15 / 19
第15話
「はぁ…」
ノアは今日の食堂での出来事を思い出してため息をついた
なぜにあんなに注目されたのか
理由は一つ、ノアの笑顔がよほどおかしかったからだろう
そんなことくらいであんなに静かになるものか、と考えはしたが、なんせこっちの世界に来て楽しいと思えることが一つもなかったゆえに、自然に笑えたことはないに等しい
つまりこの顔は笑い慣れていないことを考えると、注目されるほどおかしな顔をしていたということはなくはない
というか、もうそれくらいしか考えられない
あの大人数に見られた時の、鋭い視線を思い出し身震いする
ルイスだけでなくグレンさえも驚いていたくらいだから、相当やばい顔だったんじゃ…
ノアはまた一つ、大きなため息をついた
「どうかなさいましたか?」
「…グレン、僕のこの顔どう思う?」
ノアはグレンにニコッと笑って見せた
なるべく今日の顔に寄せてみたが、グレンはあの時とは違っていつものにこやかな顔で言った
「お美しゅうございますよ」
「いや、そういうんじゃなくて…もういいや、考えないようにしよう」
上手く再現できず、ノアは結局思考を放棄した
もう過ぎたことなのだ
今更どうこう考えたって仕方ないことだ
今後はもう変な笑い方はしないようにしようとノアは心に決めたのだった
「ノア様、突然なのですが、本日アラン様からディナーのお誘いをお受けしました」
「はぁ?なぜ僕に?どうしてもっと早く言わないんだ」
「アラン様より、ノア様は必ず拒否するだろうから、ギリギリに知らせて欲しいと伺いました」
「そこまでわかっているのにどうして僕を誘うんだよ」
今日の昼間、何か話していたと思っていたが、まさかこんなことだなんて
昼から今までノアにそのことを一切隠していたと思うと、グレンのにこやかな笑顔が急に不気味に思えてきた
何を考えているのかわからないこの表情でも、今まで気にしなかったのは、グレンは主人に忠実だとわかっていたからだ
だがノアは今、”仮”の主人であり、命令の優先順位は兄であるアランの方が高い
あの時2人の会話の間に入り、自らアランの誘いを断ればよかったのに、愚かにもノアは2人を放置してその場を離れてしまったのだ
しまったと思った時にはもう遅い
「ノア様、お時間が迫っております。ご案内しますので、さぁ」
「い、嫌だ行きたくない…ねぇグレンお願いだから勘弁してよ」
「そう言わずに。ほら、参りましょう?」
いつも穏やかなグレンだが、こう言う時だけはとても強引になる
「いやだぁ、ムリい、行きたくないぃ」
子供のように駄々をこねてはみたが、もちろん逃してはもらえず、半ば無理矢理連れて行かれた
グレンに連れられたどり着いたのは、食堂の奥にある個室
一般生徒は使えない、生徒会専用の食事部屋だ
扉を開けると豪華な装飾品に囲まれた、これまた豪華な椅子にアランが待っていた
「遅かったな」
「はぁ、もうほんとに、もう…はぁ…」
奴の顔を見るとより一層苛立ちが増した
文句の一つでも言ってやりたいが、こいつに何を言っても無駄だろうし、今後変に絡まれても困る
ノアは出かけていた苦言を、ため息と共に空へ逃した
「何をしている、早く座れ」
「………」
扉の前でアランを睨むノアに座るよう催促する
ほんとは今にも出ていきたい気分だが、グッと堪えてグレンが引いた椅子に座った
「どうだここは。お前みたいな低級は使えない一室だ」
「はぁ…」
「喜べ。今日だけ特別にお前にも贅沢を味合わせてやる」
「………」
アランが何か言っている間に、グレンが次々と料理を並べていく
目の前に置かれた品は色とりどりで、皿に盛られた様はまるで芸術だ
だがノアはこれっぽっちも感動はしない
なぜなら目の前にいる人物のせいで、全てが台無しだからだ
