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偏愛Ⅴ≪ハルカside≫6

マサくんを好きだった頃、俺の恋愛は実ることなんてないと思っていた。 でもそれすら受け入れて、ようやく諦めたときに竜に出会って。 恋なんて…と思っていた俺が、 また人を好きになって、 追い続けて、 手が届くのに心は届かなくて… ずっとずっともどかしくて、 離れてまた諦めそうになって、 「ハルカさん、好き…」 ―…やっべぇ、泣きそうだ 「余裕ねぇからな…俺」 俺はその泣きそうな顔を見られないように竜を押し倒して、息継ぎも出来ないほどの激しいキスをした。 舌を絡めて、唇を舐めて、その唇を首筋から耳へと移動させ、耳を舐めながら囁いた。 「あいつらにされたことも、父親にされたことも、これから俺が全部消してやるから」 「めちゃくちゃにして、俺のこと。嫌なこと全部、ハルカさんで上書きして…んっ―…、ハルカさ、ん…、お願…いっ…全部、全部ハルカさんで満たして」 そう言われ、俺はあのビデオのことを思い出した。 あいつらに触れられたとこ全部、俺で上書きしてやる。 髪の毛にキスをし、額、頬、唇、耳、鎖骨を充分愛撫して、竜の口に指を入れ、乳首を攻めた。 「ふぁ―…ハル、カさ―…ん、ん…」 「お前が舐めてるその指、俺のだから。だから顔見えなくても安心しろ」 俺がそう言うと、俺の名を呼びながら必死にその指を舐める竜が愛しかった。 舌を尖らせ、乳頭の側面を往復しながら吸い付き、口の中で再び乳頭を攻める。 乳首を舐めながら、空いている手でもう片方の乳首を弄る。 「ふぁぅ…んっ、ハルカひゃ…ん―…それぇっ」 親指と人差し指で軽くキュッキュッと摘まんだり、乳頭の側面を弾いたり。 そして口と手を交代させて、別の乳首を攻め、交代させてを繰り返した。 「あっ、は―…んんっ!ハル、カさ―…、俺っ、イクッ―…」 乳首だけで竜をイカせ、ここまで触れた所は消毒完了したと思った。 竜は俺の指を舐めながら息を切らして言う。 「ハルカさん…俺の、口に挿れて…喉奥にハルカさんの精液ちょうだい…じゃないと俺、そこ…あいつらに…」 そう言って竜は、俺を押し倒して硬くなっている俺のモノにしゃぶりついた。 喉奥ギリギリまで挿入して、奥まで入ったら小刻みに動かして、そして口から肉棒を抜くとドロドロした粘液が絡み付いて。 今度は口をすぼめて亀頭からカリの部分まで上下させ、ヌチャヌチャしている竿部分は手で扱く。 その間の竜は、ずっと俺を見つめたまま行為を続けていた。 顔を見てないと不安なんだろうな、と理解し、俺は竜の頭を撫でながらその行為を見続けていた。 じゅぶじゅぶとイヤらしい音が響き、さすがに俺ももう限界だった。 「竜、イく―…」 俺がそう呟くと、竜は再び喉奥まで肉棒を咥えて俺が果てるまで喉奥で俺のモノを上下させた。 そして絶頂を迎える瞬間、竜の頭をぐっと引き寄せて全ての精液が出るまで押さえ続けた。 手を放し、竜は喉奥で俺の精液を飲み干してから俺を見つめて笑顔で言った。 「ここの上書きは完了しました」   笑顔なのに震えそうで。 その笑顔が余計に辛くて、消毒とか上書きとか忘れるぐらい俺を感じさせてやろうと思った。 そして俺は竜の首筋にキスマークをつけ、ベッドの背もたれに竜の背中をつけて寝かせた。 それは俺が今から下半身を愛撫している姿を、きちんと俺だと認識できるように見えるためだった。 少しでもフラッシュバックしないように。 今、竜を攻めているのが俺だと分かるように。 「竜、今お前を抱いているのは俺だ。不安になったら、どこにでも俺はお前のものだっていう印をつけて構わないから」 そして俺はベッドの背もたれに置いてあるローションを手に取り、竜の目の前で垂らす。 「竜…少しでも怖かったら言えよ」 「大丈夫です…続けて、ハルカさん」 ローションでヌチャヌチャになった指を竜の秘部にゆっくりと挿入する。 先ほど事前に竜が準備していたおかげで、すんなりと3本が奥まで入った。 「あっ―…んんっ!ハルカさんの、ゆび…気持ちいいっ…ん」 再び硬くなっている竜のモノを口に含んだ。 「ああっ!ん…ハルカさん―…ハルカさんっ」 指を動かしてナカを広げて、乳首を弄りながら口で肉棒を上下にさせると竜の体がピクピクなる。 「ハルカさ―…ん、んんっ…ん!ふぁ…んんっ」 気付くと竜は俺の左腕を舐めながら、時折そこをかじったり吸い付いたりしていた。 左腕に入っているタトゥーが俺だときちんと認識できるからだろうか。 竜が安心できるのなら、この左腕に一生噛み痕が消えなくてもいいと思った。 噛まれている痛みが快感へと変わった俺もさぞ変態だよなと心の中で笑った。   「イクッ、ハ…ルカさんッ―…イく、―い…クッ、イクッ―…!!」   竜は俺の腕を噛みながら絶頂を迎えた。

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