を犯してくれると、たまらない。
「……っ」
「あ、あ、あ、そこ、気持ちい」
「……」
「あ、あンっ……あ、あぁっ、あ、先生」
激しく突き上げられながら、霰もない声を上げて。
「あぁぁっ、ぁ……先生?」
先生がちらりと視線を横にずらして何かを。
「どう、し、ン…………ンンっ」
どうしたの? と訊こうとした口をキスで塞がれた。
舌が俺の口の中を蹂躙するように動いて、舌を捕まえて、吐息ごと食べるみたいに深く、犯してくれる。
「んんっ」
「なんでもないよ」
「あ、ぁ……そこ、突いちゃっ」
「志保とセックスしてる時、俺って、こんな顔してたんだって、鏡」
あ、そっか。俺、今、背中、鏡に寄りかかってるんだっけ。
「見てただけ」
「ンっ」
そう言って、また深く濃厚なキスをくれる。
「んんっ」
キスしながら、何度も奥を先生ので突かれて。
「あ、あ、あ、これ、っ」
「っ」
おかしくなりそう。
もう、手で自分のこと支えてられないくらい、指先まで蕩けていく。
「あ、あぁっ、イク、先生」
身体が先生に媚びるように絡みつく。それを力強く掻き分けて、奥まで貫かれながら。
「んんんっ」
舌先も濃厚に絡め取られて。
「ン、んっ」
「志保」
「あっ」
今、そんな耳元で、乱れた吐息混じりに名前呼ばれたら。
「あ、ダメっ、イクっ」
「っ」
落ちちゃう。
「先生っ、あ、あ、ンっ、ンんっ、あっ」
激しい先生の腰つきに、絡み合って濃厚なキスの音に、場所も構わず溺れてるセックスに感じてる。
「好きだ」
「イクっ、あ、あぁぁぁぁぁぁっ」
達してた。告白と一緒に、奥を力強く貫かれた瞬間、勢い良く達して。
「あっ……っっンっ」
ぎゅっと締め付けて、射精の快感に染まり切った内側が先生にしゃぶりつく中を一気に引き抜かれて。
「あっ……つ、ぃ」
お腹の上に、先生のをかけられて、すごく熱いそれに身体が濡れて、またイった。
「あっ……先生」
すごい、たくさん。
「志保」
「ン……」
二人で乱れた呼吸を絡ませて、優しく、深く、やらしくキスを交わした。
「俺も、好き」
そう、告白すると、胸の奥が温かくなった。
あんなに毛羽立ってた気持ちはいつの間にか、ほぐされて、ふわふわと柔らかく、優しいものになっていた。
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