アランは自慢げにノアを見ているが、その視線にストレスを感じた胃がキリキリと嫌な音を鳴らす
食欲なんて、一切わかなかった
「…なぜそうも不満そうな顔をする?」
「いえ、してません。ありがたく頂戴いたします」
ノアは一刻も早くこの場から出たくて、カトラリーを手に持った
習ったばかりでぎこちなかった作法は、この1ヶ月でほぼ飲み込んだ
今では他の貴族と比べても引けを取らないだろう
その様子を見てアランは意外そうな顔をしたが、ノアが食べ始めたことより、アランも食事を始めたようだ
しばらく無言の時間が続く
カトラリーがかちゃかちゃとなる音だけが響いた
その間、アランはチラチラとノアを見る
また何か文句を言うつもりだろうか
だが、ノアだって言われてばかりはうんざりだ
ノアは完璧な作法で、いつもなら山のように残す料理を好き嫌いせず綺麗に食した
完食とまではいかないが、いつもの倍以上は食べただろう
おかげで胃が拒否反応を起こして今にもひっくり返りそうになっていたが
「グレン、下げて」
「かしこまりました」
ノアはこれ以上は無理だと判断すると、グレンに皿を下げるよう言った
グレンは普段のノアの食事量を見ているので、いつもより空になった皿の量を見て大変満足そうに微笑んでいたが、アランはそうではなかった
「お前、それしか食べないのか?まさか、俺への当てつけに残しているのか?」
「いえ、とても美味でございました。ですが普段から少食気味なうえ、お許しを」
そう言えばアランはというと、ノアとは比べものにならないほど食べている
それもそのはず、アランのように魔術を得意とする人間は、食事によって魔力を補給している場合が多い
仕組みはよくわからないが、食べ物に残る生力がなんとか…
そのため魔術を極めた者は、剣士に負けず劣らずよく食べる
そんな彼から見たノアの食事など、子猫が齧った程度にしか見えないのだろう
ノアは魔力がないから補給する必要はない。さらにノアはオメガだから元々食べる量は少ない。体も小さい。
アランもそれは承知の上だから、ムスッと不機嫌に眉を寄せたが、それ以上は何も言わなかった
ノアの皿が下げ終わって少しするとアランも食べ終わったのか、行儀良く口を拭いた
お互い食べ終わったところだから、これ以上ここにいる必要はないと立ちあがろうとすると、目の前にスッと紅茶が出された
そして隣に出されたのは、美味しそうなチーズケーキだった
いつもなら甘いものはすぐに手につけるのに、今はただ、ケーキがただの砂糖のかたまりにしか見えない
結局一口紅茶を啜って終わった
「さて、本題に入ろう。グレン、席を外せ」
「なりません。わたくしはノア様のお傍を…」
「いいよ、グレン」
ノアはグレンの名前を読んだ
早く終わらせたいのだ。空気を読んで出て行ってくれ
ノアの表情からそんな気持ちを悟ったのだろう
アランの時とはうって変わって案外あっさりとグレンは引き下がった
「…かしこまりました。何かあればお呼びください」
グレンは配膳ワゴンを押して部屋から出ていった
グレンの気配が完全に部屋の外に行ったことを確認すると、アランは何かボソリと呪文のようなものを唱える
おそらくアランはこの部屋に防音魔法を施したのだろう
グレンの耳に届いてはいけないような内容など、思い当たるのは一つしかない
「前に、お前のチョーカーには追跡魔法がかかっていると言ったな」
「はい、僕がどこにいるのか把握できるだけでなく、一定の範囲…学園外に出た瞬間に知らせがいく仕組みでしょう。無理に外そうとしても同じように知らせが行きます」
「確証は?」
「…一度離れから脱走を試みた際も同じように捕まりました。その時はチョーカーはしていなかったので別のものにかけられた魔法だと思いますが」
