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偏愛Ⅱ《竜side》3

élève 作詞:帝真竜 作曲:帝真竜 編曲:JEES 遠く離れた 君の声が聞こえる でも今はもう 会えないんだ 大切な存在が 消えた痛みに 悲しみが胸を 切り裂いていく 降り続く雨に向かって 手を伸ばす でも指先に触れたのは 虚しさだけ 涙が枯れ果てるまで 泣き続けたって 君はいない それが現実 孤独な旅路の中で 僕は気づく 過ぎ去ってしまったものに 囚われることは もうやめよう  今こそ立ち上がろう 僕にしかできないことを やり遂げるために 消えた音を思い出して 過去に縋らないで 今ここにある 未来を生きよう 舞い落ちる雪に向かって 手を伸ばす でも指先に触れたのは 冷たさだけ 足が摩りきれるまで 歩き続けたって 君はいない  それが現実 消えた音を思い出して 過去に縋らないで 今ここにある未来を生きていく ありがとう 愛しい人 僕はもう 歩けるから 泣くのは これで最後だよ ありがとう 愛しい人 僕は一人じゃないから ゆっくりと進んでいくよ この世界で生きていくために 必要なのは 強さと勇気と決意だけ 僕はまだ知らない未来へと向かう 繰り返す 痛みが 無垢な星空で消えていく そう だから 泣きそうなときは見上げるから 今は安心して おやすみ 「JEESもバラードかよ…」 「すっげぇ、歌唱力。前にも増して―…竜、歌えなかったんじゃねーの?」 「感情乗せすぎだろ…」 MAR RE TORRE同様、バラードを1曲も歌ってこなかった俺たちに周囲は驚いていた。 その驚きが終わる前に、いつものJEESのようにロックでポップな2曲目を続けた。 『soda float』 作詞:帝真竜 作曲:帝真竜 星空の下で ふたりきりで クリームソーダのように 甘く溢れる恋の予感 シャワーの音が 窓を打つ音 パチパチと弾ける 君との出会い アイスクリームのように 冷たい手に触れ わたあめのように ふわふわと包まれたい シュワシュワと弾ける 気持ちが広がる ミルクのように あたたかな笑顔 星空の下で 君との未来を描く クリームソーダのように 甘く弾ける愛を シャワーの音が 窓を打つ音 パチパチと弾ける 君との出会い アイスクリームのように 甘いキスをして わたあめのように ふわふわと溶け合いたい シュワシュワと弾ける 気持ちが広がる ミルクのように あたたかな笑顔 星空の下で 君との未来を描く クリームソーダのように 甘く弾ける愛を 星空の下で ふたりきりで クリームソーダのように 甘く溢れる恋の予感 1曲目とは真逆のギャップに周囲は飲み込まれている。 そして俺は笑顔でカメラに向かって、そして出番待ちをしているMAR RE TORREに向かって言った。 「JEESは本日完全復活しました。俺にパワーをくれたMAR RE TORREのメンバーに感謝します。ありがとうございました」 宝さんはもうすぐ自分の出番だというのに俺の傍に駆け寄り笑顔で飛び付く。 「リュウ!可愛い…!可愛い……ソーダの歌」 「この曲は宝さんのために作ったんだ。starry floatのラストの歌詞に『苦しくて 理解不能で 嫌になって 無理でもいい そう だから僕がいるよ』の頭文字がクリームソーダになってたから」 「気付いたの!?……嬉しい!…リュウ」 「宝ぁ!CM開け!歌!準備!」 素になってるヴァイアさんに連れられて、宝さんはその場を去った。 starry floatを聴いてお礼がしたくて、宝さんのように可愛くてポップなメロディをイメージしてメンバーに提案した。 いつものJEESのロックなバンドサウンドに少しポップさを混ぜたこの曲は、メンバーからも絶賛された。 俺の喉が本調子になるのはあと少しだけかかるけど、でも今は歌えることがとても嬉しい。 ―…ありがとう そして生放送終了後、JEESのsoda floatを素顔の宝さんと一緒に可愛く踊って歌った15秒間のショート動画を撮影した。 それをSNSに投稿した結果、1日で1000万回再生されめちゃくちゃバズり、JEESは更に世間からも注目を浴びた。

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