以前、離れの庭に小さく開いた壁穴を見つけて、体を滑り込ませ塀を抜けたことがある
完全に傭兵の死角だったと言うのに、ものの数分でバレて捕まった
おそらくその時身につけていたアクセサリーが作動したのだろう
普段着の中にでさえそのような細工がされているのであらば、このチョーカーにも絶対に魔法がかかっているはずだ
だからまずは追跡魔法を解除しなければ脱走はままならない
父に悟られぬように取り外せるのは、魔術の質が高いアランが適任だ
だがそんなアランはというと難しい顔をして何か考えるような仕草をしていた
「ふむ…外すことは可能だが…」
「何か問題が?」
「一度にはできない。何度かに分けてちまちまと調整しながら解いていく。解除だけなら簡単だが、相手に悟られぬようにするにはダミーとして他のものに書き換える必要がある」
「…さいですか…」
「嫌そうだな」
「いえ、まぁ、はい…僕が頼んだことなので…」
ノアはぐったり項垂れた
予想はしていたが、高い技術を持つアランなら一発で出来るんじゃ、と期待していたが現実はそう甘くはない
このチョーカーは外せないのでアランに預けることはできない
つまりアランとノアは今日のように定期的に顔を合わせなければいけないのだ
後に来る嫌な出来事を想像して頭が痛くなる
「早速調べさせて貰おう。来い」
「……はぁ、なるべく早くしてくださいね」
頭を抱えるノアをよそに、アランは自分の元に来るよう、まるで犬を呼ぶように指でクイッと手招く
ムカつくし、近寄りたくないが、そうも言ってられない
すでに疲れ切っていたノアは怒ることもせず椅子を立ち上がると、アランの元に歩いた
今に始まった事ではない
貴族とは、いつだって傲慢な生き物だ。
ノアの気は進まないが、父にしていたように、アランの足元にちょこんと座った
チョーカーが見やすいように下ろした長い髪をかき集め、片方に流した
さぁ、とくと調べよ、と言うようにアランを下から見上げると、アランの顔はノアの考えていたものとは程遠い、困惑の表情を浮かべていた
「…?」
「……なぜ床に座るんだ」
アランの困惑気味な反応に、ノアは一瞬キョトンとするが、アランの言葉を聞いて顔にブワッと熱が集まるのがわかった
「………あ、えっ、ちが、つ、つい癖で…えっと」
「癖だと?」
「ち、違う、あなたが”来い”と言うから…」
「いや、隣に座れと言う意味だ…まさかお前、他の誰かにこのようなことを強制されているのか?」
「い、いいえ…気のせいです…すみません変なことして」
ノアはバッと立ち上がり、恥ずかしさのあまり顔を隠す
間違えた
離れにいた時、父はノアを自分好みに育てるため、ノアにいろんな"芸"を仕込んだ
ノアも父には逆らえず、言われた通りにしていた
父はノアを呼ぶ時、必ず足元に座るように躾けた
そうするのは2人きりの時だけだったが、幼い頃からなので、無理に歯向かうのもリスクがあるし、疑問に思っていたものの、そういうものなのだと諦めていた
その感覚が体に染み付いてしまっているために、ついうっかり父と同じように接してしまったのだ
あのクソ親父、絶対に許さない
ノアは羞恥に身を震わせたが、深呼吸して己を落ち着かせると、アランの言ったように隣にあった椅子に座った
そんなノアをアランは訝しげに見ていたが、ノアが椅子に座ったあたりで口を開く
「…アシュフォードか?」
「っ!?ち、違います!彼はただのせ、先輩です!」
「…なぜそう慌てているんだ、やはりお前…」
「違います!…もういいでしょうっ、早く調べてください!」
座った直前に、アランの口からいきなりルイスの名前が出てきて、ノアはまた慌てて立ち上がる
ガタッと音を出して立ち上がり、自分でも忙しい奴だ、と冷静に呆れたものだ
これ以上聞かれたくなくて、ノアは半ばやけになって椅子にガタンと音を立てて座る
アランに早くしろ、と圧をかけると、納得いかないような顔をしていたが、それ以上は何も聞いてこなかった
聞いていいのか、聞かない方がいいのか、最後まで迷っていたようだが、そこは空気を読んだらしい
ノアはホッとした
お前の父親に躾けられた、などと口が裂けても言えない
威厳ある自分の父親が、実の息子に芸を教える変態などと、アランもそんなこと知りたくないだろう
「お前がこんなに狼狽えているところを見るのは初めてだな」
「当たり前でしょう。僕らは会ってまだ1ヶ月ですよ。」
「……そうだな、俺はまだ、お前のことをよく知らないな…」
「はい?いいですよ、知らなくて。お互い不要な詮索はなしにしましょう。無意味ですから」
「そうか…」
気まずい雰囲気の中、ノアがそう言うと、アランは渇いた笑みを浮かべながら立ち上がる
その表情はどこか寂しそうに見えたが、その理由はノアには分からない
アランはノアに近づくと、その細い首に巻かれた煌びやかなチョーカーに手を近づける
どうやらやっとチョーカーを調べるらしい
ノアは見やすいように先と同様、髪をまとめて片方に流す
滑らかな髪に隠れていたノアの首筋があらわになり、微かにアランはごくりと喉を鳴らしたが、その音はノアの耳には届かなかった
「触るぞ」
「はい、どうぞ」
アランはチョーカーに手を伸ばす
控えめに触れたアランの指先が、カツンとぶつかる音がすぐ耳元で鳴り、ノアはピクリと肩を揺らした
アランはそんなノアに気を使ってか、チョーカー以外には触れないよう、慎重に触ってくれた
いつも横暴な態度で、ネチネチと絡んでくるアランに、そんな気遣いもできるんだな、とぼんやり思いながらも、早く終わって欲しいから、もっと雑に触ってくれてもいいのに、とも思った
実際に言うことはなかったが
「…アシュフォードとは、もう絡むな」
「またその話ですか。彼は違うと何度も…」
「それとは別の話だ」
アランは真剣な面持ちでチョーカーを見ながら、そんなことを言い始めたので、ノアは先の話を振り返されたと思い、鬱陶しそうに答えたが、アランはそんな言葉を遮るようにそう言った
「奴には黒い噂がある。生徒会の間では女たらしと呼ばれている」
「…先輩はそんなんじゃないです。そんな根も葉もない噂ごとを信じろと?」
ノアはルイスを悪く言われ、気分を悪くし不機嫌に声を揺らした
どうせこの人は、ノアが剣術科と関わるのが気に入らないだけだろうと思ったのだ
貴族の間には派閥がある
魔術を得意とするヴァロワ派閥と、剣術を得意とするアルディアス派閥。
誰にも強制ではないが、簡単に言うと陰キャと陽キャの振り分けみたいなものだ
この派閥は学内だけでなく、貴族の間に広まる風潮みたいなもの
魔術を極めるならヴァロワ派閥に、剣術を極めるならアルディアス派閥に、と暗黙の了解として振り分けられる
そしてこの二つの派閥は良くも悪くも、いつもライバル関係にあった
ノアは魔力を持たないが、一応ヴァロワ家の一員なので、そんなノアが陽キャもとい、アルディアス派閥とよろしくするのは、アランとしては避けたい事態のはずだ
それをはっきり言えばいいのに、この人はルイスを侮辱するような形でそんな台詞を吐くのか
じとりとした目でアランを睨む
彼もそれに気づいたようで、チョーカーから目線をノアに向ける
目と目がカチリとあった
その時初めてちゃんとアランの顔を見た気がする
ノアの目とは違った深緑の色をした瞳は、両はみえず片方は前髪に隠れているが、座ったノアを見下ろす際に髪が揺れチラリと見えた
まあ、整った顔だ。当たり前だが。
ノアは変わらずじとりとした目でアランを睨むと、アランはムッと口を結んだ
アランは椅子の背もたれにかけていた手を外すと、それをノアの顔に伸ばし
ピッとノアの鼻を指で弾いた
「いっ…痛いです」
「つべこべ言わず奴から離れろ」
「だからなぜ、あなたに決められなければ…」
「年上の言うことは聞くものだ」
アランは怒るノアを軽くあしらうと、今日は終いだ、と言って離れて行った
先ほどの台詞に納得はいかないがノアもアランの言葉に反応して立ち上がる
やっと帰れる
ノアは軽く伸びをしてグレンの待つ扉の外へ歩いた
「グレン、帰ろ」
「お待ちしておりました。では、ご一緒に」
「ノア」
グレンと部屋から立ち去ろうとすると、アランがノアを呼び止めた
初めて彼に名前を呼ばれたことに驚きはしたが、さほど気にせず普通に振り返った
「次は来週だ」
「はい、わかりました」
「遅れるなよ」
それだけ言われ、ノアとグレンはその場を離れた
ノアは一つため息をつく
しばらく歩いて、人目がなくなったところでノアは自室に向かって走り出した
「ノア様!?」
珍しく慌てたグレンを背後に、止まることなく走り続ける
階段を駆け登り、廊下の端まで行って、自分の部屋がこれほどまでに遠かったのかと、今更思った
自室に辿り着き、荒々しくドアを開けると、ノアはトイレに駆け込んだ
ごめんよグレン、もう限界だ
慌てふためくグレンの気配を感じながらも、ノアは便器に顔を向けた
「ん、んぷっ、げぇ…ごほっ」
「の、ノア様!」
ノアは最大に吐き散らした
あろうことか便器に顔を突っ込む貴族など無惨な姿だろうが、でなければ床に撒き散らすよりかはマシだろう
様子のおかしいノアに気づいたグレンは、嗚咽するノアの背を優しく撫でる
一度吐いてしまえば後は楽になった
顔を上げるとグレンがハンカチを差し出してきた
ノアは胃液で気持ち悪くなった口内を水でゆすいで、グレンからハンカチを受け取ると口元を拭った
「…グレン、次からこう言うことは事前に言ってよ…僕にも心の準備があるから」
「ああ、ノア様、申し訳ございません…私のせいでご無理を…」
「いや、グレンのせいじゃないけど…今度からは事前に伝えてほしい」
「はい…申し訳ございません…」
ノアが盛大に吐き散らした様子を見て、グレンは自分のせいだと言って肩を落とす
実際はいきなり予定を付けたアランと、張り合うように無理して食べまくったノアの自業自得だ
グレンは言われた通りに指示をこなしただけで何も悪くない
何度もそう伝えはしたが、グレンは悲しそうな顔で謝ることを辞めなかった
本当に申し訳なさそうに、ノアに謝るものだから、こちらが悪いことをしているような気分になった
「私が無理に連れ出してしまったから、アラン様に断りを入れなかったからこんなことに…」
珍しくネガティブなグレンは、しばらくそんなことを言っていたが、ノアは彼を責めるようなことはしなかった
グレンもきっと、良かれと思ってやったことなのだろう
グレンはヴァロワ家のことであれば何よりも1番に思ってくれる
面倒を見たノアと、育てたアランが仲良くなることをグレンは望んでいたのだ
しかし、ノアはわかっていながらも、それに応えることはできない
ノアがアランを嫌う理由は、アルファとオメガ以前に、2人の間にはもっと大きな溝がある
ノアはアランを許せない
許すわけにはいかないのだ
グレンには悪いがそれだけは譲れない
きっとノアの計画通りに事が進めば、グレンが望まない未来となるだろう
「すみませんノア様…わたくしがついておきながら…」
「もういいのグレン。なよなよしないでよ」
仕方なくノアはグレンを慰める
今後かけるであろう様々な迷惑を考えれば、こんなこと帳尻合わせにさえならない
そんな罪悪感から、ノアはグレンを慰め続けたのだ
ともだちにシェアしよう!

